令和4年度 春期に実施されたネットワークスペシャリスト試験
午前Ⅱの全25問です。問題文・正解・解説をそのまま読めます。
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問1
180 台の電話機のトラフィックを調べたところ,電話機 1 台当たりの呼の発生頻度(発着呼の合計)は 3 分に 1 回,平均回線保留時間は 80 秒であった。このときの呼量は何アーランか。
正解 エ
解説
呼量(アーラン)は,単位時間当たりの呼数×平均保留時間を単位時間で割った値である。電話機 1 台当たり 3 分に 1 回なので 1 時間に 20 回,180 台では 1 時間に 180×20=3,600 回の呼が発生する。平均回線保留時間は 80 秒なので,呼量は 3,600×80÷3,600=80 アーランであり,エになる。
1 台当たりの呼量は 80 秒÷180 秒(3 分)=0.444… アーランで,これに 180 台を掛けても 80 アーランになる。アの 4 やイの 12 は,1 時間当たりの回数や台数の掛け方を取り違えた値である。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問1(表記を一部改変)
問2
長距離の光通信で用いられるマルチモードとシングルモードの光ファイバの伝送特性に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア シングルモードの方が伝送速度は速く,伝送距離も長い。 正解
イ シングルモードの方が伝送速度は速いが,伝送距離は短い。
ウ マルチモードの方が伝送速度は速く,伝送距離も長い。
エ マルチモードの方が伝送速度は速いが,伝送距離は短い。
正解 ア
解説
シングルモード光ファイバはコア径が約 10μm と細く,光が一つの伝搬モードだけで進むので,モードによる伝搬時間の差(モード分散)が生じない。そのため信号の波形が崩れにくく,伝送速度を高くでき,数十 km 以上の長距離伝送にも使える。アが適切である。
マルチモード光ファイバはコア径が 50μm 程度と太く,光が複数の経路(モード)で進むのでモード分散が生じ,伝送速度と伝送距離はシングルモードより劣る。その代わり光源や接続の扱いが容易で安価なので,建物内などの短距離で使われる。イ・ウ・エはこの関係を取り違えている。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問2(表記を一部改変)
問3
インターネットにおいて,AS(Autonomous System)間の経路制御に用いられるプロトコルはどれか。
正解 ア
解説
BGP(Border Gateway Protocol)は,ISP など異なる AS(自律システム)の間で経路情報を交換するエクステリアゲートウェイプロトコル(EGP)であり,インターネットの AS 間の経路制御に用いられる。アが該当する。
イの IS-IS,ウの OSPF,エの RIP は,いずれも一つの AS の内部で使うインテリアゲートウェイプロトコル(IGP)である。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問3(表記を一部改変)
問4
スパニングツリープロトコルに関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア OSI 基本参照モデルにおけるネットワーク層のプロトコルである。
イ ブリッジ間に複数経路がある場合,同時にフレーム転送することを可能にするプロトコルである。
ウ ブロードキャストフレームを,ブリッジ間で転送しない利点がある。
エ ルートブリッジの決定には,ブリッジの優先順位と MAC アドレスが使用される。 正解
正解 エ
解説
スパニングツリープロトコルでは,各ブリッジが BPDU に載せたブリッジ ID を比較し,値の最も小さいブリッジをルートブリッジにする。ブリッジ ID は,管理者が設定するブリッジの優先順位(プライオリティ)と MAC アドレスを組み合わせたもので,優先順位が同じなら MAC アドレスの小さいブリッジが選ばれる。エが適切である。
アは誤りで,スパニングツリープロトコルは OSI 基本参照モデルのデータリンク層のプロトコルである。イも誤りで,冗長な経路の一部のポートをブロックして一つの経路だけを使い,ループを防ぐ。ウも誤りで,ブロードキャストフレームはブリッジ間で転送される(ループがあると転送され続けるので,それを防ぐのがこのプロトコルの目的である)。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問4(表記を一部改変)
問5
DNS において,電子メールの送信だけに利用されるリソースレコードはどれか。
ア MX レコード 正解
イ NS レコード
ウ PTR レコード
エ SOA レコード
正解 ア
解説
MX レコードは,そのドメイン宛ての電子メールを受け取るメールサーバ(メールエクスチェンジャ)のホスト名と優先度を示すリソースレコードで,メールを送信する側がどのサーバへ配送すればよいかを調べるのに使う。電子メールの送信のためだけに利用されるので,アが該当する。
イの NS レコードはそのゾーンを管理する権威 DNS サーバを示し,ウの PTR レコードは IP アドレスからホスト名を求める逆引きに使う。エの SOA レコードはゾーンの管理情報(シリアル番号やゾーン転送の間隔など)を示す。いずれも電子メールの送信に限らず使われる。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問5(表記を一部改変)
問6
IPv4 における ICMP のメッセージに関する説明として,適切なものはどれか。
ア 送信元が設定したソースルーティングが失敗した場合は,Echo Reply を返す。
イ 転送されてきたデータグラムを受信したルータが,そのネットワークの最適なルータを送信元に通知して経路の変更を要請するには,Redirect を使用する。 正解
ウ フラグメントの再組立て中にタイムアウトが発生した場合は,データグラムを破棄して Parameter Problem を返す。
エ ルータでメッセージを転送する際に,受信側のバッファがあふれた場合は Time Exceeded を送り,送信ホストに送信を抑制することを促す。
正解 イ
解説
ICMP の Redirect メッセージは,ルータが受け取ったデータグラムについて,送信元と同じネットワーク上に宛先へのより適切な次のルータがあるときに,そのルータを送信元に通知して経路の変更を促すために使われる。イが適切である。
アのソースルーティングの失敗は Destination Unreachable(Source Route Failed)で通知し,Echo Reply は ping の Echo Request に対する応答である。ウのフラグメントの再組立て中のタイムアウトは Time Exceeded(Fragment Reassembly Time Exceeded)で通知する。エの Time Exceeded は TTL が 0 になったときなどに送られるもので,バッファがあふれたときに送信の抑制を促すのは Source Quench(現在は廃止)である。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問6(表記を一部改変)
問7
マルチキャストグループへの参加や離脱をホストが通知したり,マルチキャストグループに参加しているホストの有無をルータがチェックしたりするときに使用するプロトコルはどれか。
正解 イ
解説
IGMP(Internet Group Management Protocol)は,IPv4 で,ホストがマルチキャストグループへの参加や離脱をルータに通知したり,ルータがグループに参加しているホストが残っているかを定期的に問い合わせたりするためのプロトコルである。イが該当する。
アの ARP は IP アドレスから MAC アドレスを求めるプロトコル,ウの LDAP はディレクトリサービスにアクセスするプロトコル,エの RIP はルータ間で経路情報を交換するルーティングプロトコルである。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問7(表記を一部改変)
問8
SMTP(ESMTP を含む)のセッション開始を表すコマンドはどれか。
ア DATA
イ EHLO 正解
ウ MAIL
エ RCPT
正解 イ
解説
SMTP のセッションは,クライアントが HELO(ESMTP では EHLO)コマンドで自身のホスト名を名乗ることで始まる。EHLO に対してサーバは対応している拡張機能の一覧を返す。イが該当する。
その後,ウの MAIL(MAIL FROM)で送信者を,エの RCPT(RCPT TO)で受信者を指定し,アの DATA でメールの本文を送る。セッションの終了には QUIT を使う。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問8(表記を一部改変)
問9
IPv4 アドレスが 192.168.10.0/24~192.168.58.0/24 のネットワークを対象に経路を集約するとき,集約した経路のネットワークアドレスのビット数が最も多くなるものはどれか。
ア 192.168.0.0/16
イ 192.168.0.0/17
ウ 192.168.0.0/18 正解
エ 192.168.0.0/19
正解 ウ
解説
集約の対象は第 3 オクテットが 10~58 のネットワークである。10=00001010,58=00111010 で,この範囲の値は上位 2 ビットがどれも 00 であり,3 ビット目は 0(10~31)と 1(32~58)の両方がある。共通なのは第 1・第 2 オクテットの 16 ビットと第 3 オクテットの上位 2 ビットで,192.168.0.0/18(192.168.0.0~192.168.63.255)が全てを含む最長のプレフィックスになる。ウが該当する。
エの 192.168.0.0/19 は 192.168.0.0~192.168.31.255 までしか含まず,32~58 が外れる。アの /16 やイの /17 は全てを含むが,ネットワークアドレスのビット数が /18 より少ない。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問9(表記を一部改変)
問10
IEEE 802.3 のイーサネットパケットが図の構成のとき,IPv4 と IPv6 によって異なるものはどれか。
ア SFD の値
イ 宛先 MAC アドレスと送信元 MAC アドレスの長さ
ウ タイプの値 正解
エ データの最大長
正解 ウ
解説
イーサネットフレームのタイプフィールドは,データ部に入っている上位層のプロトコルを示す。IPv4 は 0x0800,IPv6 は 0x86DD なので,IPv4 と IPv6 で値が異なる。ウが該当する。
アの SFD はフレームの開始を示す決まったビットパターン,イの MAC アドレスはどちらも 48 ビットであり,上位のプロトコルによって変わらない。エのデータの最大長(イーサネットの MTU,通常 1,500 オクテット)もデータリンク層で決まる値で,IPv4 と IPv6 で変わらない。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問10(表記を一部改変)
問11
IPv4 ネットワークにおいて,交換する経路情報の中にサブネットマスクが含まれていないダイナミックルーティングプロトコルはどれか。
ア BGP-4
イ OSPF
ウ RIP-1 正解
エ RIP-2
正解 ウ
解説
RIP-1 はクラスフルなルーティングプロトコルで,交換する経路情報にサブネットマスクを含まない。そのため,受け取った経路のネットワークアドレスのクラスからマスクを推定することになり,可変長サブネットマスク(VLSM)や CIDR に対応できない。ウが該当する。
エの RIP-2 は RIP-1 を拡張して経路情報にサブネットマスクを含めたクラスレスなプロトコルである。アの BGP-4 とイの OSPF も,経路情報にプレフィックス長やサブネットマスクを含む。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問11(表記を一部改変)
問12
ネットワークを構成するホストの IP アドレスとして用いることができるものはどれか。
ア 127.16.10.255/8
イ 172.16.10.255/16 正解
ウ 192.168.255.255/24
エ 224.168.10.255/8
正解 イ
解説
172.16.10.255/16 は,ネットワーク部が 172.16,ホスト部が 10.255 であり,ホスト部が全て 0 でも全て 1 でもないので,ホストの IP アドレスとして使える。イが該当する。第 4 オクテットが 255 でも,プレフィックス長によってはブロードキャストアドレスにならない。
アの 127 から始まるアドレスは自分自身を指すループバックアドレスである。ウの 192.168.255.255/24 はホスト部(最後の 8 ビット)が全て 1 のブロードキャストアドレスである。エの 224 から始まるアドレスはクラス D のマルチキャストアドレスで,ホストに割り当てるアドレスではない。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問12(表記を一部改変)
問13
IPv4 のマルチキャストに関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア 全てのマルチキャストアドレスは,アドレスごとにあらかじめ用途が固定的に決められている。
イ マルチキャストアドレスには,クラス D のアドレスが使用される。 正解
ウ マルチキャストパケットは,TTL 値に関係なく IP マルチキャスト対応ルータによって中継される。
エ マルチキャストパケットは,ネットワーク上の全てのホストによって受信され,IP よりも上位の層で,必要なデータか否かが判断される。
正解 イ
解説
IPv4 のマルチキャストアドレスには,先頭 4 ビットが 1110 のクラス D のアドレス(224.0.0.0~239.255.255.255)が使われる。イが適切である。
アは誤りで,224.0.0.1(全ホスト)のように用途が決められたアドレスもあるが,組織内で自由に使える範囲(239.0.0.0/8 など)もあり,全てが固定されているわけではない。ウも誤りで,マルチキャストパケットもルータを通るたびに TTL が減り,0 になれば中継されない。TTL で届く範囲を制限するのが一般的である。エも誤りで,マルチキャストパケットはグループに参加しているホストだけが受け取り,参加していないホストは NIC や IP の層で破棄する。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問13(表記を一部改変)
問14
ネットワークのトラフィック管理において,測定対象の回線やポートなどからパケットをキャプチャして解析し,SNMP を使って管理装置にデータを送信する仕組みはどれか。
正解 イ
解説
RMON(Remote network MONitoring)は,ネットワーク上に置いた監視装置(RMON プローブ)が,測定対象の回線やポートを流れるパケットをキャプチャしてトラフィックの統計などを解析し,その結果を SNMP で管理装置(マネージャ)に送る仕組みである。イが該当する。
アの MIB は SNMP で管理される機器の管理情報を定義したデータベースで,RMON も専用の MIB を使う。エの Trap は,SNMP のエージェントが障害などのイベントをマネージャに自発的に通知するメッセージで,パケットの解析は行わない。ウの SMTP は電子メールを送信するプロトコルである。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問14(表記を一部改変)
問15
IP 電話の音声品質を表す指標のうち,ノイズ,エコー,遅延などから算出されるものはどれか。
ア MOS 値
イ R 値 正解
ウ ジッタ
エ パケット損失率
正解 イ
解説
R 値は,ITU-T G.107 の E モデルで定義される音声品質の指標で,ノイズ,エコー,遅延,パケット損失などの伝送品質を表すパラメータから計算によって算出する(0~100 の値をとり,大きいほど品質が良い)。イが該当する。
アの MOS 値は,実際に人が音声を聞いて 5 段階で評価した結果を平均した主観評価の指標である。ウのジッタはパケットの到着間隔の揺らぎ,エのパケット損失率は失われたパケットの割合であり,いずれも R 値を算出する要素の一部で,それ自体が総合的な指標ではない。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問15(表記を一部改変)
問16
RLO(Right-to-Left Override)を利用した手口はどれか。
ア “マルウェアに感染している”といった偽の警告を出して利用者を脅し,マルウェア対策ソフトの購入などを迫る。
イ 脆弱性があるホストやシステムをあえて公開し,攻撃の内容を観察する。
ウ ネットワーク機器の設定を不正に変更して,MIB 情報のうち監視項目の値の変化を検知したときセキュリティに関するイベントを SNMP マネージャ宛てに通知させる。
エ 文字の表示順を変える制御文字を利用し,ファイル名の拡張子を偽装する。 正解
正解 エ
解説
RLO は,Unicode の制御文字の一つで,それ以降の文字列を右から左の順に表示させる。例えば“abc[RLO]fdp.exe”というファイル名は“abcexe.pdf”のように表示され,実行ファイルを PDF 文書に見せかけることができる。文字の表示順を変える制御文字を利用してファイル名の拡張子を偽装するエが該当する。
アは偽の警告で利用者を脅して対策ソフトを買わせるスケアウェア,イは攻撃を観察するためのおとりのシステムであるハニーポットの説明である。ウは SNMP のトラップを利用した監視の設定に関する記述で,RLO とは関係がない。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問16(表記を一部改変)
問17
暗号化装置における暗号化処理時の消費電力を測定するなどして,当該装置内部の秘密情報を推定する攻撃はどれか。
ア キーロガー
イ サイドチャネル攻撃 正解
ウ スミッシング
エ 中間者攻撃
正解 イ
解説
暗号化処理中の消費電力や処理時間,電磁波などの物理的な情報を測定し,そこから装置内部の秘密鍵などを推定する攻撃をサイドチャネル攻撃という。消費電力を使うものは電力解析攻撃と呼ばれ,イが該当する。
アのキーロガーはキーボード入力を記録して ID やパスワードを盗むソフトウェアや装置,ウのスミッシングは SMS を使ったフィッシング,エの中間者攻撃は通信の途中に割り込んで盗聴や改ざんを行う攻撃である。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問17(表記を一部改変)
問18
DNS サーバで管理されるネットワーク情報の中で,外部に公開する必要がない情報が攻撃者によって読み出されることを防止するための,プライマリ DNS サーバの設定はどれか。
ア SOA レコードのシリアル番号を更新する。
イ 外部の DNS サーバにリソースレコードがキャッシュされる時間を短く設定する。
ウ ゾーン転送を許可する IP アドレスを限定する。 正解
エ ラウンドロビンを設定する。
正解 ウ
解説
ゾーン転送は,プライマリ DNS サーバが管理するゾーンの全てのリソースレコードをセカンダリ DNS サーバに複製する仕組みである。誰からでもゾーン転送を受け付けると,攻撃者に内部のホスト名や IP アドレスなど公開する必要のない情報まで一括して読み出されるので,ゾーン転送を許可する IP アドレスをセカンダリ DNS サーバに限定する。ウが該当する。
アの SOA レコードのシリアル番号の更新は,ゾーンの内容が変わったことをセカンダリ DNS サーバに知らせるための操作である。イのキャッシュ時間(TTL)の短縮は情報の変更を早く反映させるための設定,エのラウンドロビンは一つの名前に複数の IP アドレスを割り当てて負荷を分散する設定であり,いずれも情報の読出しを防ぐものではない。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問18(表記を一部改変)
問19
VLAN 機能をもった 1 台のレイヤ 3 スイッチに 40 台の PC を接続している。スイッチのポートをグループ化して複数のセグメントに分けたとき,スイッチのポートをセグメントに分けない場合に比べて得られるセキュリティ上の効果の一つはどれか。
ア スイッチが,PC から送出される ICMP パケットを同一セグメント内も含め,全て遮断するので,PC 間のマルウェア感染のリスクを低減できる。
イ スイッチが,PC からのブロードキャストパケットの到達範囲を制限するので,アドレス情報の不要な流出のリスクを低減できる。 正解
ウ スイッチが,PC の MAC アドレスから接続可否を判別するので,PC の不正接続のリスクを低減できる。
エ スイッチが,物理ポートごとに,決まった IP アドレスをもつ PC の接続だけを許可するので,PC の不正接続のリスクを低減できる。
正解 イ
解説
VLAN でポートを複数のセグメントに分けると,ブロードキャストパケットはそのセグメント(ブロードキャストドメイン)の中にしか届かなくなる。ARP 要求などのブロードキャストに含まれる IP アドレスや MAC アドレスの情報が,他のセグメントの PC に不要に流れることを防げるので,イが効果の一つである。
アは誤りで,VLAN は同一セグメント内の ICMP パケットを遮断する機能ではない。ウの MAC アドレスによる接続可否の判別や,エの物理ポートごとに決まった IP アドレスの PC だけを許可する機能は,それぞれ MAC アドレス認証やポートセキュリティなどの機能であり,ポートをセグメントに分けることで得られる効果ではない。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問19(表記を一部改変)
問20
デジタルフォレンジックスに該当するものはどれか。
ア 画像,音楽などのデジタルコンテンツに著作権者などの情報を埋め込む。
イ コンピュータやネットワークのセキュリティ上の弱点を発見するテストとして,システムを実際に攻撃して侵入を試みる。
ウ 巧みな話術,盗み聞き,盗み見などの手段によって,ネットワークの管理者,利用者などから,パスワードなどのセキュリティ上重要な情報を入手する。
エ 犯罪に関する証拠となり得るデータを保全し,調査,分析,その後の訴訟などに備える。 正解
正解 エ
解説
デジタルフォレンジックスは,不正アクセスや情報漏えいなどの事件が起きたときに,コンピュータやネットワークに残る記録を証拠として使えるように保全し,調査・分析する技術や手続のことである。証拠としての信頼性を保つため,改ざんされていないことを示せる形で複製や記録を残し,訴訟などにも耐えられるようにする。エが正しい。
アは電子透かし,イはペネトレーションテスト,ウはソーシャルエンジニアリングの説明である。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問20(表記を一部改変)
問21
DNS の再帰的な問合せを使ったサービス妨害攻撃(DNS リフレクタ攻撃)の踏み台にされないための対策はどれか。
ア DNS サーバを DNS キャッシュサーバと権威 DNS サーバに分離し,インターネット側から DNS キャッシュサーバに問合せできないようにする。 正解
イ 問合せがあったドメインに関する情報を Whois データベースで確認してから DNS キャッシュサーバに登録する。
ウ 一つの DNS レコードに複数のサーバの IP アドレスを割り当て,サーバへのアクセスを振り分けて分散させるように設定する。
エ ほかの権威 DNS サーバから送られてくる IP アドレスとホスト名の対応情報の信頼性を,デジタル署名で確認するように設定する。
正解 ア
解説
DNS リフレクタ攻撃では,攻撃者が送信元 IP アドレスを攻撃対象に偽装して,インターネットから誰でも再帰的な問合せを受け付ける DNS キャッシュサーバ(オープンリゾルバ)に問合せを大量に送り,大きな応答を攻撃対象に送り付けさせる。DNS キャッシュサーバと権威 DNS サーバを分離し,キャッシュサーバはインターネット側からの問合せを受け付けないようにすれば,踏み台にされない。アが該当する。
イの Whois による確認はドメインの登録情報の確認で,問合せの受付範囲は変わらない。ウの複数の IP アドレスの割当ては DNS ラウンドロビンによる負荷分散,エのデジタル署名による確認は DNSSEC で,キャッシュポイズニングへの対策であり,踏み台にされることは防げない。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問21(表記を一部改変)
問22
量子アニーリング方式の量子コンピュータの説明として,適切なものはどれか。
ア 極低温の環境の中で,量子ゲートを用いて演算する。
イ 従来の CPU と同様に命令を使って演算,記憶と制御ができる。
ウ 複数のデータに同一の演算処理を高速に実行できる。
エ 膨大な選択肢の中から最適な選択肢を探すアルゴリズムに特化している。 正解
正解 エ
解説
量子アニーリング方式の量子コンピュータは,量子の重ね合わせやトンネル効果を利用して,組合せ最適化問題の解,すなわち膨大な選択肢の中からエネルギー(コスト)が最小になる最適な組合せを探索することに特化した方式である。エが適切である。
アの量子ゲートを用いて演算するのは量子ゲート方式の量子コンピュータの説明である。イの命令による演算・記憶・制御は従来のノイマン型コンピュータの説明,ウの複数のデータに同一の演算を高速に実行するのは SIMD 方式のベクトル演算などの説明である。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問22(表記を一部改変)
問23
ある 2 局間の通信回線のアベイラビリティ(稼働率)は 0.9 であった。通信回線部分の二重化を行ったところ,アベイラビリティが 0.999 となった。このとき,新たに設置した通信回線のアベイラビリティは幾らか。
ア 0.990 正解
イ 0.993
ウ 0.996
エ 0.999
正解 ア
解説
回線を二重化した並列構成では,両方の回線が同時に停止したときだけ通信できなくなるので,全体の稼働率は 1−(1−既存の回線の稼働率)×(1−新しい回線の稼働率)で求まる。新しい回線の稼働率を x とすると,1−(1−0.9)×(1−x)=0.999 より,0.1×(1−x)=0.001,1−x=0.01,x=0.990 であり,アになる。
エの 0.999 は,二重化後の全体の稼働率を新しい回線の稼働率とした値である。イの 0.993 やウの 0.996 を代入すると,全体の稼働率はそれぞれ 0.9993,0.9996 になり,0.999 と一致しない。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問23(表記を一部改変)
問24
システムに規定外の無効なデータが入力されたとき,誤入力であることを伝えるメッセージを表示して正しい入力を促すことによって,システムを異常終了させない設計は何というか。
ア フールプルーフ 正解
イ フェールセーフ
ウ フェールソフト
エ フォールトトレランス
正解 ア
解説
フールプルーフは,利用者が誤った操作をしたり想定外のデータを入力したりしても,システムが異常な動作をしないようにあらかじめ防いでおく考え方。前提条件を満たさないデータが入力されたらエラーメッセージを出して再入力を促す,という方針はまさにこれに当たる。アが正しい。
イのフェールセーフは故障したときに安全な側に倒す設計,ウのフェールソフトは故障時に機能を落としてでも運転を続ける設計,エのフォールトトレランスは構成要素を多重化して故障が起きても正常な動作を続けられるようにすること。いずれも故障が起きた後の備えであり,誤操作を未然に防ぐフールプルーフとは着眼点が違う。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問24(表記を一部改変)
問25
ステージング環境の説明として,適切なものはどれか。
ア 開発者がプログラムを変更するたびに,ステージングサーバにプログラムを直接デプロイして動作を確認し,デバッグするための環境
イ システムのベータ版を広く一般の利用者に公開してテストを実施してもらうことによって,問題点やバグを報告してもらう環境
ウ 保護するネットワークと外部ネットワークの間に境界ネットワーク(DMZ)を設置して,セキュリティを高めたネットワーク環境
エ 本番環境とほぼ同じ環境を用意して,システムリリース前の最終テストを行う環境 正解
正解 エ
解説
ステージング環境は,本番環境とほぼ同じ構成・設定・データで用意した検証用の環境で,システムを本番にリリースする直前に,最終的な動作確認や性能・運用手順の確認を行うために使う。エが適切である。
アのプログラムを変更するたびにデプロイして動作確認やデバッグを行うのは開発環境の説明である。イのベータ版を一般に公開して利用者に報告してもらうのはベータテストの説明,ウの DMZ を設けた構成はネットワークのセキュリティ設計の説明であり,いずれもステージング環境の意味ではない。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問25(表記を一部改変)
ほかの年度
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平成27年度 秋期 午前Ⅰ
平成27年度 春期 午前Ⅰ
平成27年度 秋期 午前Ⅱ
平成27年度 秋期 午後Ⅰ
平成26年度 秋期 午前Ⅰ
平成26年度 秋期 午後Ⅰ
平成26年度 春期 午前Ⅰ
平成25年度 秋期 午前Ⅰ
平成25年度 秋期 午後Ⅰ
平成25年度 春期 午前Ⅰ
平成24年度 秋期 午前Ⅰ
平成24年度 秋期 午後Ⅰ
平成24年度 春期 午前Ⅰ
平成23年度 秋期 午前Ⅰ
平成23年度 秋期 午後Ⅰ
平成23年度 特別試験 午前Ⅰ
平成22年度 秋期 午前Ⅰ
平成22年度 秋期 午後Ⅰ
平成22年度 春期 午前Ⅰ
平成21年度 秋期 午前Ⅰ
平成21年度 秋期 午後Ⅰ
平成26年度 秋期 午前Ⅱ
平成25年度 秋期 午前Ⅱ
平成24年度 秋期 午前Ⅱ
平成23年度 秋期 午前Ⅱ
平成22年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 春期 午前Ⅰ