令和3年度 春期に実施されたITサービスマネージャ試験
午前Ⅱの全25問です。問題文・正解・解説をそのまま読めます。
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問1
JIS Q 20000-1:2020(サービスマネジメントシステム要求事項)によれば,サービスマネジメントシステム(SMS)における継続的改善の説明はどれか。
ア 意図した結果を得るためにインプットを使用する,相互に関連する又は相互に作用する一連の活動
イ 価値を提供するため,サービスの計画立案,設計,移行,提供及び改善のための組織の活動及び資源を,指揮し,管理する,一連の能力及びプロセス
ウ サービスを中断なしに,又は合意した可用性を一貫して提供する能力
エ パフォーマンスを向上するために繰り返し行われる活動 正解
正解 エ
解説
JIS Q 20000-1:2020 の 3.1.4 は,継続的改善を“パフォーマンスを向上するために繰り返し行われる活動”と定義している。一度きりの改善ではなく,繰り返す点がこの用語の要点。
アは 3.1.18(プロセス),イは 3.2.22(サービスマネジメント),ウは 3.2.19(サービス継続)の定義であり,いずれも継続的改善ではない。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問1(表記を一部改変)
問2
システムの信頼性を測る指標の一つに稼働品質率がある。年間の稼働品質率で評価される信頼性が最も高いシステムはどれか。ここで,稼働品質率は次の式で算出し,システムの資産規模には総運用費用を用いるものとする。
稼働品質率 = 利用者に迷惑を掛けた回数 ÷ システムの資産規模
正解 ウ
解説
稼働品質率は「利用者に迷惑を掛けた回数 ÷ 資産規模(総運用費用)」なので,値が小さいほど信頼性が高い。オンライン稼働時間はこの式に使わない。
A=(3+12)÷120=0.125,B=(4+8)÷100=0.12,C=(6+2)÷80=0.10,D=(6+3)÷60=0.15。
最も小さいのは C の0.10なので,信頼性が最も高いのはシステム C。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問2(表記を一部改変)
問3
JIS Q 20000-1:2020(サービスマネジメントシステム要求事項)によれば,組織は,サービスレベル目標に照らしたパフォーマンスを監視し,レビューし,顧客に報告しなければならない。レビューをいつ行うかについて,この規格はどのように規定しているか。
ア SLA に大きな変更があったときに実施する。
イ あらかじめ定めた間隔で実施する。 正解
ウ 間隔を定めず,必要に応じて実施する。
エ サービス目標の未達成が続いたときに実施する。
正解 イ
解説
8.3.3(サービスレベル管理)は,サービスレベル目標に照らしたパフォーマンスを「あらかじめ定めた間隔で」監視・レビューし,顧客に報告することを求めている。定期的に確認することで,傾向の変化や目標未達の兆しを早く捉えられる。
ア・ウ・エはいずれも出来事をきっかけとした不定期のレビューであり,規格が求める定期的なレビューには当たらない。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問3(表記を一部改変)
問4
ITIL 2011 edition によれば,インシデントに対する一連の活動のうち,イベント管理プロセスが分担する活動はどれか。
ア インシデントの発生後に,その原因などをエラーレコードとして記録する。
イ インシデントの発生後に,問題の根本原因を分析して記録する。
ウ インシデントの発生時に,IT サービスを迅速に復旧するための対策を講じる。
エ インシデントの発生を検知して,関連するプロセスに通知する。 正解
正解 エ
解説
イベント管理は,構成品目やサービスの状態変化(イベント)を監視して検知し,意味を判断したうえで,対応が必要なものを関連するプロセスへ通知するプロセス。インシデントの検知と通知がこれに当たる。
アは問題管理で作成する既知のエラー記録,イも問題管理の根本原因分析,ウはインシデント管理によるサービスの復旧であり,いずれもイベント管理の分担ではない。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問4(表記を一部改変)
問5
“IT サービスが必要とされるときに,合意した条件の下で要求された機能を果たせる状態にある能力”について,定義し,分析し,計画し,測定し,改善する活動を行う ITIL 2011 edition の管理プロセスはどれか。
ア IT サービス継続性管理
イ インシデント管理
ウ 可用性管理 正解
エ 問題管理
正解 ウ
解説
設問の“IT サービスが必要とされるときに,合意した条件の下で要求された機能を果たせる状態にある能力”は可用性の定義。これを定義し,分析し,計画し,測定し,改善するのが可用性管理。
アの IT サービス継続性管理は災害などの重大な中断に備えて復旧を計画するプロセス,イのインシデント管理は発生した中断を早く復旧させるプロセス,エの問題管理はインシデントの根本原因を取り除くプロセスであり,可用性そのものを管理するプロセスではない。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問5(表記を一部改変)
問6
図は,あるプロジェクトにおける,旧システムから新システムへの切替え移行作業の流れ図である。次の条件で作業を遂行する場合,移行開始から移行終了までの所要時間は最短で何時間か。
〔条件〕
作業者は 3 人とし,一つの作業は 1 人が担当する。 並行して実施できる作業は同時に進める。 各作業者は,作業と作業の間のどこかで最低 1 回,連続 1 時間以上の休憩を取る。
正解 ウ
解説
休憩を考えなければ,最長経路は オンライン停止(0.5)→取引データ抽出(2.5)→マスタデータ登録(3.5)→動作確認(0.5) の 7.0 時間になる。
しかし抽出の3作業(0.5〜3.0)も登録の3作業も3人が同時に動くので,休憩を入れられる余地は限られる。動作確認を担当する2人は,それまでに連続1時間以上の休憩を済ませていなければならない。登録作業が終わるのは早くても 6.0〜6.5 なので,そこから休憩を取ると動作確認の開始は 7.0 になる。休憩を登録の前(抽出の直後)に回しても,その分だけ登録の終了が後ろへずれるので,やはり 7.0 より早くは始められない。
したがって動作確認は 7.0 開始・7.5 終了となり,最短所要時間は 7.5 時間。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問6(表記を一部改変)
問7
ITIL 2011 edition によれば,“サービス資産管理および構成管理”のプロセスにおける,構成コントロールが適切に行われないことによって発生する事象として,最も適切なものはどれか。
ア 許可なく実施された,リリースの稼働環境への展開
イ 構築環境に存在する修正中のプログラムをパッケージ化したリリースの,稼働環境への展開
ウ 不具合のあるリリースの,稼働環境への展開
エ ライセンス契約数を超えて行われる,ソフトウェアの利用 正解
正解 エ
解説
構成コントロールは,構成品目(CI)の追加・変更・撤去が正式な承認と記録を伴って行われることを確実にする活動。これが機能していないと構成管理データベースの内容が実態とずれ,ソフトウェアが何本導入されているかを把握できなくなるので,保有ライセンス数を超えた利用に気づけない。
アの無許可のリリース展開,イの修正中のプログラムを含むリリースの展開,ウの不具合のあるリリースの展開は,いずれも変更管理やリリース管理および展開管理で防ぐべき事象である。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問7(表記を一部改変)
問8
エラープルーフ化とは,ヒューマンエラーに起因する障害を防ぐ目的で,作業方法を人間に合うように改善することであり,次の五つの原理を定義している。五つの原理のうち,ヒューマンエラーの発生を未然に防止する原理の組みはどれか。
〔エラープルーフ化の五つの原理〕
異常検出:エラーに気づくようにする。 影響緩和:影響が致命的なものにならないようにする。 代替化:人が作業をしなくてもよいようにする。 排除:作業や注意を不要にする。 容易化:作業を易しくする。
ア 異常検出,影響緩和,代替化
イ 異常検出,代替化,排除
ウ 影響緩和,排除,容易化
エ 代替化,排除,容易化 正解
正解 エ
解説
五つの原理は,エラーが起きる前に働くものと,起きた後に働くものに分けられる。代替化(人が作業をしなくてもよいようにする),排除(作業や注意を不要にする),容易化(作業を易しくする)は,いずれも作業そのものをなくしたり簡単にしたりして,エラーの発生自体を未然に防ぐ。
一方,異常検出は起きてしまったエラーに気づくための原理,影響緩和は起きてしまったエラーの影響を小さくするための原理であり,どちらも発生後に働く。したがってこの二つを含むア・イ・ウは適切でない。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問8(表記を一部改変)
問9
システムの安全性や信頼性を向上させる考え方のうち,フェールセーフはどれか。
ア システムが部分的に故障しても,システム全体としては必要な機能を維持する。
イ システム障害が発生したとき,待機しているシステムに切り替えて処理を続行する。
ウ システムを構成している機器が故障したときは,システムが安全に停止するようにして,被害を最小限に抑える。 正解
エ 利用者が誤った操作をしても,システムに異常が起こらないようにする。
正解 ウ
解説
フェールセーフは,故障が起きたときに危険な状態を作らないよう,システムを安全側に倒す設計思想。安全に停止させて被害を最小限に抑えるのがこれに当たる。
アはフォールトトレラント(部分故障でも機能を維持),イはフェールオーバ(待機系への切替え),エはフールプルーフ(誤操作をしても異常が起こらないようにする)の考え方である。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問9(表記を一部改変)
問10
バックアップサイトの説明のうち,ウォームスタンバイの説明として,最も適切なものはどれか。
ア 同じようなシステムを運用する外部の企業や組織と協定を結び,緊急時には互いのシステムを貸し借りして,サービスを復旧する。
イ 緊急時にはバックアップシステムを持ち込んでシステムを再開し,サービスを復旧する。
ウ 別の場所に常にデータの同期が取れているバックアップシステムを用意しておき,緊急時にはバックアップシステムに切り替えて直ちにサービスを復旧する。
エ 別の場所にバックアップシステムを用意しておき,緊急時にはバックアップシステムを起動して,データを最新状態にする処理を行った後にサービスを復旧する。 正解
正解 エ
解説
ウォームスタンバイは,別の場所にバックアップシステムを用意しておくが常時は動かしておらず,緊急時に起動してデータを最新の状態にしてからサービスを再開する方式。準備の手間と復旧の速さの中間に位置する。
アは相互バックアップ(他組織との相互援助協定),イは機材を持ち込んでから立ち上げるコールドスタンバイ,ウは常時同期していて直ちに切り替えられるホットスタンバイである。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問10(表記を一部改変)
問11
データの追加・変更・削除が,少ないながらも一定の頻度で行われるデータベースがある。このデータベースのフルバックアップを磁気テープに取得する時間間隔を今までの 2 倍にした。このとき,データベースのバックアップ又は復旧に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア 復旧時に行うログ情報の反映の平均処理時間が約 2 倍になる。 正解
イ フルバックアップ取得 1 回当たりの磁気テープ使用量が約 2 倍になる。
ウ フルバックアップ取得 1 回当たりの磁気テープ使用量が約半分になる。
エ フルバックアップ取得の平均処理時間が約 2 倍になる。
正解 ア
解説
フルバックアップの間隔を 2 倍にすると,1 回のフルバックアップから次までに蓄積されるログの量が約 2 倍になる。復旧時はバックアップを復元してからログを反映(ロールフォワード)するので,その反映に掛かる平均処理時間が約 2 倍になる。
イとウは誤り。データの追加・変更・削除は少ないのでデータベース自体の大きさはほとんど変わらず,1 回当たりのテープ使用量は変わらない。エも同じ理由で,フルバックアップ取得の処理時間は変わらない。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問11(表記を一部改変)
問12
データセンタなどで用いられている環境に配慮した空調システムであり,夏季は外気よりも低温になる地中の自然冷熱を熱交換に利用するものはどれか。
ア アイルキャッピング
イ クールピット 正解
ウ タスクアンビエント空調
エ フリークーリング
正解 イ
解説
クールピットは,建物の地下に設けたピット(空間)に外気を通し,夏季は外気より低温になる地中との温度差で外気を冷やしてから取り込む方式。地中熱を利用して空調の負荷を下げる。
アのアイルキャッピングはサーバラックの通路を覆って冷気と暖気が混ざらないようにする手法,ウのタスクアンビエント空調は作業域と周辺域で空調を分ける方式,エのフリークーリングは外気そのものが低いときに冷凍機を使わずに冷却する方式で,地中との温度差を使うものではない。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問12(表記を一部改変)
問13
データセンタの施設効率を測る定量指標である,PUE(Power Usage Effectiveness)の計算式はどれか。
ア IT 機器の総消費電力 ÷ データセンタの総消費電力
イ IT 機器の総消費電力 ÷ データセンタの総床面積
ウ IT 機器の総処理量 ÷ データセンタの総消費電力
エ データセンタの総消費電力 ÷ IT 機器の総消費電力 正解
正解 エ
解説
PUE は,データセンタ全体で消費した電力を IT 機器が消費した電力で割った値。IT 機器以外(空調や電源設備など)にどれだけ余分に電力を使っているかを表し,1.0 に近いほど施設効率が良い。
アは PUE の逆数で,DCiE と呼ばれる指標。イは床面積当たりの電力,ウは消費電力当たりの処理量であり,いずれも PUE の式ではない。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問13(表記を一部改変)
問14
情報セキュリティ監査基準(Ver 1.0)における,情報セキュリティに保証を付与することを目的とした監査(保証型の監査)と,情報セキュリティに対して助言を行うことを目的とした監査(助言型の監査)とに関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア 助言型の監査とは,監査上の判断の尺度として情報セキュリティ管理基準を利用するか否かにかかわらず,情報セキュリティ上の問題点の指摘と改善提言は監査人の自由裁量で行う監査のことである。
イ 助言型の監査とは,監査対象の情報セキュリティに関するマネジメントやコントロールの適切な運用を目的として,情報セキュリティ上の問題点について改善を命令する監査のことである。
ウ 保証型の監査とは,監査手続を実施した限りにおいて,監査対象の情報セキュリティに関するマネジメントやコントロールが適切か否かを保証する監査のことである。 正解
エ 保証型の監査とは,監査の結論としてインシデントが発生しないことをステークホルダに対して保証する監査のことである。
正解 ウ
解説
保証型の監査は,実施した監査手続の範囲において,監査対象の情報セキュリティに関するマネジメントやコントロールが適切か否かについて,監査人が意見を表明して保証するもの。“監査手続を実施した限りにおいて”という限定が付く点が要点。
アは誤りで,助言型でも何を判断の尺度としたのかを示す必要があり,指摘と提言を監査人の自由裁量で行ってよいわけではない。イも誤りで,監査人が行うのは改善の助言・勧告であって命令ではない。エも誤りで,保証するのはマネジメントやコントロールの適切性であり,インシデントが起きないことを保証するものではない。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問14(表記を一部改変)
問15
認証デバイスに関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア USB メモリにディジタル証明書を組み込み,認証デバイスとする場合は,その USB メモリを接続する PC の MAC アドレスを組み込む必要がある。
イ 成人の虹彩を用いる虹彩認証では,認証デバイスでのパターン更新がほとんど不要である。 正解
ウ 静電容量方式の指紋認証デバイスは,LED 照明を設置した室内では正常に認証できなくなる可能性が高くなる。
エ 認証に利用する接触型 IC カードは,カード内のコイルの誘導起電力を利用している。
正解 イ
解説
虹彩の模様は生後 2 年ほどで安定し,その後は加齢による変化がほとんどない。このため,成人の虹彩を使う虹彩認証では,登録した認証パターンを更新する必要がほとんどない。
アは誤りで,ディジタル証明書に接続先 PC の MAC アドレスを組み込む必要はなく,組み込めば他の PC で使えなくなる。ウも誤りで,静電容量方式は指の凹凸による静電容量の差を読む方式なので照明の影響を受けない。エも誤りで,コイルの誘導起電力で給電されるのは非接触型 IC カードであり,接触型は端子から直接給電される。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問15(表記を一部改変)
問16
CSIRT の説明として,適切なものはどれか。
ア 企業や行政機関などに設置され,コンピュータセキュリティインシデントに対応する活動を行う組織 正解
イ 事業者が個人情報について適切な保護措置を講じる体制を整備・運用しており,かつ,JIS Q 15001:2017 に適合していることを認定する組織
ウ 電子政府のセキュリティを確保するために,安全性及び実装性に優れると判断される暗号技術を選出する組織
エ 内閣官房に設置され,サイバーセキュリティ政策に関する総合調整を行いつつ,“世界を率先する”“強靭で”“活力ある”サイバー空間の構築に向けた活動を行う組織
正解 ア
解説
CSIRT(Computer Security Incident Response Team)は,企業や行政機関などに置かれ,コンピュータセキュリティインシデントの受付,分析,対応,再発防止といった活動を担う組織。
イは JIPDEC などのプライバシーマークの付与機関,ウは CRYPTREC(電子政府推奨暗号リストを作成する検討会),エは NISC(内閣サイバーセキュリティセンター)の説明である。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問16(表記を一部改変)
問17
JIS Q 22301:2020 が要求事項を規定している対象はどれか。
ア IT サービスマネジメントシステム
イ 個人情報保護マネジメントシステム
ウ 事業継続マネジメントシステム 正解
エ 情報セキュリティマネジメントシステム
正解 ウ
解説
JIS Q 22301 は,事業継続マネジメントシステム(BCMS)の要求事項を規定した規格。
アの IT サービスマネジメントシステムは JIS Q 20000-1,イの個人情報保護マネジメントシステムは JIS Q 15001,エの情報セキュリティマネジメントシステムは JIS Q 27001 が対応する。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問17(表記を一部改変)
問18
PMBOK ガイド 第 6 版によれば,プロジェクト・スコープ・マネジメントにおける“要求事項の収集”で使用できる技法であり,次のような手順で実施する,ブレーンストーミングを強化した技法はどれか。
〔手順〕
提起された問題に対して,参加者がアイデアを書き出す。 モデレーターが参加者の全てのアイデアをフリップチャートに書き込む。 参加者が全てのアイデアを明確に理解するまで話し合う。 参加者が良いアイデアを 5 個選び,評価の高い順に 5〜1 の点数を投票する。 合計点数が最も高いアイデアを選択する。
ア 多基準意思決定分析
イ ノミナル・グループ技法 正解
ウ フォーカス・グループ
エ マインド・マップ法
正解 イ
解説
ノミナル・グループ技法は,参加者が個別にアイデアを出したうえで全員で内容を理解し,投票によって順位付けして絞り込む技法。声の大きい人に引きずられにくく,ブレーンストーミングを強化したものと位置付けられる。設問の手順がそのままこの技法に当たる。
アの多基準意思決定分析は評価基準ごとに点数を付けて選択肢を比べる手法,ウのフォーカス・グループはモデレーターが進行する対話形式で意見を引き出す手法,エのマインド・マップ法はアイデアを放射状の図にまとめて発想を広げる手法である。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問18(表記を一部改変)
問19
ソフトウェアの機能量に着目して開発規模を見積もるファンクションポイント法で,調整前 FP を求めるために必要となる情報はどれか。
ア 開発で使用する言語数
イ 画面数 正解
ウ プログラムステップ数
エ 利用者数
正解 イ
解説
ファンクションポイント法は,外部入力,外部出力,外部照会,内部論理ファイル,外部インタフェースファイルという 5 種類の機能の数を数え,複雑度で重み付けして調整前 FP を求める。画面数は外部入力・外部出力・外部照会の数を把握する手掛かりになるので,この算出に必要な情報になる。
アの言語数とウのステップ数は実装の手段に依存する情報で,機能量に着目するファンクションポイント法では使わない(ステップ数を使うのは LOC 法)。エの利用者数はソフトウェアの機能量とは関係がない。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問19(表記を一部改変)
問20
PMBOK ガイド 第 6 版における,脅威に対するリスク対応戦略として用いられる“転嫁”の説明はどれか。
ア 脅威のオーナーシップを第三者に移す。 正解
イ 脅威の存在を認めるが,いかなる積極的な行動も取らず,リスクが発生した時点で対処する。
ウ 脅威を除去するか,脅威の影響からプロジェクトを保護する。
エ 発生確率や脅威の影響度を軽減させるための処置を講じる。
正解 ア
解説
PMBOK ガイド 第 6 版は,脅威に対するリスク対応戦略としてエスカレーション,回避,転嫁,軽減,受容の五つを挙げている。転嫁は,脅威のオーナーシップ(対応の責任と影響)を保険や契約によって第三者に移す戦略。
イは受容(積極的な行動を取らず,発生したら対処する),ウは回避(脅威そのものを取り除く,又は影響が及ばないようにする),エは軽減(発生確率や影響度を下げる)である。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問20(表記を一部改変)
問21
内部割込みの要因として,適切なものはどれか。
ア DMA 転送が完了した。
イ インターバルタイマが満了した。
ウ 演算結果がオーバフローした。 正解
エ 電源電圧の低下を検出した。
正解 ウ
解説
内部割込みは,実行中のプログラムの処理そのものが原因で起こる割込み。演算結果のオーバフローは,実行した命令の結果として生じるのでプログラム割込み(内部割込み)に当たる。
アの DMA 転送の完了とイのインターバルタイマの満了は入出力割込み・タイマ割込み,エの電源電圧の低下の検出は機械チェック割込みで,いずれも実行中のプログラムとは無関係に外部から起こる外部割込みである。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問21(表記を一部改変)
問22
MTBF が R で MTTR が S であるサブシステムを二つ直列に結合したシステムがある。システム全体のおよその MTBF と MTTR は,どの組合せになるか。ここで,S は R に比べて十分小さく,故障が同時に起きることはないものとする。
ア MTBF:R,MTTR:S
イ MTBF:R,MTTR:2S
ウ MTBF:R/2,MTTR:S 正解
エ MTBF:R/2,MTTR:2S
正解 ウ
解説
サブシステムを直列に結合すると,どちらか一方が故障すればシステムが停止するので,故障の起こる頻度は 2 倍になる。よって MTBF はおよそ R/2 になる。一方,故障が同時に起きないという条件から 1 回の故障で修理するのは片方だけなので,MTTR は S のままである。
MTTR まで 2 倍になると考えるとイやエを選んでしまうが,2 倍になるのは単位時間当たりの故障回数であって,1 回当たりの修理時間ではない。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問22(表記を一部改変)
問23
媒体障害により停止したデータベースを回復するときに使用するデータとして,適切なものはどれか。
ア 異常終了したトランザクションのログデータ
イ 障害発生時点でコミットもロールバックもしていなかった全てのトランザクションのログデータ
ウ データベースのバックアップコピーと,バックアップ取得以降に発生した全てのトランザクションのログデータ 正解
エ データベースバッファの内容と,チェックポイントレコード
正解 ウ
解説
媒体障害は記憶媒体そのものが壊れてデータベースが読めなくなる障害なので,ログだけでは回復できない。バックアップコピーを別の媒体に復元したうえで,そのバックアップ取得以降のログを使ってロールフォワードし,障害直前の状態まで進める。
アとイのログデータだけを使うのは,トランザクション障害やシステム障害でロールバック・ロールフォワードを行う場合の話。エのデータベースバッファは主記憶上にあり,障害時には失われているので回復には使えない。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問23(表記を一部改変)
問24
磁気ディスク装置や磁気テープ装置などの外部記憶装置とサーバを,通常の LAN とは別の高速な専用ネットワークで接続してシステムを構成するものはどれか。
正解 エ
解説
SAN(Storage Area Network)は,サーバと外部記憶装置を,業務用の LAN とは別に用意した高速な専用ネットワークで接続する構成。ファイバチャネルなどを使い,記憶装置へのアクセスが LAN の通信と干渉しない。
アの DAFS はネットワーク越しにファイルを共有するためのプロトコル,イの DAS はサーバに記憶装置を直結する方式,ウの NAS は通常の LAN に接続して使うファイルサーバ専用機であり,いずれも専用ネットワークで接続する構成ではない。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問24(表記を一部改変)
問25
企業の Web サイトに接続して Web ページを改ざんし,システムの使用目的に反する動作をさせて業務を妨害する行為を処罰する際に適用する法律はどれか。
ア 刑法 正解
イ 特定商取引法
ウ 不正競争防止法
エ プロバイダ責任制限法
正解 ア
解説
Web ページを改ざんしてシステムに使用目的に反する動作をさせ,業務を妨害する行為は,刑法 234 条の 2 の電子計算機損壊等業務妨害罪に当たる。
イの特定商取引法は通信販売や訪問販売などの取引を規制する法律,ウの不正競争防止法は営業秘密の侵害や模倣品などを規制する法律,エのプロバイダ責任制限法はプロバイダの損害賠償責任の制限と発信者情報の開示について定めた法律であり,いずれもこの行為を処罰する根拠にはならない。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問25(表記を一部改変)
ほかの年度
令和7年度 秋期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
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平成30年度 秋期 午前Ⅱ
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令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和7年度 秋期 午前Ⅱ
令和6年度 秋期 午前Ⅱ
令和5年度 秋期 午前Ⅱ
令和4年度 秋期 午前Ⅱ
令和3年度 秋期 午前Ⅱ
令和2年度 10月 午前Ⅱ
平成31年度 春期 午前Ⅱ
平成30年度 春期 午前Ⅱ
平成29年度 春期 午前Ⅱ
平成28年度 春期 午前Ⅱ
平成27年度 春期 午前Ⅱ
令和7年度 秋期 午前Ⅰ
令和7年度 春期 午前Ⅰ
令和7年度 春期 午前Ⅱ
令和7年度 春期 午後Ⅰ
令和6年度 秋期 午前Ⅰ
令和6年度 春期 午前Ⅰ
令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和6年度 春期 午後Ⅰ
令和5年度 秋期 午前Ⅰ
令和5年度 春期 午前Ⅰ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午後Ⅰ
令和4年度 秋期 午前Ⅰ
令和4年度 春期 午前Ⅰ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
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平成21年度 秋期 午前Ⅰ
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平成26年度 秋期 午前Ⅱ
平成25年度 秋期 午前Ⅱ
平成24年度 秋期 午前Ⅱ
平成23年度 秋期 午前Ⅱ
平成22年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 春期 午前Ⅰ