平成27年度 秋期に実施されたITサービスマネージャ試験
午前Ⅱの全25問です。問題文・正解・解説をそのまま読めます。
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問1
ITIL では,リスクを管理する際のフレームワークの一つとして,Risk IT フレームワークを取り上げている。Risk IT フレームワークの説明はどれか。
ア “原則”,“アプローチ”,“プロセス”,“組込みとレビュー”の四つの概念に基づくフレームワークを適用し,プロセスは“識別”,“評価”,“計画”,“実施”のステップに従ってリスクを管理する。
イ “コミュニケーション及び協議”,“組織の状況の確定”,“リスクアセスメント”,“リスク対応”,“モニタリング及びレビュー”の五つのプロセスに基づき,リスクを管理する。
ウ “リスクガバナンス”,“リスク評価”,“リスク対応”の三つの領域において,事業目標と関連付けて,リスクを管理する。 正解
エ “リスクマネジメントは,不確かさに明確に対処する”といったリスクマネジメントの 11 の原則を遵守して,効果的にリスクを管理する。
正解 ウ
解説
Risk IT フレームワークは ISACA が公表したもので,“リスクガバナンス”“リスク評価”“リスク対応”の三つの領域からなる。IT リスクを技術の問題として閉じずに,事業目標と関連付けて経営の視点から扱う点が特徴。
アは M_o_R(Management of Risk)の説明。イは JIS Q 31000(ISO 31000)のリスクマネジメントプロセス,エは同じ規格が掲げるリスクマネジメントの原則の説明である。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問1(表記を一部改変)
問2
ITIL によれば,サービスポートフォリオの構成要素のうち,サービスパイプラインに収録されるサービスはどれか。
ア 開発が完了し,顧客に提供することが可能なサービス
イ 今後,段階的に停止されたり,取り消されたりするサービス
ウ サービスオペレーション段階で実行されているサービス
エ 将来提供する予定である開発中のサービス 正解
正解 エ
解説
サービス・ポートフォリオは,サービス・パイプライン,サービス・カタログ,廃止済みサービスの三つからなる。このうちサービス・パイプラインは,構想中や開発中で,将来提供する予定のサービスを収めた部分。顧客には公開しない。
アの提供可能なサービスとウの稼働中のサービスはサービス・カタログ,イの段階的に停止・取消しをするサービスは廃止済みサービスに当たる。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問2(表記を一部改変)
問3
次の図は,ITIL のサービスライフサイクルの各段階の説明と流れである。a〜d の段階名の適切な組合せはどれか。
ア a:サービスストラテジ,b:サービスオペレーション,c:サービストランジション,d:サービスデザイン
イ a:サービスストラテジ,b:サービスデザイン,c:サービストランジション,d:サービスオペレーション 正解
ウ a:サービスデザイン,b:サービスストラテジ,c:サービストランジション,d:サービスオペレーション
エ a:サービスデザイン,b:サービストランジション,c:サービスストラテジ,d:サービスオペレーション
正解 イ
解説
ITIL のサービスライフサイクルは,サービスストラテジ,サービスデザイン,サービストランジション,サービスオペレーション,継続的サービス改善の順に並ぶ。a の“全体的な戦略を確立する”がサービスストラテジ,b の“事業要件に応えるサービスを作り出す”がサービスデザイン,c の“テストして本番環境に展開する”がサービストランジション,d の“効果的かつ効率的に提供しサポートする”がサービスオペレーションに当たる。
戦略を決めてから設計し,移行させてから運用する,という流れを押さえておけば,設計と運用が入れ替わっているアや,戦略が後ろにあるウ・エは選ばない。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問3(表記を一部改変)
問4
システムの改善に向けて提出された 4 案について,評価項目を設定して採点した結果を,採点結果表に示す。効果及びリスクについては 5 段階評価とし,それぞれの評価項目の重要度に応じて,重み付け表に示すとおりの重み付けを行った上で,次の式で総合評価点を算出する。総合評価点が最も高い改善案はどれか。
〔総合評価点の算出式〕
総合評価点 = 効果の総評価点 - リスクの総評価点
正解 ウ
解説
効果の重みは作業コスト削減 3,システム運用品質向上 2,セキュリティ強化 4,リスクの重みは技術リスク 3,スケジュールリスク 8。案ごとに重み付けして計算すると,案 1 は効果 5×3+2×2+3×4=31,リスク 4×3+2×8=28 で総合 3。案 2 は効果 36,リスク 35 で総合 1。案 3 は効果 2×3+2×2+5×4=30,リスク 5×3+1×8=23 で総合 7。案 4 は効果 30,リスク 43 で総合 −13。
最も高いのは案 3。効果の素点だけを見ると案 2 が高いが,スケジュールリスクの重みが 8 と大きいため,そこが 4 の案 2 と 5 の案 4 は総合点を大きく下げる。重み付けをしてから引き算する点が要点。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問4(表記を一部改変)
問5
ITIL のインシデント管理において,インシデントモデルを定義しておくことによって得られるメリットはどれか。
ア インシデント管理プロセス及びその運用の効率性と有効性を判断するための基準を明確にできる。
イ 過去のインシデントについて,履歴,カテゴリ,及び解決するために取られた処置を容易に参照できる。
ウ 繰り返し発生するインシデントを,事前に定義した経路で,事前に定義した期間内に処理できる。 正解
エ 根本原因が判明していない問題に対する解決策を提供できる。
正解 ウ
解説
インシデント・モデルは,繰り返し発生する種類のインシデントについて,取るべき手順とその順序,責任者,エスカレーション経路,解決までの時間枠をあらかじめ定めておくもの。定義しておけば,担当者の力量に左右されずに,決めた経路と時間枠の中で処理できる。
アはインシデント管理の KPI や測定基準の話,イはインシデント記録や既知のエラーデータベースの効用,エは根本原因が未判明の問題に対するワークアラウンド(問題管理)であり,いずれもモデルを定義したことによる直接のメリットではない。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問5(表記を一部改変)
問6
IT サービスマネジメントのキャパシティ管理における三つの重点分野に対応する管理指標の組合せのうち,適切なものはどれか。
ア 事業のキャパシティ管理:売上高,サービスのキャパシティ管理:サービス利用者数,コンポーネントのキャパシティ管理:システム応答時間
イ 事業のキャパシティ管理:売上高,サービスのキャパシティ管理:トランザクション応答時間,コンポーネントのキャパシティ管理:CPU 利用率 正解
ウ 事業のキャパシティ管理:トランザクション応答時間,サービスのキャパシティ管理:CPU 利用率,コンポーネントのキャパシティ管理:システム応答時間
エ 事業のキャパシティ管理:トランザクション応答時間,サービスのキャパシティ管理:システム応答時間,コンポーネントのキャパシティ管理:CPU 利用率
正解 イ
解説
キャパシティ管理は,事業・サービス・コンポーネントの三つの階層で考える。事業のキャパシティ管理は将来の事業量を扱うので売上高,サービスのキャパシティ管理は利用者から見たサービスの性能を扱うのでトランザクション応答時間,コンポーネントのキャパシティ管理は個々の資源を扱うので CPU 利用率が指標になる。
上ほど事業に近い指標,下ほど機器に近い指標という対応になっていない組合せ(ア・ウ・エ)は当てはまらない。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問6(表記を一部改変)
問7
新システムの開発を計画している。このシステムの総所有費用(TCO)は何千円か。ここで,このシステムは開発した後,3 年間使用するものとする。
ア 40,500
イ 90,000
ウ 95,000
エ 135,500 正解
正解 エ
解説
TCO は導入から廃棄までに掛かる費用の総額。一度きりの費用はハードウェア導入 40,000+システム開発 50,000+導入教育 5,000=95,000 千円。毎年掛かる費用はネットワーク通信 1,500+システム保守 7,000+システム運営 5,000=13,500 千円で,3 年間では 40,500 千円。合計して 135,500 千円になる。
アの 40,500 は 3 年分の運用費用だけ,ウの 95,000 は初期費用だけ,イの 90,000 はハードウェア導入とシステム開発だけを足した値であり,いずれも総所有費用にはならない。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問7(表記を一部改変)
問8
IT サービスマネジメントにおいて,サービス提供者が内部グループと取り交わす合意はどれか。
ア 運用レベル合意書(OLA) 正解
イ 基盤となる契約(UC)
ウ サービスレベル管理(SLM)
エ サービスレベル合意書(SLA)
正解 ア
解説
OLA(運用レベル合意書)は,サービス提供者が同じ組織の内部グループとの間で取り交わす合意。顧客に約束した SLA を守るために,社内のネットワーク担当やデータセンタ担当が果たすべき水準を定める。
イの UC(基盤となる契約)は外部の供給者との契約,エの SLA は顧客との合意である。ウの SLM はサービスレベルを管理するプロセスの名称であって,合意文書ではない。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問8(表記を一部改変)
問9
サービス提供時間帯が毎日 6〜20 時のシステムにおいて,ある月の停止時間,修復時間及びシステムメンテナンス時間は次のとおりであった。このとき,この月の可用性は何%か。ここで,1 か月の稼働日数は 30 日,可用性(%)は小数第 2 位を四捨五入するものとする。
〔停止時間,修復時間及びシステムメンテナンス時間〕
システム障害によるサービス提供時間内の停止時間:7 時間 システム障害に対処するサービス提供時間外の修復時間:3 時間 サービス提供時間外のシステムメンテナンス時間:8 時間
ア 95.7
イ 97.6
ウ 98.3 正解
エ 99.0
正解 ウ
解説
サービス提供時間は 6時〜20時の14時間×30日=420時間。
サービス可用性の計算に含めるのは,サービス提供時間内に止まっていた時間だけである。提供時間外の修復時間3時間とメンテナンス時間8時間は,もともとサービスを提供していない時間帯なので停止時間に数えない。
したがって (420−7)÷420=413÷420=0.98333…,すなわち 98.3%。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問9(表記を一部改変)
問10
JIS Q 20000-1 におけるサービス継続及び可用性管理プロセスで行う活動はどれか。
ア インシデント及び問題の影響を識別し,これを最小限に抑える,又は回避するための手順を採用する。
イ サービス全体の可用性などの要求事項を,事業計画,サービスの要求事項,SLA 及びリスクを考慮して特定する。 正解
ウ サービスの容量・能力を監視し,サービスのパフォーマンスを調整して,かつ,十分な容量・能力を提供するための手順を明確にする。
エ 提供する個々のサービスを定義し,これに顧客と合意して,かつ,文書化する。
正解 イ
解説
サービス継続及び可用性管理では,サービス全体の可用性やサービス継続に関する要求事項を,事業計画,サービスの要求事項,SLA 及びリスクを考慮したうえで,顧客及び利害関係者と合意する。何をどこまで維持するのかを関係者と決めるのがこのプロセスの出発点になる。
アはインシデント及び問題の影響を最小化・未然防止する問題管理,ウは容量・能力管理,エはサービスレベル管理の活動である。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問10(表記を一部改変)
問11
IT サービスマネジメントにおけるインシデントの段階的取扱い(エスカレーション)の種類のうち,階層的な取扱いに該当するものはどれか。
ア 一次サポートグループでは解決できなかったインシデントの対応を,より専門的な知識をもつ二次サポートグループに委ねる。
イ 現在の担当者では解決できなかったインシデントの対応を,広範にわたる関係者を招集する権限をもつ上級マネージャに委ねる。 正解
ウ 自分のシフト勤務時間内に完了しなかったインシデントの対応を,次のシフト勤務者に委ねる。
エ 中央サービスデスクで受け付けたインシデントの対応を,利用者が属する地域のローカルサービスデスクに委ねる。
正解 イ
解説
階層的エスカレーションは,対応に必要な権限や資源が足りないときに,指揮命令系統の上位へ引き上げること。関係者を招集する権限をもつ上級マネージャに委ねるのがこれに当たる。
アはより高い技術力をもつグループへ渡す機能的エスカレーション。ウのシフト交代時の引継ぎと,エの中央からローカルのサービスデスクへの割り振りは,担当の移動であってエスカレーションの種類ではない。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問11(表記を一部改変)
問12
JIS Q 20000-1 の関係プロセスの規定における,供給者,サービス提供者及び顧客の 3 者の関係のうち,適切なものはどれか。
ア 供給者,サービス提供者及び顧客は,それぞれ別々の組織(外部)に所属する。
イ 供給者のサービスも含めて,サービス提供者が,顧客にサービスを提供する。 正解
ウ 供給者は,サービス提供者を顧客とみなしてサービスを提供することはない。
エ 供給者はサービス提供者からサービスや製品を受領して,顧客に提供する。
正解 イ
解説
関係プロセスでは,供給者から調達したサービスも含めて,サービス提供者が一体のサービスとして顧客に提供する。顧客から見た窓口はあくまでサービス提供者であり,供給者と顧客が直接やり取りするわけではない。
アは誤りで,内部顧客や内部供給者のように同じ組織内にいることもある。ウも誤りで,供給者にとってはサービス提供者が顧客に当たる。エは供給者とサービス提供者の関係が逆になっている。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問12(表記を一部改変)
問13
システム障害が発生したときにシステムを初期状態に戻して再開する方法であり,更新前コピー又は更新後コピーの前処理を伴わないシステム開始のことで,初期プログラムロードとも呼ばれるものはどれか。
ア ウォームスタート
イ コールドスタート 正解
ウ ロールバック
エ ロールフォワード
正解 イ
解説
コールドスタートは,直前の状態を引き継がずにシステムを初期状態から立ち上げ直す方法で,初期プログラムロード(IPL)とも呼ばれる。更新前コピーや更新後コピーを使った前処理を伴わない。
アのウォームスタートは,停止直前の状態を引き継いで再開する方法。ウのロールバックとエのロールフォワードは,ログを使ってデータベースの内容を整合の取れた状態に戻す・進める回復処理であり,システムの開始方法ではない。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問13(表記を一部改変)
問14
データの追加・変更・削除が,少ないながらも一定の頻度で行われるデータベースがある。このデータベースのフルバックアップを磁気テープに取得する時間間隔を今までの 2 倍にした。このとき,データベースのバックアップ又は復旧に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア フルバックアップ 1 回当たりの磁気テープ使用量が約 2 倍になる。
イ フルバックアップ 1 回当たりの磁気テープ使用量が約半分になる。
ウ フルバックアップ取得の平均実行時間が約 2 倍になる。
エ ログ情報を用いて復旧するときの平均処理時間が約 2 倍になる。 正解
正解 エ
解説
フルバックアップの間隔を 2 倍にすると,1 回のバックアップから次までにたまるログの量が約 2 倍になる。復旧のときはバックアップを復元してからそのログを反映(ロールフォワード)するので,ログを用いた復旧の平均処理時間が約 2 倍になる。
アとイは誤り。データの追加・変更・削除は少ないのでデータベース自体の大きさはほとんど変わらず,1 回当たりのテープ使用量は変わらない。ウも同じ理由で,フルバックアップの取得時間も変わらない。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問14(表記を一部改変)
問15
システムの本番移行に支障を来すリスクに対するコントロールを監査するチェックポイントはどれか。
ア システム運用段階で新システムの稼働状況がレビューされ,その結果についてシステム開発部門及び利用部門の責任者の承認が得られているか。
イ システム開発段階で抽出された問題への対策が,移行後のシステム改善計画に反映されているか。
ウ システム企画段階で,システムの投資対効果が評価されているか。
エ 利用部門を含めた各部門の役割と責任を明確にした移行計画が作成されているか。 正解
正解 エ
解説
本番移行のリスクを抑えるコントロールは移行段階にある。利用部門を含む各部門の役割と責任を明確にした移行計画が作られているかを確かめることが,移行時の作業漏れや責任の空白を防ぐチェックポイントになる。
アはシステム運用段階,イは移行後の改善計画,ウはシステム企画段階についてのチェックポイントであり,いずれも本番移行そのもののリスクに対するコントロールではない。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問15(表記を一部改変)
問16
プロジェクト Z におけるプロジェクトとステークホルダ各社の関係の組合せのうち,適切なものはどれか。ここで関係の呼称は,PMBOK に従う。
〔プロジェクト Z の説明〕
親会社 A 社のシステムを開発・保守・運用している B 社は,A 社が吸収合併した C 社の基幹システムを A 社の基幹システムに統合するプロジェクトを立ち上げた。システム統合に伴う開発作業は,D 社に委託することにした。
ア A 社:顧客,B 社:納入者,D 社:母体組織
イ A 社:顧客,B 社:母体組織,D 社:納入者 正解
ウ A 社:母体組織,B 社:顧客,D 社:納入者
エ A 社:母体組織,B 社:納入者,D 社:顧客
正解 イ
解説
PMBOK では,プロジェクトを実施する組織を母体組織,成果物を受け取る側を顧客,作業を請け負う側を納入者と呼ぶ。プロジェクトを立ち上げたのは B 社なので B 社が母体組織,統合されるシステムを使う A 社が顧客,開発作業を委託された D 社が納入者に当たる。
プロジェクトを立ち上げた主体がどこかを見誤ると,B 社を納入者としてしまうア・エや,A 社を母体組織としてしまうウを選んでしまう。委託元と委託先の関係だけでなく,誰がプロジェクトを実施しているかを読み取ることが要点。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問16(表記を一部改変)
問17
期間 10 日間のプロジェクトを,5 日目の終了時にアーンドバリュー分析したところ,表のとおりであった。現在のコスト効率が今後も続く場合,完成時総コスト見積り(EAC)は何万円か。
正解 エ
解説
現在のコスト効率が今後も続く場合の完成時総コスト見積りは EAC=BAC÷CPI で求める。CPI=EV÷AC=40÷60=2/3 なので,EAC=100÷(2/3)=150 万円。
イの 120 は,残りの作業は予算どおりに進むと仮定した EAC=AC+(BAC−EV)=60+60 の値で,設問の“現在のコスト効率が今後も続く”という条件には合わない。アの 110 とウの 135 は,いずれの EAC の式からも出てこない。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問17(表記を一部改変)
問18
プロジェクトのスケジュールを管理するときに使用する“クリティカルチェーン法”の特徴はどれか。
ア クリティカルパス上の作業に生産性を向上させるための開発ツールを導入する。
イ クリティカルパス上の作業に要員を追加投入する。
ウ クリティカルパス上の先行作業が終了する前に後続作業に着手し,並行して実施する。
エ クリティカルパスを守るために,フィーディングバッファと所要期間バッファを設ける。 正解
正解 エ
解説
クリティカルチェーン法は,資源の制約を考慮して日程を組み,各作業に個別に持たせていた安全余裕を取り上げてまとめる方法。まとめた余裕は,クリティカルチェーンの末尾に置く所要期間バッファ(プロジェクトバッファ)と,合流する作業の手前に置くフィーディングバッファとして管理する。
イはクラッシング(資源の追加投入),ウはファストトラッキング(先行作業と後続作業の並行実施)。アはツール導入による生産性向上であり,いずれもクリティカルチェーン法の特徴ではない。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問18(表記を一部改変)
問19
SVC(SuperVisor Call)割込みが発生する要因として,適切なものはどれか。
ア OS がシステム異常を検出した。
イ ウォッチドッグタイマが最大カウントに達した。
ウ システム監視 LSI が割込み要求を出した。
エ ユーザプログラムがカーネルの機能を呼び出した。 正解
正解 エ
解説
SVC(SuperVisor Call)割込みは,ユーザプログラムが入出力の要求などでカーネルの機能を呼び出したときに発生する。実行中のプログラム自身の命令が原因なので内部割込みに分類される。
アの OS によるシステム異常の検出は機械チェック割込み,イのウォッチドッグタイマの満了とウのシステム監視 LSI からの要求は外部割込みであり,いずれもプログラムからの呼出しではない。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問19(表記を一部改変)
問20
システムの信頼性評価項目である RASIS のうち,Integrity(完全性)を高める方法を説明したものはどれか。
ア データベースが格納されている磁気ディスクの障害情報を,保守業者に自動通報することによって,故障発生から復旧までの時間を短縮する。
イ データベースに格納されている個人情報を暗号化するなど,不正アクセスによる個人情報の盗難に備える。
ウ 排他制御を行うことによって,複数の利用者が同時にデータベースの更新処理を行う場合でも,データの整合性を保証する。 正解
エ 複数のコンピュータに同じ処理を実行させ,処理結果をデータベースに格納しておくことによって,内容の一致を確認しながら処理を進める。
正解 ウ
解説
RASIS の Integrity(完全性)は,データが正しく矛盾のない状態に保たれること。複数の利用者が同時に更新しても排他制御によってデータの整合性を保証するのが,完全性を高める方法に当たる。
アは故障から復旧までを短くする Serviceability(保守性),イは不正アクセスに備える Security(機密性),エは多重化によって処理を確実にする Reliability(信頼性)を高める方法である。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問20(表記を一部改変)
問21
OLAP によって,商品の販売状況分析を商品軸,販売チャネル軸,時間軸,顧客タイプ軸で行う。データ集計の観点を,商品,販売チャネルごとから,商品,顧客タイプごとに切り替える操作はどれか。
ア ダイス 正解
イ データクレンジング
ウ ドリルダウン
エ ロールアップ
正解 ア
解説
OLAP のダイスは,多次元データを見る分析軸を別の軸に入れ替える操作。商品・販売チャネルの組合せで見ていたものを商品・顧客タイプの組合せに切り替えるのがこれに当たる。
ウのドリルダウンは同じ軸のまま,より細かい階層へ掘り下げる操作。エのロールアップは逆に上位の階層へ集約する操作。イのデータクレンジングは,分析の前に表記の揺れや誤りを整える処理であり,集計の観点を変える操作ではない。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問21(表記を一部改変)
問22
TCP/IP ネットワークで使用される ARP の説明として,適切なものはどれか。
ア IP アドレスから MAC アドレスを得るためのプロトコル 正解
イ IP アドレスからホスト名(ドメイン名)を得るためのプロトコル
ウ MAC アドレスから IP アドレスを得るためのプロトコル
エ ホスト名(ドメイン名)から IP アドレスを得るためのプロトコル
正解 ア
解説
ARP(Address Resolution Protocol)は,通信相手の IP アドレスから,同じネットワーク上でフレームを届けるために必要な MAC アドレスを問い合わせるプロトコル。
ウの MAC アドレスから IP アドレスを得るのは RARP。イの IP アドレスからホスト名を得るのは DNS の逆引き,エのホスト名から IP アドレスを得るのは DNS の正引きである。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問22(表記を一部改変)
問23
JIS Q 27000 において,“エンティティは,それが主張するとおりのものであるという特性”と定義されているものはどれか。
正解 ア
解説
JIS Q 27000 は,真正性を“エンティティは,それが主張するとおりのものであるという特性”と定義している。名乗っているとおりの利用者や機器であることを指す。
イの信頼性は“意図する行動と結果とが一貫しているという特性”,ウの責任追跡性はある行為を特定のエンティティまでたどれる性質,エの否認防止は主張された事象や処置の発生を証明する能力であり,いずれも別の定義である。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問23(表記を一部改変)
問24
JIS Q 22301:2013(事業継続マネジメントシステム−要求事項)において,“製品・サービスを提供しない,又は事業活動を行わない結果として生じる可能性のある悪影響が,許容不能な状態になるまでの時間”と定義されているものはどれか。
ア MTBF(Mean Time Between Failures)
イ MTPD(Maximum Tolerable Period of Disruption) 正解
ウ RPO(Recovery Point Objective)
エ RTO(Recovery Time Objective)
正解 イ
解説
MTPD(Maximum Tolerable Period of Disruption,最大許容停止時間)は,製品・サービスの提供が止まったことによる悪影響が許容できなくなるまでの時間。事業継続の計画では,まずこの限界を把握してから,それより短くなるように目標復旧時間を決める。
ウの RPO はどの時点のデータまで戻せばよいかを示す目標復旧時点,エの RTO はどれだけの時間で復旧させるかを示す目標復旧時間。アの MTBF は平均故障間隔で,事業継続ではなく信頼性の指標である。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問24(表記を一部改変)
問25
シュリンクラップ契約において,ソフトウェアの使用許諾契約が成立するのはどの時点か。
ア 購入したソフトウェアの代金を支払った時点
イ ソフトウェアの入った CD-ROM を受け取った時点
ウ ソフトウェアの入った CD-ROM の包装を破った時点 正解
エ ソフトウェアを PC にインストールした時点
正解 ウ
解説
シュリンクラップ契約は,包装(シュリンクラップ)を解くことで使用許諾条件に同意したとみなす契約形態。したがって契約が成立するのは CD-ROM の包装を解いた時点である。
アの代金の支払とイの受取りは売買に関する行為であって使用許諾への同意ではない。エのインストールの時点で成立するのは,インストール中に条件を表示して同意を求めるクリックオン(クリックラップ)契約である。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問25(表記を一部改変)
ほかの年度
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平成28年度 春期 午前Ⅱ
平成27年度 春期 午前Ⅱ
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令和7年度 春期 午前Ⅱ
令和7年度 春期 午後Ⅰ
令和6年度 秋期 午前Ⅰ
令和6年度 春期 午前Ⅰ
令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和6年度 春期 午後Ⅰ
令和5年度 秋期 午前Ⅰ
令和5年度 春期 午前Ⅰ
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平成28年度 秋期 午後Ⅰ
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平成27年度 秋期 午前Ⅰ
平成27年度 春期 午前Ⅰ
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平成26年度 秋期 午前Ⅰ
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平成24年度 秋期 午後Ⅰ
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平成22年度 秋期 午後Ⅰ
平成22年度 春期 午前Ⅰ
平成21年度 秋期 午前Ⅰ
平成21年度 秋期 午後Ⅰ
平成26年度 秋期 午前Ⅱ
平成25年度 秋期 午前Ⅱ
平成24年度 秋期 午前Ⅱ
平成23年度 秋期 午前Ⅱ
平成22年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 春期 午前Ⅰ