平成30年度 春期に実施された高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通
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問1
ハミング符号とは,データに冗長ビットを付加して,1ビットの誤りを訂正できるようにしたものである。ここでは,X1 ,X2 ,X3 ,X4 の4ビットから成るデータに,3ビットの冗長ビット P3 ,P2 ,P1 を付加したハミング符号 X1 X2 X3 P3 X4 P2 P1 を考える。付加したビット P1 ,P2 ,P3 は,それぞれ次の式となるように決める。ここで,⊕ は排他的論理和を表す。ハミング符号 1110011 には1ビットの誤りが存在する。誤りビットを訂正したハミング符号はどれか。
X₁ ⊕ X₃ ⊕ X₄ ⊕ P₁ = 0
X₁ ⊕ X₂ ⊕ X₄ ⊕ P₂ = 0
X₁ ⊕ X₂ ⊕ X₃ ⊕ P₃ = 0
ア 0110011 正解
イ 1010011
ウ 1100011
エ 1110111
正解 ア
解説
符号 1110011 を X1 X2 X3 P3 X4 P2 P1 の順に読むと,X1 =1,X2 =1,X3 =1,P3 =0,X4 =0,P2 =1,P1 =1。三つの検査式に当てはめると,X1 ⊕X3 ⊕X4 ⊕P1 =1,X1 ⊕X2 ⊕X4 ⊕P2 =1,X1 ⊕X2 ⊕X3 ⊕P3 =1 となり,三つとも0にならない。三つの式すべてに現れるビットは X1 だけなので,誤っているのは X1 。これを1から0に直した 0110011 が答えになる。
誤りが1ビットなら,成立しない式の組合せで位置を特定できる。1番目の式だけが成立しなければ誤りは P1 ,1番目と2番目だけなら X4 ,というように対応する。イは X2 ,ウは X3 ,エは X4 を反転した符号で,いずれも検査式を満たさない。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問1(表記を一部改変)
問2
非負の整数 m,n に対して次のとおりに定義された関数 Ack(m,n) がある。Ack(1,3) の値はどれか。
正解 ウ
解説
定義に従って順に展開する。m=0 のときは n+1 なので,まず Ack(1,0)=Ack(0,1)=2 となる。これを使うと Ack(1,1)=Ack(0,Ack(1,0))=Ack(0,2)=3,Ack(1,2)=Ack(0,Ack(1,1))=Ack(0,3)=4 と求まる。
よって Ack(1,3)=Ack(0,Ack(1,2))=Ack(0,4)=5 で,ウが正しい。m=1 のときは Ack(1,n)=n+2 になっていることが分かる。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問2(表記を一部改変)
問3
再帰的な処理を実現するためには,再帰的に呼び出したときのレジスタ及びメモリの内容を保存しておく必要がある。そのための記憶管理方式はどれか。
正解 ウ
解説
再帰呼出しでは,後から呼び出した処理ほど先に終わり,呼出し元へ戻る。そのため,呼び出すたびにレジスタやメモリの内容を積み上げ,戻るときに最後に積んだものから取り出す LIFO(後入れ先出し)のスタックで保存する。ウが正しい。
アの FIFO(先入れ先出し)は待ち行列(キュー)で使う方式で,最初に保存したものから取り出すため,再帰の戻り順と合わない。イの LFU(使用頻度が最も低いものを追い出す)とエの LRU(最も長く参照されていないものを追い出す)は,キャッシュメモリや仮想記憶のページ置換えのアルゴリズムである。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問3(表記を一部改変)
問4
メモリインタリーブの説明として,適切なものはどれか。
ア 主記憶と外部記憶を一元的にアドレス付けし,主記憶の物理容量を超えるメモリ空間を提供する。
イ 主記憶と磁気ディスク装置との間にバッファメモリを置いて,双方のアクセス速度の差を補う。
ウ 主記憶と入出力装置との間で CPU とは独立にデータ転送を行う。
エ 主記憶を複数のバンクに分けて,CPU からのアクセス要求を並列的に処理できるようにする。 正解
正解 エ
解説
メモリインタリーブは,主記憶を複数のバンクに分け,連続するアドレスを異なるバンクに割り当てることで,CPU からのアクセス要求を複数のバンクで並列に処理し,主記憶へのアクセスを高速にする方式である。エが適切である。
アは主記憶と外部記憶を合わせて主記憶より大きなアドレス空間を提供する仮想記憶。イは主記憶と磁気ディスク装置の速度差を補うディスクキャッシュ。ウは CPU を介さずに主記憶と入出力装置の間でデータを転送する DMA(Direct Memory Access)の説明である。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問4(表記を一部改変)
問5
4種類の装置で構成される次のシステムの稼働率は,およそ幾らか。ここで,アプリケーションサーバとデータベースサーバの稼働率は 0.8 であり,それぞれのサーバのどちらかが稼働していればシステムとして稼働する。また,負荷分散装置と磁気ディスク装置は,故障しないものとする。
ア 0.64
イ 0.77
ウ 0.92 正解
エ 0.96
正解 ウ
解説
アプリケーションサーバは2台のうちどちらかが稼働していればよいので,並列部分の稼働率は 1−(1−0.8)×(1−0.8)=1−0.04=0.96 になる。データベースサーバも同様に 0.96 である。どちらのアプリケーションサーバもどちらのデータベースサーバに接続できるので,この二つの並列部分を直列につないだものとして計算できる。
負荷分散装置と磁気ディスク装置は故障しないので,システムの稼働率は 0.96×0.96=0.9216,およそ 0.92 となる。ウが正しい。アの 0.64 は 0.8×0.8 と並列を考慮しない値,エの 0.96 は並列部分一つだけの値である。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問5(表記を一部改変)
問6
ページング方式の仮想記憶における主記憶の割当てに関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア プログラム実行時のページフォールトを契機に,ページをロードするのに必要な主記憶が割り当てられる。 正解
イ プログラムで必要なページをロードするための主記憶の空きが存在しない場合には,実行中のプログラムのどれかが終了するまで待たされる。
ウ プログラムに割り当てられる主記憶容量は一定であり,プログラムの進行によって変動することはない。
エ プログラムの実行開始時には,プログラムのデータ領域とコード領域のうち,少なくとも全てのコード領域に主記憶が割り当てられる。
正解 ア
解説
ページング方式の仮想記憶では,プログラムが主記憶上にないページを参照するとページフォールトが発生し,それを契機に OS がそのページを読み込むための主記憶(ページ枠)を割り当ててロードする(デマンドページング)。アが適切である。
イは誤り。空きがなければ,ページ置換えアルゴリズムで追い出すページを選び,補助記憶に退避して空きを作る。ウは誤り。ページの読込みや追出しによって,プログラムに割り当てられる主記憶の容量は実行中に変動する。エは誤り。実行開始時にコード領域の全てを主記憶に割り当てる必要はなく,必要になったページから割り当てる。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問6(表記を一部改変)
問7
ワンチップマイコンにおける内部クロック発生器のブロック図を示す。15 MHz の発振器と,内部の PLL1,PLL2 及び分周器の組合せで CPU に 240 MHz,シリアル通信(SIO)に 115 kHz のクロック信号を供給する場合の分周器の値は幾らか。ここで,シリアル通信のクロック精度は±5%以内に収まればよいものとする。
ア 1/24
イ 1/26
ウ 1/28
エ 1/210 正解
正解 エ
解説
分周器に入るのは PLL1 の出力で,15MHz×8=120MHz。ここを 1/2n に分周して 115kHz に近づける。1/210 なら 120,000÷1,024≒117.2kHz で,115kHz との差は約1.9%なので ±5% 以内に収まる。エが正しい。
ウの 1/28 では 120,000÷256≒468.8kHz と4倍以上ずれ,イやアの分周比ではさらに大きく外れる。CPU 向けの 240MHz は PLL1 の出力を PLL2 で2逓倍して得ており,分周器はその手前の 120MHz から分岐している点に注意する。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問7(表記を一部改変)
問8
関係データベースのテーブルにレコードを1件追加したところ,インデックスとして使う,図の B+ 木のリーフノード C がノード C1 と C2 に分割された。ノード分割後の B+ 木構造はどれか。ここで,矢印はノードへのポインタとする。また,中間ノード A には十分な空きがあるものとする。
正解 イ
解説
B+ 木では,データへのポインタをもつリーフノードが全て同じ深さにあり,リーフノードどうしはキーの順に双方向のポインタでつながっている。リーフノード C が C1 と C2 に分割されると,中間ノード A に空きがあるので,A に C2 へのポインタが追加され,A から B,C1,C2,D の全てを指す。リーフノードのつながりも B,C1,C2,D の順になる。イが正しい。
アは A から C2 へのポインタがなく,木をたどって C2 のキーを探せない。ウはリーフノードの並びが C1,D,C2 とキーの順になっていない。エは C2 が C1 の下に置かれ,リーフノードの深さがそろっていない。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問8(表記を一部改変)
問9
ビッグデータの基盤技術として利用される NoSQL に分類されるデータベースはどれか。
ア 関係データモデルをオブジェクト指向データモデルに拡張し,操作の定義や型の継承関係の定義を可能としたデータベース
イ 経営者の意思決定を支援するために,ある主題に基づくデータを現在の情報とともに過去の情報も蓄積したデータベース
ウ 様々な形式のデータを一つのキーに対応付けて管理するキーバリュー型データベース 正解
エ データ項目の名称や形式など,データそのものの特性を表すメタ情報を管理するデータベース
正解 ウ
解説
NoSQL は,関係データベースのような表形式や SQL にとらわれずにデータを扱うデータベースの総称で,大量のデータを複数のサーバに分散して高速に処理するビッグデータの基盤に使われる。代表的な種類として,キーとそれに対応する値の組でデータを管理するキーバリュー型のほか,ドキュメント型,列指向型,グラフ型がある。ウが該当する。
アは関係データモデルにオブジェクト指向の機能を加えたオブジェクト関係データベース。イは意思決定支援のために主題ごとに過去から現在までのデータを蓄積するデータウェアハウス。エはデータ項目の名称や形式などのメタデータを管理するデータディクショナリ(リポジトリ)の説明である。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問9(表記を一部改変)
問10
ETSI(欧州電気通信標準化機構)によって提案された NFV(Network Functions Virtualisation)に関する記述として,適切なものはどれか。
ア インターネット上で地理情報システムと拡張現実の技術を利用することによって,現実空間と仮想空間をスムーズに融合させた様々なサービスを提供する。
イ 仮想化技術を利用し,ネットワーク機能を汎用サーバ上にソフトウェアとして実現したコンポーネントを用いることによって,柔軟なネットワーク基盤を構築する。 正解
ウ 様々な入力情報に対する処理結果をニューラルネットワークに学習させることによって,画像認識や音声認識,自然言語処理などの問題に対する解を見いだす。
エ プレースとトランジションと呼ばれる2種類のノードをもつ有向グラフであり,システムの並列性や競合性の分析などに利用される。
正解 イ
解説
NFV(Network Functions Virtualisation)は,ファイアウォール,ルータ,ロードバランサなど,これまで専用のハードウェアで実現していたネットワーク機能を,仮想化技術を使って汎用サーバ上のソフトウェアとして実現する技術である。必要に応じて機能を追加・変更しやすく,柔軟なネットワーク基盤を構築できる。イが適切である。
アは地理情報システムと AR を組み合わせた位置情報サービス,ウはニューラルネットワークによる機械学習(ディープラーニング),エはプレースとトランジションの2種類のノードでシステムの並行動作を表すペトリネットの説明である。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問10(表記を一部改変)
問11
伝送速度 30 M ビット/秒の回線を使ってデータを連続送信したとき,平均して 100 秒に1回の1ビット誤りが発生した。この回線のビット誤り率は幾らか。
ア 4.17×10−11
イ 3.33×10−10 正解
ウ 4.17×10−5
エ 3.33×10−4
正解 イ
解説
ビット誤り率は,送信した全ビット数に対する誤りビット数の割合である。30 M ビット/秒の回線で 100 秒間に送るビット数は 30×106 ×100=3×109 ビットで,その間に1ビットの誤りが起きる。
ビット誤り率は 1÷(3×109 )≒3.33×10−10 で,イが正しい。1バイト=8ビットで割ってバイト数で数えると 4.17×10−11 (ア)になるが,ビット誤り率はビット数で求める。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問11(表記を一部改変)
問12
クロスサイトスクリプティングの手口はどれか。
ア Web アプリケーションのフォームの入力フィールドに,悪意のある JavaScript コードを含んだデータを入力する。 正解
イ インターネットなどのネットワークを通じてサーバに不正にアクセスしたり,データの改ざんや破壊を行ったりする。
ウ 大量のデータを Web アプリケーションに送ることによって,用意されたバッファ領域をあふれさせる。
エ パス名を推定することによって,本来は認証された後にしかアクセスが許可されないページに直接ジャンプする。
正解 ア
解説
クロスサイトスクリプティングは,Web アプリケーションが入力データを適切に無害化せずに Web ページに出力する脆弱性を突き,入力フィールドなどに悪意のあるスクリプト(JavaScript など)を含むデータを送り込んで,閲覧者の Web ブラウザ上で実行させる攻撃である。アが該当する。
イは不正アクセスによるデータの改ざんや破壊の一般的な説明。ウは大量のデータを送り込んでバッファ領域をあふれさせるバッファオーバフロー攻撃。エはパス名を推測して認証を経ずにページへ直接アクセスする強制ブラウジングの説明である。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問12(表記を一部改変)
問13
内部ネットワークの PC からインターネット上の Web サイトを参照するときに DMZ 上に用意した VDI(Virtual Desktop Infrastructure)サーバ上の Web ブラウザを利用すると,未知のマルウェアが PC にダウンロードされて,PC が感染することを防ぐというセキュリティ上の効果が期待できる。この効果を生み出す VDI サーバの動作の特徴はどれか。
ア Web サイトからの受信データのうち,実行ファイルを削除し,その他のデータを PC に送信する。
イ Web サイトからの受信データのうち,不正なコード列が検知されない通信だけを PC に送信する。
ウ Web サイトからの受信データを処理して VDI サーバで生成したデスクトップ画面の画像データだけを PC に送信する。 正解
エ Web サイトからの受信データを全て IPsec でカプセル化し,PC に送信する。
正解 ウ
解説
VDI サーバ上の Web ブラウザで Web サイトを参照すると,Web サイトからのデータは VDI サーバで処理され,PC にはその結果のデスクトップ画面の画像データだけが送られる。Web サイトからのファイルやプログラムそのものは PC に届かないので,未知のマルウェアであっても PC に感染しない。ウが正しい。
アの実行ファイルの削除や,イの不正なコード列の検知は,既知の形式やパターンに頼るので,実行ファイル以外に潜むマルウェアや未知のマルウェアを防ぎきれない。エの IPsec によるカプセル化は通信経路を保護するだけで,受信データの中身は PC に届くのでマルウェアの感染は防げない。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問13(表記を一部改変)
問14
ファジングに該当するものはどれか。
ア サーバに FIN パケットを送信し,サーバからの応答を観測して,稼働しているサービスを見つけ出す。
イ サーバの OS やアプリケーションソフトが生成したログやコマンド履歴などを解析して,ファイルサーバに保存されているファイルの改ざんを検知する。
ウ ソフトウェアに,問題を引き起こしそうな多様なデータを入力し,挙動を監視して,脆弱性を見つけ出す。 正解
エ ネットワーク上を流れるパケットを収集し,そのプロトコルヘッダやデータを解析して,あらかじめ登録された攻撃パターンと一致した場合は不正アクセスと判断する。
正解 ウ
解説
ファジング(fuzzing)は,極端に長い文字列や想定外の値など,問題を引き起こしそうなデータを大量に入力し,異常終了や想定外の動作が起きないかを監視して脆弱性を洗い出す手法。仕様やソースコードが分からなくても実施できる。ウが正しい。
アはサーバに FIN パケットを送って応答から稼働中のサービスを探る FIN スキャン。イはログを解析するファイル改ざんの検知。エはあらかじめ登録した攻撃パターンと照合するシグネチャ型の IDS/IPS の説明である。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問14(表記を一部改変)
問15
Web システムにおいて,セッションの乗っ取りの機会を減らすために,利用者のログアウト時に Web サーバ又は Web ブラウザにおいて行うべき処理はどれか。ここで,利用者は自分専用の PC において,Web ブラウザを利用しているものとする。
ア Web サーバにおいてセッション ID をディスクに格納する。
イ Web サーバにおいてセッション ID を無効にする。 正解
ウ Web ブラウザにおいてキャッシュしている Web ページをクリアする。
エ Web ブラウザにおいてセッション ID をディスクに格納する。
正解 イ
解説
セッションの乗っ取りは,攻撃者が有効なセッション ID を手に入れて成りすますことで起こる。ログアウト時にサーバ側でそのセッション ID を無効にしておけば,後からその ID を入手されても使えないので,乗っ取られる機会を減らせる。イが正しい。
アとエはセッション ID をストレージに保存する処理で,残しておくことはむしろ危険を増やす。ウのキャッシュのクリアは画面に表示した内容が後から見られるのを防ぐ効果はあるが,セッション ID 自体は有効なままなので乗っ取りは防げない。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問15(表記を一部改変)
問16
ソフトウェアライフサイクルプロセスにおいてソフトウェア実装プロセスを構成するプロセスのうち,次のタスクを実施するものはどれか。
〔タスク〕
ソフトウェア品目の外部インタフェース,及びソフトウェアコンポーネント間のインタフェースについて最上位レベルの設計を行う。 データベースについて最上位レベルの設計を行う。 ソフトウェア結合のために暫定的なテスト要求事項及びスケジュールを定義する。
ア ソフトウェア結合プロセス
イ ソフトウェア構築プロセス
ウ ソフトウェア詳細設計プロセス
エ ソフトウェア方式設計プロセス 正解
正解 エ
解説
共通フレーム(SLCP-JCF)や JIS X 0160 のソフトウェア実装プロセスでは,ソフトウェア要件定義の後のソフトウェア方式設計プロセスで,ソフトウェア品目の要件を最上位レベルの構造に変換する。外部インタフェースとソフトウェアコンポーネント間のインタフェース,データベースについて最上位レベルの設計を行い,ソフトウェア結合のための暫定的なテスト要求事項やスケジュールを定義する。エが正しい。
ウのソフトウェア詳細設計プロセスは,コンポーネントをさらにコーディングできる単位まで詳細化して設計する。イのソフトウェア構築プロセスは,ソフトウェアユニットを作成(コーディング)してテストする。アのソフトウェア結合プロセスは,ユニットやコンポーネントを結合してテストする。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問16(表記を一部改変)
問17
アジャイル開発などで導入されている“ペアプログラミング”の説明はどれか。
ア 開発工程の初期段階に要求仕様を確認するために,プログラマと利用者がペアとなり,試作した画面や帳票を見て,相談しながらプログラムの開発を行う。
イ 効率よく開発するために,2人のプログラマがペアとなり,メインプログラムとサブプログラムを分担して開発を行う。
ウ 短期間で開発するために,2人のプログラマがペアとなり,交互に作業と休憩を繰り返しながら長時間にわたって連続でプログラムの開発を行う。
エ 品質の向上や知識の共有を図るために,2人のプログラマがペアとなり,その場で相談したりレビューしたりしながら,一つのプログラムの開発を行う。 正解
正解 エ
解説
ペアプログラミングは,2人のプログラマが1台のコンピュータに向かい,一人がコードを書き,もう一人がその場でレビューや助言をしながら一つのプログラムを開発する手法で,役割は適宜交代する。誤りを早く見つけて品質を高めるとともに,知識や技術をメンバー間で共有できる。エが適切である。
アはプログラマと利用者が試作品を見ながら要件を固めるプロトタイピング。イはメインプログラムとサブプログラムを分担する作業分割で,一つのプログラムを2人で作るものではない。ウは交代で休憩しながら長時間作業を続けるもので,ペアプログラミングの目的とは異なる。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問17(表記を一部改変)
問18
プロジェクトマネジメントにおけるスコープコントロールの活動はどれか。
ア 開発ツールの新機能の教育が不十分と分かったので,開発ツールの教育期間を2日間延長した。
イ 要件定義完了時に再見積りをしたところ,当初見積もった開発コストを超過することが判明したので,追加予算を確保した。
ウ 連携する計画であった外部システムのリリースが延期になったので,この外部システムとの連携に関わる作業は別プロジェクトで実施することにした。 正解
エ 割り当てたテスト担当者が期待した成果を出せなかったので,経験豊富なテスト担当者と交代した。
正解 ウ
解説
スコープコントロールは,プロジェクトのスコープの状況を監視し,スコープ・ベースラインへの変更を管理するプロセスである。連携先の外部システムのリリース延期を受けて,その連携作業をこのプロジェクトのスコープから外し別プロジェクトで行うと決めるウは,スコープを変更して管理する活動に当たる。
アの教育期間の延長はスケジュールの管理,イの追加予算の確保はコストの管理,エのテスト担当者の交代はプロジェクトチームのマネジメント(人的資源)の活動で,いずれもプロジェクトのスコープそのものは変えていない。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問18(表記を一部改変)
問19
JIS Q 20000-1:2012(サービスマネジメントシステム要求事項)は,サービスマネジメントシステム(以下,SMS という)及びサービスのあらゆる場面で PDCA 方法論の適用を要求している。SMS の実行(Do)の説明はどれか。
ア SMS 及びサービスのパフォーマンスを継続的に改善するための処置を実施する。
イ SMS を確立し,文書化し,合意する。
ウ サービスの設計,移行,提供及び改善のために SMS を導入し,運用する。 正解
エ 方針,目的,計画及びサービスの要求事項について,SMS 及びサービスを監視,測定及びレビューし,それらの結果を報告する。
正解 ウ
解説
JIS Q 20000-1:2012 の PDCA 方法論では,計画(Plan)で SMS を確立し,文書化し,合意する。実行(Do)では,サービスの設計,移行,提供及び改善のために SMS を導入し,運用する。点検(Check)では,方針,目的,計画及びサービスの要求事項について SMS 及びサービスを監視,測定及びレビューし,結果を報告する。処置(Act)では,SMS 及びサービスのパフォーマンスを継続的に改善するための処置を実施する。
ウが実行(Do)に当たる。アは処置(Act),イは計画(Plan),エは点検(Check)の説明である。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問19(表記を一部改変)
問20
JIS Q 20000-2:2013(サービスマネジメントシステムの適用の手引)によれば,構成管理プロセスの活動として,適切なものはどれか。
ア 構成品目の総所有費用及び総減価償却費用の計算
イ 構成品目の特定,管理,記録,追跡,報告及び検証,並びに CMDB での CI 情報の管理 正解
ウ 正しい場所及び時間での構成品目の配付
エ 変更管理方針で定義された構成品目に対する変更要求の管理
正解 イ
解説
JIS Q 20000-2:2013 の構成管理は,構成品目(CI)を特定し,管理・記録・追跡・報告・検証を行い,その情報を構成管理データベース(CMDB)で維持する活動。CI の情報を正確に保つことがこのプロセスの役割。
アの費用計算は資産管理や財務管理,ウの正しい場所・時間への配付はリリース及び展開管理,エの変更要求の管理は変更管理の活動である。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問20(表記を一部改変)
問21
企業において整備したシステム監査規程の最終的な承認者として,最も適切な者は誰か。
ア 監査対象システムの利用部門の長
イ 経営者 正解
ウ 情報システム部門の長
エ 被監査部門の長
正解 イ
解説
システム監査規程は,監査の目的,権限と責任,監査人の独立性などを定めるもので,監査を受ける部門を含む組織全体に効力が及ぶ。システム監査は経営者の依頼に基づいて行われ,監査人は経営者に報告するので,規程の最終的な承認者は経営者が適切である。イが正しい。
ア,ウ,エの利用部門の長,情報システム部門の長,被監査部門の長は,いずれも監査を受ける側になり得る立場であり,これらの者が監査規程を承認すると監査の独立性が損なわれる。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問21(表記を一部改変)
問22
マスタファイル管理に関するシステム監査項目のうち,可用性に該当するものはどれか。
ア マスタファイルが置かれているサーバを二重化し,耐障害性の向上を図っていること 正解
イ マスタファイルのデータを複数件まとめて検索・加工するための機能が,システムに盛り込まれていること
ウ マスタファイルのメンテナンスは,特権アカウントを付与された者だけに許されていること
エ マスタファイルへのデータ入力チェック機能が,システムに盛り込まれていること
正解 ア
解説
可用性は,必要なときにシステムやデータを使える度合いのこと。マスタファイルが置かれたサーバを二重化しておけば,片方が故障してももう一方で処理を続けられるので,これは可用性に関する監査項目に当たる。アが正しい。
イの検索・加工の機能は業務の効率性に関わる項目。ウの特権アカウントによるメンテナンスの制限は,権限のない者に触らせないという機密性の項目。エの入力チェック機能は,正しいデータだけを登録させるという完全性(正確性)の項目である。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問22(表記を一部改変)
問23
システム管理基準(平成16年)によれば,情報戦略策定段階の成果物はどれか。
ア 関連する他の情報システムと役割を分担し,組織体として最大の効果を上げる機能を実現するために,全体最適化計画との整合性を考慮して策定する開発計画
イ 経営戦略に基づいて組織体全体で整合性及び一貫性を確保した情報化を推進するために,方針及び目標に基づいて策定する全体最適化計画 正解
ウ 情報システムの運用を円滑に行うために,運用設計及び運用管理ルールに基づき,さらに規模,期間,システム特性を考慮して策定する運用手順
エ 組織体として一貫し,効率的な開発作業を確実に遂行するために,組織体として標準化された開発方法に基づいて策定する開発手順
正解 イ
解説
システム管理基準(平成16年)は,情報戦略の策定段階で,経営戦略に基づいて組織体全体で整合性及び一貫性を確保した情報化を推進するため,方針及び目標に基づいて全体最適化計画を策定することを求めている。全体最適化計画が情報戦略策定段階の成果物に当たるので,イが正しい。
アの全体最適化計画との整合性を考慮した開発計画とエの標準化された開発方法に基づく開発手順は企画業務や開発業務の段階,ウの運用設計及び運用管理ルールに基づく運用手順は運用業務の段階で作成するものである。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問23(表記を一部改変)
問24
EMS(electronics manufacturing services)の説明として,適切なものはどれか。
ア 相手先ブランドで販売する電子機器の設計だけを受託し,製造は相手先で行う。
イ 外部から調達した電子機器に付加価値を加えて,自社ブランドで販売する。
ウ 自社ブランドで販売する電子機器のソフトウェア開発だけを外部に委託し,ハードウェアは自社で設計製造する。
エ 生産設備をもつ企業が,他社からの委託を受けて電子機器を製造する。 正解
正解 エ
解説
EMS は,自社で生産設備をもつ企業が,他社のブランドで販売される電子機器の製造を受託するサービス。複数社の製品をまとめて生産することで規模の経済を働かせ,委託側は生産設備を持たずに済む。
アは設計だけを受託しており製造を行っていない点で誤り。イは自社ブランド販売,ウは自社製造なので,いずれも受託製造ではない。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問24(表記を一部改変)
問25
情報システムの調達の際に作成される RFI の説明はどれか。
ア 調達者から供給者候補に対して,システム化の目的や業務内容などを示し,必要な情報の提供を依頼すること 正解
イ 調達者から供給者候補に対して,対象システムや調達条件などを示し,提案書の提出を依頼すること
ウ 調達者から供給者に対して,契約内容で取り決めた内容に関して,変更を要請すること
エ 調達者から供給者に対して,双方の役割分担などを確認し,契約の締結を要請すること
正解 ア
解説
RFI(Request For Information,情報提供依頼書)は,調達の検討段階で,実現手段や技術動向などの情報提供をベンダに依頼する文書。提案を求める前の情報収集が目的。
イは RFP(提案依頼書)の説明。ウとエは契約変更や契約締結に関するもので,いずれも RFI ではない。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問25(表記を一部改変)
問26
PPM において,投資用の資金源として位置付けられる事業はどれか。
ア 市場成長率が高く,相対的市場占有率が高い事業
イ 市場成長率が高く,相対的市場占有率が低い事業
ウ 市場成長率が低く,相対的市場占有率が高い事業 正解
エ 市場成長率が低く,相対的市場占有率が低い事業
正解 ウ
解説
PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)では,市場成長率と相対的市場占有率の2軸で事業を四つに分ける。市場成長率が低く相対的市場占有率が高い「金のなる木」は,追加投資が少なくて済むうえ大きな資金を生むので,他の事業への投資用の資金源として位置付けられる。ウが正しい。
アは「花形」で,資金は生むが成長に合わせた投資も必要になる。イは「問題児」で,資金を投入して花形に育てるか撤退するかを判断する対象。エは「負け犬」で,撤退を検討する対象である。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問26(表記を一部改変)
問27
現在の動向から未来を予測したり,システム分析に使用したりする手法であり,専門的知識や経験を有する複数の人にアンケート調査を行い,その結果を互いに参照した上で調査を繰り返して,集団としての意見を収束させる手法はどれか。
ア 因果関係分析法
イ クロスセクション法
ウ 時系列回帰分析法
エ デルファイ法 正解
正解 エ
解説
デルファイ法は,専門的な知識や経験をもつ複数の人に同じ質問のアンケートを繰り返し,前回の全体の回答傾向を示しながら答え直してもらうことで,集団としての意見を収束させる予測手法。匿名で行うため,立場や声の大きさに引きずられにくい。エが正しい。
アの因果関係分析法は原因と結果の関係をたどって分析する手法,イのクロスセクション法は同時点の複数のデータを横断的に比較する手法,ウの時系列回帰分析法は過去の時系列データに回帰式を当てはめて先を読む手法である。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問27(表記を一部改変)
問28
図は,製品 A の構成部品を示し,括弧内の数字は上位の製品・部品1個当たりの所要数量である。この製品 A を 10 個生産する場合,部品 C は,少なくとも何個発注する必要があるか。ここで,現在の部品 B の在庫は0個,部品 C の在庫は5個である。
正解 ウ
解説
製品 A を 10 個作るには,部品 B が 2×10=20 個,A に直接使う部品 C が 1×10=10 個必要になる。部品 B の在庫は 0 個なので B は 20 個作る必要があり,B 1個に C を1個使うので,B のために C が 20 個必要になる。
部品 C の総所要量は 10+20=30 個で,在庫の 5 個を引くと,少なくとも 25 個を発注する必要がある。ウが正しい。B の中に含まれる C を見落とすと 10−5=5 個,在庫を引かないと 30 個(エ)と誤る。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問28(表記を一部改変)
問29
取得原価 30 万円の PC を2年間使用した後,廃棄処分し,廃棄費用2万円を現金で支払った。このときの固定資産の除却損は廃棄費用も含めて何万円か。ここで,耐用年数は4年,減価償却方法は定額法,定額法の償却率は 0.250,残存価額は0円とする。
正解 エ
解説
定額法の減価償却費は,取得原価×償却率=30万円×0.250=7.5万円/年である。2年間使用したので減価償却累計額は 15万円となり,廃棄時点の帳簿価額は 30−15=15万円になる。
廃棄すると帳簿価額の 15万円が除却損となり,廃棄費用の 2万円も含めると 17.0万円である。エが正しい。廃棄費用を含めないと 15.0万円(ウ)になる。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問29(表記を一部改変)
問30
企業の Web サイトに接続して Web ページを改ざんし,システムの使用目的に反する動作をさせて業務を妨害する行為を処罰の対象とする法律はどれか。
ア 刑法 正解
イ 特定商取引法
ウ 不正競争防止法
エ プロバイダ責任制限法
正解 ア
解説
Web ページを改ざんしてシステムに使用目的に反する動作をさせ,業務を妨害する行為は,刑法 234 条の 2 の電子計算機損壊等業務妨害罪に当たる。
イの特定商取引法は通信販売や訪問販売などの取引を規制する法律,ウの不正競争防止法は営業秘密の侵害や模倣品などを規制する法律,エのプロバイダ責任制限法はプロバイダの損害賠償責任の制限と発信者情報の開示について定めた法律であり,いずれもこの行為を処罰する根拠にはならない。
出典:平成30年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問30(表記を一部改変)
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