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高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通

令和4年度 秋期 科目A-1(午前Ⅰ)

令和4年度 秋期に実施された高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ(2026年度からの科目A-1)の全30問に,運営者が独自に書いた解説を付けています。正解の理由に加えて,多くの問題でほかの選択肢がなぜ誤りなのかも説明しています。

この試験について:科目A-1(午前Ⅰ・高度試験 共通)について

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問1

A,B,C,D を論理変数とするとき,次のカルノー図と等価な論理式はどれか。ここで,・は論理積,+は論理和,X は X の否定を表す。

カルノー図。行は AB,列は CD で,それぞれ 00,01,11,10 の順。AB=00 の行は 1,0,0,1。AB=01 の行は 0,1,1,0。AB=11 の行は 0,1,1,0。AB=10 の行は 0,0,0,0。

正解 エ

解説

カルノー図の1のマスをまとめる。AB=01 と 11 の行(B=1)で,CD=01 と 11 の列(D=1)にある四つの1は,A と C の値に関係なく B=1,D=1 のときなので B・D にまとまる。残る AB=00 の行の CD=00 と CD=10 の1は,左右の端が隣接しているとみなして一つにまとめられ,A=0,B=0,D=0 のときなので Ā・B・D となる。

よって論理式は Ā・B・D+B・D で,エが正しい。アとウの B・D は AB=10 の行の CD=00,10 にも1を置くことになるが,その行はすべて0なので誤り。イの Ā・B・C・D は AB=00,CD=10 のマスの1を表していない。

カルノー図の1をまとめる B=1 の行(AB=01,11)で D=1 の列(CD=01,11)にある4つの1は,A と C に関係なく B・D。AB=00 の行の CD=00 と CD=10 の1は,左右の端がつながっているとみなして1つにまとめ,Ā・B̄・D̄。全体は Ā・B̄・D̄+B・D。 AB\CD 00 01 11 10 00 1 0 0 1 01 0 1 1 0 11 0 1 1 0 10 0 0 0 0 B・D(実線)+ A・B・D(破線:両端がつながる)
左右の端(上下の端)は隣どうし。大きな四角でまとめるほど式が短くなる

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問1(表記を一部改変)

問2

AI における過学習の説明として,最も適切なものはどれか。

正解 イ

解説

過学習は,訓練データに過度に適合してしまい,訓練データでは高い精度が出る一方で,学習に使っていない未知のデータに対しては精度が下がる状態である。イが該当する。

アは学習済みモデルを別の領域に再利用する転移学習,ウは出力と正解の誤差を出力側から入力側へさかのぼって重みを調整する誤差逆伝播法,エは行動の結果に報酬を与えて望ましい行動を学ばせる強化学習の説明である。

過学習 モデルを複雑にしていくと,訓練データに対する誤差は下がり続けるが,学習に使っていない検証データに対する誤差はある所から上がり始める。右の図の実線は点の一つ一つに無理に合わせた曲線(過学習)で,破線のほうが未知のデータをよく予測する。対策はデータを増やす(データ拡張),モデルを単純にする,正則化など。 モデルの複雑さ 誤差 訓練 検証 過学習 実線:点に合わせすぎ 破線:ほどよい
訓練データにだけ合いすぎて,未知のデータで外れる状態

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問2(表記を一部改変)

問3

自然数をキーとするデータを,ハッシュ表を用いて管理する。キー x のハッシュ関数 h(x) を h(x)=x mod n とすると,任意のキー a と b が衝突する条件はどれか。ここで,n はハッシュ表の大きさであり,x mod n は x を n で割った余りを表す。

正解 イ

解説

衝突は,異なるキー a と b のハッシュ値が同じ,つまり a mod n=b mod n となることである。a と b を n で割った余りが等しいのは,その差 a−b が n で割り切れるときなので,イが正しい。

例えば n=5 のとき,a=7,b=2 は a−b=5 で余りがどちらも 2 になり衝突する。アは a=1,b=4 のように a+b=5 でも余りが 1 と 4 で異なる場合があるので誤り。ウとエは倍数の関係が逆で,n は a−b の約数であればよい。

x mod n のハッシュ表で衝突する組 n=5 の表に,キーを5で割った余りの箱へ入れる。7 と 2 はどちらも余りが 2 で同じ箱に入り,衝突する。差 7−2=5 が n の倍数なので余りがそろう。1 と 4 は和が5でも余りは1と4で,衝突しない。 h(x) = x mod 5 0 1 1 7 と 2 2 3 4 4 衝突 7 mod 5 = 2,2 mod 5 = 2 → 差 7 − 2 = 5 は 5 の倍数 1 と 4:和は 5 でも余りは 1 と 4(衝突しない) 箱の下の数字が余り(格納位置)
余りが等しい ⇔ 差 a−b が n で割り切れる

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問3(表記を一部改変)

用語解説:ハッシュ関数

問4

L1,L2 と2段のキャッシュをもつプロセッサにおいて,あるプログラムを実行したとき,L1 キャッシュのヒット率が 0.95,L2 キャッシュのヒット率が 0.6 であった。このキャッシュシステムのヒット率は幾らか。ここで L1 キャッシュにあるデータは全て L2 キャッシュにもあるものとする。

正解 エ

解説

まず L1 キャッシュを参照し,ヒットしなかった 0.05 の割合のアクセスだけが L2 キャッシュを参照する。その 60%が L2 でヒットするので,L2 でヒットする割合は全体の 0.05×0.6=0.03 になる。

キャッシュシステム全体のヒット率は 0.95+0.03=0.98 で,エが正しい。アの 0.57 は 0.95×0.6 と二つのヒット率を掛けた値,イとウは L2,L1 のヒット率をそのまま答えた値である。

2段のキャッシュのヒット率 全てのアクセスのうち 0.95 は L1 でヒットする。L1 で外れた 0.05 だけが L2 を見に行き,その 0.6 が L2 でヒットするので,全体の 0.05×0.6=0.03。システム全体のヒット率は 0.95+0.03=0.98 で,主記憶まで行くのは残りの 0.02。 全てのアクセス(1) L1 でヒット 0.95 L2 0.6 主記憶 0.4 外れた 0.05 の内訳 全体のヒット率 = 0.95 + 0.05 × 0.6 = 0.98
L2 のヒット率 0.6 は「L1 で外れた分」に対する割合

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問4(表記を一部改変)

用語解説:キャッシュメモリ

問5

コンテナ型仮想化の説明として,適切なものはどれか。

正解 ウ

解説

コンテナ型仮想化は,物理サーバのホスト OS 上でコンテナエンジンなどの仮想化ソフトウェアを動かし,アプリケーションの実行環境をコンテナとして分離する方式である。コンテナはホスト OS のカーネルを共有し,個別のゲスト OS をもたないので,軽量で起動も速い。ウが適切である。

イはホスト OS をもたず,ハードウェア上で直接動くハイパーバイザによってゲスト OS をもつ仮想サーバを動かすハイパーバイザ型,エはホスト OS 上の仮想化ソフトウェアでゲスト OS をもつ仮想サーバを動かすホスト型の説明である。アのように物理サーバか仮想環境のどちらか一方にだけ OS をもてばよいという方式はない。

ハイパーバイザ型とコンテナ型の仮想化 ハイパーバイザ型は,ハードウェアの上のハイパーバイザが仮想マシンを作り,仮想マシンごとにゲスト OS が動く。コンテナ型は,1つのホスト OS のカーネルを共有し,コンテナエンジンがアプリケーションごとに分けた実行環境(コンテナ)を作る。ゲスト OS がないので軽く,すぐ起動する。 ハイパーバイザ型 アプリ ゲスト OS アプリ ゲスト OS ハイパーバイザ ハードウェア コンテナ型 アプリ(コンテナ) アプリ(コンテナ) コンテナエンジン ホスト OS ハードウェア ゲスト OS の有無が違い
コンテナにはゲスト OS がない。ホスト OS のカーネルを共有する

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問5(表記を一部改変)

問6

二つのタスクが共用する二つの資源を排他的に使用するとき,デッドロックが発生するおそれがある。このデッドロックの発生を防ぐ方法はどれか。

正解 イ

解説

二つのタスクが資源を逆の順序で獲得しようとすると,一方が資源1を確保して資源2を待ち,もう一方が資源2を確保して資源1を待つ状態になり,デッドロックが起こり得る。両方のタスクで資源を獲得する順序を同じにすれば,先に資源1を得たタスクが資源2も得られるので,互いに待ち合う状態にならない。イが正しい。

ウの順序を逆にすると,まさにデッドロックが発生し得る状態になる。アとエの優先度は実行の順番に影響するだけで,資源の待ち合いは解消されない。

資源を獲得する順番とデッドロック タスク1が資源1→資源2,タスク2が資源2→資源1の逆の順番で獲得すると,タスク1が資源1を持って資源2を待ち,タスク2が資源2を持って資源1を待つ状態になり,どちらも進めない。両方のタスクが資源1→資源2の同じ順番で獲得すれば,先に資源1を得たタスクが資源2も得て終わり,もう一方はそれを待ってから進む。 逆の順番(1→2 と 2→1) タスク1 タスク2 資源1 資源2 互いに相手の資源を待つ → デッドロック 実線:持つ 破線:待つ 同じ順番(どちらも 1→2) タスク1 タスク2 資源1 資源2 タスク2は資源1を待つだけ → タスク1が終われば進める 実線:持つ 破線:待つ
獲得の順番を全てのタスクでそろえれば,待ち合いの輪ができない

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問6(表記を一部改変)

用語解説:排他制御とデッドロック(ACID 特性)

問7

入力 X と Y の値が同じときにだけ,出力 Z に1を出力する回路はどれか。

正解 ウ

解説

入力 X と Y が同じときだけ1を出すのは,排他的論理和の否定(一致回路)で,論理式は X・Y+X・Ȳ となる。ウの回路は,NAND(X,Y) と NAND(X,Ȳ) を NAND に入れており,ド・モルガンの法則により NAND(NAND(X,Y),NAND(X,Ȳ))=X・Y+X・Ȳ となるので,ウが正しい。

アは (X・Y)・(X・Ȳ) で,X・Y と X・Ȳ が同時に1になることはないので常に0。イは (X+Y)+(X+Ȳ) で常に1。エは NOR(NOR(X,Y),NOR(X,Ȳ))=(X+Y)・(X+Ȳ)=X・Ȳ+X・Y で,値が異なるときに1になる排他的論理和である。

X と Y が同じときだけ1(一致回路) X と Y が同じとき(0・0 と 1・1)だけ Z=1 になるのは,排他的論理和の否定(一致)。論理式は X・Y+¬X・¬Y。NAND(NAND(X,Y),NAND(¬X,¬Y)) はド・モルガンの法則でこの式になる。 X Y X・Y ¬X・¬Y Z 0 0 0 1 1 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 1 1 1 0 1 Z = X・Y + ¬X・¬Y(同じときだけ1)
X・Y + ¬X・¬Y を NAND 3つで作る

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問7(表記を一部改変)

問8

顧客に,A〜Z の英大文字 26 種類を用いた顧客コードを割り当てたい。現在の顧客総数は 8,000 人であって,毎年,前年対比で2割ずつ顧客が増えていくものとする。3年後まで全顧客にコードを割り当てられるようにするためには,顧客コードは少なくとも何桁必要か。

正解 ア

解説

3年後の顧客数は 8,000×1.2×1.2×1.2=13,824 人になる。英大文字26種類を n 桁並べると 26n 通りのコードが作れる。

262=676 では足りず,263=17,576 なら 13,824 人全員に割り当てられるので,少なくとも3桁必要で,アが正しい。

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問8(表記を一部改変)

問9

チェックポイントを取得する DBMS において,図のような時間経過でシステム障害が発生した。前進復帰(ロールフォワード)によって障害回復できるトランザクションだけを全て挙げたものはどれか。

トランザクションの時間経過の図。T1 はチェックポイントより前に開始しチェックポイント前にコミット。T2 はチェックポイント前に開始し,システム障害発生時点で未完了。T3 はチェックポイント後に開始し,システム障害発生時点で未完了。T4 はチェックポイント前に開始し,チェックポイント後,障害発生前にコミット。T5 はチェックポイント後に開始し,障害発生前にコミット。

正解 ウ

解説

前進復帰(ロールフォワード)は,チェックポイント以降にコミットされたトランザクションについて,ログを使って更新を進め直す処理。チェックポイントの時点でバッファの内容はディスクへ書き出されているので,その後にコミットしたものだけが対象になる。図では T4 と T5 が該当し,ウが正しい。

T1 はチェックポイントより前にコミットしており,更新は既にディスクに反映されているので何もしなくてよい。T2 と T3 は障害発生時点で未コミットなので,中途半端な更新を取り消す後退復帰(ロールバック)の対象になる。

システム障害からの回復:トランザクションの振り分け T1 はチェックポイントより前にコミットしているので何もしない。T4 と T5 は障害までにコミットしているので,更新後ログでロールフォワードする。T2 と T3 は障害の時点でコミットしていないので,更新前ログでロールバックする。 チェックポイント 障害 T1 何もしない T2 ロールバック T3 ロールバック T4 ロールフォワード T5 ロールフォワード コミット 破線:障害の時点でまだ終わっていない
ロールフォワードの対象は「チェックポイントの後,障害の前にコミットしたもの」

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問9(表記を一部改変)

用語解説:障害回復(ロールバック・ロールフォワード)

問10

ACID 特性の四つの性質に含まれないものはどれか。

正解 イ

解説

ACID 特性は,トランザクション処理に求められる原子性(Atomicity),一貫性(Consistency),独立性(Isolation),耐久性(Durability)の四つの性質である。可用性は含まれないので,イが正しい。

可用性(Availability)は,必要なときにシステムを利用できる度合いを表し,RASIS(信頼性,可用性,保守性,保全性,機密性)や情報セキュリティの三要素(機密性,完全性,可用性)で使われる性質である。

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問10(表記を一部改変)

用語解説:排他制御とデッドロック(ACID 特性)

問11

IP アドレスの自動設定をするために DHCP サーバが設置された LAN 環境の説明のうち,適切なものはどれか。

正解 ウ

解説

DHCP クライアントは,起動時に DHCPDISCOVER メッセージをブロードキャストで送信し,応答した DHCP サーバから IP アドレスなどの設定を受け取る。そのため,PC に DHCP サーバのアドレスをあらかじめ設定しておく必要はない。ウが適切である。

アは誤り。DHCP ではサブネットマスク,デフォルトゲートウェイ,DNS サーバのアドレスなども配布できる。イは誤り。DHCP で配布するアドレスの範囲から固定のアドレスを除いておけば,固定アドレスの PC と混在できる。エは誤り。アドレスには貸出期間(リース期間)があり,期限切れの後は別のアドレスが割り当てられることがある。

DHCP の4つのメッセージとリレーエージェント IP アドレスの無い PC は,宛先 255.255.255.255 のブロードキャストで DHCPDISCOVER を送る。サーバが DHCPOFFER で候補を出し,PC が DHCPREQUEST で申し込み,サーバが DHCPACK で承諾する。ブロードキャストはルータを越えないので,別のサブネットのサーバへはルータの DHCP リレーエージェントがユニキャストで中継する。PC にサーバのアドレスを設定しておく必要はない。 PC ルータ(リレー) DHCP サーバ DISCOVER(255.255.255.255 宛て) ユニキャストで中継 OFFER(このアドレスでどうか) REQUEST(それをください) ACK(割り当てた) 最初は自分のサブネットも知らないので 255.255.255.255 宛て ルータはブロードキャストを越えて転送しない
DISCOVER → OFFER → REQUEST → ACK。ルータ越えはリレーエージェントが中継

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問11(表記を一部改変)

用語解説:サブネットマスク・CIDR

問12

デジタル証明書が失効しているかどうかをオンラインで確認するためのプロトコルはどれか。

正解 ウ

解説

OCSP(Online Certificate Status Protocol)は,デジタル証明書が失効しているかどうかを,OCSP レスポンダにオンラインで問い合わせて確認するためのプロトコルである。失効リスト(CRL)全体を取得しなくても,個々の証明書の状態をその都度確認できる。ウが該当する。

アの CHAP は PPP で接続する際にチャレンジレスポンス方式で利用者を認証するプロトコル,イの LDAP はディレクトリサービスにアクセスするプロトコル,エの SNMP はネットワーク機器を監視・管理するプロトコルである。

CRL と OCSP の違い CRL は,認証局が有効期限内に失効させた証明書のシリアル番号と失効日時を一覧にし,署名を付けて公開するもの。利用者はリストを取ってきて自分で照らし合わせる。OCSP は,利用者が調べたい証明書を OCSP レスポンダ(VA)にオンラインで問い合わせ,有効か失効しているかの答えを受け取る。 CRL(証明書失効リスト) 認証局 CA 失効した証明書の一覧 No.1024 3/10 失効 No.2041 5/02 失効 利用者 ブラウザなど 署名して公開 取ってきて照合 載るのは有効期限内に失効した証明書のシリアル番号と日時 OCSP 利用者 ブラウザなど OCSP レスポンダ VA(検証局) この証明書は有効? 有効・失効・不明を返す その都度オンラインで問い合わせるので,最新の状態が分かる
CRL は一覧を取ってきて自分で調べる,OCSP はその都度問い合わせる

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問12(表記を一部改変)

用語解説:PKI(認証局・CRL・OCSP)

問13

JIS Q 31000:2019(リスクマネジメント−指針)におけるリスクアセスメントを構成するプロセスの組合せはどれか。

正解 イ

解説

JIS Q 31000:2019 は,リスクアセスメントを“リスク特定,リスク分析及びリスク評価を網羅するプロセス全体”と位置付けている。イが正しい。

リスク対応は,リスクアセスメントの結果に基づいて対応の選択肢を選び実施する,リスクアセスメントの次のプロセスである。リスク受容は,リスク対応の中でリスクを保有する判断に関わる概念であり,いずれもリスクアセスメントを構成するプロセスには含まれない。

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問13(表記を一部改変)

問14

WAF による防御が有効な攻撃として,最も適切なものはどれか。

正解 イ

解説

WAF(Web Application Firewall)は,Web アプリケーションとやり取りされる HTTP 通信の中身を検査し,SQL インジェクションやクロスサイトスクリプティングなど,アプリケーションの脆弱性を狙う攻撃を遮断する。HTTP で提供される REST API の脆弱性を狙った攻撃も検査の対象にでき,イが適切である。

アの DNS キャッシュポイズニングは DNS の通信,ウの第三者中継を悪用したフィッシングメールとエの電子メール爆弾は SMTP による電子メールの通信を使った攻撃で,HTTP 通信を検査する WAF では防御できない。

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問14(表記を一部改変)

用語解説:DNS のセキュリティ(DNSSEC・キャッシュポイズニング) 電子メールのプロトコル(SMTP・POP・IMAP) WAF・IDS・IPS

問15

家庭内で,PC を無線 LAN ルータを介してインターネットに接続するとき,期待できるセキュリティ上の効果の記述のうち,適切なものはどれか。

正解 ア

解説

無線 LAN ルータの IP マスカレード(NAPT)機能は,家庭内の PC のプライベート IP アドレスを一つのグローバル IP アドレスに変換して通信する。インターネット側からは内部の PC のアドレスが直接見えず,内部から始めた通信の応答以外は内部に届かないので,インターネットからの不正侵入を防ぐ効果が期待できる。アが適切である。

イの PPPoE は,インターネット接続事業者との間で接続と認証を行うためのプロトコルで,経路上の通信を暗号化する機能はない。ウの WPA は無線 LAN の区間の通信を暗号化し認証する規格で,不正な Web サイトへの接続は防げない。エの WPS は無線 LAN の接続設定をボタン操作などで簡単にする機能で,マルウェア感染を防ぐものではない。

NAPT のアドレス変換 PC(192.168.1.10,ポート 5000)から Web サーバへの要求は,ルータで送信元が 203.0.113.1,ポート 60001 に書き換えられ,その組合せが対応表に残る。Web サーバからの応答は宛先が 203.0.113.1:60001 なので,ルータは表を見て宛先 IP アドレスと宛先ポート番号を 192.168.1.10:5000 に書き戻す。外から先に届いたパケットは表に対応がないので,内側へ転送できない。 PC 192.168.1.10 ルータ NAPT Web 198.51.100.5 送信元 .10:5000 送信元 .1:60001 宛先 203.0.113.1:60001 宛先 .10:5000 対応表 内側(プライベート) 外側(グローバル) 192.168.1.10 : 5000 203.0.113.1 : 60001 応答で書き換えるのは「宛先 IP アドレス」と「宛先ポート番号」 外から始まる通信は表に対応がないので,内側に届かない
要求では送信元を,応答では宛先を書き換える。対応は IP アドレスとポート番号の組

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問15(表記を一部改変)

用語解説:無線 LAN(WPA2・WPA3・CSMA/CA)

問16

仕様書やソースコードといった成果物について,作成者を含めた複数人で,記述されたシステムやソフトウェアの振る舞いを机上でシミュレートして,問題点を発見する手法はどれか。

正解 ア

解説

ウォークスルーは,仕様書やソースコードなどの成果物を,作成者を含む複数人で,処理の流れを順にたどりながら机上でシミュレートし,誤りや問題点を見つけるレビュー手法である。アが該当する。

イのサンドイッチテストは,上位モジュールからのトップダウンテストと下位モジュールからのボトムアップテストを組み合わせる結合テストの手法。ウのトップダウンテストは,上位のモジュールから順に,下位をスタブで代替しながら結合していくテスト手法。エの並行シミュレーションは,監査人が用意したプログラムと本番のプログラムに同じデータを処理させ,結果を比べるシステム監査の技法である。

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問16(表記を一部改変)

問17

スクラムのスプリントにおいて,(1)〜(3)のプラクティスを採用して開発を行い,スプリントレビューの後に KPT 手法でスプリントレトロスペクティブを行った。“KPT”の“T”に該当する例はどれか。

〔プラクティス〕

正解 ウ

解説

KPT は,振り返りの内容を Keep(良かったので続けること),Problem(問題だったこと),Try(次に試す改善策)の三つに分けて整理する手法である。“次のスプリントからタイムキーパーを置く”という,次に取り組む具体的な改善策のウが Try に当たる。

アの,欠陥が少なかったのでペアプログラミングを続けるは Keep。イの,スタンドアップミーティングに全員が集まらなかった,エの,テストコードの作成に見積り以上の時間が掛かったは,いずれも Problem に当たる。

KPT:Keep・Problem・Try で振り返る KPT は振り返りの内容を,Keep(良かったので続けること),Problem(問題だったこと),Try(次に試す改善策)の三つに分けて整理する。欠陥が少なかったのでペアプログラミングを続けるは Keep,朝会に全員が集まらなかった・テストコードに時間が掛かったは Problem,次のスプリントからタイムキーパーを置くは Try。 Keep 続けること ペアプログラミングを続ける Problem 問題だったこと 朝会に全員が 集まらない テストコードに 時間が掛かった Try 次に試すこと タイムキーパーを 置き,終了5分前 を知らせる(ウ) Keep と Problem から,次の Try を決める
Try は「次に試す具体的な改善策」

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問17(表記を一部改変)

用語解説:アジャイル開発(スクラム・XP)

問18

図は,実施する三つのアクティビティについて,プレシデンスダイアグラム法を用いて,依存関係及び必要な作業日数を示したものである。全ての作業を完了するための所要日数は最少で何日か。

プレシデンスダイアグラム。アクティビティ A(6日)からアクティビティ B(7日)へ終了−開始関係(リード2日)。アクティビティ B からアクティビティ C(5日)へ開始−開始関係(ラグ3日)。

正解 イ

解説

A は開始から 6 日で終わる。A→B は終了-開始関係でリードが 2 日なので,B は A の終了より 2 日前倒しでき,6−2=4 日目から着手できる。B は 7 日かかるので終了は 4+7=11 日目。B→C は開始-開始関係でラグが 3 日なので,C は B の開始の 3 日後,4+3=7 日目から着手でき,5 日かかるので終了は 7+5=12 日目。全体の完了はこれらのうち最も遅い 12 日で,イが正しい。

リードは後続作業を前倒しできる日数,ラグは後続作業を待たせる日数である。アの 11 は C の終了を見落として B の終了だけを答えた値。ウの 13 はリード 2 日を見落とし,B を A の終了直後(6 日目)から始めたときの B の終了日。エの 14 は同じくリードを見落としたうえで C の終了まで数えた値である。

リード付きの終了−開始と,ラグ付きの開始−開始 A(6日)と B(7日)は終了−開始関係でリード2日なので,B は A の終了の2日前(4日目)に始まり 11 日目に終わる。B と C(5日)は開始−開始関係でラグ3日なので,C は B の開始の3日後(7日目)に始まり 12 日目に終わる。全体は 12 日。 A A 6日 B B 7日 C C 5日 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 C が終わる 12 日目で全て完了
SS は「開始どうし」の関係。C は B の開始から数える

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問18(表記を一部改変)

問19

あるシステム導入プロジェクトで,調達候補のパッケージ製品を多基準意思決定分析の加重総和法を用いて評価する。製品 A〜製品 D のうち,総合評価が最も高い製品はどれか。ここで,評価点数の値が大きいほど,製品の評価は高い。

各製品の評価の表。評価項目,評価項目の重み,製品 A〜D の評価点数。機能要件の充足度合い:重み 5,A 7,B 8,C 9,D 9。非機能要件の充足度合い:重み 1,A 9,B 10,C 4,D 7。導入費用の安さ:重み 4,A 8,B 5,C 7,D 6。

正解 ウ

解説

加重総和法では,評価項目ごとの評価点数に重みを掛けて合計する。製品 A は 7×5+9×1+8×4=35+9+32=76,製品 B は 8×5+10×1+5×4=40+10+20=70,製品 C は 9×5+4×1+7×4=45+4+28=77,製品 D は 9×5+7×1+6×4=45+7+24=76 となる。

最も高いのは 77 の製品 C で,ウが正しい。重みを掛けずに点数を足すと A が 24 で最も高くなる(ア)が,重みを考慮した評価にならない。

加重総和法:評価点数に重みを掛けて合計する 製品 A は 7×5+9×1+8×4=76,B は 8×5+10×1+5×4=70,C は 9×5+4×1+7×4=77,D は 9×5+7×1+6×4=76。最も高いのは C。重みを掛けずに足すと A の 24 が最も高くなる。 評価項目 重み A B C D 機能要件 5 7 8 9 9 非機能要件 1 9 10 4 7 導入費用の安さ 4 8 5 7 6 加重総和 76 70 77 76 C:9×5+4×1+7×4 = 77(ウ) 重みなしで足すと A が 24 で最高(ア)
重みの大きい「機能要件」と「導入費用」で差がつき,C が 77

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問19(表記を一部改変)

問20

サービスマネジメントにおける問題管理の目的はどれか。

正解 イ

解説

問題管理は,インシデントの根本原因を特定し,恒久的な解決策によってインシデントの発生や再発を防ぐことを目的とするプロセスである。イが該当する。

アは,合意したサービスレベルの時間枠内でインシデントを解決するインシデント管理の目的。ウは,合意したサービス継続のコミットメントを果たすサービス継続管理の目的。エは,変更の影響を評価しリスクを最小にして実施しレビューする変更管理の目的である。

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問20(表記を一部改変)

用語解説:インシデント管理と問題管理 SLA(サービスレベル合意書)

問21

JIS Q 27001:2014(情報セキュリティマネジメントシステム−要求事項)に基づいて ISMS 内部監査を行った結果として判明した状況のうち,監査人が,指摘事項として監査報告書に記載すべきものはどれか。

正解 エ

解説

JIS Q 27001:2014 の 6.1.2(情報セキュリティリスクアセスメント)は,リスク受容基準などの情報セキュリティリスク基準を確立し維持することを求め,それに基づいてリスクアセスメントを実施するとしている。リスクアセスメントを実施した後にリスク受容基準を決めていたのでは,基準に照らしてリスクを評価できていないので,指摘事項に当たる。エが該当する。

アの定められた手順に従った USB メモリの使用許可,イの規定どおりの事故報告,ウのマルウェアスキャンによるスパイウェアの検知と駆除は,いずれも管理策が定めどおりに機能している状況であり,指摘事項にはならない。

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問21(表記を一部改変)

用語解説:JIS Q 27000 シリーズ(情報セキュリティマネジメント) システム監査(監査手続・監査証拠・フォローアップ)

問22

システム監査における“監査手続”として,最も適切なものはどれか。

正解 ウ

解説

監査手続は,監査項目について監査人が十分かつ適切な監査証拠を入手するために実施する手順のこと。

アは監査計画の立案や進捗管理,イは監査報告書の作成,エは監査体制の編成であり,いずれも監査証拠を入手する手順そのものではない。

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問22(表記を一部改変)

用語解説:システム監査(監査手続・監査証拠・フォローアップ)

問23

BCP の説明はどれか。

正解 エ

解説

BCP(事業継続計画)は,災害や事故などで事業が中断・阻害されたときに,事業を復旧し,再開して,あらかじめ定めた水準まで回復させるための手順を文書にしたもの。事業継続マネジメントシステムの規格 JIS Q 22301 でもこの趣旨で定義されている。エが正しい。

アは財務・顧客・内部ビジネスプロセス・学習と成長の四つの視点から戦略を検討するバランススコアカード。イは業務プロセスを可視化して継続的に改善する BPM。ウは業務プロセスを外部に委託する BPO の説明である。

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問23(表記を一部改変)

用語解説:BCP(事業継続計画・RTO・RPO)

問24

投資効果を正味現在価値法で評価するとき,最も投資効果が大きい(又は最も損失が小さい)シナリオはどれか。ここで,期間は3年間,割引率は5%とし,各シナリオのキャッシュフローは表のとおりとする。

各シナリオのキャッシュフローの表(単位 万円)。シナリオ A:投資額 220,回収額 1年目 40,2年目 80,3年目 120。シナリオ B:投資額 220,回収額 120,80,40。シナリオ C:投資額 220,回収額 80,80,80。投資をしない:いずれも 0。

正解 イ

解説

正味現在価値は,各年の回収額を割引率で現在価値に直して合計し,投資額を引いて求める。割引率5%なら1年目は 1.05,2年目は 1.052=1.1025,3年目は 1.053≒1.1576 で割る。

A は 40/1.05+80/1.1025+120/1.1576≒38.1+72.6+103.7=214.4 で,220 を引くと約 −5.6 万円。B は 120/1.05+80/1.1025+40/1.1576≒114.3+72.6+34.6=221.5 で約 +1.5 万円。C は 80/1.05+80/1.1025+80/1.1576≒76.2+72.6+69.1=217.9 で約 −2.1 万円。投資をしない場合は 0 である。

最も大きいのは B で,イが正しい。割り引かずに合計すると回収額はどのシナリオも 240 万円で同じになり,差が出ない。早い時期に多く回収するシナリオほど現在価値が大きくなる。

正味現在価値(NPV)の求め方 投資200に対して,1年後100,2年後90,3年後80のキャッシュインがある例を割引率5%で評価する。1年後は1.05,2年後は1.05の2乗,3年後は1.05の3乗で割って今の価値に直すと,95.2,81.6,69.1で合計は約246。これから投資額200を引いた約46が NPV で,正なので投資する価値がある。 −200(今の投資) 100→95.2 ÷1.05 1年後 90→81.6 ÷1.05² 2年後 80→69.1 ÷1.05³ 3年後 将来の金額 今の価値 現在価値の合計 約246 246 − 200 = NPV 約46 正なので投資する価値がある
先のお金ほど大きく割り引く。現在価値の合計から投資額を引いたものが NPV

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問24(表記を一部改変)

用語解説:投資評価(NPV・IRR・ROI)

問25

組込み機器のハードウェアの製造を外部に委託する場合のコンティンジェンシープランの記述として,適切なものはどれか。

正解 エ

解説

コンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)は,リスクが実際に起きてしまった場合に何をするかをあらかじめ決めておく計画。「顕在化したときに備えて,対処するための計画を策定する」がこれに当たる。

ア・イ・ウはいずれもリスクが起きる前に発生確率や影響を下げようとする予防的な対策(リスク軽減策)であり,顕在化後の対応計画ではない。

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問25(表記を一部改変)

問26

コンジョイント分析の説明はどれか。

正解 イ

解説

コンジョイント分析は,価格,デザイン,使いやすさなど商品がもつ複数の属性を組み合わせた候補を購入者に評価してもらい,どの属性とその水準の組合せが購入者に重視されているかを統計的に分析する手法である。イが該当する。

アは顧客を売上高などの順に並べて重要な顧客層を見いだす ABC 分析やデシル分析,ウは同じ時期に生まれた世代の行動や意識の特徴に注目するコーホート分析,エはブランドのイメージを軸にとった散布図で位置付けを見るポジショニング分析(パーセプションマップ)の説明である。

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問26(表記を一部改変)

問27

API エコノミーの事例として,適切なものはどれか。

正解 エ

解説

API エコノミーは,企業が自社のサービスやデータを API として外部に公開し,他の企業がそれを自社のサービスに組み込んで利用することによって,企業の枠を越えて新たな価値やビジネスが生まれる経済圏である。ホテル事業者が,他社が公開しているタクシー配車アプリの API を自社のアプリに組み込んでサービスを提供するエが該当する。

アは学内の既存システムを統合する EAI の活用,イは API を社内の部署にだけ提供したもの,ウは自社のデータの分析に BI ツールを利用したものであり,いずれも他社との間で API を介した価値の連鎖を生んでいない。

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問27(表記を一部改変)

問28

サイバーフィジカルシステム(CPS)の説明として,適切なものはどれか。

正解 ウ

解説

サイバーフィジカルシステム(CPS)は,センサーなどで現実世界(フィジカル空間)のデータを収集し,サイバー空間でコンピュータによって分析・加工して,その結果を現実世界にフィードバックすることで,新たな価値を生み出す仕組みである。ウが適切である。

アは1台の物理サーバで複数の OS を動かすサーバ仮想化,イは仮想世界への没入感を与える VR(バーチャルリアリティ),エは国家による強制通用力をもたない電子的な通貨である暗号資産(仮想通貨)の説明である。

CPS とデジタルツイン CPS は,現実世界のデータをセンサで集め,サイバー空間で分析・加工し,結果を現実世界に返して価値を生む仕組み全体。デジタルツインは,その輪のうちサイバー空間に現実をそっくり再現し,現実では試せないシミュレーションを行うところにあたる。 現実(フィジカル) 工場・都市・設備 センサ サイバー空間 デジタルツイン 現実をそっくり再現 シミュレーション ① 集める ③ 現実に返す ② 分析する VR やメタバースは,現実を再現して返すことが目的ではない
CPS は「集める→分析する→返す」の輪。デジタルツインは「分析する」場所

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問28(表記を一部改変)

用語解説:デジタルツインとサイバーフィジカルシステム(CPS)

問29

引き出された多くの事実やアイディアを,類似するものでグルーピングしていく収束技法はどれか。

正解 ウ

解説

親和図法は,収集した多くの事実やアイディアを,内容の近さ(親和性)で小さなグループにまとめ,さらにグループどうしをまとめていくことで,全体の構造を整理する収束技法である。ウが該当する。

アの NM 法は,テーマに類似した事柄からヒントを得て発想を広げる類比発想の技法。イのゴードン法は,本当のテーマを参加者に伏せて抽象的なテーマで自由に発想させる技法。エのブレーンストーミングは,批判をせずに自由に多くのアイディアを出し合う技法で,いずれもアイディアを広げる発散技法である。

親和図法 集めた事実やアイデア,意見などの言語データを1枚ずつカードに書き,内容の近いもの(親和性の高いもの)どうしを小さなグループにまとめて見出しを付ける。さらにグループどうしをまとめていき,問題の構造をはっきりさせる。新 QC 七つ道具の一つで,収束技法に当たる。 待ち時間が長い カード カード カード 説明が分かりにくい カード カード カード 設備が古い カード カード カード 見出しの付いたグループを,さらにまとめていく
似たカードどうしをまとめ,見出しを付ける

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問29(表記を一部改変)

用語解説:デルファイ法と問題分析の技法

問30

A 社は顧客管理システムの開発を,情報システム子会社である B 社に委託し,B 社は要件定義を行った上で,ソフトウェア設計・プログラミング・ソフトウェアテストまでを,協力会社である C 社に委託した。C 社では自社の社員 D にその作業を担当させた。このとき,開発したプログラムの著作権はどこに帰属するか。ここで,関係者の間には,著作権の帰属に関する特段の取決めはないものとする。

正解 ウ

解説

著作権法第15条第2項は,法人等の発意に基づきその業務に従事する者が職務上作成するプログラムの著作物の著作者は,契約や勤務規則などに別段の定めがない限り,その法人等とすると定めている(職務著作)。社員 D が C 社の業務として作成したプログラムの著作者は C 社になり,著作権も C 社に帰属する。ウが正しい。

ア,イは誤り。開発を委託した A 社や B 社は,契約で著作権の譲渡を定めない限り,委託しただけでは著作権を取得しない。エは誤り。実際に作成した 社員 D は,職務著作の要件を満たすので著作者とならない。

出典:令和4年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問30(表記を一部改変)

用語解説:著作権と知的財産権(特許・営業秘密・ライセンス)