令和5年度 春期に実施された高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通
午前Ⅰの全30問です。問題文・正解・解説をそのまま読めます。
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問1
0以上255以下の整数 n に対して,
と定義する。next(n)と等しい式はどれか。ここで,x AND y 及び x OR y は,それぞれ x と y を2進数表現にして,桁ごとの論理積及び論理和をとったものとする。
ア (n+1) AND 255 正解
イ (n+1) AND 256
ウ (n+1) OR 255
エ (n+1) OR 256
正解 ア
解説
255 は2進数で 11111111(下位8ビットがすべて1)。したがって「AND 255」は下位8ビットだけを残す操作になる。
n が0〜254のときは n+1 が1〜255なので8ビットに収まり,AND 255 をとっても値は変わらず n+1 のまま。n=255 のときは n+1=256=100000000 となり,AND 255 で下位8ビットだけを残すと 0 になる。これは定義どおりの動きなのでアが正しい。
イの AND 256 は9ビット目だけを残すので常に0か256になる。ウとエの OR はビットを立てる操作なので,値が n+1 に一致しない。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問1(表記を一部改変)
問2
平均が60,標準偏差が10の正規分布を表すグラフはどれか。
正解 ア
解説
正規分布のグラフは平均を中心とした左右対称の釣鐘型になり,平均から標準偏差1つ分だけ離れた位置(変曲点)で曲線の曲がり方が変わる。平均60,標準偏差10なら,頂点が60にあり,60から70までが標準偏差1つ分に当たる。アがこれに合う。
イは頂点は60だが,55から65までが10とされており標準偏差は5になる。ウは山が二つあって正規分布ではない。エは左右非対称なので正規分布ではない。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問2(表記を一部改変)
問3
配列に格納されたデータ 2,3,5,4,1 に対して,クイックソートを用いて昇順に並べ替える。2回目の分割が終わった状態はどれか。ここで,分割は基準値より小さい値と大きい値のグループに分けるものとする。また,分割のたびに基準値はグループ内の配列の左端の値とし,グループ内の配列の値の順番は元の配列と同じとする。
ア 1,2,3,5,4 正解
イ 1,2,5,4,3
ウ 2,3,1,4,5
エ 2,3,4,5,1
正解 ア
解説
1回目の分割。配列全体 2,3,5,4,1 の左端 2 を基準値とすると,小さい値は 1,大きい値は 3,5,4。グループ内の順番は元のままなので 1|2|3,5,4 となる。
2回目の分割。左のグループ 1 は要素が一つなので分割済み。次のグループ 3,5,4 の左端 3 を基準値にすると,小さい値はなく,大きい値が 5,4。したがって 1|2|3|5,4 となり,並びは 1,2,3,5,4。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問3(表記を一部改変)
問4
動作周波数1.25GHz のシングルコア CPU が1秒間に10億回の命令を実行するとき,この CPU の平均 CPI(Cycles Per Instruction)として,適切なものはどれか。
正解 イ
解説
CPI は1命令の実行に要するクロックサイクル数なので,1秒間のクロック数を1秒間の命令数で割れば求められる。
1.25GHz は1秒間に 1.25×109 サイクル,10億回は 109 命令。したがって CPI=1.25×109 ÷109 =1.25。
アの0.8はこの逆数(1サイクルあたりの命令数,IPC)に当たる。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問4(表記を一部改変)
問5
スケールインの説明として,適切なものはどれか。
ア 想定される CPU 使用率に対して,サーバの能力が過剰なとき,CPU の能力を減らすこと
イ 想定されるシステムの処理量に対して,サーバの台数が過剰なとき,サーバの台数を減らすこと 正解
ウ 想定されるシステムの処理量に対して,サーバの台数が不足するとき,サーバの台数を増やすこと
エ 想定されるメモリ使用率に対して,サーバの能力が不足するとき,メモリの容量を増やすこと
正解 イ
解説
スケールインは,台数を増減させるスケールアウト/スケールインのうち,余っているサーバの台数を減らして構成を縮小すること。
ウは台数を増やすスケールアウト。アは1台あたりの能力を下げるスケールダウン,エは1台あたりの能力を上げるスケールアップであり,いずれも台数ではなく性能を変える操作。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問5(表記を一部改変)
問6
ハッシュ表の理論的な探索時間を示すグラフはどれか。ここで,複数のデータが同じハッシュ値になることはないものとする。
正解 エ
解説
ハッシュ表は,キーからハッシュ関数で格納位置を直接計算して求める。衝突(複数のデータが同じハッシュ値になること)がなければ,1回の計算でデータの位置が決まる。
したがって探索時間は表の中のデータの個数に左右されず一定(オーダーは O(1))になり,水平な直線のエが正しい。イは線形探索の O(n),ウは2分探索の O(log n) に近い形。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問6(表記を一部改変)
問7
NAND 素子を用いた次の組合せ回路の出力 Z を表す式はどれか。ここで,論理式中の“・”は論理積,“+”は論理和,“X̄”は X の否定を表す。
正解 イ
解説
NAND の両方の入力に同じ信号を入れると,その信号の否定(NOT)になる。したがって1個目の出力は X の否定,2個目の出力は Y の否定。
3個目の NAND はこの二つを受けるので,出力は「X の否定と Y の否定の論理積」の否定になる。ド・モルガンの法則によりこれは X+Y(論理和)に等しい。
つまりこの回路は NAND 素子3個で OR を実現したもの。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問7(表記を一部改変)
問8
コンピュータグラフィックスに関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア テクスチャマッピングは,全てのピクセルについて,視線と全ての物体との交点を計算し,その中から視点に最も近い交点を選択することによって,隠面消去を行う。
イ メタボールは,反射・透過方向への視線追跡を行わず,与えられた空間中のデータから輝度を計算する。
ウ ラジオシティ法は,拡散反射面間の相互反射による効果を考慮して拡散反射面の輝度を決める。 正解
エ レイトレーシングは,形状が定義された物体の表面に,別に定義された模様を張り付けて画像を作成する。
正解 ウ
解説
ラジオシティ法は,光が拡散反射面の間で相互に反射し合う効果まで計算に入れて,各面の輝度を求める手法。間接光による柔らかな陰影を表現できる。
アはレイトレーシング,エはテクスチャマッピングの説明で,アとエは入れ替わっている。イのメタボールは,濃度分布をもつ点の集まりで曲面を表現する手法であり,記述はボリュームレンダリングに近い内容。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問8(表記を一部改変)
問9
UML を用いて表した図のデータモデルの a,b に入れる多重度はどれか。
〔条件〕
(1) 部門には1人以上の社員が所属する。 (2) 社員はいずれか一つの部門に所属する。 (3) 社員が部門に所属した履歴を所属履歴として記録する。
ア a:0..*,b:0..*
イ a:0..*,b:1..*
ウ a:1..*,b:0..*
エ a:1..*,b:1..* 正解
正解 エ
解説
a は,部門1つに対応する所属履歴の数。条件(1)より部門には1人以上の社員が所属し,その所属は履歴として記録されるので,所属履歴は少なくとも1件ある。よって a は 1..*。
b は,社員1人に対応する所属履歴の数。条件(2)より社員は必ずいずれかの部門に所属し,条件(3)よりその所属が履歴として記録されるので,こちらも少なくとも1件ある。よって b も 1..*。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問9(表記を一部改変)
問10
1個の TCP パケットをイーサネットに送出したとき,イーサネットフレームに含まれる宛先情報の,送出順序はどれか。
ア 宛先 IP アドレス,宛先 MAC アドレス,宛先ポート番号
イ 宛先 IP アドレス,宛先ポート番号,宛先 MAC アドレス
ウ 宛先 MAC アドレス,宛先 IP アドレス,宛先ポート番号 正解
エ 宛先 MAC アドレス,宛先ポート番号,宛先 IP アドレス
正解 ウ
解説
上位層のデータは下位層のヘッダで順に包まれていき,送出時は外側(下位層)のヘッダから先に流れる。
イーサネットフレームは先頭からイーサネットヘッダ(宛先 MAC アドレス),IP ヘッダ(宛先 IP アドレス),TCP ヘッダ(宛先ポート番号)の順に並ぶ。したがって送出順序は 宛先 MAC アドレス → 宛先 IP アドレス → 宛先ポート番号。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問10(表記を一部改変)
問11
モバイル通信サービスにおいて,移動中のモバイル端末が通信相手との接続を維持したまま,ある基地局経由から別の基地局経由の通信へ切り替えることを何と呼ぶか。
ア テザリング
イ ハンドオーバー 正解
ウ フォールバック
エ ローミング
正解 イ
解説
ハンドオーバーは,移動に伴って電波状況が変わったときに,通信を切らずに接続先の基地局を切り替える仕組み。
アのテザリングはスマートフォンを介して他の機器をインターネットに接続させる機能,ウのフォールバックは利用できない機能や回線から下位の方式へ切り替えること,エのローミングは契約している事業者以外の設備を使って接続できるようにする仕組み。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問11(表記を一部改変)
問12
ボットネットにおいて C&C サーバが担う役割はどれか。
ア 遠隔操作が可能なマルウェアに,情報収集及び攻撃活動を指示する。 正解
イ 攻撃の踏み台となった複数のサーバからの通信を制御して遮断する。
ウ 電子商取引事業者などへの偽のデジタル証明書の発行を命令する。
エ 不正な Web コンテンツのテキスト,画像及びレイアウト情報を一元的に管理する。
正解 ア
解説
C&C(Command and Control)サーバは,感染させたボット(遠隔操作型マルウェア)に対して,情報を集めさせたり攻撃を仕掛けさせたりする指令を出す司令塔の役割を担う。
イは防御側の対策,ウは認証局への不正な働きかけ,エは CMS の機能に関する記述で,いずれも C&C サーバの役割ではない。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問12(表記を一部改変)
問13
デジタルフォレンジックスの手順は収集,検査,分析及び報告から成る。このとき,デジタルフォレンジックスの手順に含まれるものはどれか。
ア サーバとネットワーク機器のログをログ管理サーバに集約し,リアルタイムに相関分析することによって,不正アクセスを検出する。
イ サーバのハードディスクを解析し,削除されたログファイルを復元することによって,不正アクセスの痕跡を発見する。 正解
ウ 電子メールを外部に送る際に,本文及び添付ファイルを暗号化することによって,情報漏えいを防ぐ。
エ プログラムを実行する際に,プログラムファイルのハッシュ値と脅威情報を突き合わせることによって,プログラムがマルウェアかどうかを検査する。
正解 イ
解説
デジタルフォレンジックスは,インシデントが起きた後に,法的な証拠となり得るデータを保全して解析する一連の手続。削除されたログファイルを復元して不正アクセスの痕跡を突き止めるイが,その「検査・分析」に当たる。
アは SIEM によるリアルタイム監視,ウは送信時の情報漏えい対策,エはマルウェア検査であり,いずれも事後の証拠保全・解析ではない。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問13(表記を一部改変)
問14
スパムメール対策として,サブミッションポート(ポート番号587)を導入する目的はどれか。
ア DNS サーバに SPF レコードを問い合わせる。
イ DNS サーバに登録されている公開鍵を使用して,デジタル署名を検証する。
ウ POP before SMTP を使用して,メール送信者を認証する。
エ SMTP-AUTH を使用して,メール送信者を認証する。 正解
正解 エ
解説
サブミッションポート(587番)は,利用者がメールサーバへメールを投稿するための専用ポート。ここでは SMTP-AUTH による送信者認証を必須にできるので,認証を通った利用者だけが送信でき,スパムの踏み台にされにくくなる。
アは SPF,イは DKIM による送信ドメイン認証。ウの POP before SMTP はサブミッションポート導入以前に使われた方式で,一定時間は認証なしで送信できてしまうなどの弱点があり,SMTP-AUTH に置き換えられた。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問14(表記を一部改変)
問15
次に示すような組織の業務環境において,特定の IP セグメントの IP アドレスを幹部の PC に動的に割り当て,一部のサーバへのアクセスをその IP セグメントからだけ許可することによって,幹部の PC だけが当該サーバにアクセスできるようにしたい。利用するセキュリティ技術として,適切なものはどれか。
〔組織の業務環境〕
業務ではサーバにアクセスする。サーバは,組織の内部ネットワークからだけアクセスできる。 幹部及び一般従業員は同一フロアで業務を行っており,日によって席が異なるフリーアドレス制を取っている。 各席には有線 LAN ポートが設置されており,PC を接続して組織の内部ネットワークに接続する。 ネットワークスイッチ1台に全ての PC とサーバが接続される。
ア IDS
イ IP マスカレード
ウ スタティック VLAN
エ 認証 VLAN 正解
正解 エ
解説
認証 VLAN は,接続してきた利用者や端末を認証し,その結果に応じて割り当てる VLAN を動的に決める仕組み。幹部が認証されたときだけ特定の VLAN(IP セグメント)に入れれば,どの席の LAN ポートに挿しても目的の制御ができる。
ウのスタティック VLAN はスイッチのポートごとに VLAN を固定する方式なので,席が日によって変わるフリーアドレス制には適さない。アの IDS は不正侵入の検知であってアクセス制御ではない。イの IP マスカレードはプライベートアドレスとグローバルアドレスを変換する技術。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問15(表記を一部改変)
問16
モジュールの独立性を高めるには,モジュール結合度を低くする必要がある。モジュール間の情報の受渡し方法のうち,モジュール結合度が最も低いものはどれか。
ア 共通域に定義したデータを関係するモジュールが参照する。
イ 制御パラメータを引数として渡し,モジュールの実行順序を制御する。
ウ 入出力に必要なデータ項目だけをモジュール間の引数として渡す。 正解
エ 必要なデータを外部宣言して共有する。
正解 ウ
解説
モジュール結合度は弱いものから順に,データ結合・スタンプ結合・制御結合・外部結合・共通結合・内容結合と分類される。必要なデータ項目だけを引数で受け渡すウはデータ結合で,この中で最も結合度が低い。
イは相手の内部の動きを指示する制御結合,エは外部結合,アは共通域を介する共通結合で,いずれもウより結合度が高い。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問16(表記を一部改変)
問17
サーバプロビジョニングツールを使用する目的として,適切なものはどれか。
ア サーバ上のサービスが動作しているかどうかを,他のシステムからリモートで監視する。
イ サーバにインストールされているソフトウェアを一元的に管理する。
ウ サーバを監視して,システムやアプリケーションのパフォーマンスを管理する。
エ システム構成をあらかじめ記述しておくことによって,サーバを自動的に構成する。 正解
正解 エ
解説
サーバプロビジョニングツールは,あるべきシステム構成をコードとして記述しておき,その記述どおりにサーバを自動で構築・設定するためのツール。手作業による設定ミスをなくし,同じ構成のサーバを何台でも再現できる。
アはサービス監視,イは資産管理(ソフトウェア管理),ウは性能監視のためのツールの目的。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問17(表記を一部改変)
問18
プロジェクトマネジメントにおける“プロジェクト憲章”の説明はどれか。
ア プロジェクトの実行,監視,管理の方法を規定するために,スケジュール,リスクなどに関するマネジメントの役割や責任などを記した文書
イ プロジェクトのスコープを定義するために,プロジェクトの目標,成果物,要求事項及び境界を記した文書
ウ プロジェクトの目標を達成し,必要な成果物を作成するために,プロジェクトで実行する作業を階層構造で記した文書
エ プロジェクトを正式に認可するために,ビジネスニーズ,目標,成果物,プロジェクトマネージャ,及びプロジェクトマネージャの責任・権限を記した文書 正解
正解 エ
解説
プロジェクト憲章は,プロジェクトの立ち上げにあたって組織がそれを正式に認可する文書。ビジネスニーズや目標に加え,プロジェクトマネージャを任命してその責任と権限を明示する点が特徴。
アはプロジェクトマネジメント計画書,イはプロジェクトスコープ記述書,ウは WBS の説明。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問18(表記を一部改変)
問19
過去のプロジェクトの開発実績に基づいて構築した作業配分モデルがある。システム要件定義からシステム内部設計までをモデルどおりに進めて228日で完了し,プログラム開発を開始した。現在,200本のプログラムのうち100本のプログラムの開発を完了し,残りの100本は未着手の状況である。プログラム開発以降もモデルどおりに進捗すると仮定するとき,プロジェクトの完了まで,あと何日掛かるか。ここで,プログラムの開発に掛かる工数及び期間は,全てのプログラムで同一であるものとする。
正解 イ
解説
期間比で見ると,システム要件定義 0.25,システム外部設計 0.21,システム内部設計 0.11 の合計 0.57 が 228 日に当たるので,全体の期間は 228÷0.57=400 日。プログラム開発は 400×0.11=44 日で,200 本中 100 本が終わっているので残りは 22 日。システム結合は 400×0.11=44 日,システムテストは 400×0.21=84 日。残りの合計は 22+44+84=150 日。
工数比の列は,人員をどう割り振るかを見るための値で,期間の計算には使わない。工数比で同じ計算をすると別の値になるので,どちらの比を使うかを取り違えないことが要点。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問19(表記を一部改変)
問20
JIS Q 20000-1:2020(サービスマネジメントシステム要求事項)によれば,組織は,サービスレベル目標に照らしたパフォーマンスを監視し,レビューし,顧客に報告しなければならない。レビューをいつ行うかについて,この規格はどのように規定しているか。
ア SLA に大きな変更があったときに実施する。
イ あらかじめ定めた間隔で実施する。 正解
ウ 間隔を定めず,必要に応じて実施する。
エ サービス目標の未達成が続いたときに実施する。
正解 イ
解説
8.3.3(サービスレベル管理)は,サービスレベル目標に照らしたパフォーマンスを「あらかじめ定めた間隔で」監視・レビューし,顧客に報告することを求めている。定期的に確認することで,傾向の変化や目標未達の兆しを早く捉えられる。
ア・ウ・エはいずれも出来事をきっかけとした不定期のレビューであり,規格が求める定期的なレビューには当たらない。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問20(表記を一部改変)
問21
システム監査基準(平成30年)における予備調査についての記述として,適切なものはどれか。
ア 監査対象の実態を把握するために,必ず現地に赴いて実施する。
イ 監査対象部門の事務手続やマニュアルなどを通じて,業務内容,業務分掌の体制などを把握する。 正解
ウ 監査の結論を裏付けるために,十分な監査証拠を入手する。
エ 調査の範囲は,監査対象部門だけに限定する。
正解 イ
解説
予備調査は,本調査に入る前に監査対象の全体像をつかむ段階。事務手続やマニュアル,組織図などの資料から業務内容や業務分掌の体制を把握し,どこを重点的に調べるかを見定める。
アは誤り。資料の閲覧やヒアリングでもよく,必ず現地に赴く必要はない。ウは監査証拠を集める本調査の話。エは誤り。関連部門も対象に含めてよい。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問21(表記を一部改変)
問22
システム監査基準(平成30年)における監査手続の実施に際して利用する技法に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア インタビュー法とは,システム監査人が,直接,関係者に口頭で問い合わせ,回答を入手する技法をいう。 正解
イ 現地調査法は,システム監査人が監査対象部門に直接赴いて,自ら観察・調査する技法なので,当該部門の業務時間外に実施しなければならない。
ウ コンピュータ支援監査技法は,システム監査上使用頻度の高い機能に特化した,しかも非常に簡単な操作で利用できる専用ソフトウェアによらなければならない。
エ チェックリスト法とは,監査対象部門がチェックリストを作成及び利用して,監査対象部門の見解を取りまとめた結果をシステム監査人が点検する技法をいう。
正解 ア
解説
インタビュー法は,監査人が関係者に直接口頭で問い合わせて回答を得る技法。アはその定義そのもの。
イは誤り。現地調査は業務の実際を観察するものなので,むしろ業務時間内に行う必要がある。ウは誤り。表計算ソフトや汎用の監査ツールを使ってもよく,専用ソフトウェアに限られない。エは誤り。チェックリストを作成するのは監査人であり,監査対象部門ではない。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問22(表記を一部改変)
問23
情報化投資計画において,投資効果の評価指標である ROI を説明したものはどれか。
ア 売上増やコスト削減などによって創出された利益額を投資額で割ったもの 正解
イ 売上高投資金額比,従業員当たりの投資金額などを他社と比較したもの
ウ 現金流入の現在価値から,現金流出の現在価値を差し引いたもの
エ プロジェクトを実施しない場合の,市場での競争力を表したもの
正解 ア
解説
ROI(Return On Investment,投資利益率)は,投資によって得られた利益額を投資額で割った比率。投じた資金がどれだけの利益を生んだかを表す。
イはベンチマーキング,ウは NPV(正味現在価値)の説明。エは投資評価の指標ではない。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問23(表記を一部改変)
問24
システム要件定義プロセスにおいて,トレーサビリティが確保されていることを説明した記述として,適切なものはどれか。
ア 移行マニュアルや運用マニュアルなどの文書化が完了しており,システム上でどのように業務を実施するのかを利用者が確認できる。
イ 所定の内外作基準に基づいて外製する部分が決定され,調達先が選定され,契約が締結されており,調達先を容易に変更することはできない。
ウ モジュールの相互依存関係が確定されており,以降の開発プロセスにおいて個別モジュールの仕様を変更することはできない。
エ 利害関係者の要求の根拠と成果物の相互関係が文書化されており,開発の途中で生じる仕様変更をシステムに求められる品質に立ち返って検証できる。 正解
正解 エ
解説
トレーサビリティ(追跡可能性)は,利害関係者の要求がどの成果物に対応しているかをたどれる状態のこと。要求の根拠と成果物の相互関係が文書化されていれば,仕様変更が起きたときに元の要求まで立ち返って妥当性を検証できる。
ア・イ・ウはいずれも文書化や決定が済んでいることを述べているだけで,要求と成果物の対応関係をたどれることを示していない。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問24(表記を一部改変)
問25
情報システムの調達の際に作成される RFI の説明はどれか。
ア 調達者から供給者候補に対して,システム化の目的や業務内容などを示し,必要な情報の提供を依頼すること 正解
イ 調達者から供給者候補に対して,対象システムや調達条件などを示し,提案書の提出を依頼すること
ウ 調達者から供給者に対して,契約内容で取り決めた内容に関して,変更を要請すること
エ 調達者から供給者に対して,双方の役割分担などを確認し,契約の締結を要請すること
正解 ア
解説
RFI(Request For Information,情報提供依頼書)は,調達の検討段階で,実現手段や技術動向などの情報提供をベンダに依頼する文書。提案を求める前の情報収集が目的。
イは RFP(提案依頼書)の説明。ウとエは契約変更や契約締結に関するもので,いずれも RFI ではない。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問25(表記を一部改変)
問26
バランススコアカードで使われる戦略マップの説明はどれか。
ア 切り口となる二つの要素を X 軸,Y 軸として,市場における自社又は自社製品のポジションを表現したもの
イ 財務,顧客,内部ビジネスプロセス,学習と成長という四つの視点を基に,課題,施策,目標の因果関係を表現したもの 正解
ウ 市場の魅力度,自社の優位性という二つの軸から成る四つのセルに自社の製品や事業を分類して表現したもの
エ どのような顧客層に対して,どのような経営資源を使用し,どのような製品・サービスを提供するのかを表現したもの
正解 イ
解説
戦略マップは,バランススコアカードの四つの視点(財務,顧客,内部ビジネスプロセス,学習と成長)に課題・施策・目標を配置し,それらの因果関係を矢印でつないで一枚に表したもの。下位の視点の取組みが上位の成果につながる筋道を可視化する。
アはポジショニングマップ,ウはビジネススクリーン,エはドメインの定義に関する説明。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問26(表記を一部改変)
問27
IoT を支える技術の一つであるエネルギーハーベスティングを説明したものはどれか。
ア IoT デバイスに対して,一定期間のエネルギー使用量や稼働状況を把握して,電力使用の最適化を図る技術
イ 周囲の環境から振動,熱,光,電磁波などの微小なエネルギーを集めて電力に変換して,IoT デバイスに供給する技術 正解
ウ データ通信に利用するカテゴリ5以上の LAN ケーブルによって,IoT デバイスに電力を供給する技術
エ 必要な時だけ,デバイスの電源を ON にして通信を行うことによって,IoT デバイスの省電力化を図る技術
正解 イ
解説
エネルギーハーベスティング(環境発電)は,振動・熱・光・電磁波など身の回りにあるわずかなエネルギーを集めて電力に変え,デバイスの電源に使う技術。電池交換が難しい場所に置く IoT デバイスで注目されている。
アはエネルギーマネジメント,ウは PoE,エは間欠動作による省電力化の説明。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問27(表記を一部改変)
問28
アグリゲーションサービスに関する記述として,適切なものはどれか。
ア 小売販売の会社が,店舗や EC サイトなどあらゆる顧客接点をシームレスに統合し,どの顧客接点でも顧客に最適な購買体験を提供して,顧客の利便性を高めるサービス
イ 物品などの売買に際し,信頼のおける中立的な第三者が契約当事者の間に入り,代金決済等取引の安全性を確保するサービス
ウ 分散的に存在する事業者,個人や機能への一括的なアクセスを顧客に提供し,比較,まとめ,統一的な制御,最適な組合せなどワンストップでのサービス提供を可能にするサービス 正解
エ 本部と契約した加盟店が,本部に対価を支払い,販売促進,確立したサービスや商品などを使う権利を受け取るサービス
正解 ウ
解説
アグリゲーション(aggregation)は「集約」の意味。あちこちに分散している事業者や機能へのアクセスをまとめて提供し,比較や一括操作をワンストップで行えるようにするサービスを指す。銀行口座を一元表示する家計簿サービスなどが例。
アはオムニチャネル,イはエスクローサービス,エはフランチャイズチェーンの説明。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問28(表記を一部改変)
問29
原価計算基準に従い製造原価の経費に算入する費用はどれか。
ア 製品を生産している機械装置の修繕費用 正解
イ 台風で被害を受けた製品倉庫の修繕費用
ウ 賃貸目的で購入した倉庫の管理費用
エ 本社社屋建設のために借り入れた資金の支払利息
正解 ア
解説
製造原価の経費に算入できるのは,製品の製造に関わって正常に発生した費用のうち,材料費・労務費以外のもの。生産に使っている機械装置の修繕費用はこれに当たる。
イは災害による損失で非原価項目(特別損失)。ウは賃貸という営業外の活動に関わる費用。エは資金調達に伴う支払利息で営業外費用。いずれも製造原価には算入しない。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問29(表記を一部改変)
問30
労働者派遣法において,派遣元事業主の講ずべき措置等として定められているものはどれか。
ア 派遣先管理台帳の作成
イ 派遣先責任者の選任
ウ 派遣労働者を指揮命令する者やその他関係者への派遣契約内容の周知
エ 労働者の教育訓練の機会の確保など,福祉の増進 正解
正解 エ
解説
派遣元事業主は派遣労働者の雇用主なので,教育訓練の機会を確保するなど福祉の増進を図る義務を負う。
ア・イ・ウはいずれも「派遣先」が講ずべき措置。名称に“派遣先”とある台帳の作成や責任者の選任,そして実際に指揮命令を行う側での契約内容の周知は,派遣先の義務である。
出典:令和5年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問30(表記を一部改変)
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