令和5年度 春期に実施されたITストラテジスト試験
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問1
SCOR(Supply Chain Operations Reference model)で定義している SCM に関する実行プロセスのうち,自社にとっての Source に当たるものはどれか。
ア 資材などの購入 正解
イ 受注と納入
ウ 納入後に発生する作業
エ プロダクトの生産,サービスの実施
正解 ア
解説
SCOR(Supply Chain Operations Reference model)は,サプライチェーンの業務を共通の枠組みで記述するための参照モデルである。実行プロセスを,計画(Plan),調達(Source),生産(Make),配送(Deliver),返品(Return)などに分類している。Source は,製品やサービスを作るために必要な資材などを購入・調達するプロセスなので,アが該当する。
イの受注と納入は Deliver,ウの納入後に発生する返品などの作業は Return,エのプロダクトの生産,サービスの実施は Make に当たる。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問1(表記を一部改変)
問2
クラウドサービスなどの提供を迅速に実現するためのプロビジョニングの説明はどれか。
ア 企業の情報システムの企画,設計,開発,導入,保守などのサービスを,一貫して又は工程の幾つかを部分的に提供する。
イ 業種や事業内容などで共通する複数の企業や組織が共同でデータセンターを運用して,それぞれがインターネットを通して各種サービスを利用する。
ウ 自社でハードウェア,ネットワークなどの環境を用意し,業務パッケージなどを導入して利用する運用形態にする。
エ 利用者の需要を予想し,ネットワーク設備やシステムリソースなどを計画的に調達して強化し,利用者の要求に応じたサービスを提供できるように備える。 正解
正解 エ
解説
プロビジョニングは,利用者の需要を予測してサーバやネットワークなどのリソースをあらかじめ調達・配備しておき,要求が発生したときにすぐサービスを提供できるように備えること。
アはシステムインテグレーション,イは複数企業が共同でデータセンターを運用する形態の説明。ウは自社で環境を用意するオンプレミスの運用形態。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問2(表記を一部改変)
問3
多数の被験者の検診データから,説明変数である年齢,飲酒の頻度及び喫煙本数が,目的変数であるガンの発症の有無に及ぼす影響を統計的に分析した上で,ある人の年齢,飲酒の頻度及び喫煙本数から,その人のガンの発症確率を推定するモデルを構築した。このとき用いられる分析手法はどれか。
ア ABC 分析
イ クラスター分析
ウ 主成分分析
エ ロジスティック回帰分析 正解
正解 エ
解説
ロジスティック回帰分析は,複数の説明変数から,“発症する/しない”のような 2 値の目的変数が起こる確率を推定する分析手法である。年齢,飲酒の頻度及び喫煙本数を説明変数とし,ガンの発症の有無を目的変数として発症確率を推定するモデルを構築しているので,エが該当する。
アの ABC 分析は,売上高などの大きい順に項目を並べて重点管理の対象を決める手法である。イのクラスター分析は,目的変数をもたずに,似た性質のデータ同士をグループに分ける手法である。ウの主成分分析は,多数の変数を,情報をなるべく失わずに少数の合成変数に要約する手法である。いずれも,説明変数から目的変数の確率を推定するものではない。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問3(表記を一部改変)
問4
スマートフォン向けのアプリケーションプログラムの開発プロジェクト a~d において,2 年間の投資効果を NPV で評価する場合,投資効果が最大となるプロジェクトはどれか。ここで,割引率は 10%とする。
正解 ウ
解説
NPV(正味現在価値)は,将来のキャッシュフローを割引率で現在価値に換算した合計から,初期投資額を引いて求める。割引率 10%のとき,1 年目は 1.1,2 年目は 1.12 =1.21 で割る。
a は 4.40÷1.1=4.0,4.84÷1.21=4.0 なので,4.0+4.0−7.9=0.1(百万円)。b は 3.30÷1.1=3.0,3.63÷1.21=3.0 なので,3.0+3.0−5.5=0.5。c は 3.30÷1.1=3.0,2.42÷1.21=2.0 なので,3.0+2.0−4.3=0.7。d は 2.20÷1.1=2.0,3.63÷1.21=3.0 なので,2.0+3.0−6.1=−1.1 となる。
NPV が最大となるのは c であり,ウになる。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問4(表記を一部改変)
問5
利用者要件のうち,非機能要件項目はどれか。
ア 新しい業務の在り方や運用に関わる業務手順,入出力情報,組織,責任,権限,業務上の制約などの項目
イ 新しい業務の遂行に必要なアプリケーションシステムに関わる利用者の作業,システム機能の実現範囲,機能間の情報の流れなどの項目
ウ 経営戦略や情報戦略に関わる経営上のニーズ,システム化・システム改善を必要とする業務上の課題,求められる成果・目標などの項目
エ システム基盤に関わる可用性,性能,拡張性,運用性,保守性,移行性などの項目 正解
正解 エ
解説
非機能要件は,システムが何をするか(機能)ではなく,どのように働くかを定める要件である。可用性・性能・拡張性・運用性・保守性・移行性・セキュリティなど,主にシステム基盤に関わる品質と制約が該当する。エがこれに当たる。
アは業務手順や組織・責任・権限を定める業務要件,イはシステムが備える機能とその実現範囲を定める機能要件である。ウはシステム化の目的や達成目標を示す経営上の要求で,要件を導く前提に当たる。いずれも非機能要件ではない。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問5(表記を一部改変)
問6
消費者市場のセグメンテーション変数のうち,人口統計的変数はどれか。
ア 使用頻度,ロイヤルティ
イ 都市規模,人口密度
ウ 年齢,職業 正解
エ パーソナリティ,ライフスタイル
正解 ウ
解説
消費者市場のセグメンテーション変数は,地理的変数,人口統計的変数,心理的変数,行動変数に大別される。人口統計的変数(デモグラフィック変数)は,年齢,性別,職業,所得,家族構成など,人口統計で把握できる属性なので,ウが該当する。
アの使用頻度やロイヤルティは購買行動に関する行動変数,イの都市規模や人口密度は地理的変数,エのパーソナリティやライフスタイルは心理的変数(サイコグラフィック変数)である。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問6(表記を一部改変)
問7
ブランド戦略における,ブランドエクイティを説明したものはどれか。
ア 顧客がそのブランドに対してどの程度の執着心をもっているかを示す概念であり,これが高いほど,顧客は他のブランドに乗り換えにくくなる。
イ 顧客がブランド要素に接触したとき,企業として顧客の心の中に何を連想してほしいのかというイメージである。
ウ 特定の組織にとって自社のブランドの名前やシンボルと結び付いたブランドの資産の集合であり,製品やサービスの価値を増大させるものである。 正解
エ 名称,キャッチフレーズ,ロゴマーク,キャラクター,記号,包装,スローガンなど,ブランドを特定して差別化するための要素である。
正解 ウ
解説
ブランドエクイティは,D. A. アーカーらが提唱した考え方で,ブランドの名前やシンボルと結び付いた資産の集合であり,製品やサービスの価値を増大させるものである。ブランドロイヤルティ,ブランド認知,知覚品質,ブランド連想などから構成される。ウが該当する。
アは,ブランドエクイティを構成する要素の一つであるブランドロイヤルティの説明である。イは,企業が顧客に抱いてほしいブランドのイメージであるブランドアイデンティティの説明である。エは,ブランドを識別し差別化するためのブランド要素の説明である。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問7(表記を一部改変)
問8
マーケティング調査におけるエスノグラフィーの活用事例はどれか。
ア 業界誌や業界新聞,調査会社の売れ筋ランキングなどから消費者の動向を探る。
イ 広告の一部に資料請求の項目を入れておき,それを照会してきた人数を調べる。
ウ 消費行動の現場で観察やインタビューを行い,気付かなかった需要を発掘する。 正解
エ 同等の条件下で複数パターンの見出しを広告として表示し,反応の違いを測る。
正解 ウ
解説
エスノグラフィーは,もともと文化人類学などで用いられてきた調査手法で,調査者が対象者の生活や行動の現場に入り込み,観察やインタビューを通じてありのままの行動を理解する。マーケティング調査では,消費者自身も意識していない潜在的な需要を発掘するために活用される。ウが該当する。
アは,既存の資料や統計を用いる二次データの調査(デスクリサーチ)である。イは,広告への反応を資料請求の件数で測るレスポンス測定である。エは,条件をそろえて複数の案の反応を比べる A/B テストである。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問8(表記を一部改変)
問9
自社 Web サイトへの流入経路分析を行う目的に該当するものはどれか。
ア 自社 Web サイトが利用者にとって魅力的なコンテンツかどうかを把握するため
イ 自社 Web サイトの利用者がどこを注視しているのかを把握するため
ウ 自社が投資したバナー広告や SEO 対策の効果を検証するため 正解
エ 自社の Web 広告と競合企業の Web 広告の出稿状況を比較するため
正解 ウ
解説
流入経路分析は,自社 Web サイトへの訪問者が,検索エンジン,Web 広告,SNS,他のサイトのリンクなど,どこを経由して訪れたのかを分析するものである。経路ごとの訪問者数や成果を把握できるので,投資したバナー広告や SEO 対策が集客にどれだけ効果を上げたかを検証できる。ウが該当する。
アは,ページの閲覧数や滞在時間,直帰率などを用いたコンテンツの分析である。イは,ヒートマップやアイトラッキングなどで画面上の注目箇所を調べる分析である。エは,競合企業の広告出稿を調べる競合分析であり,自社サイトへの流入経路からは分からない。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問9(表記を一部改変)
問10
J. L. ヘスケットと W. E. サッサーが提唱したサービスプロフィットチェーンの説明はどれか。
ア 企業のビジョンと戦略の実現を目的として,財務,顧客,内部プロセス及び学習と成長の視点から達成指標やアクションプランを具体化するためのモデル
イ 顧客ごとの購買履歴を蓄積することによって顧客の収益貢献度を測定し,これに基づき,収益貢献度が高い顧客に対するサービス水準を向上するためのモデル
ウ 市場の魅力度及び市場内での自社の地位を基に,企業の製品及びサービスを分類し,どの分野に経営資源を投下し,利益を回収すべきかを検討するためのモデル
エ 従業員満足度がサービス水準を高め,それが顧客満足度及び企業利益を高め,高めた利益で従業員満足度が更に向上するという因果関係を表したモデル 正解
正解 エ
解説
サービスプロフィットチェーンは,J. L. ヘスケットと W. E. サッサーらが提唱したモデルで,従業員満足度,サービス水準,顧客満足度,企業利益の間の因果関係を表す。従業員満足度が高まるとサービスの質が向上し,それが顧客満足度と顧客ロイヤルティを高めて企業の利益を増やし,その利益を従業員に還元することで従業員満足度が更に高まるという循環である。エが該当する。
アはバランススコアカード,イは顧客ごとの収益貢献度に基づいて対応を変える顧客収益性分析の考え方である。ウは,市場の魅力度と自社の地位によって事業を分類し,資源配分を検討するビジネススクリーンなどの製品ポートフォリオ分析のモデルである。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問10(表記を一部改変)
問11
図は,シックスシグマの基本となる日常業務の効率や品質の向上を目指す継続的改善サイクルである。このサイクルの c に該当するフェーズはどれか。ここで,ア~エは a~d のいずれかに対応する。
正解 ア
解説
シックスシグマの継続的改善サイクルは DMAIC と呼ばれ,定義(Define),測定(Measure),分析(Analyze),改善(Improve),定着・管理(Control)の順に進める。改善の対象と目標を定義した後,現状を測定し,測定結果から問題の原因を分析して,原因を取り除く改善策を実施し,その効果を維持するように定着させる。
図の a は測定,b は分析,c は改善,d は定着に当たる。c は改善であり,アになる。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問11(表記を一部改変)
問12
ダブルビン方式の特徴はどれか。
ア 単価が高く体積が大きい又は需要変動が大きい重点管理品に適する。
イ 発注間隔が一定で発注量が増減する。
ウ 発注点と発注量が等しく,都度の在庫調査の必要がない。 正解
エ 発注点と発注量は調達リードタイムに関係しない。
正解 ウ
解説
ダブルビン方式は,部品などを二つの容器(ビン)に分けて保管し,一方の容器が空になったら,空になった容器 1 個分を発注する在庫管理の方式である。二つ目の容器に残る量が発注点に,空になった容器 1 個分が発注量に当たり,発注点と発注量が等しい。容器が空になったことで発注の時期が分かるので,都度在庫量を調査する必要がない。ウが適切である。
アは誤りで,ダブルビン方式は管理の手間が少ない反面,きめ細かな管理ができないので,単価が安く需要が安定している品目に適する。重点管理品には定期発注方式が適する。イは,発注間隔を一定にして発注量を毎回決める定期発注方式の特徴である。エも誤りで,容器に入れる量は,調達リードタイム中の需要量や安全在庫を考慮して決める必要がある。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問12(表記を一部改変)
問13
SECI モデルにおける,内面化の説明はどれか。
ア 新たに創造された知識を組織に広め,新たな暗黙知として習得すること 正解
イ 組織内の個人,小グループが有する暗黙知を形式知として明示化すること
ウ 組織内の個人,小グループで暗黙知の共有化や,新たな暗黙知の創造を行うこと
エ 明示化した形式知を組み合わせ,それを基に新たな知識を創造すること
正解 ア
解説
SECI モデルは,暗黙知と形式知の相互変換によって組織の知識が創造される過程を,共同化,表出化,連結化,内面化の四つのプロセスで表したモデルである。内面化は,連結化などによって新たに創造された形式知を,実践を通じて個人が体得し,新たな暗黙知として習得するプロセスである。アが該当する。
イの暗黙知を形式知として明示化することは表出化,ウの経験の共有によって暗黙知を共有化し新たな暗黙知を創造することは共同化,エの形式知を組み合わせて新たな知識を創造することは連結化である。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問13(表記を一部改変)
問14
技術経営における“魔の川”の説明として,適切なものはどれか。
ア 研究の開始までに横たわる障壁
イ 研究の結果を基に製品開発するまでの間に横たわる障壁 正解
ウ 事業化から市場での成功までの間に横たわる障壁
エ 製品開発から事業化までの間に横たわる障壁
正解 イ
解説
技術経営(MOT)では,研究開発の成果が事業として成功するまでに越えなければならない障壁を三つに例えている。研究の結果を基に製品開発へ進むまでの障壁が“魔の川”,製品開発から事業化までの障壁が“死の谷”,事業化してから市場で競争に勝ち残るまでの障壁が“ダーウィンの海”である。イが該当する。
ウはダーウィンの海,エは死の谷の説明である。アの研究の開始までの障壁を指す言葉はない。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問14(表記を一部改変)
問15
BIM/CIM の説明はどれか。
ア 業務プロセスやワークフローなどのつながりや関係性を表記する際に用いられる,ビジネスプロセスのモデリング手法
イ 建築や建設の調査・計画・設計段階から 3 次元モデルを導入し,施工,維持管理まで,一連の建設生産・管理システムにおける品質確保と関係者間の業務効率化・高度化を図る取組 正解
ウ 災害などの緊急事態に,中核となる事業の継続や早期復旧を行うため,平常時に行うべき活動や緊急時の事業継続のための方針,体制,手順などを取り決めておく計画
エ データウェアハウスなど企業内に蓄積された膨大なデータを統合・分析・管理し,企業の意思決定に活用するシステムや概念の総称
正解 イ
解説
BIM/CIM(Building / Construction Information Modeling, Management)は,建築や建設の分野で,調査・計画・設計段階から 3 次元モデルを導入し,施工,維持管理の各段階でも 3 次元モデルに情報を連携させながら活用することで,一連の建設生産・管理システムの品質確保と,関係者間の業務の効率化・高度化を図る取組である。イが該当する。
アはビジネスプロセスを図で表記する BPMN などのモデリング手法,ウは事業継続計画(BCP),エはビジネスインテリジェンス(BI)の説明である。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問15(表記を一部改変)
問16
JIT(Just In Time)の特徴はどれか。
ア 押し出し方式(プッシュシステム)である。
イ 各工程は使用した分だけを前工程に発注する。 正解
ウ 他の品目の需要に連動しない在庫システムである。
エ 毎回仕様が異なる受注生産型の工場に適している。
正解 イ
解説
JIT(Just In Time)は,必要なものを,必要なときに,必要な量だけ生産する方式である。後工程が使用した分だけを前工程に引き取りに行き,前工程は引き取られた分だけを生産する後工程引取り方式(プルシステム)をとり,その指示にかんばんを用いる。イが該当する。
アは誤りで,JIT は後工程からの引取りで生産を行うプルシステムであり,計画に基づいて前工程から後工程へ送り出す押し出し方式ではない。ウの他の品目の需要に連動しない在庫の管理は,発注点方式などで扱う独立需要品目の考え方であり,JIT の特徴ではない。エも誤りで,JIT は同じ製品を繰り返し生産する工場に適しており,毎回仕様が異なる受注生産には向かない。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問16(表記を一部改変)
問17
IT との連携が進むとされる OT(Operational Technology)の説明として,適切なものはどれか。
ア 新しい概念,理論,原理及びアイディアの実証を目的とした,試作開発の前段階における検証及びデモンストレーションのこと
イ 工場やプラント,ビルなどを制御する機器を運用するシステムやその技術 正解
ウ サーバ側で稼働しているソフトウェアを,インターネットなどのネットワーク経由でクライアントがサービスとして利用する状況
エ 情報技術に情報及び知識の共有といったコミュニケーションの重要性及び意味を付加したもの
正解 イ
解説
OT(Operational Technology)は,工場の生産設備やプラント,ビルの空調・電力設備などの物理的な機器を制御し,運用するためのシステムやその技術である。従来は IT のシステムとは切り離されていたが,IoT の普及によって IT との連携が進んでいる。イが該当する。
アは PoC(Proof of Concept,概念実証),ウは SaaS などのクラウドサービス,エは ICT(Information and Communication Technology)の説明である。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問17(表記を一部改変)
問18
ベイズ統計の説明として,適切なものはどれか。
ア 経済統計に関する国際条約に基づいて,貿易実態を正確に把握し,国の経済政策や企業の経済活動の資料とすることを目的とした指標を作成する統計手法
イ 事前分布・事後分布といった確率に関する考え方に基づいて体系化されたものであり,機械学習,迷惑メールフィルターなどに利用されている統計理論 正解
ウ 収集されたデータの代表値である平均値・中央値・最頻値を求めたり,度数分布表やヒストグラムを作成したりすることによって,データの特徴を捉える統計理論
エ ビッグデータの収集・分析に当たり,分析結果の検証可能性を確保し,複数の分析結果を比較可能とするために,対象をオープンデータに限定する統計手法
正解 イ
解説
ベイズ統計は,ベイズの定理を基礎にした統計の考え方である。データを得る前にもっている確率の見込み(事前分布)を,観測したデータによって更新し,事後分布を求める。新しいデータが得られるたびに推定を更新できるので,機械学習や,単語の出現確率から迷惑メールかどうかを判定する迷惑メールフィルターなどに利用されている。イが該当する。
ウは,収集したデータの代表値や分布を求めてデータの特徴を捉える記述統計の説明である。アは貿易統計など公的な経済統計の作成に関する説明,エはオープンデータの利用に関する説明であり,いずれもベイズ統計ではない。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問18(表記を一部改変)
問19
活動基準原価計算(Activity-Based Costing)を導入して実現できることはどれか。
ア 間接費を発生要因と結び付けて把握する。 正解
イ 経営状態を,現金収支の流れに着目して把握する。
ウ 資材の必要量,必要タイミングの予測の正確性を向上する。
エ 使用頻度が高く,単価の高い材料の在庫管理を適正に行う。
正解 ア
解説
活動基準原価計算(ABC)は,製造間接費などの間接費を,段取りや検査,購買などの活動(アクティビティ)ごとに集計し,各製品がその活動をどれだけ使ったか(コストドライバ)に応じて製品に配賦する原価計算の方法である。間接費をその発生要因と結び付けて把握できるので,製品ごとの原価をより正確に計算できる。アが該当する。
イはキャッシュフロー計算書による分析,ウは資材所要量計画(MRP),エは ABC 分析で重要度の高い A 品目を重点的に管理する在庫管理の説明である。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問19(表記を一部改変)
問20
表の事業計画案に対して,新規設備投資に伴う減価償却費(固定費)の増加 1,000 万円を織り込み,かつ,売上総利益を 3,000 万円とするようにしたい。変動費率に変化がないとすると,売上高の増加を何万円にすればよいか。
ア 2,000
イ 3,000
ウ 4,000 正解
エ 5,000
正解 ウ
解説
表の事業計画案では,売上高 20,000 万円に対して変動費が 10,000 万円なので,変動費率は 10,000÷20,000=0.5 である。減価償却費の増加を織り込むと,固定費は 8,000+1,000=9,000 万円になる。
売上高を S 万円とすると,売上総利益は S−0.5S−9,000=0.5S−9,000 となる。これを 3,000 万円にするには,0.5S=12,000 より S=24,000 万円が必要である。
売上高の増加は 24,000−20,000=4,000(万円)であり,ウになる。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問20(表記を一部改変)
問21
連結売上高総利益率は何%か。ここで,B 社は A 社の 100%子会社で,仕入れは全て親会社からであり,売上は全て親会社以外である。また,期首,期末とも在庫はない。
正解 ウ
解説
連結損益計算書では,親会社と子会社の間の取引をグループ内部の取引として相殺消去する。A 社の子会社売上高 800 万円は B 社の売上原価 800 万円と対応しており,グループ外への売上でも仕入でもないので,両方を消去する。
連結売上高は A 社の売上高 4,000+B 社の売上高 1,000=5,000 万円,連結売上原価は A 社 3,000+B 社 800−内部取引 800=3,000 万円となる。連結売上総利益は 5,000−3,000=2,000 万円なので,連結売上高総利益率は 2,000÷5,000=40%であり,ウになる。
アの約 34%は内部取引を消去せずに(1,800+200)÷(4,800+1,000)で計算した値,イの約 38%は A 社単独の 1,800÷4,800 で計算した値である。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問21(表記を一部改変)
問22
資金決済法における暗号資産に関する記述として,適切なものはどれか。
ア 暗号資産交換業者は,情報の安全管理や広告・勧誘規制などの行為規制は受けるが,資本金額や純資産額などの財務的規制は受けない。
イ 暗号資産は,不特定の者に対して使用でき,電子的に記録され,移転できるものであり,法定通貨又は法定通貨建ての資産ではないが,法定通貨と相互に交換できる。 正解
ウ 暗号資産は,ブロックチェーン技術を用いて集中管理されており,法定通貨と同様,銀行などの金融機関で入手・交換できる。
エ 利用者の保有する暗号資産の残高や取引は,発行者によって利用者ごとに管理されているので,利用者は保有している暗号資産を発行者の指定する加盟店だけで使用できる。
正解 イ
解説
資金決済法第 2 条では,暗号資産を,物品等の購入などの代価の弁済のために不特定の者に対して使用でき,かつ,不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値で,電子機器などに電子的方法により記録され,電子情報処理組織を用いて移転できるものなどと定めている。本邦通貨及び外国通貨,通貨建資産などは除かれる。法定通貨ではないが,不特定の者との間で法定通貨と交換できるので,イが適切である。
アは誤りで,同法第 63 条の 5 は,暗号資産交換業を適正かつ確実に遂行するために必要と認められる内閣府令で定める基準に適合する財産的基礎を有しない法人の登録を拒否すると定めており,財務的な規制も受ける。ウも誤りで,ブロックチェーンは取引の記録を多数の参加者で分散して管理する技術であり,暗号資産の入手や交換は暗号資産交換業者を通じて行う。エは,発行者が残高を管理し加盟店で使用する前払式支払手段(電子マネーなど)の説明に近い。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問22(表記を一部改変)
問23
送信者 A は,署名生成鍵 X を使って文書ファイルのデジタル署名を生成した。送信者 A から,文書ファイルとその文書ファイルのデジタル署名を受信者 B が受信したとき,受信者 B ができることはどれか。ここで,受信者 B は署名生成鍵 X と対をなす,署名検証鍵 Y を保有しており,受信者 B と第三者は署名生成鍵 X を知らないものとする。
ア 文書ファイルが改ざんされた場合,デジタル署名,文書ファイル及び署名検証鍵 Y の整合性を確認することによって,その改ざん部分を判別できる。
イ 文書ファイルが改ざんされていないこと,及びデジタル署名が署名生成鍵 X によって生成されたことを確認できる。 正解
ウ 文書ファイルがマルウェアに感染していないことを認証局に問い合わせて確認できる。
エ 文書ファイルとデジタル署名のどちらかが改ざんされた場合,どちらが改ざんされたかを判別できる。
正解 イ
解説
受信者 B は,署名検証鍵 Y を使ってデジタル署名を検証し,文書ファイルから求めたハッシュ値と比較する。一致すれば,文書ファイルが改ざんされていないこと,及び署名が Y と対をなす署名生成鍵 X によって生成されたこと(X を知る送信者 A が署名したこと)を確認できる。イが適切である。
アは誤りで,デジタル署名の検証で分かるのは改ざんがあったかどうかだけで,文書のどの部分が改ざんされたかは判別できない。エも誤りで,検証に失敗しても文書ファイルと署名のどちらが改ざんされたかは区別できない。ウは誤りで,デジタル署名は文書がマルウェアに感染していないことを保証するものではなく,認証局もそれを確認する機関ではない。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問23(表記を一部改変)
問24
暗号技術のうち,共通鍵暗号方式のものはどれか。
ア AES 正解
イ ElGamal 暗号
ウ RSA
エ 楕円曲線暗号
正解 ア
解説
AES(Advanced Encryption Standard)は,暗号化と復号に同じ鍵を使う共通鍵暗号方式で,米国の標準暗号として採用され,無線 LAN の WPA2 や TLS など広く使われている。アが正しい。
イの ElGamal 暗号,ウの RSA,エの楕円曲線暗号は,いずれも暗号化に公開鍵,復号に秘密鍵を使う公開鍵暗号方式である。RSA は大きな数の素因数分解の難しさ,ElGamal 暗号と楕円曲線暗号は離散対数問題の難しさを安全性の根拠にしている。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問24(表記を一部改変)
問25
サイバー攻撃に関する脅威に対処するために,非合法な手段を使わずに入手できる公開情報について,収集,分析及び活用が進んでいる。公開情報を収集,分析し,得られる知見,若しくは知見を得るために公開情報を収集,分析する活動,方法などを指すものはどれか。
正解 イ
解説
OSINT(Open Source Intelligence)は,公開されている Web サイト,SNS,報道,公的機関の公表資料など,非合法な手段を使わずに入手できる公開情報を収集・分析して得られる知見,又はそのための活動や方法である。サイバー攻撃の兆候や攻撃者の情報を把握し,脅威への対処に活用されている。イが該当する。
アの IoC(Indicators of Compromise)は,不正な IP アドレスやマルウェアのハッシュ値など,侵害の痕跡を示す指標である。ウの SIEM(Security Information and Event Management)は,各種機器のログを集約して相関分析し,脅威を検知する仕組みである。エの TTP(Tactics, Techniques and Procedures)は,攻撃者の戦術,技術及び手順である。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問25(表記を一部改変)
ほかの年度
令和7年度 秋期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和3年度 春期 午前Ⅱ
令和元年度 秋期 午前Ⅱ
平成30年度 秋期 午前Ⅱ
平成29年度 秋期 午前Ⅱ
平成28年度 秋期 午前Ⅱ
平成27年度 秋期 午前Ⅱ
平成26年度 秋期 午前Ⅱ
平成25年度 秋期 午前Ⅱ
平成24年度 秋期 午前Ⅱ
平成23年度 秋期 午前Ⅱ
平成22年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 秋期 午前Ⅱ
令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和7年度 秋期 午前Ⅱ
令和6年度 秋期 午前Ⅱ
令和5年度 秋期 午前Ⅱ
令和4年度 秋期 午前Ⅱ
令和3年度 秋期 午前Ⅱ
令和2年度 10月 午前Ⅱ
平成31年度 春期 午前Ⅱ
平成30年度 春期 午前Ⅱ
平成29年度 春期 午前Ⅱ
平成28年度 春期 午前Ⅱ
平成27年度 春期 午前Ⅱ
令和7年度 秋期 午前Ⅰ
令和7年度 春期 午前Ⅰ
令和7年度 春期 午前Ⅱ
令和7年度 春期 午後Ⅰ
令和6年度 秋期 午前Ⅰ
令和6年度 春期 午前Ⅰ
令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和6年度 春期 午後Ⅰ
令和5年度 秋期 午前Ⅰ
令和5年度 春期 午前Ⅰ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午後Ⅰ
令和4年度 秋期 午前Ⅰ
令和4年度 春期 午前Ⅰ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午後Ⅰ
令和3年度 秋期 午前Ⅰ
令和3年度 春期 午前Ⅰ
令和3年度 春期 午前Ⅱ
令和3年度 春期 午後Ⅰ
令和2年度 10月 午前Ⅰ
令和元年度 秋期 午前Ⅰ
令和元年度 秋期 午前Ⅱ
令和元年度 秋期 午後Ⅰ
平成31年度 春期 午前Ⅰ
平成30年度 秋期 午前Ⅰ
平成30年度 秋期 午前Ⅱ
平成30年度 秋期 午後Ⅰ
平成30年度 春期 午前Ⅰ
平成29年度 秋期 午前Ⅰ
平成29年度 秋期 午前Ⅱ
平成29年度 秋期 午後Ⅰ
平成29年度 春期 午前Ⅰ
平成28年度 秋期 午前Ⅰ
平成28年度 秋期 午前Ⅱ
平成28年度 秋期 午後Ⅰ
平成28年度 春期 午前Ⅰ
平成27年度 秋期 午前Ⅰ
平成27年度 春期 午前Ⅰ
平成27年度 秋期 午前Ⅱ
平成27年度 秋期 午後Ⅰ
平成26年度 秋期 午前Ⅰ
平成26年度 秋期 午後Ⅰ
平成26年度 春期 午前Ⅰ
平成25年度 秋期 午前Ⅰ
平成25年度 秋期 午後Ⅰ
平成25年度 春期 午前Ⅰ
平成24年度 秋期 午前Ⅰ
平成24年度 秋期 午後Ⅰ
平成24年度 春期 午前Ⅰ
平成23年度 秋期 午前Ⅰ
平成23年度 秋期 午後Ⅰ
平成23年度 特別試験 午前Ⅰ
平成22年度 秋期 午前Ⅰ
平成22年度 秋期 午後Ⅰ
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平成21年度 秋期 午前Ⅰ
平成21年度 秋期 午後Ⅰ
平成26年度 秋期 午前Ⅱ
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平成21年度 春期 午前Ⅰ