平成27年度 秋期 午前Ⅱ

平成27年度 秋期に実施された情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱの全25問です。問題文・正解・解説をそのまま読めます。

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問1

AES の暗号化方式を説明したものはどれか。

正解 

解説

AES は,ブロック長 128 ビットの共通鍵暗号方式で,鍵長を 128 ビット,192 ビット,256 ビットから選び,鍵長によって繰り返す変換処理の段数(ラウンド数)が 10 段,12 段,14 段と決まる。アが正しい。

イの段数は利用者が選択するものではなく,6回以内でもない。ウのデータの暗号化,復号,暗号化の順に3回繰り返すのはトリプル DES の方式である。エの AES は共通鍵暗号方式で,公開鍵は用いない。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問1(表記を一部改変)

問2

特定の認証局が発行した CRL に関する記述のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

CRL(証明書失効リスト)は,認証局が発行するもので,有効期限内であるにもかかわらず秘密鍵の漏えいなどの理由で失効させたデジタル証明書のシリアル番号と,失効した日時を載せたリストである。証明書を受け取った側は,CRL を見てその証明書が失効していないかを確かめる。イが正しい。

アは誤りで,CRL に秘密鍵は登録されない。ウは誤りで,CRL は定期的に発行されるリストであり,失効状況をリアルタイムに問い合わせるプロトコルは OCSP である。エも誤りで,有効期限が切れた証明書はそれだけで無効なので,CRL に載せる必要はない。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問2(表記を一部改変)

問3

ステートフルインスペクション方式のファイアウォールの特徴はどれか。

正解 

解説

ステートフルインスペクション方式は,パケットフィルタリングを拡張した方式で,通過したパケットの情報から通信セッション(コネクション)の状態を記録しておき,受け付けたパケットがその状態に照らして正当な通信の一部かどうかを判断し,通過させるか遮断するかを決める。エが正しい。

アのリバースプロキシとして動作し不正なデータを検査するのは WAF。イのアプリケーションプロトコルごとにプロキシプログラムを用意するのはアプリケーションゲートウェイ方式。ウのクライアントからの要求を受け付けて改めてサーバにコネクションを要求するのはサーキットレベルゲートウェイ方式である。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問3(表記を一部改変)

問4

PC などに内蔵されるセキュリティチップ(TPM:Trusted Platform Module)がもつ機能はどれか。

正解 

解説

TPM(Trusted Platform Module)は,PC などのマザーボードに組み込まれるセキュリティチップで,RSA の鍵ペアの生成,暗号化や署名などの演算,鍵の安全な保管,乱数の生成,プラットフォームの完全性の計測などの機能をもつ。耐タンパ性があり,秘密鍵をチップの外に出さずに扱える。イが正しい。

アの TPM 間での共通鍵の交換,ウのディジタル証明書の発行(認証局の役割),エのネットワーク経由の乱数送信は,TPM の機能ではない。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問4(表記を一部改変)

問5

ポリモーフィック型ウイルスの説明として,適切なものはどれか。

正解 

解説

ポリモーフィック型ウイルスは,感染するたびに暗号化の鍵を変えて自身のコードを暗号化するなどして,ウイルスのコードの見た目(パターン)を変化させ,パターンマッチング方式のウイルス対策ソフトで検知されにくくするウイルスである。イが正しい。

アの攻撃者がインターネットを介して PC を遠隔操作するのはボットや RAT(遠隔操作ウイルス)。ウの複数の OS で動作するのはクロスプラットフォーム型のウイルス。エのルートキットを利用して感染を隠蔽するのはステルス型のウイルスの説明である。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問5(表記を一部改変)

問6

ISO/IEC 15408 を評価基準とする“IT セキュリティ評価及び認証制度”の説明として,適切なものはどれか。

正解 

解説

ISO/IEC 15408(コモンクライテリア)を評価基準とする“IT セキュリティ評価及び認証制度”(JISEC)は,IT 製品やシステムのセキュリティ機能が適切に設計され,確実に実装されているかを第三者の評価機関が評価し,その結果を認証機関が公的に認証する制度である。ウが正しい。

アの暗号モジュールの実装や暗号鍵の保護を評価・認証するのは暗号モジュール試験及び認証制度(JCMVP)。イは IEEE 802.1X などによる認証の仕組みの説明で,評価・認証制度ではない。エの ISMS の構築・運用を評価・認証するのは ISMS 適合性評価制度である。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問6(表記を一部改変)

問7

特定の情報資産の漏えいに関するリスク対応のうち,リスク回避に該当するものはどれか。

正解 

解説

リスク回避は,リスクの原因となる活動そのものをやめたり,情報資産を手放したりして,リスクが発生しないようにする対応である。情報の新たな収集を禁止し,収集済みの情報を消去すれば,その情報が漏えいするリスクそのものがなくなる。ウが該当する。

アの入退室の管理を厳重にするのは,リスクの発生可能性を下げるリスク低減。イの情報資産を外部のデータセンタに預託するのは,リスクの一部を外部と分担するリスク移転(共有)。エの重要性と対策費用を勘案してあえて対策をとらないのは,リスク受容(保有)である。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問7(表記を一部改変)

問8

水飲み場型攻撃(Watering Hole Attack)の手口はどれか。

正解 

解説

水飲み場型攻撃は,標的とする組織の従業員が頻繁にアクセスする Web サイトを改ざんして攻撃コードを埋め込み,標的組織からのアクセス(IP アドレスなど)であるときだけ攻撃が行われるようにして,マルウェアに感染させる攻撃である。肉食動物が水飲み場で獲物を待ち伏せる様子にたとえている。ウが正しい。

アの偽装したショートカットファイルを添付して送るのと,イのやり取りで信用させてから攻撃コードを含むファイルを送るのは標的型攻撃メール(イはやり取り型攻撃)。エの短縮 URL で攻撃サイトに誘導するのは,ソーシャルメディアを悪用した誘導の手口である。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問8(表記を一部改変)

問9

不正が発生する際には“不正のトライアングル”の3要素全てが存在すると考えられている。“不正のトライアングル”の構成要素の説明のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

不正のトライアングルは,米国の犯罪学者クレッシーが提唱した考え方で,不正は“機会”“動機(プレッシャー)”“正当化”の3要素がそろったときに発生するとしている。“機会”は,技術や物理的な環境,組織のルールなど,内部者が不正行為を実行できる,又は容易に実行できる環境の存在であり,アが適切である。

イの“情報と伝達”は,内部統制の基本的要素の一つで,不正のトライアングルの要素ではない。ウのノルマによるプレッシャーは“動機”の説明,エの都合の良い解釈や責任転嫁などの自分勝手な理由付けは“正当化”の説明で,入れ替わっている。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問9(表記を一部改変)

問10

ICMP Flood 攻撃に該当するものはどれか。

正解 

解説

ICMP Flood 攻撃(Ping Flood 攻撃)は,ping コマンドなどで ICMP エコー要求パケットを大量に送りつけ,攻撃対象のサーバや,そこに至るまでの回線を過負荷にして,正規の利用者のアクセスを妨害する攻撃である。イが該当する。

アの HTTP GET コマンドを繰り返し送るのは HTTP GET Flood 攻撃,ウの SYN パケットを大量に送るのは SYN Flood 攻撃,エの大量の TCP コネクションを確立して接続を維持させるのは,TCP コネクションを使い切らせる DoS 攻撃(TCP コネクションフラッド)である。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問10(表記を一部改変)

問11

VLAN 機能をもった1台のレイヤ3スイッチに複数の PC を接続している。スイッチのポートをグループ化して複数のセグメントに分けると,セグメントを分けない場合に比べて,どのようなセキュリティ上の効果が得られるか。

正解 

解説

VLAN でポートを複数のセグメントに分けると,ブロードキャストパケットはそのセグメント(ブロードキャストドメイン)の中にしか届かなくなる。ARP 要求などのブロードキャストに含まれる IP アドレスや MAC アドレスの情報が,他のセグメントの PC に不要に流れることを防げるので,イが効果の一つである。

アは誤りで,VLAN は同一セグメント内の ICMP パケットを遮断する機能ではない。ウの MAC アドレスによる接続可否の判別や,エの物理ポートごとに決まった IP アドレスの PC だけを許可する機能は,それぞれ MAC アドレス認証やポートセキュリティなどの機能であり,ポートをセグメントに分けることで得られる効果ではない。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問11(表記を一部改変)

問12

クロスサイトスクリプティングによる攻撃を防止する対策はどれか。

正解 

解説

クロスサイトスクリプティングは,利用者の入力データをそのまま表示する Web サイトの脆弱性を突いて,悪意のあるスクリプトを埋め込み,閲覧者のブラウザで実行させる攻撃である。入力データを表示するときに“<”“>”“&”“"”など HTML で特別な意味をもつ文字をエスケープ処理して無効にすれば,スクリプトとして解釈されなくなる。エが正しい。

アの SNMP エージェントによる負荷状態の監視は運用監視,イの OS のセキュリティパッチの適用は OS の脆弱性への対策,ウの許容範囲を超えた大きさのデータの書込みの禁止はバッファオーバフロー攻撃への対策である。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問12(表記を一部改変)

問13

Web サーバが HTTPS 通信の応答で Cookie に Secure 属性を設定したときのブラウザの処理はどれか。

正解 

解説

Cookie の Secure 属性は,その Cookie を HTTPS などの暗号化された通信のときだけ送信するようブラウザに指示する属性で,値をもたない。Secure 属性が設定されていれば,ブラウザは HTTP の通信ではその Cookie を送信しないので,盗聴によるセッション ID などの漏えいを防げる。ウが正しい。

アの有効期限を指定するのは Expires 属性や Max-Age 属性,イの送信先のホストを指定するのは Domain 属性である。エのブラウザの終了時に削除されるのは,有効期限を指定しないセッション Cookie の動作で,Secure 属性の働きではない。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問13(表記を一部改変)

問14

テンペスト(TEMPEST)攻撃を説明したものはどれか。

正解 

解説

テンペスト(TEMPEST)攻撃は,ディスプレイやケーブル,機器などから漏れて放射される微弱な電磁波を離れた場所で観測・解析し,表示内容や処理中のデータを盗み取る攻撃である。ウが正しい。

アの故意に誤動作させて正しい結果との差異を解析するのは故障利用攻撃(フォールト攻撃),イの処理時間の差異を計測して解析するのはタイミング攻撃,エのチップ内の信号線に探針を当ててデータを観測するのはプロービング攻撃である。いずれも暗号モジュールなどに対するサイドチャネル攻撃や物理的な攻撃の一種である。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問14(表記を一部改変)

問15

脆弱性検査で,対象ホストに対してポートスキャンを行った。対象ポートの状態を判定する方法のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

UDP のポートスキャンでは,対象ポートに UDP パケットを送り,ICMP の“port unreachable”(ポート到達不能)メッセージが返ってくれば,そのポートは閉じていると判定する。応答がない場合は,開いているか,フィルタリングされている可能性がある。ウが適切である。

エは開いていると判定しており逆である。ア,イの TCP の SYN スキャンでは,SYN/ACK が返ってくればポートが開いていて接続要求が許可されたと判定し,RST/ACK が返ってくればポートが閉じていて接続が拒否されたと判定するので,いずれも判定が逆になっている。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問15(表記を一部改変)

問16

ダウンローダ型マルウェアが内部ネットワークの PC に感染したとき,そのマルウェアによってインターネット経由で他のマルウェアがダウンロードされることを防ぐ対策として,最も有効なものはどれか。

正解 

解説

ダウンローダ型ウイルスは,PC に侵入した後,インターネット上の攻撃者が用意した不正な Web サイトに接続して,別のウイルスをダウンロードする。URL フィルタで不正な Web サイトへの接続を遮断すれば,他のウイルスのダウンロードを防げる。アが最も有効である。

イの IPS はインターネットから内部ネットワークに向けた要求パケットを検査するもので,内部の PC から外部へ接続して行うダウンロードは防げない。ウのスパムメールの拒否は,ウイルスが侵入する前の対策である。エの不正メール発信の遮断は,他サイトへの被害の拡大を防ぐ対策で,ダウンロードは防げない。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問16(表記を一部改変)

問17

OAuth 2.0 において,Web サービス A の利用者 C が,Web サービス B にリソース D を所有している。利用者 C の承認の下,Web サービス A が,リソース D への限定的なアクセス権限を取得するときのプロトコル OAuth 2.0 の動作はどれか。

正解 

解説

OAuth 2.0 では,利用者 C(リソースオーナ)が承認すると,リソース D を保有する Web サービス B 側の認可サーバが,Web サービス A(クライアント)に対してアクセストークンを発行する。Web サービス A は,そのアクセストークンを Web サービス B に提示して,許可された範囲でリソース D にアクセスする。利用者のパスワードを A に渡す必要はない。ウが正しい。

アのアクセストークンを発行するのはリソースへのアクセスを認可する B 側で,アクセスする側の A ではない。イ,エのように利用者のディジタル証明書を送信することは,OAuth 2.0 の動作ではない。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問17(表記を一部改変)

問18

DNS の MX レコードで指定するものはどれか。

正解 

解説

DNS の MX(Mail eXchange)レコードは,あるドメイン宛ての電子メールを受け付けるメールサーバのホスト名と,複数ある場合の優先度を指定するレコードである。送信側のメールサーバは,宛先ドメインの MX レコードを問い合わせて配送先を決める。アが正しい。

イのエラー発生時の通知先は DNS のレコードで指定するものではない。ウのゾーンの管理情報やプライマリサーバは SOA レコード,ドメインの DNS サーバは NS レコードで指定する。エのメーリングリストを管理しているサーバを指定するレコードはない。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問18(表記を一部改変)

問19

スパニングツリープロトコルの機能を説明したものはどれか。

正解 

解説

スパニングツリープロトコル(STP)は,冗長な経路をもつレイヤ2のネットワークで,複数のブリッジ(スイッチ)間で BPDU という制御情報を交換し合い,論理的な木構造を作って一部のポートを通信しない状態にし,ループの発生を防ぐ。障害が起きたときは,ブロックしていたポートを使って迂回ルートを決定する。エが正しい。

アの MAC アドレスを見てフレームを廃棄するか中継するかを決めるのはブリッジのフィルタリング機能,イの一定時間通信のない MAC アドレスをテーブルから消去するのは MAC アドレステーブルのエージング機能,ウの経路ごとに振り分けて負荷を分散するのはロードバランシングの機能である。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問19(表記を一部改変)

問20

ファイル転送プロトコル TFTP を FTP と比較したときの記述として,適切なものはどれか。

正解 

解説

TFTP(Trivial File Transfer Protocol)は,FTP を簡素化したファイル転送プロトコルで,トランスポート層に UDP を用い,ユーザ認証の機能をもたない。ネットワーク機器の設定ファイルの転送やネットワークブートなどに使われる。エが正しい。

アの暗号化を用いてセキュリティを強化したファイル転送プロトコルは SFTP や FTPS,イのダウンロード用に特化したものやウのデータ圧縮機能を追加したものは TFTP の説明ではない。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問20(表記を一部改変)

問21

データウェアハウスを構築するために,業務システムごとに異なっているデータ属性やコード体系を統一する処理はどれか。

正解 

解説

データクレンジングは,データウェアハウスを構築するときなどに,複数の業務システムから集めたデータについて,システムごとに異なるデータ属性やコード体系を統一したり,重複や誤り,表記の揺れを修正したりして,データの品質を高める処理である。イが正しい。

ア,ウ,エは,多次元データを分析する OLAP の操作である。アのダイスは分析の軸(次元)を入れ替えて見方を変える操作,ウのドリルダウンは集計の階層を下げて詳細なデータを見る操作,エのロールアップは集計の階層を上げてまとめたデータを見る操作である。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問21(表記を一部改変)

問22

ソフトウェア開発・保守の工程において,リポジトリを構築する理由として,最も適切なものはどれか。

正解 

解説

リポジトリは,要求仕様書,設計書,プログラム,テストデータなど,ソフトウェア開発・保守の各工程で作成される成果物とその情報を一元的に管理するデータベースである。成果物を共有して再利用しやすくなるので開発・保守作業の効率が良くなり,データ項目名などの用語を辞書として統一することもできる。エが該当する。

アの不良の管理は不良管理(障害管理)のデータベース,イの作業手順の定義は標準化された開発プロセスや手順書,ウの作業予定と実績の管理は進捗管理のツールの役割である。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問22(表記を一部改変)

問23

特許権に関する記述のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

特許法第79条では,他社の特許出願の際に,その発明の内容を知らずに自ら発明し,既に日本国内でその発明を実施する事業をしていた者に,先使用による通常実施権を認めている。B 社が A 社の出願より前に独自に開発して日本国内で発売した製品は,その後も製造・販売を続けることができ,A 社の特許権の侵害にならない。アが適切である。

イは誤りで,ソフトウェアも,自然法則を利用した技術的思想の創作であれば,プログラムの発明として特許権で保護される。ウは誤りで,特許権の取得後でも,無効審判によって特許が無効とされることがある。エは誤りで,独自に開発した技術であっても,特許発明と同一の技術を業として実施すれば侵害になる。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問23(表記を一部改変)

問24

入出力データの管理方針のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

出力帳票には重要な情報が含まれることがあるので,受渡しは授受管理表などで記録して確実に行い,重要度の高いものは業務部門の管理者に直接手渡しするなど,紛失や漏えいを防ぐ管理が必要である。アが適切である。

イの出力帳票の停止や,ウの入力データの誤りの修正は,データの利用者であり責任者である業務部門の承認を得て行うべきで,情報システム部門だけの判断で行ってはならない。エの入力原票や EDI 受信ファイルなどの取引情報は,誤りの調査や監査の証跡として,定められた期間保管しておく必要がある。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問24(表記を一部改変)

問25

システム監査における監査証拠の説明のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

監査証拠は,監査人が監査手続を実施して収集又は作成した資料で,監査報告書に記載する監査意見や指摘事項を裏付けるものである。監査意見は,十分かつ適切な監査証拠に基づかなければならない。アが適切である。

イの監査手続を記載した資料は監査計画書や監査手続書である。ウの監査証拠は監査調書にまとめて,定められた期間適切に保管する必要があり,速やかに全てを処分してはならない。エの監査証拠には,被監査部門から提出された資料だけでなく,監査人がインタビューや観察,テストなどによって自ら作成した資料も含まれる。

出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問25(表記を一部改変)