平成27年度 秋期に実施された情報セキュリティスペシャリスト試験
午前Ⅱ(2026年度からの科目A-2)の全25問に,運営者が独自に書いた解説を付けています。正解の理由に加えて,多くの問題でほかの選択肢がなぜ誤りなのかも説明しています。
この試験について:情報処理安全確保支援士試験について
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問1
AES の暗号化方式を説明したものはどれか。
ア 鍵長によって,段数が決まる。 正解
イ 段数は,6回以内の範囲で選択できる。
ウ データの暗号化,復号,暗号化の順に3回繰り返す。
エ 同一の公開鍵を用いて暗号化を3回繰り返す。
正解 ア
解説
AES は,ブロック長 128 ビットの共通鍵暗号方式で,鍵長を 128 ビット,192 ビット,256 ビットから選び,鍵長によって繰り返す変換処理の段数(ラウンド数)が 10 段,12 段,14 段と決まる。アが正しい。
イの段数は利用者が選択するものではなく,6回以内でもない。ウのデータの暗号化,復号,暗号化の順に3回繰り返すのはトリプル DES の方式である。エの AES は共通鍵暗号方式で,公開鍵は用いない。
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問1(表記を一部改変)
問2
特定の認証局が発行した CRL に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア CRL には,失効したディジタル証明書に対応する秘密鍵が登録される。
イ CRL には,有効期限内のディジタル証明書のうち失効したディジタル証明書と失効した日時の対応が提示される。 正解
ウ CRL は,鍵の漏えい,破棄申請の状況をリアルタイムに反映するプロトコルである。
エ 有効期限切れで失効したディジタル証明書は,所有者が新たなディジタル証明書を取得するまでの間,CRL に登録される。
正解 イ
解説
CRL(証明書失効リスト)は,認証局が発行するもので,有効期限内であるにもかかわらず秘密鍵の漏えいなどの理由で失効させたディジタル証明書のシリアル番号と,失効した日時を載せたリストである。証明書を受け取った側は,CRL を見てその証明書が失効していないかを確かめる。イが正しい。
アは誤りで,CRL に秘密鍵は登録されない。ウは誤りで,CRL は定期的に発行されるリストであり,失効状況をリアルタイムに問い合わせるプロトコルは OCSP である。エも誤りで,有効期限が切れた証明書はそれだけで無効なので,CRL に載せる必要はない。
CRL と OCSP の違い
CRL は,認証局が有効期限内に失効させた証明書のシリアル番号と失効日時を一覧にし,署名を付けて公開するもの。利用者はリストを取ってきて自分で照らし合わせる。OCSP は,利用者が調べたい証明書を OCSP レスポンダ(VA)にオンラインで問い合わせ,有効か失効しているかの答えを受け取る。
CRL(証明書失効リスト)
認証局
CA
失効した証明書の一覧
No.1024 3/10 失効
No.2041 5/02 失効
利用者
ブラウザなど
署名して公開
取ってきて照合
載るのは有効期限内に失効した証明書のシリアル番号と日時
OCSP
利用者
ブラウザなど
OCSP レスポンダ
VA(検証局)
この証明書は有効?
有効・失効・不明を返す
その都度オンラインで問い合わせるので,最新の状態が分かる
CRL は一覧を取ってきて自分で調べる,OCSP はその都度問い合わせる
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問2(表記を一部改変)
用語解説:PKI(認証局・CRL・OCSP)
問3
ステートフルインスペクション方式のファイアウォールの特徴はどれか。
ア Web ブラウザと Web サーバとの間に配置され,リバースプロキシサーバとして動作する方式であり,Web ブラウザから Web サーバへの通信に不正なデータがないかどうかを検査する。
イ アプリケーションプロトコルごとにプロキシプログラムを用意する方式であり,クライアントからの通信を目的のサーバに中継する際に,不正なデータがないかどうかを検査する。
ウ 特定のアプリケーションプロトコルだけを通過させるゲートウェイソフトウェアを利用する方式であり,クライアントからのコネクションの要求を受け付けて,目的のサーバに改めてコネクションを要求することによって,アクセスを制御する。
エ パケットフィルタリングを拡張した方式であり,過去に通過したパケットから通信セッションを認識し,受け付けたパケットを通信セッションの状態に照らし合わせて通過させるか遮断させるかを判断する。 正解
正解 エ
解説
ステートフルインスペクション方式は,パケットフィルタリングを拡張した方式で,通過したパケットの情報から通信セッション(コネクション)の状態を記録しておき,受け付けたパケットがその状態に照らして正当な通信の一部かどうかを判断し,通過させるか遮断するかを決める。エが正しい。
アのリバースプロキシとして動作し不正なデータを検査するのは WAF。イのアプリケーションプロトコルごとにプロキシプログラムを用意するのはアプリケーションゲートウェイ方式。ウのクライアントからの要求を受け付けて改めてサーバにコネクションを要求するのはサーキットレベルゲートウェイ方式である。
ステートフルインスペクション
内側の PC が外の Web サーバへ要求を出すと,ファイアウォールはその通信(送信元・宛先のアドレスとポート)を状態表に覚える。外から戻ってきたパケットは,状態表にある通信の応答であれば通し,表にない外からのパケットは通さない。静的なパケットフィルタのように,戻りのために 1024 以上のポートを広く開けておく必要がない。
社内 PC
FW
状態表
Web
攻撃者
① 要求
② 応答 → 通す
表にない外からの通信 → 通さない
戻りのために高いポート番号を広く開けなくてよい
内から出た要求に対応する戻りだけを通す
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問3(表記を一部改変)
用語解説:ファイアウォールと DMZ
問4
PC などに内蔵されるセキュリティチップ(TPM:Trusted Platform Module)がもつ機能はどれか。
ア TPM 間での共通鍵の交換
イ 鍵ペアの生成 正解
ウ ディジタル証明書の発行
エ ネットワーク経由の乱数送信
正解 イ
解説
TPM(Trusted Platform Module)は,PC などのマザーボードに組み込まれるセキュリティチップで,RSA の鍵ペアの生成,暗号化や署名などの演算,鍵の安全な保管,乱数の生成,プラットフォームの完全性の計測などの機能をもつ。耐タンパ性があり,秘密鍵をチップの外に出さずに扱える。イが正しい。
アの TPM 間での共通鍵の交換,ウのディジタル証明書の発行(認証局の役割),エのネットワーク経由の乱数送信は,TPM の機能ではない。
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問4(表記を一部改変)
用語解説:共通鍵暗号と公開鍵暗号
問5
ポリモーフィック型ウイルスの説明として,適切なものはどれか。
ア インターネットを介して,攻撃者が PC を遠隔操作する。
イ 感染するごとにウイルスのコードを異なる鍵で暗号化し,コード自身を変化させることによって,同一のパターンで検知されないようにする。 正解
ウ 複数の OS で利用できるプログラム言語でウイルスを作成することによって,複数の OS 上でウイルスが動作する。
エ ルートキットを利用してウイルスに感染していないように見せかけることによって,ウイルスを隠蔽する。
正解 イ
解説
ポリモーフィック型ウイルスは,感染するたびに自身のコードを異なる鍵で暗号化したり,復号ルーチンを変形したりして,見た目のコードを毎回変える。そのため,既知のウイルスのコードの一部を特徴(シグネチャ)として照合するパターンマッチング方式では検知されにくい。イが適切である。
アの攻撃者がインターネットを介して PC を遠隔操作するのはボットや RAT(遠隔操作ウイルス)。ウの複数の OS で動作するのはクロスプラットフォーム型のウイルス。エのルートキットを利用して感染を隠蔽するのはステルス型のウイルスの説明である。
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問5(表記を一部改変)
用語解説:マルウェア(ルートキット・ポリモーフィック型・ビヘイビア法)
問6
ISO/IEC 15408 を評価基準とする“IT セキュリティ評価及び認証制度”の説明として,適切なものはどれか。
ア 暗号モジュールに暗号アルゴリズムが適切に実装され,暗号鍵などが確実に保護されているかどうかを評価及び認証する制度
イ 主に無線 LAN において,RADIUS などと連携することで,認証されていない利用者を全て排除し,認証された利用者だけの通信を通過させることを評価及び認証する制度
ウ 情報技術に関連した製品のセキュリティ機能の適切性,確実性を第三者機関が評価し,その結果を公的に認証する制度 正解
エ 情報セキュリティマネジメントシステムが,基準にのっとり,適切に組織内に構築,運用されていることを評価及び認証する制度
正解 ウ
解説
ISO/IEC 15408(コモンクライテリア)を評価基準とする“IT セキュリティ評価及び認証制度”(JISEC)は,IT 製品やシステムのセキュリティ機能が適切に設計され,確実に実装されているかを第三者の評価機関が評価し,その結果を認証機関が公的に認証する制度である。ウが正しい。
アの暗号モジュールの実装や暗号鍵の保護を評価・認証するのは暗号モジュール試験及び認証制度(JCMVP)。イは IEEE 802.1X などによる認証の仕組みの説明で,評価・認証制度ではない。エの ISMS の構築・運用を評価・認証するのは ISMS 適合性評価制度である。
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問6(表記を一部改変)
用語解説:IEEE 802.1X・RADIUS(ネットワークの利用者認証) ISO/IEC 15408(コモンクライテリア)と FIPS 140
問7
特定の情報資産の漏えいに関するリスク対応のうち,リスク回避に該当するものはどれか。
ア 外部の者が侵入できないように,入退室をより厳重に管理する。
イ 情報資産を外部のデータセンタに預託する。
ウ 情報の新たな収集を禁止し,収集済みの情報を消去する。 正解
エ 情報の重要性と対策費用を勘案し,あえて対策をとらない。
正解 ウ
解説
リスク回避は,リスクの原因となる活動そのものをやめたり,情報資産を手放したりして,リスクが発生しないようにする対応である。情報の新たな収集を禁止し,収集済みの情報を消去すれば,その情報が漏えいするリスクそのものがなくなる。ウが該当する。
アの入退室の管理を厳重にするのは,リスクの発生可能性を下げるリスク低減。イの情報資産を外部のデータセンタに預託するのは,リスクの一部を外部と分担するリスク移転(共有)。エの重要性と対策費用を勘案してあえて対策をとらないのは,リスク受容(保有)である。
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問7(表記を一部改変)
問8
水飲み場型攻撃(Watering Hole Attack)の手口はどれか。
ア アイコンを文書ファイルのものに偽装した上で,短いスクリプトを埋め込んだショートカットファイル(LNK ファイル)を電子メールに添付して標的組織の従業員に送信する。
イ 事務連絡などのやり取りを行うことで,標的組織の従業員の気を緩めさせ,信用させた後,攻撃コードを含む実行ファイルを電子メールに添付して送信する。
ウ 標的組織の従業員が頻繁にアクセスする Web サイトに攻撃コードを埋め込み,標的組織の従業員がアクセスしたときだけ攻撃が行われるようにする。 正解
エ ミニブログのメッセージにおいて,ドメイン名を短縮してリンク先の URL を分かりにくくすることによって,攻撃コードを埋め込んだ Web サイトに標的組織の従業員を誘導する。
正解 ウ
解説
水飲み場型攻撃は,標的とする組織の従業員が頻繁にアクセスする Web サイトを改ざんして攻撃コードを埋め込み,標的組織からのアクセス(IP アドレスなど)であるときだけ攻撃が行われるようにして,マルウェアに感染させる攻撃である。肉食動物が水飲み場で獲物を待ち伏せる様子にたとえている。ウが正しい。
アの偽装したショートカットファイルを添付して送るのと,イのやり取りで信用させてから攻撃コードを含むファイルを送るのは標的型攻撃メール(イはやり取り型攻撃)。エの短縮 URL で攻撃サイトに誘導するのは,ソーシャルメディアを悪用した誘導の手口である。
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問8(表記を一部改変)
用語解説:ソーシャルエンジニアリングと標的型攻撃
問9
不正が発生する際には“不正のトライアングル”の3要素全てが存在すると考えられている。“不正のトライアングル”の構成要素の説明のうち,適切なものはどれか。
ア “機会”とは,情報システムなどの技術や物理的な環境及び組織のルールなど,内部者による不正行為の実行を可能,又は容易にする環境の存在である。 正解
イ “情報と伝達”とは,必要な情報が識別,把握及び処理され,組織内外及び関係者相互に正しく伝えられるようにすることである。
ウ “正当化”とは,ノルマによるプレッシャーなどのことである。
エ “動機”とは,良心のかしゃくを乗り越える都合の良い解釈や他人への責任転嫁など,内部者が不正行為を自ら納得させるための自分勝手な理由付けである。
正解 ア
解説
不正のトライアングルは,米国の犯罪学者クレッシーが提唱した考え方で,不正は“機会”“動機(プレッシャー)”“正当化”の3要素がそろったときに発生するとしている。“機会”は,技術や物理的な環境,組織のルールなど,内部者が不正行為を実行できる,又は容易に実行できる環境の存在であり,アが適切である。
イの“情報と伝達”は,内部統制の基本的要素の一つで,不正のトライアングルの要素ではない。ウのノルマによるプレッシャーは“動機”の説明,エの都合の良い解釈や責任転嫁などの自分勝手な理由付けは“正当化”の説明で,入れ替わっている。
不正のトライアングル
不正は,機会(不正ができる環境),動機(プレッシャー,ノルマや借金など),正当化(自分に都合のよい理由付け)の3つがそろったときに起きる。“機会”は,技術や物理的な環境,組織のルールなどの面で,不正を実行できる,又は実行しやすい状態があること。
機会
不正をできる環境
動機
ノルマ・借金など
正当化
都合のよい理由付け
内部統制の“情報と伝達”は,このトライアングルの要素ではない
3つがそろうと不正が起きる。機会は「やれてしまう環境」
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問9(表記を一部改変)
問10
ICMP Flood 攻撃に該当するものはどれか。
ア HTTP GET コマンドを繰り返し送ることによって,攻撃対象のサーバにコンテンツ送信の負荷を掛ける。
イ ping コマンドを用いて大量の要求パケットを発信することによって,攻撃対象のサーバに至るまでの回線を過負荷にしてアクセスを妨害する。 正解
ウ コネクション開始要求に当たる SYN パケットを大量に送ることによって,攻撃対象のサーバに,接続要求ごとに応答を返すための過大な負荷を掛ける。
エ 大量の TCP コネクションを確立することによって,攻撃対象のサーバに接続を維持させ続けてリソースを枯渇させる。
正解 イ
解説
ICMP Flood 攻撃(Ping Flood 攻撃)は,ping コマンドなどで ICMP エコー要求パケットを大量に送りつけ,攻撃対象のサーバや,そこに至るまでの回線を過負荷にして,正規の利用者のアクセスを妨害する攻撃である。イが該当する。
アの HTTP GET コマンドを繰り返し送るのは HTTP GET Flood 攻撃,ウの SYN パケットを大量に送るのは SYN Flood 攻撃,エの大量の TCP コネクションを確立して接続を維持させるのは,TCP コネクションを使い切らせる DoS 攻撃(TCP コネクションフラッド)である。
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問10(表記を一部改変)
問11
VLAN 機能をもった1台のレイヤ3スイッチに複数の PC を接続している。スイッチのポートをグループ化して複数のセグメントに分けると,セグメントを分けない場合に比べて,どのようなセキュリティ上の効果が得られるか。
ア スイッチが,PC から送出される ICMP パケットを全て遮断するので,PC 間のマルウェア感染のリスクを低減できる。
イ スイッチが,PC からのブロードキャストパケットの到達範囲を制限するので,アドレス情報の不要な流出のリスクを低減できる。 正解
ウ スイッチが,PC の MAC アドレスから接続可否を判別するので,PC の不正接続のリスクを低減できる。
エ スイッチが,物理ポートごとに,決まった IP アドレスの PC 接続だけを許可するので,PC の不正接続のリスクを低減できる。
正解 イ
解説
VLAN でポートを複数のセグメントに分けると,ブロードキャストパケットはそのセグメント(ブロードキャストドメイン)の中にしか届かなくなる。ARP 要求などのブロードキャストに含まれる IP アドレスや MAC アドレスの情報が,他のセグメントの PC に不要に流れることを防げるので,イが効果の一つである。
アは誤りで,VLAN は同一セグメント内の ICMP パケットを遮断する機能ではない。ウの MAC アドレスによる接続可否の判別や,エの物理ポートごとに決まった IP アドレスの PC だけを許可する機能は,それぞれ MAC アドレス認証やポートセキュリティなどの機能であり,ポートをセグメントに分けることで得られる効果ではない。
VLAN でブロードキャストが届く範囲
1台のスイッチのポートを VLAN 10 と VLAN 20 に分けると,VLAN 10 の PC が出したブロードキャストは VLAN 10 のポートにだけ届き,VLAN 20 には届かない。ブロードキャストに含まれるアドレス情報が関係のないセグメントに流れなくなる。VLAN 間の通信はルータ(レイヤ3スイッチ)を通る。
スイッチ
PC
VLAN10
PC
VLAN10
PC
VLAN10
PC
VLAN20
PC
VLAN20
PC
VLAN20
送信
届く
届かない
VLAN ごとにブロードキャストドメインが分かれる
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問11(表記を一部改変)
用語解説:スパニングツリー・VLAN・リンクアグリゲーション
問12
クロスサイトスクリプティングによる攻撃を防止する対策はどれか。
ア Web サーバに SNMP エージェントを常駐稼働させ,Web サーバの負荷状態を監視する。
イ Web サーバの OS のセキュリティパッチについて,常に最新のものを適用する。
ウ Web サイトへのデータ入力について,許容範囲を超えた大きさのデータの書込みを禁止する。
エ Web サイトへの入力データを表示するときに,HTML で特別な意味をもつ文字のエスケープ処理を行う。 正解
正解 エ
解説
クロスサイトスクリプティングは,利用者の入力データをそのまま表示する Web サイトの脆弱性を突いて,悪意のあるスクリプトを埋め込み,閲覧者のブラウザで実行させる攻撃である。入力データを表示するときに“<”“>”“&”“"”など HTML で特別な意味をもつ文字をエスケープ処理して無効にすれば,スクリプトとして解釈されなくなる。エが正しい。
アの SNMP エージェントによる負荷状態の監視は運用監視,イの OS のセキュリティパッチの適用は OS の脆弱性への対策,ウの許容範囲を超えた大きさのデータの書込みの禁止はバッファオーバフロー攻撃への対策である。
XSS・CSRF・クリックジャッキング
XSS(反射型)は,スクリプトを含む罠のリンクを利用者に開かせ,脆弱なサイトがそのスクリプトをそのままページに埋めて返すので,利用者のブラウザで実行される。CSRF は,ログイン中の利用者に罠のページを開かせ,その利用者の Cookie 付きで意図しない要求(書込み・送金など)を正規のサイトに送らせる。クリックジャッキングは,透明にした正規サイトを罠のページに重ね,別のボタンだと思わせて押させる。
XSS(反射型)
攻撃者
利用者のブラウザ
脆弱なサイト
① 罠のリンク
② 開く ③ そのまま返す
埋め込まれたスクリプトが利用者のブラウザで動く(Cookie を盗むなど)
対策:出力時のエスケープ,Cookie の HttpOnly 属性
CSRF
罠のページ
利用者のブラウザ
正規のサイト
ログイン中
① 開く
② 送信させる
③ Cookie 付き
本人が操作したものとして,書込みや送金が行われる
対策:推測できないトークンを埋めて確かめる,SameSite 属性
クリックジャッキング
プレゼント
上に透明な正規サイト(「退会する」など)を
重ねて,下のボタンだと思わせて押させる
対策:X-Frame-Options,CSP の frame-ancestors
XSS はサイトの出力が汚される,CSRF は要求が偽造される,クリックジャッキングは画面が重ねられる
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問12(表記を一部改変)
用語解説:XSS・CSRF・クリックジャッキング
問13
Web サーバが HTTPS 通信の応答で Cookie に Secure 属性を設定したときのブラウザの処理はどれか。
ア ブラウザは,Cookie の“Secure=”に続いて指定された時間を参照し,指定された時間を過ぎている場合にその Cookie を削除する。
イ ブラウザは,Cookie の“Secure=”に続いて指定されたホスト名を参照し,指定されたホストにその Cookie を送信する。
ウ ブラウザは,Cookie の“Secure”を参照し,HTTPS 通信時だけその Cookie を送信する。 正解
エ ブラウザは,Cookie の“Secure”を参照し,ブラウザの終了時にその Cookie を削除する。
正解 ウ
解説
Cookie の Secure 属性は,その Cookie を HTTPS などの暗号化された通信のときだけ送信するようブラウザに指示する属性で,値をもたない。Secure 属性が設定されていれば,ブラウザは HTTP の通信ではその Cookie を送信しないので,盗聴によるセッション ID などの漏えいを防げる。ウが正しい。
アの有効期限を指定するのは Expires 属性や Max-Age 属性,イの送信先のホストを指定するのは Domain 属性である。エのブラウザの終了時に削除されるのは,有効期限を指定しないセッション Cookie の動作で,Secure 属性の働きではない。
cookie の Secure 属性
Secure 属性を付けた cookie は,HTTPS などの暗号化された通信のときだけブラウザが送る。HTTP の通信では送らないので,平文の通信で盗聴されてセッション ID などが漏れるのを防げる。有効期限は Expires・Max-Age,JavaScript から読めなくするのは HttpOnly の役目。
ブラウザ
Secure 付き cookie
https:// のページ
http:// のページ
送る
送らない
HttpOnly:JavaScript から読めない Expires:有効期限
Secure を付けると HTTPS のときだけ送る
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問13(表記を一部改変)
問14
テンペスト(TEMPEST)攻撃を説明したものはどれか。
ア 故意に暗号化演算を誤動作させて正しい処理結果との差異を解析する。
イ 処理時間の差異を計測し解析する。
ウ 処理中に機器から放射される電磁波を観測し解析する。 正解
エ チップ内の信号線などに探針を直接当て,処理中のデータを観測し解析する。
正解 ウ
解説
テンペスト(TEMPEST)攻撃は,ディスプレイやケーブル,機器などから漏れて放射される微弱な電磁波を離れた場所で観測・解析し,表示内容や処理中のデータを盗み取る攻撃である。ウが正しい。
アの故意に誤動作させて正しい結果との差異を解析するのは故障利用攻撃(フォールト攻撃),イの処理時間の差異を計測して解析するのはタイミング攻撃,エのチップ内の信号線に探針を当ててデータを観測するのはプロービング攻撃である。いずれも暗号モジュールなどに対するサイドチャネル攻撃や物理的な攻撃の一種である。
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問14(表記を一部改変)
問15
脆弱性検査で,対象ホストに対してポートスキャンを行った。対象ポートの状態を判定する方法のうち,適切なものはどれか。
ア 対象ポートに SYN パケットを送信し,対象ホストから“RST/ACK”パケットを受信するとき,接続要求が許可されたと判定する。
イ 対象ポートに SYN パケットを送信し,対象ホストから“SYN/ACK”パケットを受信するとき,接続要求が中断又は拒否されたと判定する。
ウ 対象ポートに UDP パケットを送信し,対象ホストからメッセージ“port unreachable”を受信するとき,対象ポートが閉じていると判定する。 正解
エ 対象ポートに UDP パケットを送信し,対象ホストからメッセージ“port unreachable”を受信するとき,対象ポートが開いていると判定する。
正解 ウ
解説
UDP のポートスキャンでは,対象ポートに UDP パケットを送り,ICMP の“port unreachable”(ポート到達不能)メッセージが返ってくれば,そのポートは閉じていると判定する。応答がない場合は,開いているか,フィルタリングされている可能性がある。ウが適切である。
エは開いていると判定しており逆である。ア,イの TCP の SYN スキャンでは,SYN/ACK が返ってくればポートが開いていて接続要求が許可されたと判定し,RST/ACK が返ってくればポートが閉じていて接続が拒否されたと判定するので,いずれも判定が逆になっている。
ポートスキャンの応答と判定
TCP の SYN スキャンでは,SYN を送って SYN/ACK が返れば開いている,RST が返れば閉じている。UDP では,UDP パケットを送って ICMP の port unreachable が返れば閉じている,何も返らなければ開いているか,フィルタされている。
送るもの
返ってきたもの
判定
TCP の SYN
SYN/ACK
開いている
TCP の SYN
RST
閉じている
UDP パケット
ICMP port unreachable
閉じている
UDP パケット
何も返らない
開いているかも
UDP は応答が無いことが多いので,閉じているときの ICMP で見分ける
UDP で ICMP port unreachable が返れば閉じている
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問15(表記を一部改変)
問16
ダウンローダ型マルウェアが内部ネットワークの PC に感染したとき,そのマルウェアによってインターネット経由で他のマルウェアがダウンロードされることを防ぐ対策として,最も有効なものはどれか。
ア URL フィルタを用いてインターネット上の危険な Web サイトへの接続を遮断する。 正解
イ インターネットから内部ネットワークに向けた要求パケットによる不正侵入行為を IPS で破棄する。
ウ スパムメール対策サーバでインターネットからのスパムメールを拒否する。
エ メールフィルタで他サイトへの不正メール発信を遮断する。
正解 ア
解説
ダウンローダ型ウイルスは,PC に入り込んだ後,攻撃者が用意した外部の Web サイトへ自分から接続し,本体となる別のウイルスを取ってくる。危険な Web サイトの情報をもつ URL フィルタでその接続を遮断すれば,追加のウイルスを取り込ませずに済む。アが最も有効である。
イの IPS はインターネットから内部ネットワークに向けた要求パケットを検査するもので,内部の PC から外部へ接続して行うダウンロードは防げない。ウのスパムメールの拒否は,ウイルスが侵入する前の対策である。エの不正メール発信の遮断は,他サイトへの被害の拡大を防ぐ対策で,ダウンロードは防げない。
ダウンローダ型マルウェアの追加のダウンロードを止める
PC に入り込んだダウンローダ型マルウェアは,自分から外部の攻撃者のサイトへ接続して本体のマルウェアを取ってくる。内から外への接続をプロキシの URL フィルタで危険なサイトへの接続として遮断すれば,追加のマルウェアを取り込ませずに済む。外から内への通信を見る IPS では,内から外へ出ていく接続は止められない。
感染した PC
プロキシ
URL フィルタ
攻撃者の
サイト
取りに行く
遮断
IPS は外から内への要求を検査するので,この接続は止められない
内から外への接続を止める(外から内を見る IPS では止まらない)
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問16(表記を一部改変)
用語解説:マルウェア(ルートキット・ポリモーフィック型・ビヘイビア法) WAF・IDS・IPS
問17
OAuth 2.0 において,Web サービス A の利用者 C が,Web サービス B にリソース D を所有している。利用者 C の承認の下,Web サービス A が,リソース D への限定的なアクセス権限を取得するときのプロトコル OAuth 2.0 の動作はどれか。
ア Web サービス A が,アクセストークンを発行する。
イ Web サービス A が,利用者 C のディジタル証明書を Web サービス B に送信する。
ウ Web サービス B が,アクセストークンを発行する。 正解
エ Web サービス B が,利用者 C のディジタル証明書を Web サービス A に送信する。
正解 ウ
解説
OAuth 2.0 では,利用者 C(リソースオーナ)が承認すると,リソース D を保有する Web サービス B 側の認可サーバが,Web サービス A(クライアント)に対してアクセストークンを発行する。Web サービス A は,そのアクセストークンを Web サービス B に提示して,許可された範囲でリソース D にアクセスする。利用者のパスワードを A に渡す必要はない。ウが正しい。
アのアクセストークンを発行するのはリソースへのアクセスを認可する B 側で,アクセスする側の A ではない。イ,エのように利用者のディジタル証明書を送信することは,OAuth 2.0 の動作ではない。
OAuth 2.0 で権限を渡す流れ
利用者が写真の印刷サービス(サービス A)に,写真の保管サービス(サービス B)にある写真を読む権限だけを渡す例。利用者はサービス B で読み取りを許可し,サービス B の認可サーバがサービス A にアクセストークンを発行する。サービス A はトークンを付けて写真を要求する。利用者のパスワードはサービス A に渡らない。
利用者
サービス A
印刷する側
サービス B
写真がある側
① 写真を印刷して
② B の許可画面へ
③ B にログインして「読み取り」を許可
④ アクセストークン
⑤ トークン付きで要求
⑥ 許可した写真だけ
利用者のパスワードは A に教えない
アクセストークンを出すのは,リソース(写真)があるサービス B の認可サーバ
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問17(表記を一部改変)
用語解説:シングルサインオン(SAML・OAuth)
問18
DNS の MX レコードで指定するものはどれか。
ア 宛先ドメインへの電子メールを受け付けるメールサーバ 正解
イ エラーが発生したときの通知先のメールアドレス
ウ 複数の DNS サーバが動作しているときのマスタ DNS サーバ
エ メーリングリストを管理しているサーバ
正解 ア
解説
DNS の MX(Mail eXchange)レコードは,あるドメイン宛ての電子メールを受け付けるメールサーバのホスト名と,複数ある場合の優先度を指定するレコードである。送信側のメールサーバは,宛先ドメインの MX レコードを問い合わせて配送先を決める。アが正しい。
イのエラー発生時の通知先は DNS のレコードで指定するものではない。ウのゾーンの管理情報やプライマリサーバは SOA レコード,ドメインの DNS サーバは NS レコードで指定する。エのメーリングリストを管理しているサーバを指定するレコードはない。
DNS のおもなリソースレコード
A はホスト名に対応する IPv4 アドレス,AAAA は IPv6 アドレス。MX はそのドメイン宛てのメールを受け取るメールサーバのホスト名と優先度(プリファレンス値が小さいほど優先)。NS はゾーンを管理する DNS サーバで,サブドメインへの委任にも使う。CNAME は別名,PTR は IP アドレスからホスト名(逆引き),SOA はゾーンの管理情報。
レコード
書くもの
例
A
名前 → IPv4
www → 192.0.2.10
AAAA
名前 → IPv6
www → 2001:db8::10
MX
メールサーバと優先度
example.jp → 10 mail
NS
ゾーンの DNS サーバ
sub → ns.sub
CNAME
別名 → 正式名
web → www
PTR
IP → 名前(逆引き)
10 → www
SOA
ゾーンの管理情報
シリアル番号など
MX の値はホスト名(IP アドレスや別名は書かない)
MX はメールの配送先(ホスト名で書く,値が小さいほど優先)
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問18(表記を一部改変)
問19
スパニングツリープロトコルの機能を説明したものはどれか。
ア MAC アドレスを見て,フレームを廃棄するか中継するかを決める。
イ 一定時間通信が行われていない MAC アドレスを,MAC アドレステーブルから消去する。
ウ 経路が複数存在する場合,アプリケーションやアドレスごとに経路を振り分けて,負荷を分散する。
エ 複数のブリッジ間で情報を交換し合い,ループ発生の検出や障害発生時の迂回ルート決定を行う。 正解
正解 エ
解説
スパニングツリープロトコル(STP)は,冗長な経路をもつレイヤ2のネットワークで,複数のブリッジ(スイッチ)間で BPDU という制御情報を交換し合い,論理的な木構造を作って一部のポートを通信しない状態にし,ループの発生を防ぐ。障害が起きたときは,ブロックしていたポートを使って迂回ルートを決定する。エが正しい。
アの MAC アドレスを見てフレームを廃棄するか中継するかを決めるのはブリッジのフィルタリング機能,イの一定時間通信のない MAC アドレスをテーブルから消去するのは MAC アドレステーブルのエージング機能,ウの経路ごとに振り分けて負荷を分散するのはロードバランシングの機能である。
スパニングツリーのルートブリッジとポート
ブリッジ ID(優先順位+MAC アドレス)が最も小さいブリッジがルートブリッジ。ほかの各ブリッジで,ルートまでのコストが最小のポートがルートポート(R)。各リンクの両端のうち,ルートまでのコストが小さい側のポートが代表ポート(D)。どちらにもならないポートはブロックされ,ループができない。
S1(ルート)
S2
S3
D
D
R
R
D
S2–S3 の間:ID の小さい S2 側が D,S3 側はブロック
ルート:ブリッジ ID(優先順位+MAC)が最小
R:ルートポート D:代表ポート ×:ブロック
リンクごとにルートに近い側が代表ポート。残りはブロック
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問19(表記を一部改変)
用語解説:スパニングツリー・VLAN・リンクアグリゲーション
問20
ファイル転送プロトコル TFTP を FTP と比較したときの記述として,適切なものはどれか。
ア 暗号化を用いてセキュリティ機能を強化したファイル転送プロトコル
イ インターネットからのファイルのダウンロード用に特化したファイル転送プロトコル
ウ テキストデータの転送を効率的に行うためにデータ圧縮機能を追加したファイル転送プロトコル
エ ユーザ認証を省略し UDP を用いる,簡素化されたファイル転送プロトコル 正解
正解 エ
解説
TFTP(Trivial File Transfer Protocol)は,FTP を簡素化したファイル転送プロトコルで,トランスポート層に UDP を用い,ユーザ認証の機能をもたない。ネットワーク機器の設定ファイルの転送やネットワークブートなどに使われる。エが正しい。
アの暗号化を用いてセキュリティを強化したファイル転送プロトコルは SFTP や FTPS,イのダウンロード用に特化したものやウのデータ圧縮機能を追加したものは TFTP の説明ではない。
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問20(表記を一部改変)
問21
データウェアハウスを構築するために,業務システムごとに異なっているデータ属性やコード体系を統一する処理はどれか。
ア ダイス
イ データクレンジング 正解
ウ ドリルダウン
エ ロールアップ
正解 イ
解説
データクレンジングは,データウェアハウスを構築するときなどに,複数の業務システムから集めたデータについて,システムごとに異なるデータ属性やコード体系を統一したり,重複や誤り,表記の揺れを修正したりして,データの品質を高める処理である。イが正しい。
ア,ウ,エは,多次元データを分析する OLAP の操作である。アのダイスは分析の軸(次元)を入れ替えて見方を変える操作,ウのドリルダウンは集計の階層を下げて詳細なデータを見る操作,エのロールアップは集計の階層を上げてまとめたデータを見る操作である。
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問21(表記を一部改変)
問22
ソフトウェア開発・保守の工程において,リポジトリを構築する理由として,最も適切なものはどれか。
ア 各工程で検出した不良を管理することが可能になり,ソフトウェアの品質分析が容易になる。
イ 各工程での作業手順を定義することが容易になり,開発・保守時の作業ミスを防止することができる。
ウ 各工程での作業予定と実績を関連付けて管理することが可能になり,作業の進捗管理が容易になる。
エ 各工程での成果物を一元管理することによって,開発・保守作業の効率が良くなり,用語の統一もできる。 正解
正解 エ
解説
リポジトリは,要求仕様書,設計書,プログラム,テストデータなど,ソフトウェア開発・保守の各工程で作成される成果物とその情報を一元的に管理するデータベースである。成果物を共有して再利用しやすくなるので開発・保守作業の効率が良くなり,データ項目名などの用語を辞書として統一することもできる。エが該当する。
アの不良の管理は不良管理(障害管理)のデータベース,イの作業手順の定義は標準化された開発プロセスや手順書,ウの作業予定と実績の管理は進捗管理のツールの役割である。
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問22(表記を一部改変)
問23
特許権に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア A 社が特許を出願するよりも前に B 社が独自に開発して日本国内で発売した製品は,A 社の特許権の侵害にならない。 正解
イ 組込み機器におけるハードウェアは特許権で保護されるが,ソフトウェアは保護されない。
ウ 審査を受けて特許権を取得した後に,特許権が無効となることはない。
エ 先行特許と同一の技術であっても,独自に開発した技術であれば特許権の侵害にならない。
正解 ア
解説
特許法第79条では,他社の特許出願の際に,その発明の内容を知らずに自ら発明し,既に日本国内でその発明を実施する事業をしていた者に,先使用による通常実施権を認めている。B 社が A 社の出願より前に独自に開発して日本国内で発売した製品は,その後も製造・販売を続けることができ,A 社の特許権の侵害にならない。アが適切である。
イは誤りで,ソフトウェアも,自然法則を利用した技術的思想の創作であれば,プログラムの発明として特許権で保護される。ウは誤りで,特許権の取得後でも,無効審判によって特許が無効とされることがある。エは誤りで,独自に開発した技術であっても,特許発明と同一の技術を業として実施すれば侵害になる。
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問23(表記を一部改変)
用語解説:著作権と知的財産権(特許・営業秘密・ライセンス)
問24
入出力データの管理方針のうち,適切なものはどれか。
ア 出力帳票の受渡しは授受管理表などを用いて確実に行い,情報の重要度によっては業務部門の管理者に手渡しする。 正解
イ 出力帳票の利用状況を定期的に点検し,利用されていないと判断したものは,情報システム部門の判断で出力を停止する。
ウ チェックによって発見された入力データの誤りは,情報システム部門の判断で修正する。
エ 入力原票や EDI 受信ファイルなどの取引情報は,機密性を確保するために,データをシステムに取り込んだら速やかに廃棄する。
正解 ア
解説
出力帳票には重要な情報が含まれることがあるので,受渡しは授受管理表などで記録して確実に行い,重要度の高いものは業務部門の管理者に直接手渡しするなど,紛失や漏えいを防ぐ管理が必要である。アが適切である。
イの出力帳票の停止や,ウの入力データの誤りの修正は,データの利用者であり責任者である業務部門の承認を得て行うべきで,情報システム部門だけの判断で行ってはならない。エの入力原票や EDI 受信ファイルなどの取引情報は,誤りの調査や監査の証跡として,定められた期間保管しておく必要がある。
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問24(表記を一部改変)
問25
システム監査における監査証拠の説明のうち,適切なものはどれか。
ア 監査人が収集又は作成する資料であり,監査報告書に記載する監査意見や指摘事項は,その資料によって裏付けられていなければならない。 正解
イ 監査人が当初設定した監査手続を記載した資料であり,監査人はその資料に基づいて監査を実施しなければならない。
ウ 機密性の高い情報が含まれている資料であり,監査人は監査報告書の作成後,速やかに全てを処分しなければならない。
エ 被監査部門が監査人に提出する資料であり,監査人が自ら作成する資料は含まれない。
正解 ア
解説
監査証拠は,監査人が監査手続を実施して収集又は作成した資料で,監査報告書に記載する監査意見や指摘事項を裏付けるものである。監査意見は,十分かつ適切な監査証拠に基づかなければならない。アが適切である。
イの監査手続を記載した資料は監査計画書や監査手続書である。ウの監査証拠は監査調書にまとめて,定められた期間適切に保管する必要があり,速やかに全てを処分してはならない。エの監査証拠には,被監査部門から提出された資料だけでなく,監査人がインタビューや観察,テストなどによって自ら作成した資料も含まれる。
出典:平成27年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問25(表記を一部改変)
用語解説:システム監査(監査手続・監査証拠・フォローアップ)
情報処理安全確保支援士試験のほかの年度
科目A-2(午前Ⅱ)
令和7年度 秋期
令和7年度 春期
令和6年度 秋期
令和6年度 春期
令和5年度 秋期
令和5年度 春期
令和4年度 秋期
令和4年度 春期
令和3年度 秋期
令和3年度 春期
令和2年度 10月
令和元年度 秋期
平成31年度 春期
平成30年度 秋期
平成30年度 春期
平成29年度 秋期
平成29年度 春期
平成28年度 秋期
平成28年度 春期
平成27年度 秋期
平成27年度 春期
平成26年度 秋期
平成26年度 春期
平成25年度 秋期
平成25年度 春期
平成24年度 秋期
平成24年度 春期
平成23年度 秋期
平成23年度 特別試験
平成22年度 秋期
平成22年度 春期
平成21年度 秋期
平成21年度 春期
科目B(午後)
令和7年度 秋期
令和7年度 春期
令和6年度 秋期
令和6年度 春期
令和5年度 秋期
午後Ⅰ(旧試験)
令和5年度 春期
令和4年度 秋期
令和4年度 春期
令和3年度 秋期
令和3年度 春期
令和2年度 10月
令和元年度 秋期
平成31年度 春期
平成30年度 秋期
平成30年度 春期
平成29年度 秋期
平成29年度 春期
平成28年度 秋期
平成28年度 春期
平成27年度 秋期
平成27年度 春期
平成26年度 秋期
平成26年度 春期
平成25年度 秋期
平成25年度 春期
平成24年度 秋期
平成24年度 春期
平成23年度 秋期
平成23年度 特別試験
平成22年度 秋期
平成22年度 春期
平成21年度 秋期
平成21年度 春期
午後Ⅱ(旧試験)
令和5年度 春期
令和4年度 秋期
令和4年度 春期
令和3年度 秋期
令和3年度 春期
令和2年度 10月
令和元年度 秋期
平成31年度 春期
平成30年度 秋期
平成30年度 春期
平成29年度 秋期
平成29年度 春期
平成28年度 秋期
平成28年度 春期
平成27年度 秋期
平成27年度 春期
平成26年度 秋期
平成26年度 春期
平成25年度 秋期
平成25年度 春期
平成24年度 秋期
平成24年度 春期
平成23年度 秋期
平成23年度 特別試験
平成22年度 秋期
平成22年度 春期
平成21年度 秋期
平成21年度 春期
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