令和7年度 春期に実施されたITサービスマネージャ試験
午前Ⅱの全25問です。問題文・正解・解説をそのまま読めます。
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問1
JIS Q 20000-1:2020(サービスマネジメントシステム要求事項)によれば,組織は,サービスのライフサイクルに関与する他の関係者の評価及び選定のための基準を設定し,適用しなくてはならない。ここでいう“他の関係者”に該当する利害関係者の組みはどれか。
- ア外部供給者,外部顧客,利用者
- イ外部供給者,供給者として行動する顧客,内部供給者正解
- ウ外部顧客,供給者として行動する顧客,内部顧客
- エ内部供給者,内部顧客,利用者
正解 イ
解説
JIS Q 20000-1:2020 の 8.2.3 は,他の関係者について“外部供給者,内部供給者又は供給者として行動する顧客のいずれでもあり得る”と規定している。したがってイの組みが該当する。
外部顧客と利用者は,サービスの提供を受ける側であって“他の関係者”には当たらない。ア・ウ・エはいずれも外部顧客か利用者,内部顧客を含むため誤り。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問1(表記を一部改変)
問2
JIS Q 20000-1:2020(サービスマネジメントシステム要求事項)において,“力量”に関する組織への要求事項として規定されているものはどれか。
- アサービスマネジメントシステム(SMS)及びサービスに必要な資源が利用可能であることを確実にすることによって,SMS に関するトップマネジメントのリーダーシップ及びコミットメントを実証する。
- イ他の関係者が運用する,組織の SMS のプロセスを決定し,サービスの要求事項を満たすため,他の関係者が運用する SMS の範囲内のプロセスを統合する。
- ウ適切な教育,訓練又は経験に基づいて,SMS 及びサービスのパフォーマンス及び有効性に影響を与える業務を組織の管理下で行う人々が力量を備えていることを確実にする。正解
- エプロセスが計画どおりに実施されたという確信をもつために必要な程度の,文書化した情報を保持する。
正解 ウ
解説
7.2(力量)は,“適切な教育,訓練又は経験に基づいて,SMS 及びサービスのパフォーマンス及び有効性に影響を与える業務を組織の管理下で行う人々が力量を備えていることを確実にする”ことを要求している。ウはこの条文そのもの。
アは 5.1(リーダーシップ及びコミットメント),イは 8.2.3(他の関係者が運用するプロセスの統合),エは 7.5(文書化した情報)の要求事項であり,いずれも“力量”に関する規定ではない。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問2(表記を一部改変)
問3
JIS Q 20000-2:2023(サービスマネジメントシステムの適用の手引)によれば,SLA に関する説明のうち,最も適切なものはどれか。
- アSLA では,顧客の責任は規定せずに,サービス提供者の責任を規定する。
- イSLA において設定する目標は,サービス提供者の視点でできるだけ多く定義する。
- ウ単一の SLA が,複数のサービス又は複数の顧客を対象とすることがある。正解
- エ利用するサービスに関する情報は,サービスカタログに収録されている情報についても,必ず SLA に記載する。
正解 ウ
解説
JIS Q 20000-2:2023 では,SLA をサービス1件・顧客1件に対応させる必要はなく,単一の SLA が複数のサービス又は複数の顧客を対象とすることがあるとしている。
アは誤り。SLA には必要な情報の提供など顧客側の責任も規定する。イは誤り。目標は顧客にとっての価値を表すものを必要な数だけ定めるべきで,提供者視点で数多く並べるものではない。エは誤り。サービスカタログに収録済みの情報を SLA に重複して記載する必要はない。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問3(表記を一部改変)
問4
ITIL4 によれば,サービス・カタログ管理プラクティスの目的として,適切なものはどれか。
- ア高品質な製品及びサービスが円滑に提供されるように,組織のサプライヤ及びそのパフォーマンスを適切に管理することを確実にする。
- イ顧客及びユーザのニーズを満たすために,サービスが合意されたレベルの可用性を確実に提供する。
- ウサービス及びサービス・コンポーネントを体系的に監視し,イベントとして識別された状態の変更を選別して記録及び報告する。
- エ全てのサービスとサービス提供に関する一貫した情報を一元管理し,その情報を関連する対象者が利用できるようにする。正解
正解 エ
解説
ITIL4 のサービス・カタログ管理プラクティスの目的は,全てのサービスとサービス提供に関する一貫した情報を一元管理し,その情報を関連する対象者が利用できるようにすることである。
アはサプライヤ管理,イは可用性管理,ウはモニタリング及びイベント管理の各プラクティスの目的。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問4(表記を一部改変)
問5
JIS Q 20000-1:2020(サービスマネジメントシステム要求事項)によれば,“リスク及び機会への取組み”において,サービスマネジメントシステムの計画を策定するとき,組織は,取り組む必要があるリスク及び機会を決定しなければならない。リスク及び機会を決定する目的として,適切なものはどれか。
- アサービスマネジメントシステム及びサービスに必要な資源が利用可能であることを確実にする。
- イサービスマネジメントシステムが,その意図した成果を達成できるという確信を与える。正解
- ウサービスマネジメント方針と整合するサービスマネジメントの目的を確立する。
- エ設定されたパフォーマンス基準に従ってプロセスの管理を実施する。
正解 イ
解説
6.1(リスク及び機会への取組み)は,リスク及び機会を決定する目的を a)“SMS が,その意図した成果を達成できるという確信を与える”,b)“望ましくない影響を防止又は低減する”,c)“SMS 及びサービスの継続的改善を達成する”と規定している。イが a) に当たる。
アは 7.1(資源)に関する要求事項,ウは 6.2(SMS の目的及びそれを達成するための計画策定)の内容。エは 6.1 の目的として規定されていない。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問5(表記を一部改変)
問6
図は,あるプロジェクトにおける,旧システムから新システムへの切替え移行作業の流れ図である。次の条件で作業を遂行する場合,移行開始から移行終了までの所要時間は最短で何時間か。
〔条件〕
- 作業者は3人とし,一つの作業は1人が担当する。
- 並行して実施できる作業は同時に進める。
- 各作業者は,作業と作業との間のどこかで最低1回,連続1時間以上の休憩を取る。
正解 ウ
解説
休憩を考えなければ,最長経路は オンライン停止(0.5)→取引データ抽出(2.5)→マスタデータ登録(3.5)→動作確認(0.5) の 7.0 時間になる。
しかし抽出の3作業(0.5〜3.0)も登録の3作業も3人が同時に動くので,休憩を入れられる余地は限られる。動作確認を担当する2人は,それまでに連続1時間以上の休憩を済ませていなければならない。登録作業が終わるのは早くても 6.0〜6.5 なので,そこから休憩を取ると動作確認の開始は 7.0 になる。休憩を登録の前(抽出の直後)に回しても,その分だけ登録の終了が後ろへずれるので,やはり 7.0 より早くは始められない。
したがって動作確認は 7.0 開始・7.5 終了となり,最短所要時間は 7.5 時間。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問6(表記を一部改変)
問7
JIS Q 20000-1:2020(サービスマネジメントシステム要求事項)によれば,サービスマネジメントにおける“リリース及び展開管理”に対する要求事項のうち,適切なものはどれか。
- ア稼働環境へのリリースの展開後,影響を受けた CI のベースラインをとる。
- イ顧客は,業務への影響を考慮して,緊急リリースを含むリリースの種類及び頻度を定義する。
- ウリリースの成功又は失敗の分析から導き出された結果及び結論は記録し,改善の機会を特定するためにレビューする。正解
- エリリースは,文書化した受入れ基準に基づいて検証し,正しく展開されたことを確認した後に承認する。
正解 ウ
解説
8.5.3(リリース及び展開管理)は,リリースの成功又は失敗を監視・分析した上で,その結果及び結論を記録し,改善の機会を特定するためにレビューすることを要求している。
アは誤り。影響を受ける CI のベースラインは展開“後”ではなく展開に先立って取得する。イは誤り。リリースの種類及び頻度を定義するのは顧客ではなく組織。エは誤り。受入れ基準に基づく検証と承認は展開“前”に行う。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問7(表記を一部改変)
問8
目標復旧時間(RTO)を24時間に定めているのはどれか。
- アアプリケーションソフトウェアのリリースを展開するための中断時間を,24時間以内とする。
- イインシデントの解決後,その原因となった問題を24時間以内に解決させる。
- ウ業務データを,障害発生時点の24時間前以降の状態に復旧させる。
- エ中断した IT サービスを24時間以内に復旧させる。正解
正解 エ
解説
RTO(Recovery Time Objective,目標復旧時間)は,サービスが中断してから復旧させるまでに許容される時間の目標値。“中断した IT サービスを24時間以内に復旧させる”がこれに当たる。
ウは復旧時点のデータの新しさを示す RPO(目標復旧時点)の説明。アはリリース展開に伴う計画停止時間,イは問題管理における解決目標であり,いずれも RTO ではない。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問8(表記を一部改変)
問9
JIS Q 20000-1:2020(サービスマネジメントシステム要求事項)によれば,パフォーマンス評価の一つである“マネジメントレビュー”の要求事項のうち,適切なものはどれか。
- アSLA には,サービスレベル目標,作業負荷の限度及び例外を含めなければならない。
- イアウトプットには,継続的改善の機会に関する決定を含まなければならない。正解
- ウ改善の機会に対して適用する評価基準には,改善とサービスマネジメントの目的との整合性が含まれなければならない。
- エ既存のサービス,新規サービス及びサービス変更に対するサービスの要求事項を決定し,文書化しなければならない。
正解 イ
解説
9.3(マネジメントレビュー)は,そのアウトプットに“継続的改善の機会,及び SMS 及びサービスのあらゆる変更の必要性に関する決定”を含めなければならないと規定している。
アは 8.3.3(サービスレベル管理)で SLA に含めるべき内容,ウは 10.2(継続的改善)で定める評価基準,エは 8.2.2(サービスの計画)に関する要求事項。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問9(表記を一部改変)
問10
バックアップサイトを用いたサービス復旧方法の説明のうち,ウォームスタンバイの説明として,最も適切なものはどれか。
- ア同じようなシステムを運用する外部の企業や組織と協定を結び,緊急時には互いのシステムを貸し借りして,サービスを復旧させる。
- イ緊急時にはバックアップシステムを持ち込んでシステムを再開し,サービスを復旧させる。
- ウ常にデータの同期が取れているバックアップシステムを用意しておき,緊急時にはバックアップシステムに切り替えて直ちにサービスを復旧させる。
- エバックアップシステムを起動しておき,緊急時にはバックアップシステムに切り替えて,データを最新状態にする処理を行った後にサービスを復旧させる。正解
正解 エ
解説
ウォームスタンバイは,バックアップシステムを起動した状態で待機させておき,切替え時にデータを最新状態にする処理を行ってからサービスを再開する方式。切替えに多少の時間はかかるが,コールドスタンバイより短時間で復旧できる。
ウは常時データが同期していて直ちに切り替えられるホットスタンバイ。イはバックアップ機を持ち込んで再開するコールドスタンバイ。アは相互バックアップ(相互救済協定)の説明。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問10(表記を一部改変)
問11
ヒューマンエラーに起因する運用作業ミスの防止対策の一つに,エラープルーフ化がある。〔磁気テープ交換作業のミス〕に対する再発防止策のうち,エラープルーフ化の五つの原理(排除,代替化,容易化,異常検出,影響緩和)の“排除”に該当するものはどれか。
〔磁気テープ交換作業のミス〕
サーバの内蔵ディスクに記録されているデータを磁気テープにバックアップする作業において,磁気テープに書ききれなくなったことを示すメッセージがコンソールに表示された。この場合,未使用の磁気テープに交換した後にバックアップ作業を継続するのが正しい作業であるが,オペレーターが誤って既にほかのデータが記録されている磁気テープに交換して作業を継続したので,取得済みのデータが失われてしまった。
- ア磁気テープに最初のデータを書き込む前に磁気情報をチェックし,データが記録された磁気テープであった場合はエラーメッセージを表示することによって,磁気テープの交換ミスに気付かせるようにする。
- イ十分な記憶容量をもつ外部ディスク装置にバックアップ先を変更することによって,磁気テープへのバックアップ作業を不要にする。正解
- ウ既にデータが記録されている磁気テープに目印となるシールを貼っておくことによって,磁気テープの交換ミスを起こりにくくする。
- エデータが記録された磁気テープを書込み禁止状態にしておくことによって,磁気テープの交換ミスをしてもバックアップデータが書き込めないようにする。
正解 イ
解説
エラープルーフ化の“排除”は,ミスが起こり得る作業そのものをなくしてしまう対策。バックアップ先を外部ディスク装置に変更して磁気テープの交換作業自体を不要にするイが該当する。
アは誤りを検知して知らせる“異常検出”,ウはシールで区別しやすくする“容易化”,エは書込みを禁止してミスしても被害が及ばないようにする“影響緩和”。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問11(表記を一部改変)
問12
データセンターのファシリティマネジメントにおいて,設備機器に関わる,運転状況の監視と運転の制御,設備故障の監視,計測データの管理を行うものはどれか。
- アAIM(Automated Infrastructure Management)
- イBAS(Building Automation System)正解
- ウCMDB(Configuration Management Database)
- エNEBS(Network Equipment Building Systems)
正解 イ
解説
BAS(Building Automation System,ビル管理システム)は,空調・電源・照明などの設備機器について,運転状況の監視と運転の制御,設備故障の監視,計測データの管理を行う仕組み。
アの AIM は配線やポートなどの物理インフラを自動的に管理する仕組み,ウの CMDB は構成品目とその関係を記録するデータベース,エの NEBS は通信機器の設置環境に関する米国の基準。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問12(表記を一部改変)
問13
サーバルームのように,散水による消火では甚大な水損が発生するおそれがある施設に設置される消火設備であって,二酸化炭素などを消火剤に用いて酸素濃度を下げて消火する設備はどれか。
- ア泡消火設備
- イハロゲン化物消火設備
- ウ不活性ガス消火設備正解
- エ粉末消火設備
正解 ウ
解説
不活性ガス消火設備は,二酸化炭素や窒素などの不活性ガスを放出して酸素濃度を下げ,窒息作用によって消火する。水を使わないため,サーバルームのように水損を避けたい施設に用いられる。
アの泡消火設備は泡で覆う方式で水損が生じる。イのハロゲン化物消火設備も水を使わないが,酸素濃度を下げるのではなく燃焼の連鎖反応を抑える負触媒作用で消火する。エの粉末消火設備も負触媒作用が主で,機器への粉末の付着が問題になる。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問13(表記を一部改変)
問14
金融庁“財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準(令和5年)”によれば,“記録した取引に漏れ,重複がないこと”は,組織目標を達成するための IT の統制目標のうち,どれに含まれるか。
正解 エ
解説
“記録した取引に漏れ,重複がないこと”は情報が網羅的かつ正確であることを求めるもので,IT の統制目標のうち信頼性(情報の完全性・正確性)に含まれる。
可用性は必要なときに利用できること,機密性は認められた者だけが利用できること,準拠性は法令や社内規程に従っていることを指す。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問14(表記を一部改変)
問15
Web サーバでのシングルサインオンの実装方式に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- アcookie を使ったシングルサインオンの場合,Web サーバごとの認証情報を含んだ cookie をクライアントで生成し,各 Web サーバ上で保存,管理する。
- イcookie を使ったシングルサインオンの場合,認証対象の Web サーバを,それぞれ異なるインターネットドメインに配置する必要がある。
- ウリバースプロキシを使ったシングルサインオンの場合,認証対象の Web サーバを,それぞれ異なるインターネットドメインに配置する必要がある。
- エリバースプロキシを使ったシングルサインオンの場合,利用者認証においてパスワードの代わりにデジタル証明書を用いることができる。正解
正解 エ
解説
リバースプロキシ型のシングルサインオンでは全ての通信がリバースプロキシを経由するので,そこで利用者認証を行う。認証方式はパスワードに限られず,クライアント証明書(デジタル証明書)を用いることもできる。
アは誤り。cookie を生成するのはクライアントではなく認証を行うサーバ側。イは誤り。cookie は発行元ドメインにしか送られないので,cookie 方式では同一ドメインに配置する必要がある。ウは誤り。リバースプロキシ方式ではドメインを分ける必要はない。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問15(表記を一部改変)
問16
JIS Q 0073:2010(リスクマネジメント-用語)におけるリスクマトリックスの定義はどれか。
- ア結果及び起こりやすさの範囲を明確化することによって,リスクの順位付けと表示を行う手段正解
- イ結果とその起こりやすさの組合せとして表現される,リスク又は組み合わさったリスクの大きさ
- ウ組織に追求する又は保有する意思があるリスクの量及び種類
- エリスク全体を更に完全に理解することを進展させるために,幾つかのリスクを一つのリスクに組み合わせたもの
正解 ア
解説
JIS Q 0073:2010 はリスクマトリックスを“結果及び起こりやすさの範囲を明確化することによって,リスクの順位付けと表示を行う手段”と定義している。
イはリスクレベル,ウはリスク選好,エはリスクの集約(リスク集約)の定義。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問16(表記を一部改変)
問17
JIS Q 22301:2020 が要求事項を規定している対象はどれか。
- アIT サービスマネジメントシステム
- イ個人情報保護マネジメントシステム
- ウ事業継続マネジメントシステム正解
- エ情報セキュリティマネジメントシステム
正解 ウ
解説
JIS Q 22301 は,事業継続マネジメントシステム(BCMS)の要求事項を規定した規格。
アの IT サービスマネジメントシステムは JIS Q 20000-1,イの個人情報保護マネジメントシステムは JIS Q 15001,エの情報セキュリティマネジメントシステムは JIS Q 27001 が対応する。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問17(表記を一部改変)
問18
プロジェクトマネジメントにおいて,プロジェクトスコープのクリープと呼ばれるものはどれか。
- ア時間,コスト及び資源の調整が行われず,コントロールされていないプロジェクトスコープの変更正解
- イ発生した場合に,プロジェクトの目標にプラス又はマイナスの影響を与えることがある潜在的な事象
- ウプロジェクトの目標を達成するために完了する必要のある作業を表すための,階層的分割の枠組み
- エ目標,成果物,要求事項及び境界を含むプロジェクトスコープを記述したもの
正解 ア
解説
スコープクリープとは,時間・コスト・資源の調整を伴わないまま,管理されない状態でプロジェクトスコープが少しずつ拡大していくことをいう。
イはリスク,ウは WBS,エはプロジェクトスコープ記述書の説明。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問18(表記を一部改変)
問19
プロジェクトのスケジュールを短縮したい。当初の計画は図1のとおりである。作業 E を作業 E1,E2,E3 に分けて,図2のとおりに計画を変更すると,スケジュールは全体で何日短縮できるか。
図1 当初の計画
図2 変更後の計画
正解 ア
解説
図1のクリティカルパスは A→B→E→H→I で,5+8+9+4+2=28日。
図2では E が E1(3),E2(4),E3(2) に分割され,E3 の直前の結合点には E1 とダミー作業(E2 の後)が入る。B の完了時点(13日)から見ると,E1 経由は 3 日,E2 経由は 4 日で,遅いほうの 4 日で結合点に到達し,そこから E3 が 2 日かかる。よって B→H は 4+2=6日となり,A→B→E2→E3→H→I は 5+8+4+2+4+2=25日。もう一方の A→B→D→G は 5+8+7+7=27日なので,図2 全体は 27日。
28−27=1日短縮できる。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問19(表記を一部改変)
問20
JIS Q 21500:2018(プロジェクトマネジメントの手引)によれば,プロセス“品質の計画”で行う活動はどれか。
- ア成果物及びプロセスの品質を満たしそうなことを監視し,確定済みのツール,手順及び技法を用いて欠陥を発見する。
- イ品質要求事項を満たすために達成する目標及び関連する規格が,適切なプロジェクト組織の構成員によって伝達され,理解され,受け入れられ,遵守されることを確実にする。
- ウ品質要求事項を満たすために必要なものとして確定した,ツール,手順,技法及び資源を使用することを確実にする。
- エプロジェクトの目標に基づいて,プロジェクトに適用する品質に関連する規格を満たすために必要なツール,手順,技法及び資源を確定する。正解
正解 エ
解説
JIS Q 21500:2018 の“品質の計画”は,プロジェクトの目標に基づいて,適用する品質の要求事項及び規格と,それらを満たす方法を決定するプロセス。“規格を満たすために必要なツール,手順,技法及び資源を確定する”エがこれに当たる。
アは“品質管理の遂行”,イとウは“品質保証の遂行”で行う活動。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問20(表記を一部改変)
問21
メモリインタリーブの説明として,適切なものはどれか。
- ア外部記憶装置を利用して,主記憶の物理容量を超えるメモリ空間をプログラムから利用可能にする。
- イ主記憶と磁気ディスク装置との間にバッファメモリを置いて,双方のアクセス速度の差を補う。
- ウ主記憶と入出力装置との間で CPU を介さずにデータ転送を行う。
- エ主記憶を複数のバンクに分けて,CPU からのアクセス要求を並列的に処理できるようにする。正解
正解 エ
解説
メモリインタリーブは,主記憶を複数のバンクに分割し,連続するアドレスを異なるバンクに割り当てることで,CPU からのアクセス要求を並列に処理して見かけのアクセス速度を上げる方式。
アは仮想記憶,イはディスクキャッシュ,ウは DMA の説明。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問21(表記を一部改変)
問22
MTBF が x 時間,MTTR が y 時間のシステムがある。稼働環境が変わったので,MTBF,MTTR がともに従来の1.5倍になった。新しい稼働環境での稼働率はどうなるか。
- アx,y の値によって変化するが,従来の稼働率よりは大きい値になる。
- イ従来の稼働率と同じ値である。正解
- ウ従来の稼働率の1.5倍になる。
- エ従来の稼働率の2/3倍になる。
正解 イ
解説
稼働率は MTBF/(MTBF+MTTR) で求められる。MTBF と MTTR がともに 1.5 倍になると 1.5x/(1.5x+1.5y)=x/(x+y) となり,1.5 が約分されて元の稼働率と変わらない。
稼働率は MTBF と MTTR の比だけで決まるため,比が変わらない限り値も変わらない。よってア・ウ・エはいずれも誤り。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問22(表記を一部改変)
問23
DBMS において,複数のトランザクション処理プログラムが同一データベースを同時に更新する場合,論理的な矛盾を生じさせないために用いる技法はどれか。
正解 エ
解説
複数のトランザクションが同一データを同時に更新するとき,ロックなどで一方を待たせて論理的な矛盾(ロストアップデートなど)を防ぐ技法が排他制御。
アの再編成は格納効率を回復させる保守作業,イの正規化は更新時異状をなくす設計技法,ウの整合性制約はデータが満たすべき条件の定義であり,いずれも同時実行制御の技法ではない。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問23(表記を一部改変)
問24
スイッチングハブ同士を接続する際に,複数のポートを束ねて一つの論理ポートとして扱う技術はどれか。
- アMIME
- イMIMO
- ウマルチパート
- エリンクアグリゲーション正解
正解 エ
解説
リンクアグリゲーションは,スイッチ間の複数の物理ポートを束ねて1つの論理ポートとして扱う技術。帯域を増やせるうえ,一部のリンクが切れても通信を継続できる。
アの MIME は電子メールで多様なデータを扱うための規格,イの MIMO は無線通信で複数のアンテナを使う技術,ウのマルチパートは MIME で複数の本文を含める形式。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問24(表記を一部改変)
問25
労働基準法で定める制度のうち,いわゆる36協定と呼ばれる労使協定に関する制度はどれか。
- ア業務遂行の手段,時間配分の決定などを大幅に労働者に委ねる業務に適用され,労働時間の算定は,労使協定で定めた労働時間の労働とみなす制度
- イ業務の繁閑に応じた労働時間の配分などを行い,労使協定によって1か月以内の期間を平均して1週の法定労働時間を超えないようにする制度
- ウ時間外労働,休日労働についての労使協定を書面で締結し,労働基準監督署に届け出ることによって,法定労働時間を超える時間外労働が認められる制度正解
- エ労使協定によって1か月以内の一定期間の総労働時間を定め,1日の固定勤務時間以外では,労働者に始業・終業時刻の決定を委ねる制度
正解 ウ
解説
いわゆる36協定は,労働基準法第36条に基づき,時間外労働・休日労働に関する労使協定を書面で締結して労働基準監督署に届け出ることにより,法定労働時間を超える時間外労働などを認める制度。
アは裁量労働制,イは1か月単位の変形労働時間制,エはフレックスタイム制の説明。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問25(表記を一部改変)