A 社の Web サーバは,認証局で生成した Web サーバ用のディジタル証明書を使って SSL/TLS 通信を行っている。PC が A 社の Web サーバに SSL/TLS を用いてアクセスしたときに PC が行う処理のうち,サーバのディジタル証明書を入手した後に,認証局の公開鍵を利用して行うものはどれか。
アISP“A”管理下の固定 IP アドレスから送信されたが,受信者の承諾を得ていない広告の電子メール
イISP“A”管理下の固定 IP アドレスから送信されたが,送信元 IP アドレスが DNS で逆引きできなかった電子メール
ウISP“A”管理下の動的 IP アドレスから ISP“A”のメールサーバを経由して送信された電子メール
エISP“A”管理下の動的 IP アドレスから ISP“A”のメールサーバを経由せずに送信された電子メール正解
正解 エ
解説
OP25B(Outbound Port 25 Blocking)は,ISP が管理下の動的 IP アドレスから,ISP のメールサーバを経由せずに外部のメールサーバのポート番号 25 へ直接送る SMTP 通信を遮断する対策である。したがって,ISP“A”の動的 IP アドレスから ISP“A”のメールサーバを経由せずに送信された電子メールが遮断される。エが該当する。
ウの ISP“A”のメールサーバを経由した電子メールは遮断されない。ア,イの固定 IP アドレスからの送信は,通常 OP25B の対象外である。受信者の承諾を得ていない広告メールや,逆引きできない送信元の判定は OP25B の仕組みではない。
ARP スプーフィング攻撃は,偽の ARP 応答を送りつけて,攻撃対象のコンピュータがもつ ARP キャッシュに,IP アドレスと攻撃者の MAC アドレスとの不正な対応関係を登録させる攻撃である。これによって通信を攻撃者の機器に誘導し,盗聴や改ざんを行う。アが正しい。
イの DNS キャッシュポイズニング攻撃は,ドメイン名と IP アドレスの不正な対応関係を DNS キャッシュサーバに記憶させる攻撃である。ウの URL エンコーディング攻撃は,文字をエンコードして入力チェックをすり抜ける攻撃,エのバッファオーバフロー攻撃は,確保した領域を超えるデータを送り込んでプログラムを誤動作させる攻撃である。
出典:平成23年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問7(表記を一部改変)
問8
DNS サーバに格納されるネットワーク情報のうち,第三者に公開する必要のない情報が攻撃に利用されることを防止するための,プライマリ DNS サーバの設定はどれか。
アSOA レコードのシリアル番号を更新する。
イ外部の DNS サーバにリソースレコードがキャッシュされる時間を短く設定する。
ウゾーン転送を許可する DNS サーバを限定する。正解
エラウンドロビン設定を行う。
正解 ウ
解説
ゾーン転送は,プライマリ DNS サーバのゾーン情報をセカンダリ DNS サーバに複製するための機能である。誰からでもゾーン転送を受け付けると,ホスト名や IP アドレスなど,第三者に公開する必要のないネットワーク情報をまとめて取得され,攻撃の下調べに利用されるおそれがある。ゾーン転送を許可する DNS サーバを正規のセカンダリサーバに限定すれば防止できる。ウが正しい。
アの SOA レコードのシリアル番号の更新は,ゾーン情報の変更をセカンダリサーバに知らせるための操作である。イのキャッシュされる時間の短縮は,情報の変更を早く反映させるための設定である。エのラウンドロビン設定は,一つの名前に複数の IP アドレスを対応させて負荷を分散させる設定で,いずれも情報の漏えいを防ぐものではない。
出典:平成23年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問8(表記を一部改変)
問9
サービス不能攻撃(DoS)の一つである Smurf 攻撃の特徴はどれか。
アICMP の応答パケットを大量に発生させる。正解
イTCP 接続要求である SYN パケットを大量に送信する。
ウサイズの大きい UDP パケットを大量に送信する。
エサイズの大きい電子メールや大量の電子メールを送信する。
正解 ア
解説
Smurf 攻撃は,送信元 IP アドレスを攻撃対象のアドレスに偽装した ICMP エコー要求(ping)を,ネットワークのブロードキャストアドレス宛てに送信する攻撃である。ネットワーク内の多数のホストが攻撃対象に ICMP エコー応答を一斉に返すので,大量の応答パケットによって攻撃対象がサービス不能になる。アが正しい。
イの SYN パケットを大量に送信するのは SYN フラッド攻撃,ウのサイズの大きい UDP パケットを大量に送信するのは UDP フラッド攻撃,エの大量の電子メールを送信するのはメール爆弾である。
完全性は,情報が正確で改ざんされていない状態を保つことである。Y(仕入先マスタテーブル)について,利用者 A は照会する目的だけでアクセスするので,A に INSERT(データの追加)の権限を与えると,本来更新してはならないマスタのデータを追加できてしまい,完全性を脅かす。アが該当する。
イの B に Y への INSERT 権限を与えるのは,マスタメンテナンス作業に必要な権限である。ウの A に X への SELECT 権限を与えるのは,注文データの内容を確認するために必要な権限である。エの B に X への SELECT 権限を与えるのは,アクセスしない B に参照を許すので機密性の観点では問題になるが,データを変更できないので完全性は脅かさない。
DKIM(DomainKeys Identified Mail)は,送信側のメールサーバで電子メールにディジタル署名を付けてヘッダに追加し,受信側のメールサーバは,送信ドメインの DNS に公開された公開鍵を使って署名を検証する仕組みである。送信元ドメインの正当性とメールの改ざんの有無を確認できる。アが正しい。
イの送信時に利用者を認証するのは SMTP-AUTH。ウの送信元の IP アドレスを検証するのは SPF などの IP アドレスによる送信ドメイン認証。エの内部ネットワークから外部のメールサーバのポート 25 番への直接の通信を禁止するのは OP25B である。
アの暗号化する対象部分によるトランスポートモードとトンネルモードの区別は,暗号化を行う ESP の説明で,AH は暗号化を行わない。イの暗号化アルゴリズムや鍵のライフタイムを設定する管理テーブルは SA(セキュリティアソシエーション)のデータベース,ウの暗号化アルゴリズムを決定して鍵を動的に生成する鍵交換プロトコルは IKE の説明である。
出典:平成23年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問15(表記を一部改変)
問16
Web アプリケーションの脆弱性を悪用する攻撃手法のうち,Perl の system 関数や PHP の exec 関数など外部プログラムの呼出しを可能にするための関数を利用し,不正にシェルスクリプトや実行形式のファイルを実行させるものはどれに分類されるか。
アHTTP ヘッダインジェクション
イOS コマンドインジェクション正解
ウクロスサイトリクエストフォージェリ
エセッションハイジャック
正解 イ
解説
OS コマンドインジェクションは,Web アプリケーションが Perl の system 関数や PHP の exec 関数などで外部プログラムを呼び出すときに,入力データに OS のコマンドを紛れ込ませ,不正にシェルスクリプトや実行形式のファイルを実行させる攻撃である。イに分類される。
アの HTTP ヘッダインジェクションは,入力データに改行コードを含めて HTTP レスポンスヘッダに不正なヘッダや本文を挿入する攻撃。ウのクロスサイトリクエストフォージェリは,利用者に意図しないリクエストを Web サイトに送らせる攻撃。エのセッションハイジャックは,セッション ID を盗むなどしてセッションを乗っ取る攻撃である。
出典:平成23年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問16(表記を一部改変)
問17
DNS の MX レコードで指定するものはどれか。
アエラーが発生したときの通知先のメールアドレス
イ送信先ドメインのメールサーバ正解
ウ複数の DNS サーバが動作しているときのマスタ DNS サーバ
エメーリングリストを管理しているサーバ
正解 イ
解説
DNS の MX(Mail eXchange)レコードは,あるドメイン宛ての電子メールを受け取るメールサーバのホスト名と,複数ある場合の優先度を指定するレコードである。送信側のメールサーバは,送信先ドメインの MX レコードを問い合わせて配送先を決める。イが正しい。
アのエラー発生時の通知先は DNS のレコードで指定するものではない。ウのゾーンの管理情報やプライマリサーバは SOA レコード,ドメインの DNS サーバは NS レコードで指定する。エのメーリングリストを管理しているサーバを指定するレコードはない。
電源オフ時に IP アドレスを保持することができない装置が,電源オン時に自装置の MAC アドレスから自装置に割り当てられている IP アドレスを知るために用いるデータリンク層のプロトコルで,ブロードキャストを利用するものはどれか。
アARP
イDHCP
ウDNS
エRARP正解
正解 エ
解説
RARP(Reverse ARP)は,自装置の MAC アドレスを基に,自装置に割り当てられた IP アドレスを問い合わせるプロトコルである。問合せはブロードキャストで送信され,RARP サーバが IP アドレスを応答する。電源を切ると IP アドレスを保持できない装置が起動時に使う。エが正しい。
アの ARP は,IP アドレスから MAC アドレスを求めるプロトコルで,方向が逆である。イの DHCP も IP アドレスを自動設定するが,UDP を使うアプリケーション層のプロトコルで,データリンク層のプロトコルではない。ウの DNS はドメイン名と IP アドレスを対応付けるプロトコルである。