令和7年度 春期に実施されたITストラテジスト試験
午前Ⅱの全25問です。問題文・正解・解説をそのまま読めます。
この試験について:ITストラテジスト試験について
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問1
多数の被験者の検診データから,説明変数である年齢,飲酒の頻度及び喫煙本数が,目的変数であるガンの発症の有無に及ぼす影響を統計的に分析した上で,ある人の年齢,飲酒の頻度及び喫煙本数から,その人のガンの発症確率を推定するモデルを構築した。このとき用いられる分析手法はどれか。
検診データのサンプル
ア ABC 分析
イ クラスター分析
ウ 主成分分析
エ ロジスティック回帰分析 正解
正解 エ
解説
ロジスティック回帰分析は,複数の説明変数から,“発症する/しない”のような 2 値の目的変数が起こる確率を推定する分析手法である。年齢,飲酒の頻度及び喫煙本数を説明変数とし,ガンの発症の有無を目的変数として発症確率を推定するモデルを構築しているので,エが該当する。
アの ABC 分析は,売上高などの大きい順に項目を並べて重点管理の対象を決める手法である。イのクラスター分析は,目的変数をもたずに,似た性質のデータ同士をグループに分ける手法である。ウの主成分分析は,多数の変数を,情報をなるべく失わずに少数の合成変数に要約する手法である。いずれも,説明変数から目的変数の確率を推定するものではない。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問1(表記を一部改変)
問2
業務改善をするときのフレームワークである ECRS に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア 業務を簡素化することによって,担当作業者ごとの品質の差を無くしたり,ミスの防止につなげたりすることは,C(Combine)の視点である。
イ 作業工程順序や作業場所,担当作業者を入れ替えることによって,業務の効率向上を図ることは,S(Simplify)の視点である。
ウ 無駄な業務を排除していくことによって,事務工数を削減し,業務効率を上げることは,E(Eliminate)の視点である。 正解
エ 類似している業務を統合していくことや,その逆に異なる属性を有する業務を分離することは,R(Rearrange)の視点である。
正解 ウ
解説
ECRS は,Eliminate(排除),Combine(結合),Rearrange(交換),Simplify(簡素化)の頭文字を並べたもので,この順に検討すると改善の効果が大きいとされる。無駄な業務をやめてしまうことは E(Eliminate)に当たるので,ウが適切である。
アの簡素化は S(Simplify),イの工程順序や場所,担当者の入替えは R(Rearrange),エの類似業務の統合は C(Combine)であり,いずれも対応する頭文字が食い違っている。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問2(表記を一部改変)
問3
ある企業では,顧客データについて,顧客を性別,年齢層,職業,年収など複数の属性を組み合わせてセグメント化し,蓄積された大量の購買履歴データに照らして商品の購入可能性が最も高いセグメントを予測している。このときに活用される分析手法はどれか。
ア ABC 分析
イ SWOT 分析
ウ 競合分析
エ 決定木分析 正解
正解 エ
解説
決定木分析は,性別,年齢層,職業,年収などの属性を条件として,データを段階的に枝分かれさせて分類し,目的とする結果(ここでは商品を購入するかどうか)が起こりやすいグループを見つけ出す手法である。分類の過程が木構造で表されるので,どの属性の組合せのセグメントで購入可能性が高いかを予測・説明しやすい。エが該当する。
アの ABC 分析は,売上高などの大きい順に項目を並べて重点管理の対象を決める手法である。イの SWOT 分析は,自社の強み・弱みと外部環境の機会・脅威を整理する手法である。ウの競合分析は,競合他社の戦略や製品などを調べて自社と比較する手法である。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問3(表記を一部改変)
問4
プロジェクト開始時点で 150 百万円の支出を行う IT 投資プロジェクトにおいて,3 年間の金銭的価値を DCF 法で算定した場合,正しい算定結果は a〜d のどれか。ここで,割引率は 20%で固定とし,キャッシュフローは全て年度末に発生するものとする。また,金銭的価値の算定の際には年度ごとに百万円未満を切り捨てて計算する。
IT 投資プロジェクト(単位 百万円)
DCF 法による金銭的価値の算定結果(単位 百万円)
正解 ア
解説
DCF 法では,将来のキャッシュフローを割引率を用いて現在価値に換算する。割引率 20%のとき,n 年後のキャッシュフローは 1.2n で割る。
1 年後は 100÷1.2≒83.3 で 83,2 年後は 100÷1.44≒69.4 で 69,3 年後は 100÷1.728≒57.9 で 57(いずれも百万円未満切捨て)となる。合計は −150+83+69+57=59(百万円)であり,a のアになる。
b は 1+0.2×n のように単利で割り引いた値,c は毎年 1.2 で 1 回だけ割り引いた値であり,複利による割引になっていない。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問4(表記を一部改変)
問5
ODM における委託者と受託者の役割分担として,適切なものはどれか。
ア 設計:委託者,製造:委託者,販売:受託者
イ 設計:委託者,製造:受託者,販売:受託者
ウ 設計:受託者,製造:委託者,販売:委託者
エ 設計:受託者,製造:受託者,販売:委託者 正解
正解 エ
解説
ODM(Original Design Manufacturing)は,受託者が設計から製造までを引き受け,委託者はそれを自社のブランドで販売する形態である。エが適切である。
設計を委託者が行い,製造だけを受託者に任せるイの形は OEM(Original Equipment Manufacturing)である。ODM では受託者に設計力があるぶん,委託者は開発の負担を負わずに品揃えを広げられる一方,製品の中身が受託者に依存する。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問5(表記を一部改変)
問6
バリューチェーンの説明はどれか。
ア 企業活動を,五つの主活動と四つの支援活動に区分し,企業の競争優位の源泉を分析するフレームワーク 正解
イ 企業の内部環境と外部環境を分析し,自社の強みと弱み,自社を取り巻く機会と脅威を整理して明確にする手法
ウ 財務,顧客,内部ビジネスプロセス,学習と成長の四つの視点から企業を分析し,戦略マップを策定するフレームワーク
エ 商品やサービスを,誰に,何を,どのように提供するかを分析し,事業領域を明確にする手法
正解 ア
解説
バリューチェーン(価値連鎖)は,M.E.ポーターが提唱したフレームワークで,企業活動を購買物流,製造,出荷物流,販売・マーケティング,サービスの五つの主活動と,全般管理(インフラストラクチャ),人事・労務管理,技術開発,調達の四つの支援活動に分け,どの活動で価値が生まれ競争優位につながっているかを分析する。アが該当する。
イは SWOT 分析,ウはバランススコアカード,エは“誰に(顧客),何を(機能),どのように(技術)”で事業領域を定める事業ドメインの定義の説明である。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問6(表記を一部改変)
問7
コンテンツマーケティングの説明はどれか。
ア Web サイト上で,漫画,CG,キャラクターデザインなどのコンテンツを著作権者から預かって掲載し,販売収益から著作権者に利益を配分する手法
イ 商品やサービスを広めたいと考えている企業が,Web,テレビ CM,新聞広告などを用いて,企業側が伝えたいコンテンツを,大衆に一方的に発信する手法
ウ 潜在顧客に向けて,価値のあるコンテンツを作成し,情報発信することによって,潜在顧客との関係性を深め,最終的に自らの製品・サービスの購入につなげる手法 正解
エ 動画共有サイトに自主制作のコンテンツを継続的に公開して,ファンとなるコミュニティを形成することによって,企業からの広告料収入を得る手法
正解 ウ
解説
コンテンツマーケティングは,売り込みを前面に出さず,読み手にとって価値のある記事や動画などを作って発信し続けることで,潜在顧客との関係を築き,やがて自社の製品・サービスの購入につなげる手法である。ウが該当する。
アは著作権者からコンテンツを預かって掲載し収益を配分する仕組み,イは企業が伝えたいことを一方的に流すマスマーケティング(アウトバウンド型の広告),エは動画共有サイトの投稿者が広告料を得るモデルの説明であり,いずれも自社の製品の購入につなげるための情報発信ではない。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問7(表記を一部改変)
問8
マーケティング戦略の策定プロセスを幾つかのブロックに分けて順番に並べたとき,図の d に入るものはどれか。ただしア〜エは a〜d のいずれかに入るものとする。
ア 環境分析
イ マーケティングミックス決定 正解
ウ ターゲット特定
エ 市場細分化
正解 イ
解説
マーケティング戦略の策定は,まず市場や競合,自社の状況を調べる a の環境分析から始まる。次に市場を似た性質の顧客の集まりに分ける b の市場細分化(セグメンテーション),その中から狙う層を選ぶ c のターゲット特定(ターゲティング),選んだ層の中で自社の製品をどう位置付けるかを決めるポジション決定(ポジショニング)と進む。位置付けが決まれば,それを実現する製品・価格・流通・販促の組合せを決める段階になるので,d にはマーケティングミックス決定が入り,イが正しい。
アの環境分析は a,エの市場細分化は b,ウのターゲット特定は c に入る。市場細分化・ターゲット特定・ポジション決定の三つは頭文字をとって STP と呼ばれ,マーケティングミックスの決定はその後に続く段階である。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問8(表記を一部改変)
問9
需要の価格弾力性に関する説明として,適切なものはどれか。
ア 多くの競合他社が代替品を提供している場合,価格弾力性が小さくなりやすい。
イ 価格弾力性が大きい商品の場合,値上げをしても需要量に大きな変化は見られない。
ウ 価格弾力性の値が 1 の場合,価格を下げても需要量は変化しない。
エ 必需品と贅沢品を比較した場合,一般に必需品の方が価格弾力性は小さい。 正解
正解 エ
解説
需要の価格弾力性は,価格が変化したときに需要量がどれだけ変化するかを,需要量の変化率÷価格の変化率で表したものである。生活に欠かせない必需品は,価格が上がっても購入量をあまり減らせないので価格弾力性が小さく,贅沢品は価格が上がると購入を控えやすいので価格弾力性が大きい。エが適切である。
アは誤りで,代替品が多いと値上げした際に他の商品に乗り換えられやすいので,価格弾力性は大きくなりやすい。イも誤りで,価格弾力性が大きい商品は,値上げによって需要が大きく減少する。ウも誤りで,価格弾力性が 1 の場合は価格の変化率と同じ率で需要量が変化する。需要量が変化しないのは価格弾力性が 0 の場合である。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問9(表記を一部改変)
問10
消費者行動研究者ヘンリー・アサエルは,消費者と製品との関わりの程度と,消費者がブランド間の違いを知覚できる程度によって,消費者の購買行動が異なるとし,図に示す四つの製品タイプ(型)を導出した。この図において,不協和低減型に分類される製品に対する消費者の行動はどれか。
ア 消費者は,他のブランドへの乗換えにほとんど抵抗感がないので,目新しさや多様性を求めて,様々なブランドの製品を試しに購入する行動が見られる。
イ 消費者は,どのブランドも同じようだと感じるので,“いつも購入している”,“最初に目に付いた”,“単に知っている”などを理由にブランドを選ぶ傾向がある。
ウ 消費者は,どのブランドを購入すればよいか見分けがつかないまま購入し,その後にブランドの評価を行うので,購入後に何らかの後悔を感じる傾向がある。 正解
エ 消費者は,まずブランド間の差異を認識した上で,様々な観点でブランド間の違いに関する分析・評価を繰り返した後に,最終的に購入するブランドを決定する。
正解 ウ
解説
アサエルの枠組みでは,不協和低減型は,関与の程度は高いのにブランド間の違いが分かりにくい製品(じゅうたんや家具など)に当たる。買う前に違いを見分けられないまま決めるため,購入後に“ほかのほうがよかったのではないか”という認知的不協和(後悔)を感じやすい。ウが該当する。
アは関与が低くブランド間の違いが分かるバラエティシーキング型,イは関与が低く違いも分かりにくい習慣購買型,エは関与が高く違いも分かる複雑な購買行動型の説明である。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問10(表記を一部改変)
問11
次の記述は,バランススコアカードによる戦略マップの四つの視点において,ある視点とそれ以外の視点との関係性について,R.S. キャプランと D.P. ノートンが説明したものである。説明に該当する視点はどれか。
無形資産は持続可能な価値創造の究極の源泉である。この視点の目的は人材,技術及び組織風土が戦略を支えるためにどのように結びついているのか説明することにある。この視点に関する測定値の改善は,他の三つの視点の業績の先行指標である。
ア 財務の視点
イ 顧客の視点
ウ 内部プロセスの視点
エ 学習と成長の視点 正解
正解 エ
解説
バランススコアカードの四つの視点のうち,人材,情報システム,組織風土といった無形資産を扱うのが学習と成長の視点である。ここでの改善が内部プロセスの改善を生み,それが顧客価値を高め,最後に財務の成果に結び付くという因果の順に戦略マップが描かれるので,この視点の測定値は他の三つの先行指標になる。エが該当する。
アの財務の視点は最も後ろに置かれる結果の指標,イの顧客の視点は顧客から見た価値,ウの内部プロセスの視点は顧客価値を生むために優れていなければならない業務の指標であり,いずれも無形資産そのものを扱う視点ではない。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問11(表記を一部改変)
問12
マルチサイドプラットフォームのビジネスモデルに関する説明はどれか。
ア 顧客価値を創造するために,複数の異なる種類の顧客セグメントをつなぎ合わせ,顧客セグメント間の交流を促進する仕組みを提供するモデルである。 正解
イ 顧客との良好な関係を築き収益拡大を図るために,顧客データベースの構築を前提として,顧客との様々な局面でのコミュニケーションを支援するモデルである。
ウ 製造業において,事業の多角化を図るために,現在の製品の川上となる部品の製造と,川下となる販売事業に同時に進出するモデルである。
エ 複数の異なる仕様の機種や OS で同じように動作するソフトウェアやサービスを提供することによって利用者を増やし,事業拡大を図るモデルである。
正解 ア
解説
マルチサイドプラットフォームは,性質の異なる複数の顧客グループ(例えば,買い手と売り手,利用者と広告主)をつなぎ合わせ,グループ間の交流や取引を促進する仕組みを提供することで価値を生み出すビジネスモデルである。一方のグループの利用者が増えるほど,もう一方のグループにとっての価値も高まるネットワーク効果が働く。アが該当する。
イは顧客データベースを活用して顧客との関係を強化する CRM,ウは部品製造から販売まで事業の範囲を広げる垂直統合,エは異なる機種や OS で同じように利用できるようにするクロスプラットフォームの説明である。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問12(表記を一部改変)
問13
SCM から発展した概念の一つである S&OP(Sales and Operations Planning)の説明はどれか。
ア 顧客情報の管理,見積りの管理,見込案件の管理,商談活動の履歴管理などによって,営業プロセスの効率向上と,顧客情報の分析による戦略的な営業計画の策定を図る手法
イ 顧客セグメンテーション,Web サイト・電子メール・ソーシャルメディアを活用したマーケティング,キャンペーン管理などによって,マーケティングプロセスの効率向上と見込客の育成を図る手法
ウ 新製品・既存製品の顧客重視型マーケティング計画と,サプライチェーンの管理とを融合して,継続的な競争優位性の確立に向けて戦略的に事業を推進する能力を経営者に提供する,戦略的計画の策定プロセス 正解
エ 製品の企画,設計開発,製造,保守及び回収・廃棄といったライフサイクル全体に渡って,製品情報を一元的かつ包括的に管理することによって,製品品質,コスト,納期の改善を目指すプロセス
正解 ウ
解説
S&OP(Sales and Operations Planning)は,販売計画と生産・供給の計画を一つの計画にすり合わせ,需要の見通しと供給の能力を突き合わせたうえで,経営者が数字で意思決定できるようにする仕組みである。SCM を販売・マーケティング側まで広げ,経営計画と結び付けた点が特徴で,ウが該当する。
アは営業活動を支援する SFA,イはマーケティング活動を自動化・効率化するマーケティングオートメーション,エは製品情報をライフサイクル全体で一元管理する PLM の説明である。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問13(表記を一部改変)
問14
技術経営における“魔の川”の説明として,適切なものはどれか。
ア 研究の開始までに横たわる障壁
イ 研究の結果を基に製品開発するまでの間に横たわる障壁 正解
ウ 事業化から市場での成功までの間に横たわる障壁
エ 製品開発から事業化までの間に横たわる障壁
正解 イ
解説
技術経営(MOT)では,研究開発の成果が事業として成功するまでに越えなければならない障壁を三つに例えている。研究の結果を基に製品開発へ進むまでの障壁が“魔の川”,製品開発から事業化までの障壁が“死の谷”,事業化してから市場で競争に勝ち残るまでの障壁が“ダーウィンの海”である。イが該当する。
ウはダーウィンの海,エは死の谷の説明である。アの研究の開始までの障壁を指す言葉はない。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問14(表記を一部改変)
問15
エネルギーマネジメントシステムの導入では,エネルギーパフォーマンスの評価と改善を行うエネルギーレビューのプロセスが重要な管理のポイントとなる。生産工場におけるエネルギーレビューのプロセスを“エネルギーの使用及び使用量データの分析”,“著しいエネルギーの使用の特定と特性の把握”,“エネルギーパフォーマンス改善の機会と優先度の決定”,及び“将来のエネルギーの使用及びエネルギー使用量の予測”の四つの活動内容に分類した場合,“著しいエネルギーの使用の特定と特性の把握”に該当するものはどれか。
ア 生産施設,生産設備,生産プロセスなどの操業条件のうち,エネルギー使用量への影響が大きい要素や関連する要素を明らかにする。 正解
イ 製造プロセス省エネ化技術,省エネ化システム・加工技術,省エネプロダクト加速化技術などの,導入の優先度を決定する。
ウ 設備単位又は設備群単位,作業工程単位によるきめ細かいエネルギー使用量を収集する。
エ 月々の電気料金請求書,契約使用量超過請求書,計測メーターの読取数値などのデータを基にエネルギー分析を行う。
正解 ア
解説
エネルギーレビューでは,まず使用量データを分析し,次にエネルギー使用量への影響が大きい設備や工程,その特性を明らかにする。この“著しいエネルギーの使用の特定と特性の把握”に当たるのがアである。どこを直せば効くのかを見定める段階に当たる。
イは,どの省エネ技術から入れるかを決める“エネルギーパフォーマンス改善の機会と優先度の決定”。ウとエは,設備単位の使用量を集めたり請求書などのデータを分析したりするもので,“エネルギーの使用及び使用量データの分析”に当たる。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問15(表記を一部改変)
問16
ティアダウンの説明はどれか。
ア 市場の要求である“要求品質”と,提供する側の技術である“技術特性”の 2 元表を作成し,顧客の要求を満たすための機能を明確にする手法
イ 整理・整頓することによって事故やけがを防止し,作業効率の低下を防ぐ活動
ウ 他社の製品を分解し,分析して自社の製品と比較することによって,コストや性能面でより高い競争力をもった製品を開発する手法 正解
エ 物作りの仕組みの中の無駄を,現場の知恵を出し合って排除する活動
正解 ウ
解説
ティアダウンは,他社の製品を分解して部品の構成,材料,加工方法などを自社製品と並べて比べ,コストや性能の差がどこから生じているのかを目に見える形で明らかにする手法である。その結果を設計に反映して,より競争力の高い製品の開発につなげる。ウが正しい。
アは,市場が求める要求品質と提供側の技術特性を二元表(品質表)にして対応関係を明らかにする品質機能展開(QFD)である。イは,整理・整頓を中心に職場環境を整える 5S 活動である。エは,現場の作業者が知恵を出し合って物作りの仕組みから無駄を排除するカイゼン活動の説明である。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問16(表記を一部改変)
問17
サイバーフィジカルシステム(CPS)の説明として,適切なものはどれか。
ア 1 台のサーバ上で複数の OS を動かし,複数のサーバとして運用する仕組み
イ 仮想世界を現実かのように体感させる技術であり,人間の複数の感覚を同時に刺激することによって,仮想世界への没入感を与える技術
ウ 現実世界のデータを収集し,仮想世界で分析・加工して,現実世界側にリアルタイムにフィードバックすることによって,付加価値を創造する仕組み 正解
エ 電子データだけでやり取りされる通貨であり,法定通貨のように国家による強制通用力をもたず,主にインターネット上での取引などに用いられるもの
正解 ウ
解説
サイバーフィジカルシステム(CPS)は,センサーなどで現実世界(フィジカル空間)のデータを収集し,サイバー空間でコンピュータによって分析・加工して,その結果を現実世界にフィードバックすることで,新たな価値を生み出す仕組みである。ウが適切である。
アは1台の物理サーバで複数の OS を動かすサーバ仮想化,イは仮想世界への没入感を与える VR(バーチャルリアリティ),エは国家による強制通用力をもたない電子的な通貨である暗号資産(仮想通貨)の説明である。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問17(表記を一部改変)
問18
J. コッターが,変革を生み出すリーダーシップに求められる機能として位置付けているものはどれか。
ア 計画立案,組織の設計,人の配置
イ 販売管理,財務管理,人事管理
ウ ビジョンの提示,動機付け,コーチング 正解
エ 予算編成,問題解決,コントロール
正解 ウ
解説
J. コッターは,マネジメントとリーダーシップを別の機能として区別した。マネジメントは計画と予算の立案,組織化と人員配置,統制と問題解決によって複雑な状況を秩序立てて処理する。これに対しリーダーシップは,進むべき方向(ビジョン)を示し,人々の心を一つにまとめ,動機付けることによって変革を生み出す。ウが該当する。
アの計画立案・組織の設計・人の配置,エの予算編成・問題解決・コントロールは,いずれもコッターがマネジメントの機能として挙げているものである。イは職能別の管理業務であって,変革を生み出す機能ではない。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問18(表記を一部改変)
問19
キャッシュフロー計算書において,投資活動によるキャッシュフローに該当するものはどれか。
ア 株式の発行による収入
イ 商品の仕入による支出
ウ 損害賠償金の支払による支出
エ 有形固定資産の売却による収入 正解
正解 エ
解説
キャッシュフロー計算書は,営業活動・投資活動・財務活動の三つに区分される。投資活動によるキャッシュフローは,固定資産や有価証券の取得・売却など,将来の収益のための資金の出入りを表す。有形固定資産の売却による収入はこれに当たり,エが正しい。
アの株式の発行による収入は,資金の調達なので財務活動に当たる。イの商品の仕入による支出とウの損害賠償金の支払による支出は,本業やそれに伴う取引から生じるもので,営業活動に区分される。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問19(表記を一部改変)
問20
債務超過の状態を表しているものはどれか。
ア 純資産合計がマイナスである。 正解
イ 負債合計が自己資本よりも大きい。
ウ 負債合計が資本金よりも大きい。
エ 利益剰余金がゼロである。
正解 ア
解説
債務超過は,負債の総額が資産の総額を上回っている状態である。貸借対照表では資産=負債+純資産なので,負債が資産を超えると純資産の合計がマイナスになる。アが該当する。
イの負債合計が自己資本より大きい状態や,ウの負債合計が資本金より大きい状態は,借入れの多い会社ではふつうに起こり,債務超過を意味しない。エの利益剰余金がゼロも,資本金が残っていれば純資産はプラスのままである。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問20(表記を一部改変)
問21
当期末の決算において,表に示した損益計算資料が得られた。日本基準で当期の営業利益は何百万円か。
損益計算資料(単位 百万円)
正解 イ
解説
営業利益は,売上高から売上原価を引いて売上総利益を求め,さらに販売費及び一般管理費を引いて求める。1,500−1,000−200=300 百万円で,イが正しい。
営業外収益と営業外費用は本業以外の損益で,営業利益には含めない。これらを加減した 300+40−30=310(ウ)は経常利益である。エの 500 は売上総利益で,アの 270 は営業外収益を加えずに営業外費用だけを引いた値である。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問21(表記を一部改変)
問22
フェアユースの説明はどれか。
ア 国及び地方公共団体,並びにこれに準ずる公的機関は,公共の福祉を目的として他者の著作物を使用する場合,著作権者に使用料を支払う必要がないという考え方
イ 著作権者は,著作権使用料の徴収を第三者に委託することが認められており,委託を受けた著作権管理団体はその徴収を公平に行わなければならないという考え方
ウ 著作物の利用に当たっては,その内容や題号を公正に取り扱うため,著作者の意に反し,利用者が勝手に変更,切除その他の改変を行ってはならないという考え方
エ 批評,解説,ニュース報道,教授,研究,調査などといった公正な目的のためであれば,一定の範囲での著作物の利用は,著作権の侵害に当たらないという考え方 正解
正解 エ
解説
フェアユースは,批評,解説,報道,教育,研究などの公正な目的であれば,一定の範囲で著作物を利用しても著作権侵害に当たらないと評価する考え方。米国著作権法などが採用している包括的な権利制限の枠組みで,日本の著作権法は個別の権利制限規定を並べる方式をとっている。
アのような公的機関を一律に免除する考え方はない。イは著作権等管理事業の説明,ウは著作者人格権のうちの同一性保持権の説明である。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問22(表記を一部改変)
問23
プログラムの排他制御の不備によって,プロセスやスレッドが共有リソースに同時アクセスした場合に想定外の動作をするという問題はどれか。
ア クロスサイトリクエストフォージェリ
イ ディレクトリトラバーサル
ウ バッファオーバーフロー
エ レースコンディション 正解
正解 エ
解説
レースコンディション(競合状態)は,複数のプロセスやスレッドが同じ資源を同時に扱ったときに,処理の順序やタイミングによって結果が変わってしまう問題である。排他制御が抜けていると,確認したときと実際に使うときの間に別の処理が割り込み,想定外の動作を引き起こす。エが該当する。
アのクロスサイトリクエストフォージェリは,利用者の意図しない要求を別サイトから送らせる攻撃。イのディレクトリトラバーサルは,相対パスを使って公開範囲の外のファイルを読み出す攻撃。ウのバッファオーバーフローは,確保した領域を超えて書き込ませる攻撃であり,いずれも排他制御の不備によるものではない。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問23(表記を一部改変)
問24
JPCERT コーディネーションセンター“CSIRT ガイド(2021 年 11 月 30 日)”では,CSIRT の機能をサービス対象によって六つに分類しており,その一つにベンダーチームがある。ベンダーチームの機能とサービス対象の組みとして,適切なものはどれか。
ア 機能:インシデント対応の中で,CSIRT 間の情報連携,調整を行う。,サービス対象:他の CSIRT
イ 機能:インシデントの傾向分析やマルウェアの解析,攻撃の痕跡の分析を行い,必要に応じて注意を喚起する。,サービス対象:関係組織,国又は地域
ウ 機能:自社製品の脆弱性に対応し,パッチ作成や注意喚起を行う。,サービス対象:自組織及び自社製品の利用者 正解
エ 機能:組織内 CSIRT の機能の一部又は全部をサービスプロバイダとして,有償で請け負う。,サービス対象:顧客である組織
正解 ウ
解説
JPCERT/CC の“CSIRT ガイド”は,CSIRT をサービス対象によって六つに分類している。このうちベンダーチームは,自社が開発・提供する製品の脆弱性に対応し,パッチの作成や利用者への注意喚起を行うもので,サービス対象は自組織及び自社製品の利用者である。ウが適切である。
アはサービス対象を他の CSIRT とし,インシデント対応における連携・調整を行うコーディネーションセンター。イは関係組織や国・地域を対象に傾向分析やマルウェア解析を行う分析センター。エは顧客である組織に,組織内 CSIRT の機能を有償で提供するインシデントレスポンスプロバイダーの説明である。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問24(表記を一部改変)
問25
デジタルフォレンジックスに該当するものはどれか。
ア 画像,音楽などのデジタルコンテンツに著作権者などの情報を埋め込む。
イ コンピュータやネットワークのセキュリティ上の弱点を発見するテストとして,システムを実際に攻撃して侵入を試みる。
ウ 巧みな話術,盗み聞き,盗み見などの手段によって,ネットワークの管理者,利用者などから,パスワードなどのセキュリティ上重要な情報を入手する。
エ 犯罪に関する証拠となり得るデータを保全し,調査,分析,その後の訴訟などに備える。 正解
正解 エ
解説
デジタルフォレンジックスは,不正アクセスや情報漏えいなどの事件が起きたときに,コンピュータやネットワークに残る記録を証拠として使えるように保全し,調査・分析する技術や手続のことである。証拠としての信頼性を保つため,改ざんされていないことを示せる形で複製や記録を残し,訴訟などにも耐えられるようにする。エが正しい。
アは電子透かし,イはペネトレーションテスト,ウはソーシャルエンジニアリングの説明である。
出典:令和7年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問25(表記を一部改変)
ほかの年度
令和7年度 秋期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和3年度 春期 午前Ⅱ
令和元年度 秋期 午前Ⅱ
平成30年度 秋期 午前Ⅱ
平成29年度 秋期 午前Ⅱ
平成28年度 秋期 午前Ⅱ
平成27年度 秋期 午前Ⅱ
平成26年度 秋期 午前Ⅱ
平成25年度 秋期 午前Ⅱ
平成24年度 秋期 午前Ⅱ
平成23年度 秋期 午前Ⅱ
平成22年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 秋期 午前Ⅱ
令和7年度 春期 午前Ⅱ
令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和3年度 春期 午前Ⅱ
令和元年度 秋期 午前Ⅱ
平成30年度 秋期 午前Ⅱ
平成29年度 秋期 午前Ⅱ
平成28年度 秋期 午前Ⅱ
平成27年度 秋期 午前Ⅱ
平成26年度 秋期 午前Ⅱ
平成25年度 秋期 午前Ⅱ
平成24年度 秋期 午前Ⅱ
平成23年度 秋期 午前Ⅱ
平成22年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 秋期 午前Ⅱ
令和7年度 春期 午前Ⅱ
令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和3年度 春期 午前Ⅱ
令和元年度 秋期 午前Ⅱ
平成30年度 秋期 午前Ⅱ
平成29年度 秋期 午前Ⅱ
平成28年度 秋期 午前Ⅱ
平成27年度 秋期 午前Ⅱ
平成26年度 秋期 午前Ⅱ
平成25年度 秋期 午前Ⅱ
平成24年度 秋期 午前Ⅱ
平成23年度 秋期 午前Ⅱ
平成22年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 秋期 午前Ⅱ
令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和3年度 春期 午前Ⅱ
令和元年度 秋期 午前Ⅱ
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平成26年度 秋期 午前Ⅱ
平成25年度 秋期 午前Ⅱ
平成24年度 秋期 午前Ⅱ
平成23年度 秋期 午前Ⅱ
平成22年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 秋期 午前Ⅱ
令和7年度 秋期 午前Ⅱ
令和6年度 秋期 午前Ⅱ
令和5年度 秋期 午前Ⅱ
令和4年度 秋期 午前Ⅱ
令和3年度 秋期 午前Ⅱ
令和2年度 10月 午前Ⅱ
平成31年度 春期 午前Ⅱ
平成30年度 春期 午前Ⅱ
平成29年度 春期 午前Ⅱ
平成28年度 春期 午前Ⅱ
平成27年度 春期 午前Ⅱ
令和7年度 秋期 午前Ⅰ
令和7年度 春期 午前Ⅰ
令和7年度 春期 午前Ⅱ
令和7年度 春期 午後Ⅰ
令和6年度 秋期 午前Ⅰ
令和6年度 春期 午前Ⅰ
令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和6年度 春期 午後Ⅰ
令和5年度 秋期 午前Ⅰ
令和5年度 春期 午前Ⅰ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午後Ⅰ
令和4年度 秋期 午前Ⅰ
令和4年度 春期 午前Ⅰ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午後Ⅰ
令和3年度 秋期 午前Ⅰ
令和3年度 春期 午前Ⅰ
令和3年度 春期 午前Ⅱ
令和3年度 春期 午後Ⅰ
令和2年度 10月 午前Ⅰ
令和元年度 秋期 午前Ⅰ
令和元年度 秋期 午前Ⅱ
令和元年度 秋期 午後Ⅰ
平成31年度 春期 午前Ⅰ
平成30年度 秋期 午前Ⅰ
平成30年度 秋期 午前Ⅱ
平成30年度 秋期 午後Ⅰ
平成30年度 春期 午前Ⅰ
平成29年度 秋期 午前Ⅰ
平成29年度 秋期 午前Ⅱ
平成29年度 秋期 午後Ⅰ
平成29年度 春期 午前Ⅰ
平成28年度 秋期 午前Ⅰ
平成28年度 秋期 午前Ⅱ
平成28年度 秋期 午後Ⅰ
平成28年度 春期 午前Ⅰ
平成27年度 秋期 午前Ⅰ
平成27年度 春期 午前Ⅰ
平成27年度 秋期 午前Ⅱ
平成27年度 秋期 午後Ⅰ
平成26年度 秋期 午前Ⅰ
平成26年度 秋期 午後Ⅰ
平成26年度 春期 午前Ⅰ
平成25年度 秋期 午前Ⅰ
平成25年度 秋期 午後Ⅰ
平成25年度 春期 午前Ⅰ
平成24年度 秋期 午前Ⅰ
平成24年度 秋期 午後Ⅰ
平成24年度 春期 午前Ⅰ
平成23年度 秋期 午前Ⅰ
平成23年度 秋期 午後Ⅰ
平成23年度 特別試験 午前Ⅰ
平成22年度 秋期 午前Ⅰ
平成22年度 秋期 午後Ⅰ
平成22年度 春期 午前Ⅰ
平成21年度 秋期 午前Ⅰ
平成21年度 秋期 午後Ⅰ
平成26年度 秋期 午前Ⅱ
平成25年度 秋期 午前Ⅱ
平成24年度 秋期 午前Ⅱ
平成23年度 秋期 午前Ⅱ
平成22年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 春期 午前Ⅰ