令和2年度 10月に実施された高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通
午前Ⅰの全30問です。問題文・正解・解説をそのまま読めます。
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問1
式 A+B×C の逆ポーランド表記法による表現として,適切なものはどれか。
ア +×CBA
イ ×+ABC
ウ ABC×+ 正解
エ CBA+×
正解 ウ
解説
逆ポーランド表記法(後置記法)では,演算子を被演算子の後ろに書く。A+B×C は乗算を先に行うので,まず B×C を BC× とし,それと A の加算を A(BC×)+ として ABC×+ となる。ウが正しい。
イの ×+ABC は演算子を前に置く前置記法のつもりでも,正しくは +A×BC である。アの +×CBA は正解の並びを逆にしただけで,式として成り立たない。エの CBA+× は C×(B+A) を表し,演算の優先順位が異なる。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問1(表記を一部改変)
問2
a,b,c,d の4文字から成るメッセージを符号化してビット列にする方法として表のア〜エの4通りを考えた。この表は a,b,c,d の各1文字を符号化するときのビット列を表している。メッセージ中での a,b,c,d の出現頻度は,それぞれ 50%,30%,10%,10%であることが分かっている。符号化されたビット列から元のメッセージが一意に復号可能であって,ビット列の長さが最も短くなるものはどれか。
正解 ウ
解説
一意に復号できるかは,どの符号も他の符号の先頭部分になっていない(接頭符号である)かで確かめる。アは a=0 が c=00 の先頭,b=1 が d=11 の先頭になっており,“00”が c なのか aa なのか区別できない。イも a=0 が b=01 の先頭になっていて一意に復号できない。ウとエは接頭符号で,一意に復号できる。
1文字当たりの平均ビット数は,ウが 0.5×1+0.3×2+0.1×3+0.1×3=1.7 ビット,エは全て2ビットなので2ビットである。ウのほうが短く,ウが正しい。出現頻度の高い文字ほど短い符号を割り当てるハフマン符号の考え方である。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問2(表記を一部改変)
問3
オブジェクト指向のプログラム言語であり,クラスや関数,条件文などのコードブロックの範囲はインデントの深さによって指定する仕様であるものはどれか。
ア JavaScript
イ Perl
ウ Python 正解
エ Ruby
正解 ウ
解説
Python は,クラスや関数の定義,if 文や for 文などのブロックの範囲を,波括弧や end などの記号ではなく,行頭のインデントの深さで表すオブジェクト指向のプログラム言語である。ウが正しい。
アの JavaScript とイの Perl はブロックを波括弧 { } で囲む。エの Ruby は def … end や if … end のように end キーワードでブロックの終わりを示す。いずれもインデントは読みやすさのためのもので,文法上の意味はもたない。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問3(表記を一部改変)
問4
メモリインタリーブの説明はどれか。
ア CPU と磁気ディスク装置との間に半導体メモリによるデータバッファを設けて,磁気ディスクアクセスの高速化を図る。
イ 主記憶のデータの一部をキャッシュメモリにコピーすることによって,CPU と主記憶とのアクセス速度のギャップを埋め,メモリアクセスの高速化を図る。
ウ 主記憶へのアクセスを高速化するために,アクセス要求,データの読み書き及び後処理が終わってから,次のメモリアクセスの処理に移る。
エ 主記憶を複数の独立したグループに分けて,各グループに交互にアクセスすることによって,主記憶へのアクセスの高速化を図る。 正解
正解 エ
解説
メモリインタリーブは,主記憶を複数の独立したグループ(バンク)に分け,連続するアドレスを異なるグループに割り当てて,各グループに交互にアクセスする方式である。一つのグループが読み書きや後処理をしている間に別のグループへのアクセスを進められるので,主記憶へのアクセスが高速になる。エが該当する。
アは CPU と磁気ディスク装置の間にバッファを置くディスクキャッシュ,イは CPU と主記憶の速度差を埋めるキャッシュメモリの説明である。ウは一つのアクセスが完全に終わってから次に移る逐次的な動作で,インタリーブのように並行して進めないので高速化にはならない。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問4(表記を一部改変)
問5
複数のサーバを用いて構築されたシステムに対するサーバコンソリデーションの説明として,適切なものはどれか。
ア 各サーバに存在する複数の磁気ディスクを,特定のサーバから利用できるようにして,資源の有効活用を図る。
イ 仮想化ソフトウェアを利用して元のサーバ数よりも少なくすることによって,サーバ機器の管理コストを削減する。 正解
ウ サーバのうちいずれかを監視専用に変更することによって,システム全体のセキュリティを強化する。
エ サーバの故障時に正常なサーバだけで瞬時にシステムを再構成し,サーバ数を減らしてでも運転を継続する。
正解 イ
解説
サーバコンソリデーション(サーバ統合)は,複数の物理サーバで動かしていたシステムを,仮想化技術などを使ってより少ない台数の物理サーバに集約することである。機器の台数が減るので,設置スペース,電力,保守などの管理コストを削減できる。イが適切である。
アは複数のサーバのディスクを一か所から使えるようにするストレージの共有,ウはセキュリティ監視のための役割の変更,エは故障したサーバを切り離して縮退運転を続けるフェールソフトの説明である。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問5(表記を一部改変)
問6
仮想記憶方式で,デマンドページングと比較したときのプリページングの特徴として,適切なものはどれか。ここで,主記憶には十分な余裕があるものとする。
ア 将来必要と想定されるページを主記憶にロードしておくので,実際に必要となったときの補助記憶へのアクセスによる遅れを減少できる。 正解
イ 将来必要と想定されるページを主記憶にロードしておくので,ページフォールトが多く発生し,OS のオーバヘッドが増加する。
ウ プログラムがアクセスするページだけをその都度主記憶にロードするので,主記憶への不必要なページのロードを避けることができる。
エ プログラムがアクセスするページだけをその都度主記憶にロードするので,将来必要となるページの予想が不要である。
正解 ア
解説
デマンドページングは,プログラムが実際にページを参照してページフォールトが起きたときに,そのページを補助記憶から主記憶に読み込む方式である。これに対してプリページングは,将来必要になると予想したページをあらかじめ主記憶に読み込んでおくので,実際に参照したときに補助記憶へアクセスする待ち時間を減らせる。アが適切である。
イは誤りで,あらかじめ読み込んでおくのでページフォールトはむしろ減る。ウとエは,参照したページだけをその都度読み込むデマンドページングの特徴である。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問6(表記を一部改変)
問7
SRAM と比較した場合の DRAM の特徴はどれか。
ア 主にキャッシュメモリとして使用される。
イ データを保持するためのリフレッシュ又はアクセス動作が不要である。
ウ メモリセル構成が単純なので,ビット当たりの単価が安くなる。 正解
エ メモリセルにフリップフロップを用いてデータを保存する。
正解 ウ
解説
DRAM は,1ビットをトランジスタ1個とコンデンサ1個という単純な構成のメモリセルで記憶する。集積度を上げやすく,ビット当たりの単価が安いので,主記憶に使われる。ウが正しい。
アは誤り。高速なキャッシュメモリには SRAM が使われる。イは誤り。DRAM はコンデンサの電荷が時間とともに失われるので,定期的なリフレッシュが必要である(リフレッシュが不要なのは SRAM)。エは誤り。フリップフロップでデータを保持するのは SRAM である。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問7(表記を一部改変)
問8
8ビット D/A 変換器を使って負でない電圧を発生させる。使用する D/A 変換器は,最下位の1ビットの変化で出力が 10 ミリ V 変化する。データに0を与えたときの出力は0ミリ V である。データに 16 進数で 82 を与えたときの出力は何ミリ V か。
ア 820
イ 1,024
ウ 1,300 正解
エ 1,312
正解 ウ
解説
16進数の 82 を10進数に直すと,8×16+2=130 になる。最下位の1ビットの変化で出力が 10 ミリ V 変わり,データ 0 のとき 0 ミリ V なので,出力は 130×10=1,300 ミリ V となる。ウが正しい。
アの 820 は 82 を10進数のまま使った値。エの 1,312 は 82 を16倍して 1,312 とした値など,基数の変換を誤ったときの値である。イの 1,024 は 210 で,この計算とは関係がない。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問8(表記を一部改変)
問9
UML を用いて表した図のデータモデルから,“部品”表,“納入”表及び“メーカ”表を関係データベース上に定義するときの解釈のうち,適切なものはどれか。
ア 同一の部品を同一のメーカから複数回納入することは許されない。
イ “納入”表に外部キーは必要ない。
ウ 部品番号とメーカ番号の組みを“納入”表の候補キーの一部にできる。 正解
エ “メーカ”表は,外部キーとして部品番号をもつことになる。
正解 ウ
解説
部品と納入が 1 対多,メーカと納入が 1 対多なので,“納入”表は,どの部品をどのメーカから納入したかを表すために,部品番号とメーカ番号を外部キーとしてもつ。同じ部品を同じメーカから複数回納入することもあるので,部品番号とメーカ番号に納入日などを加えた組みで行を識別することになり,部品番号とメーカ番号の組みは候補キーの一部にできる。ウが適切である。
アは誤り。多重度が“*”なので,同一の部品を同一のメーカから複数回納入できる。イは誤り。“納入”表は部品とメーカを参照する外部キーが必要である。エは誤り。1対多の関係では多の側(“納入”表)が外部キーをもち,“メーカ”表は部品番号をもたない。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問9(表記を一部改変)
問10
図のようなネットワーク構成のシステムにおいて,同じメッセージ長のデータをホストコンピュータとの間で送受信した場合のターンアラウンドタイムは,端末 A では 100 ミリ秒,端末 B では 820 ミリ秒であった。上り,下りのメッセージ長は同じ長さで,ホストコンピュータでの処理時間は端末 A,端末 B のどちらから利用しても同じとするとき,端末 A からホストコンピュータへの片道の伝送時間は何ミリ秒か。ここで,ターンアラウンドタイムは,端末がデータを回線に送信し始めてから応答データを受信し終わるまでの時間とし,伝送時間は回線速度だけに依存するものとする。
正解 エ
解説
端末 A の片道の伝送時間を t ミリ秒,ホストの処理時間を P ミリ秒とする。上りと下りでメッセージ長は同じなので,ターンアラウンドタイムは 2t+P で表せる。
端末 B の回線は 100Mビット/秒で,端末 A の 1Gビット/秒の10分の1の速度だから,同じメッセージ長なら伝送時間は10倍の 10t になる。
2t+P=100,20t+P=820 の2式を引き算すると 18t=720,t=40ミリ秒。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問10(表記を一部改変)
問11
TCP,UDP のポート番号を識別し,プライベート IP アドレスとグローバル IP アドレスとの対応関係を管理することによって,プライベート IP アドレスを使用する LAN 上の複数の端末が,一つのグローバル IP アドレスを共有してインターネットにアクセスする仕組みはどれか。
ア IP スプーフィング
イ IP マルチキャスト
ウ NAPT 正解
エ NTP
正解 ウ
解説
NAPT(Network Address Port Translation)は,IP アドレスに加えて TCP,UDP のポート番号も変換し,プライベート IP アドレスとポート番号の組と,グローバル IP アドレスとポート番号の組との対応を管理する。これにより,LAN 上の複数の端末が一つのグローバル IP アドレスを共有してインターネットにアクセスできる。ウが該当する。
アの IP スプーフィングは送信元 IP アドレスを偽装する攻撃,イの IP マルチキャストは特定のグループの複数の宛先に同時にデータを送る通信方式,エの NTP は機器の時刻を同期させるプロトコルである。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問11(表記を一部改変)
問12
PC からサーバに対し,IPv6 を利用した通信を行う場合,ネットワーク層で暗号化を行うときに利用するものはどれか。
正解 ア
解説
IPsec は IP パケット自体を暗号化・認証するプロトコルで,OSI 基本参照モデルのネットワーク層(第3層)で動作する。IPv6 では標準的に組み込まれている。
イの PPP はデータリンク層のプロトコル。ウの SSH とエの TLS はトランスポート層より上位で動作し,ネットワーク層の暗号化には当たらない。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問12(表記を一部改変)
問13
送信者 A からの文書ファイルと,その文書ファイルのディジタル署名を受信者 B が受信したとき,受信者 B ができることはどれか。ここで,受信者 B は送信者 A の署名検証鍵 X を保有しており,受信者 B と第三者は送信者 A の署名生成鍵 Y を知らないものとする。
ア ディジタル署名,文書ファイル及び署名検証鍵 X を比較することによって,文書ファイルに改ざんがあった場合,その部分を判別できる。
イ 文書ファイルが改ざんされていないこと,及びディジタル署名が署名生成鍵 Y によって生成されたことを確認できる。 正解
ウ 文書ファイルがマルウェアに感染していないことを認証局に問い合わせて確認できる。
エ 文書ファイルとディジタル署名のどちらかが改ざんされた場合,どちらが改ざんされたかを判別できる。
正解 イ
解説
受信者 B は,送信者 A の署名検証鍵 X でディジタル署名を検証し,文書ファイルから求めたハッシュ値と比べる。一致すれば,文書ファイルが改ざんされていないことと,署名が A だけが知る署名生成鍵 Y で作られたこと(送信者が A であること)を確認できる。イが正しい。
アは誤り。署名の検証で分かるのは改ざんの有無だけで,改ざんされた部分までは特定できない。ウは誤り。ディジタル署名や認証局はマルウェアの感染を確認するものではない。エは誤り。検証に失敗しても,文書ファイルと署名のどちらが改ざんされたかは区別できない。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問13(表記を一部改変)
問14
暗号方式に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア AES は公開鍵暗号方式,RSA は共通鍵暗号方式の一種である。
イ 共通鍵暗号方式では,暗号化及び復号に同一の鍵を使用する。 正解
ウ 公開鍵暗号方式を通信内容の秘匿に使用する場合は,暗号化に使用する鍵を秘密にして,復号に使用する鍵を公開する。
エ ディジタル署名に公開鍵暗号方式が使用されることはなく,共通鍵暗号方式が使用される。
正解 イ
解説
共通鍵暗号方式は,暗号化と復号に同じ鍵を使う方式。鍵を送受信者だけの秘密に保つ必要があるが,公開鍵暗号方式より処理が高速なので,大量のデータの暗号化に向く。イが正しい。
アは逆で,AES が共通鍵暗号方式,RSA が公開鍵暗号方式である。ウも逆で,秘匿のために使う場合は受信者の公開鍵で暗号化し,受信者だけがもつ秘密鍵で復号する。エも逆で,ディジタル署名には公開鍵暗号方式が使われる。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問14(表記を一部改変)
問15
電子メールをスマートフォンで受信する際のメールサーバとスマートフォンとの間の通信をメール本文を含めて暗号化するプロトコルはどれか。
ア APOP
イ IMAPS 正解
ウ POP3
エ SMTP Submission
正解 イ
解説
IMAPS は,メールを受信・閲覧するプロトコル IMAP の通信を TLS で暗号化したもの(IMAP over TLS)で,認証情報だけでなくメール本文を含む通信全体が暗号化される。イが該当する。
アの APOP は,POP3 のパスワードをチャレンジレスポンス方式でハッシュ化して送る認証方式で,パスワードは平文で流れないがメール本文は暗号化されない。ウの POP3 はそのままでは通信を暗号化しない。エの SMTP Submission は,メールクライアントからメールサーバへの送信に使う仕組み(ポート 587)であり,受信のためのプロトコルではない。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問15(表記を一部改変)
問16
UML のアクティビティ図の特徴はどれか。
ア 多くの並行処理を含むシステムの,オブジェクトの振る舞いが記述できる。 正解
イ オブジェクト群がどのようにコラボレーションを行うか記述できる。
ウ クラスの仕様と,クラスの間の静的な関係が記述できる。
エ システムのコンポーネント間の物理的な関係が記述できる。
正解 ア
解説
UML のアクティビティ図は,処理や業務の流れを表す図で,分岐や合流に加えて,フォークとジョインによって並行して行われる処理を記述できる。多くの並行処理を含むシステムのオブジェクトの振る舞いを記述できるので,アが適切である。
イのオブジェクト群のコラボレーション(相互作用)を記述するのはコミュニケーション図(コラボレーション図)。ウのクラスの仕様とクラス間の静的な関係はクラス図。エのコンポーネント間の物理的な関係はコンポーネント図や配置図で記述する。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問16(表記を一部改変)
問17
アジャイル開発手法の説明のうち,スクラムのものはどれか。
ア コミュニケーション,シンプル,フィードバック,勇気,尊重の五つの価値を基礎とし,テスト駆動型開発,ペアプログラミング,リファクタリングなどのプラクティスを推奨する。
イ 推測(プロジェクト立上げ,適応的サイクル計画),協調(並行コンポーネント開発),学習(品質レビュー,最終 QA/リリース)のライフサイクルをもつ。
ウ プロダクトオーナなどの役割,スプリントレビューなどのイベント,プロダクトバックログなどの作成物,及びルールから成るソフトウェア開発のフレームワークである。 正解
エ モデルの全体像を作成した上で,優先度を付けた詳細なフィーチャリストを作成し,フィーチャを単位として計画し,フィーチャ単位に設計と構築を繰り返す。
正解 ウ
解説
スクラムは,プロダクトオーナ,スクラムマスタ,開発者という役割,スプリント,スプリントプランニング,デイリースクラム,スプリントレビュー,スプリントレトロスペクティブというイベント,プロダクトバックログ,スプリントバックログ,インクリメントという作成物,及びそれらを結び付けるルールから成る,ソフトウェア開発のフレームワークである。ウが該当する。
アはコミュニケーション,シンプル,フィードバック,勇気,尊重の価値を掲げるエクストリームプログラミング(XP)。イは推測・協調・学習のサイクルを繰り返す適応型ソフトウェア開発(ASD)。エはフィーチャ(顧客にとって価値のある機能)を単位として計画と開発を進めるフィーチャ駆動型開発(FDD)の説明である。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問17(表記を一部改変)
問18
プロジェクトマネジメントにおいてパフォーマンス測定に使用する EVM の管理対象の組みはどれか。
ア コスト,スケジュール 正解
イ コスト,リスク
ウ スケジュール,品質
エ 品質,リスク
正解 ア
解説
EVM(Earned Value Management)は,作業の出来高を金額に換算した EV(アーンドバリュー)を軸に,計画値 PV と実コスト AC を比べることで,スケジュールの進み遅れとコストの超過・節約を同じ土俵で測る手法。管理対象はコストとスケジュールなのでアが正しい。
EV と PV の差がスケジュール差異,EV と AC の差がコスト差異になる。イ・ウ・エに含まれるリスクや品質は,EVM の数値からは直接測れず,別の手法で管理する対象である。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問18(表記を一部改変)
問19
PMBOK ガイド 第6版によれば,脅威と好機の,どちらに対しても採用されるリスク対応戦略として,適切なものはどれか。
正解 ウ
解説
PMBOK ガイド第6版は,脅威に対する戦略としてエスカレーション,回避,転嫁,軽減,受容の五つを,好機に対する戦略としてエスカレーション,活用,共有,強化,受容の五つを挙げている。受容は,リスクの存在を認めたうえで積極的な対策をとらない戦略で,脅威と好機のどちらにも使われる。ウが正しい。
アの回避とエの転嫁は脅威に対してだけ使う戦略である。イの共有は,好機を最もうまく活かせる第三者に好機の実現を任せる戦略で,好機に対してだけ使う。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問19(表記を一部改変)
問20
IT サービスにおけるコンピュータシステムの利用に対する課金を逓減課金方式で行うときのグラフはどれか。ここで,グラフの縦軸は累計の課金額を示す。
正解 ウ
解説
逓減課金方式は,利用量が増えるほど1単位当たりの単価を安くする方式である。単価が下がっても利用した分の料金は積み上がるので,利用料金の総額は利用量とともに増え続けるが,その増え方(グラフの傾き)は右へ行くほど緩やかになる。この形はウである。
アは利用量が増えるほど料金の総額が減っており,課金方式として成り立たない。イは一定量を超えると料金が増えなくなる上限付きの方式で,単価が段階的に下がるのではなく 0 になっている。エは右へ行くほど傾きが急になる形で,単価が上がっていく逓増課金方式である。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問20(表記を一部改変)
問21
サービス提供時間帯が毎日0〜24時の IT サービスにおいて,ある年の4月1日0時から6月30日24時までのサービス停止状況は表のとおりであった。システムバージョンアップ作業に伴う停止時間は,計画停止時間として顧客との間で合意されている。このとき,4月1日から6月30日までの IT サービスの可用性は何%か。ここで,可用性(%)は小数第3位を四捨五入するものとする。
〔サービス停止状況〕
ア 95.52
イ 95.70
ウ 99.52 正解
エ 99.63
正解 ウ
解説
4月1日から6月30日までは 30+31+30=91日。毎日0時から24時が提供時間帯なので,合計は 91×24=2,184時間。システムバージョンアップ作業の84時間は,サービス提供時間に含めない計画停止として顧客と合意しているので,分母から除く。分母は 2,184−84=2,100時間,実際の停止はハードウェア故障の10時間だけなので,可用性は (2,100−10)÷2,100=2,090÷2,100=0.99523…,すなわち 99.52% でウになる。
イの 95.70 は,バージョンアップの84時間を除かずに分母を 2,184時間とし,停止時間に含めて計算した値(2,090÷2,184=0.95696…)である。アの 95.52 は,分母から84時間を除いたうえで停止時間にも84時間を数えた値((2,100−94)÷2,100=0.95523…)である。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問21(表記を一部改変)
問22
監査証拠の入手と評価に関する記述のうち,システム監査基準(平成30年)に照らして,適切でないものはどれか。
ア アジャイル手法を用いたシステム開発プロジェクトにおいては,管理用ドキュメントとしての体裁が整っているものだけが監査証拠として利用できる。 正解
イ 外部委託業務実施拠点に対する現地調査が必要と考えたとき,委託先から入手した第三者の保証報告書に依拠できると判断すれば,現地調査を省略できる。
ウ 十分かつ適切な監査証拠を入手するための本調査の前に,監査対象の実態を把握するための予備調査を実施する。
エ 一つの監査目的に対して,通常は,複数の監査手続を組み合わせて監査を実施する。
正解 ア
解説
システム監査基準(平成30年)の基準8は,監査手続の適用に当たり,十分かつ適切な監査証拠を入手し評価することを求めている。その解釈指針では,アジャイル型開発のように管理用ドキュメントとしての体裁が整っていない記録であっても監査証拠として利用できるとしており,監査対応のためだけに文書を作らせて負荷をかけないよう求めている。体裁が整っているものだけに限るとするアが,基準に照らして適切でない。
イは,委託先から入手した第三者の保証報告書に依拠できると判断すれば現地調査に代えられるという考え方で,基準に沿う。ウの予備調査は,本調査の前に監査対象の実態を把握する手続として基準に定められている。エも,一つの監査目的に対して複数の監査手続を組み合わせるという基準の考え方どおりである。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問22(表記を一部改変)
問23
情報戦略の投資効果を評価するとき,利益額を分子に,投資額を分母にして算出するものはどれか。
正解 エ
解説
ROI(Return On Investment,投資利益率)は,投資によって得られた利益額を投資額で割って求める指標で,投資効果を評価するのに使う。エが正しい。
アの EVA(経済的付加価値)は税引後営業利益から資本コストの額を差し引いた金額。イの IRR(内部収益率)は投資の正味現在価値が 0 になる割引率。ウの NPV(正味現在価値)は将来のキャッシュフローの現在価値の合計から投資額を差し引いた金額で,いずれも利益額を投資額で割る比率ではない。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問23(表記を一部改変)
問24
SOA の説明はどれか。
ア 会計,人事,製造,購買,在庫管理,販売などの企業の業務プロセスを一元管理することによって,業務の効率化や経営資源の全体最適を図る手法
イ 企業の業務プロセス,システム化要求などのニーズと,ソフトウェアパッケージの機能性がどれだけ適合し,どれだけかい離しているかを分析する手法
ウ 業務プロセスの問題点を洗い出して,目標設定,実行,チェック,修正行動のマネジメントサイクルを適用し,継続的な改善を図る手法
エ 利用者の視点から業務システムの機能を幾つかの独立した部品に分けることによって,業務プロセスとの対応付けや他ソフトウェアとの連携を容易にする手法 正解
正解 エ
解説
SOA(Service Oriented Architecture,サービス指向アーキテクチャ)は,業務システムの機能を利用者から見た意味のある単位(サービス)に分割し,それらを組み合わせてシステムを構築する考え方。業務プロセスの変更に合わせてサービスを組み替えやすく,他システムとの連携も容易になる。
アは ERP,イはフィット&ギャップ分析,ウは BPM(ビジネスプロセスマネジメント)の説明。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問24(表記を一部改変)
問25
クラウドサービスの利用手順を,“利用計画の策定”,“クラウド事業者の選定”,“クラウド事業者との契約締結”,“クラウド事業者の管理”,“サービスの利用終了”としたときに,“利用計画の策定”において,利用者が実施すべき事項はどれか。
ア クラウドサービスの利用目的,利用範囲,利用による期待効果を検討し,クラウドサービスに求める要件やクラウド事業者に求めるコントロール水準を定める。 正解
イ クラウド事業者が SLA などを適切に遵守しているかモニタリングし,また,自社で構築しているコントロールの有効性を確認し,改善の必要性を検討する。
ウ クラウド事業者との間で調整不可となる諸事項については,自社による代替策を用意した上で,クラウド事業者との間でコントロール水準を SLA などで合意する。
エ 複数あるクラウド事業者のサービス内容を比較検討し,自社が求める要件及びコントロール水準が充足できるかどうかを判定する。
正解 ア
解説
利用計画の策定は,クラウドサービスを使うかどうかを決める最初の段階で,利用目的,利用範囲,期待効果を検討し,クラウドサービスに求める要件やクラウド事業者に求めるコントロール水準を定める。アが該当する。
イの SLA の遵守状況のモニタリングやコントロールの有効性の確認は“クラウド事業者の管理”,ウの調整不可の事項への代替策を用意したうえでの SLA などでの合意は“クラウド事業者との契約締結”,エの複数の事業者のサービス内容を比較して要件を満たせるかを判定するのは“クラウド事業者の選定”の段階で行う事項である。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問25(表記を一部改変)
問26
企業の事業活動を機能ごとに主活動と支援活動に分け,企業が顧客に提供する製品やサービスの利益が,どの活動で生み出されているかを分析する手法はどれか。
ア 3C 分析
イ SWOT 分析
ウ バリューチェーン分析 正解
エ ファイブフォース分析
正解 ウ
解説
バリューチェーン分析は,M.E.ポーターが提唱した手法で,企業の事業活動を購買物流,製造,出荷物流,販売・マーケティング,サービスの主活動と,調達,技術開発,人事・労務管理,全般管理の支援活動に分け,製品やサービスの利益(価値)がどの活動で生み出されているかを分析する。ウが正しい。
アの 3C 分析は顧客(Customer),競合(Competitor),自社(Company)の三つの観点から事業環境を分析する手法,イの SWOT 分析は自社の強み・弱みと外部環境の機会・脅威を整理する手法,エのファイブフォース分析は業界の競争状態を五つの競争要因から分析する手法である。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問26(表記を一部改変)
問27
CPS(サイバーフィジカルシステム)を活用している事例はどれか。
ア 仮想化された標準的なシステム資源を用意しておき,業務内容に合わせてシステムの規模や構成をソフトウェアによって設定する。
イ 機器を販売するのではなく貸し出し,その機器に組み込まれたセンサで使用状況を検知し,その情報を元に利用者から利用料金を徴収する。
ウ 業務処理機能やデータ蓄積機能をサーバにもたせ,クライアント側はネットワーク接続と最小限の入出力機能だけをもたせてデスクトップの仮想化を行う。
エ 現実世界の都市の構造や活動状況のデータによって仮想世界を構築し,災害の発生や時間軸を自由に操作して,現実世界では実現できないシミュレーションを行う。 正解
正解 エ
解説
CPS(サイバーフィジカルシステム)は,現実世界(フィジカル空間)のデータを収集し,仮想世界(サイバー空間)で分析やシミュレーションを行い,その結果を現実世界に役立てる仕組みである。都市の構造や活動状況のデータで仮想世界を構築し,現実には試せない災害などのシミュレーションを行うエが該当する(デジタルツインとも呼ばれる)。
アはソフトウェアでシステム資源を構成する仮想化(SDx),イは機器の使用量に応じて課金するサブスクリプションや従量課金のビジネスモデル,ウはデスクトップ仮想化(シンクライアント)の事例で,いずれも現実世界のデータを仮想世界で分析して現実世界に還元する仕組みではない。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問27(表記を一部改変)
問28
企業システムにおける SoE(Systems of Engagement)の説明はどれか。
ア 高可用性,拡張性,セキュリティを確保しながら情報システムを稼働・運用するためのハードウェア,ソフトウェアから構成されるシステム基盤
イ 社内業務プロセスに組み込まれ,定型業務を処理し,結果を記録することによって省力化を実現するためのシステム
ウ データの活用を通じて,消費者や顧客企業とのつながりや関係性を深めるためのシステム 正解
エ 日々の仕訳伝票を入力した上で,データの改ざん,消失を防ぎながら取引データベースを維持・管理することによって,財務報告を行うためのシステム
正解 ウ
解説
SoE(Systems of Engagement)は,データの活用を通じて,消費者や顧客企業とのつながり(エンゲージメント)や関係性を深めることを目的とするシステムである。変化の激しい顧客の行動に合わせて素早く改善を繰り返すことが求められる。ウが該当する。
これに対し,イやエのように,社内の定型業務を処理して結果を正確に記録し,財務報告などを支えるシステムは,SoR(Systems of Record)と呼ばれる。アは情報システムを稼働させるための IT 基盤(インフラストラクチャ)の説明である。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問28(表記を一部改変)
問29
資料は今年度の損益実績である。翌年度の計画では,営業利益を 30 百万円にしたい。翌年度の売上高は何百万円を計画すべきか。ここで,翌年度の固定費,変動費率は今年度と変わらないものとする。
正解 イ
解説
今年度の変動費は材料費 200+外注費 100=300 百万円なので,変動費率は 300÷500=0.6,限界利益率は 1−0.6=0.4 になる。固定費は製造固定費 100+販売固定費 80=180 百万円である。
翌年度の売上高を S とすると,営業利益は 0.4S−180 なので,これが 30 になるには 0.4S=210,S=525 百万円が必要である。イが正しい。営業利益を 10 増やすのに売上高を 10 増やせばよいと考えると 510(ア)になるが,売上高の増加分の 60%は変動費として消えるので足りない。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問29(表記を一部改変)
問30
プロバイダ責任制限法が定める特定電気通信役務提供者が行う送信防止措置に関する記述として,適切なものはどれか。
ア 明らかに不当な権利侵害がなされている場合でも,情報の発信者から事前に承諾を得ていなければ,特定電気通信役務提供者は送信防止措置の結果として生じた損害の賠償責任を負う。
イ 権利侵害を防ぐための送信防止措置の結果,情報の発信者に損害が生じた場合でも,一定の条件を満たしていれば,特定電気通信役務提供者は賠償責任を負わない。 正解
ウ 情報発信者に対して表現の自由を保障し,通信の秘密を確保するため,特定電気通信役務提供者は,裁判所の決定を受けなければ送信防止措置を実施することができない。
エ 特定電気通信による情報の流通によって権利を侵害された者が,個人情報保護委員会に苦情を申し立て,被害が認定された際に特定電気通信役務提供者に命令される措置である。
正解 イ
解説
プロバイダ責任制限法は,プロバイダなどの特定電気通信役務提供者が権利侵害の情報について送信防止措置を講じた場合,それが必要な限度で行われ,他人の権利が不当に侵害されていると信じるに足りる相当の理由があったときなど一定の条件を満たせば,発信者に生じた損害について賠償責任を負わないと定めている。イが正しい。
アは誤りで,権利侵害を信じる相当の理由がある場合などは,発信者の承諾がなくても責任を負わない。ウも誤りで,送信防止措置は裁判所の決定がなくてもプロバイダの判断で講じられる。エの個人情報保護委員会への申立てと命令という仕組みは,この法律にはない。
出典:令和2年度 10月 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問30(表記を一部改変)
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