平成26年度 春期に実施された高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通
午前Ⅰの全30問です。問題文・正解・解説をそのまま読めます。
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問1
2進数で表現すると無限小数になる10進小数はどれか。
ア 0.375
イ 0.45 正解
ウ 0.625
エ 0.75
正解 イ
解説
10進小数を2進数で有限桁に表せるのは,分母が2のべき乗の分数に直せる場合だけである。0.375=3/8,0.625=5/8,0.75=3/4 はいずれも分母が2のべき乗なので,それぞれ 0.011,0.101,0.11 と有限小数になる。
0.45=9/20 は分母に5が残り,2のべき乗にできない。2倍して整数部を取り出す操作を続けると 0.45→0.9→1.8→1.6→1.2→0.4→0.8→1.6… と繰り返しになり,0.0111001100… の無限小数になる。イが正しい。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問1(表記を一部改変)
問2
表は,入力記号の集合が {0,1},状態集合が {a,b,c,d} である有限オートマトンの状態遷移表である。長さ3以上の任意のビット列を左(上位ビット)から順に読み込んで最後が 110 で終わっているものを受理するには,どの状態を受理状態とすればよいか。
正解 ウ
解説
初期状態 a から 110 を読むと,1 で b,1 で d,0 で c へ遷移して c にたどり着く。d や c の状態から読み始めても,1,1,0 の3文字を読めば同じく c に到達する。110 を読み終えたときに必ず入る状態は c だけなので,受理状態とすべきはウの c になる。
他の選択肢では 110 で終わる列を受理できない。表で 0 を読んで到達できるのは a と c だけなので,末尾が 0 の列を受理するにはこの二つのどちらかである必要があり,イの b とエの d は初めから当てはまらない。アの a に 0 で入るのは直前が a のときで,これは 110 の並びとは対応しない。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問2(表記を一部改変)
問3
記憶領域を管理するアルゴリズムのうち,ベストフィット方式の特徴として,適切なものはどれか。
ア 空きブロック群のうち,アドレスが下位のブロックを高い頻度で使用するので,アドレスが上位の方に大きな空きブロックが残る傾向にある。
イ 空きブロック群のうち,要求された大きさを満たす最小のものを割り当てるので,最終的には小さな空きブロックが多数残る傾向にある。 正解
ウ 空きブロックの検索にハッシュ関数を使用しているので,高速に検索することができる。
エ 空きブロックをアドレスの昇順に管理しているので,隣接する空きブロックを簡単に見つけられ,より大きな空きブロックにまとめることができる。
正解 イ
解説
ベストフィット方式は,要求された大きさを満たす空きブロックのうち,最も小さいものを割り当てる方式である。無駄になる部分は少なくて済むが,割り当てた後に残るすき間はごく小さくなるので,使い道のない小さな空きブロックが多数残る傾向がある。イが適切である。
アは空きブロックを先頭(下位アドレス)から探して最初に見つかったものを割り当てるファーストフィット方式の特徴。ウのハッシュ関数による検索や,エのアドレスの昇順での管理による隣接ブロックの統合は,ベストフィット方式そのものの特徴ではない。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問3(表記を一部改変)
問4
メイン処理,及び表に示す二つの割込み A,B の処理があり,多重割込みが許可されている。割込み A,B が図のタイミングで発生するとき,0ミリ秒から5ミリ秒までの間にメイン処理が利用できる CPU 時間は何ミリ秒か。ここで,割込み処理の呼出し及び復帰に伴うオーバヘッドは無視できるものとする。
正解 ア
解説
優先度の高い割込み A は,割込み B の処理中でも割り込んで先に実行される。0ミリ秒に B が発生し 0〜1 ミリ秒を処理したところで,1ミリ秒に A が割り込み 1〜1.5 ミリ秒を処理する。B は残りの 0.5 ミリ秒を 1.5〜2 ミリ秒で処理して終わる。
続いて 2〜2.5 ミリ秒はメイン処理,2.5〜3 ミリ秒は A,3〜3.5 ミリ秒はメイン処理,3.5〜4 ミリ秒は A,4〜5 ミリ秒はメイン処理となり,5ミリ秒に B が発生する。メイン処理が利用できる時間は 0.5+0.5+1=2 ミリ秒で,アが正しい。多重割込みを考えずに処理時間を単純に引くと,5−(1.5+0.5×3)=2 となり結果は同じだが,途中の順序を追うと割込みの重なりを確かめられる。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問4(表記を一部改変)
問5
システムの信頼性指標に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア MTBF と MTTR は,稼働率が 0.5 のときに等しくなる。 正解
イ MTBF は,システムが故障してから復旧するまでの平均時間を示す。
ウ MTTR は,MTBF に稼働率を掛けると求めることができる。
エ MTTR は,システムに発生する故障と故障の間隔の平均時間を示す。
正解 ア
解説
稼働率は MTBF÷(MTBF+MTTR) で求める。MTBF=MTTR なら MTBF÷(2×MTBF)=0.5 となるので,稼働率 0.5 のとき MTBF と MTTR は等しい。アが適切である。
イは誤りで,故障から復旧までの平均時間は MTTR(平均修理時間)。エは誤りで,故障と故障の間隔の平均は MTBF(平均故障間隔)であり,イとエは説明が入れ替わっている。ウは誤りで,MTBF に稼働率を掛けても MTTR にはならない(MTTR=MTBF×(1−稼働率)÷稼働率 の関係になる)。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問5(表記を一部改変)
問6
OS のプロセス制御におけるプリエンプティブ方式に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア 各プロセスがシステム資源を自主管理できるので,マルチプログラミングに向いている。
イ ノンプリエンプティブ方式に比べて,コンテキスト切替えのためのオーバヘッドが小さい。
ウ ノンプリエンプティブ方式に比べて,特定のプロセスがプロセッサを独占することが多い。
エ プリエンプティブ方式を実現するには,OS がプロセスを強制的に切り替えて実行する機構が必要になる。 正解
正解 エ
解説
プリエンプティブ方式は,実行中のプロセスから OS が強制的に CPU を取り上げ,優先度の高いプロセスなどに切り替える方式である。そのため,タイマ割込みなどを使って OS がプロセスを強制的に切り替える機構が必要になる。エが適切である。
アは誤りで,資源を管理するのは OS であり,各プロセスが自主的に CPU を明け渡すのはノンプリエンプティブ方式の考え方である。イは誤りで,強制的な切替えが多い分,コンテキスト切替えのオーバヘッドは大きくなる。ウは誤りで,特定のプロセスが CPU を独占しやすいのは,プロセスが自ら明け渡すまで切り替わらないノンプリエンプティブ方式である。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問6(表記を一部改変)
問7
NAND 素子を用いた次の組合せ回路の出力 Z を表す式はどれか。ここで,論理式中の“・”は論理積,“+”は論理和,“X̅”は X の否定を表す。
ア X・Y
イ X+Y 正解
ウ X̅・̅Y̅
エ X̅+̅Y̅
正解 イ
解説
NAND 素子の二つの入力に同じ信号を入れると,否定(NOT)として働く。上の NAND 素子の出力は X̅,下の NAND 素子の出力は Y̅ になる。
出力段の NAND 素子は X̅ と Y̅ の論理積の否定を出すので,ド・モルガンの法則により NOT(X̅・Y̅)=X+Y となる。イが正しい。NAND 素子だけで OR 回路を組み立てられることを示す例である。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問7(表記を一部改変)
問8
UML を用いて表した部門と社員の関係を表すデータモデルの説明のうち,適切なものはどれか。
ア 社員が1人も所属していない部門は登録できない。
イ 社員は複数の部門に所属することができる。
ウ どの部門にも所属しない社員は登録できない。 正解
エ 一つの部門に複数の社員は所属できない。
正解 ウ
解説
UML の多重度は,関連の相手側から見て何個のインスタンスが対応するかを表す。社員から見た部門側の多重度が 1 なので,社員は必ずちょうど一つの部門に所属する。したがって,どの部門にも所属しない社員は登録できず,ウが適切である。
部門から見た社員側の多重度は *(0以上)なので,社員が1人もいない部門も登録でき,一つの部門に複数の社員が所属することもできる。ア,エは誤り。イは部門側が 1 なので,社員が複数の部門に所属することはできず誤りである。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問8(表記を一部改変)
問9
分散データベースにおいて図のようなコマンドシーケンスがあった。調停者がシーケンス a で発行したコマンドはどれか。ここで,コマンドシーケンスの記述に UML のシーケンス図の記法を用いる。
ア COMMIT の実行要求
イ ROLLBACK の実行要求 正解
ウ 判定レコードの書出し要求
エ ログ書出しの実行要求
正解 イ
解説
図は分散データベースの2相コミットの手順を表している。第1相で調停者が各システムに COMMIT の可否を問い合わせ,全てのシステムから“可”が返れば第2相で COMMIT を,一つでも“否”があれば全てのシステムに ROLLBACK を指示して,更新の結果をそろえる。
システム2から“否”が返っているので,調停者がシーケンス a で発行するのは ROLLBACK の実行要求であり,イが正しい。アの COMMIT の実行要求は,全てのシステムが“可”と応答した場合に発行する。ウの判定レコードの書出しやエのログ書出しは,各システムや調停者が内部で行う処理で,a のコマンドではない。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問9(表記を一部改変)
問10
トランザクションの原子性(atomicity)の説明として,適切なものはどれか。
ア データの物理的格納場所やアプリケーションプログラムの実行場所を意識することなくトランザクション処理が行える。
イ トランザクションが終了したときの状態は,処理済みか未処理のどちらかしかない。 正解
ウ トランザクション処理においてデータベースの一貫性が保てる。
エ 複数のトランザクションを同時に処理した場合でも,個々の処理結果は正しい。
正解 イ
解説
トランザクションの原子性(Atomicity)は,トランザクション内の処理が全て実行されるか,全く実行されないかのどちらかであるという性質で,終了したときの状態は“処理済み”か“未処理”のいずれかになる。イが適切である。
アはデータの格納場所や実行場所を意識せずに処理できる分散データベースの透過性。ウのデータベースの一貫性が保たれるのは一貫性(Consistency)。エの複数のトランザクションを同時に処理しても個々の結果が正しいのは独立性(Isolation)の説明である。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問10(表記を一部改変)
問11
TCP/IP の環境で使用されるプロトコルのうち,構成機器や障害時の情報収集を行うために使用されるネットワーク管理プロトコルはどれか。
正解 エ
解説
SNMP(Simple Network Management Protocol)は,ルータやスイッチなどのネットワーク機器の構成情報や稼働状況を収集し,障害を検知すると通知(トラップ)を受け取れるようにするネットワーク管理プロトコルである。エが正しい。
アの NNTP はネットニュースの記事を配信・取得するプロトコル,イの NTP は機器の時刻を同期させるプロトコル,ウの SMTP は電子メールを送信・転送するプロトコルである。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問11(表記を一部改変)
問12
認証局が侵入され,攻撃者によって不正な Web サイト用のディジタル証明書が複数発行されたおそれがある。どのディジタル証明書が不正に発行されたものか分からない場合,誤って不正に発行されたディジタル証明書を用いた Web サイトにアクセスしないために利用者側で実施すべき対策はどれか。
ア Web サイトのディジタル証明書の有効期限が過ぎている場合だけアクセスを中止する。
イ Web サイトへのアクセスログを確認し,ドメインが Whois データベースに登録されていない場合だけアクセスする。
ウ 当該認証局の CP(Certificate Policy)の内容を確認し,セキュリティを考慮している内容である場合だけアクセスする。
エ ブラウザで当該認証局を信頼していない状態に設定し,Web サイトのディジタル証明書に関するエラーが出た場合はアクセスを中止する。 正解
正解 エ
解説
認証局が侵入されて不正な証明書が発行されると,その証明書は正規の認証局の署名をもつので,ブラウザは正当な証明書として扱ってしまう。どれが不正なものか分からない場合は,ブラウザでその認証局を信頼しない設定にすれば,その認証局が発行した証明書を使う Web サイトにアクセスしたときに証明書のエラーが表示されるので,アクセスを中止できる。エが適切である。
アの有効期限による判断では,期限内の不正な証明書を見分けられない。イの Whois データベースへの登録の有無は,証明書が不正に発行されたかどうかとは関係がない。ウの CP の内容は認証局の運用方針を示すもので,侵入によって発行された個々の証明書の正当性を確かめる手段にならない。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問12(表記を一部改変)
問13
安全な Web アプリケーションの作り方について,攻撃と対策の適切な組合せはどれか。
ア 攻撃:SQL インジェクション 対策:SQL 文の組立てに静的プレースホルダを使用する。 正解
イ 攻撃:クロスサイトスクリプティング 対策:任意の外部サイトのスタイルシートを取り込めるようにする。
ウ 攻撃:クロスサイトリクエストフォージェリ 対策:リクエストに GET メソッドを使用する。
エ 攻撃:セッションハイジャック 対策:利用者ごとに固定のセッション ID を使用する。
正解 ア
解説
SQL インジェクションは,入力値に SQL の一部を紛れ込ませて意図しない SQL 文を実行させる攻撃である。静的プレースホルダを使うと,SQL 文の構造があらかじめ確定し,入力値は常に値として扱われるので,攻撃を根本的に防げる。アが適切である。
イは誤りで,任意の外部サイトのスタイルシートを取り込めるようにすると,かえってクロスサイトスクリプティングなどの危険が増す。ウは誤りで,クロスサイトリクエストフォージェリの対策は秘密のトークンの確認などであり,GET メソッドを使うことは対策にならない。エは誤りで,セッション ID を固定するとセッションハイジャックの危険が高まり,ログイン後に新しいセッション ID を発行するなどの対策が必要である。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問13(表記を一部改変)
問14
ディジタルフォレンジックスの説明として,適切なものはどれか。
ア あらかじめ設定した運用基準に従って,メールサーバを通過する送受信メールをフィルタリングすること
イ サーバに対する外部からの攻撃や不正なアクセスを防御すること
ウ 磁気ディスクなどの書換え可能な記憶媒体を単に初期化するだけではデータを復元できる可能性があるので,任意のデータ列で上書きすること
エ 不正アクセスなどコンピュータに関する犯罪の法的な証拠性を確保できるように,原因究明に必要な情報の保全,収集,分析をすること 正解
正解 エ
解説
ディジタルフォレンジックスは,不正アクセスなどのコンピュータに関する犯罪や事故が起きたときに,法的な証拠として使えるよう,原因究明に必要な情報を保全し,収集,分析する技術や手続である。エが適切である。
アは送受信メールのフィルタリング,イはファイアウォールや IDS などによる攻撃の防御,ウは記憶媒体のデータを復元できないように上書きするデータ消去の説明である。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問14(表記を一部改変)
問15
SSH の説明はどれか。
ア MIME を拡張した電子メールの暗号化とディジタル署名に関する標準
イ オンラインショッピングで安全にクレジット決済を行うための仕様
ウ 対称暗号技術と非対称暗号技術を併用した電子メールの暗号化,復号の機能をもつ電子メールソフト
エ リモートログインやリモートファイルコピーのセキュリティを強化したツール及びプロトコル 正解
正解 エ
解説
SSH(Secure Shell)は,ネットワークを介したリモートログインやファイルのコピーを,暗号化と認証によって安全に行うためのツール及びプロトコルである。telnet や rlogin,rcp などの代わりに使われる。エが正しい。
アは電子メールの暗号化とディジタル署名の標準である S/MIME,イはクレジット決済を安全に行うための仕様である SET,ウは共通鍵暗号と公開鍵暗号を併用して電子メールを暗号化するソフトウェアである PGP の説明である。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問15(表記を一部改変)
問16
ソフトウェアの使用性を向上させる施策として,適切なものはどれか。
ア オンラインヘルプを充実させ,利用方法を理解しやすくする。 正解
イ 外部インタフェースを見直し,連携できる他システムを増やす。
ウ 機能を追加し,業務においてシステムが利用できる範囲を拡大する。
エ ファイルを分散して配置し,障害によるシステム停止のリスクを減らす。
正解 ア
解説
使用性(ユーザビリティ)は,利用者がソフトウェアを理解し,習得し,操作しやすい度合いを表す品質特性である。オンラインヘルプを充実させて利用方法を理解しやすくすることは使用性の向上に当たるので,アが適切である。
イの連携できる他システムを増やすことは相互運用性(互換性),ウの機能を追加して利用できる範囲を広げることは機能性(機能適合性),エのファイルを分散配置して障害時の停止リスクを減らすことは信頼性(可用性)を向上させる施策である。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問16(表記を一部改変)
問17
マッシュアップに該当するものはどれか。
ア 既存のプログラムから,そのプログラムの仕様を導き出す。
イ 既存のプログラムを部品化し,それらの部品を組み合わせて,新規プログラムを開発する。
ウ クラスライブラリを利用して,新規プログラムを開発する。
エ 公開されている複数のサービスを利用して,新たなサービスを提供する。 正解
正解 エ
解説
マッシュアップは,Web API などで公開されている複数のサービスを組み合わせて,新しいサービスを作り出す手法である。例えば地図サービスと店舗情報のサービスを組み合わせて,店舗の場所を地図に示すサービスを作る。エが正しい。
アは既存のプログラムを解析して仕様を導き出すリバースエンジニアリング。イは既存のプログラムを部品化して組み合わせるソフトウェア部品の再利用,ウはクラスライブラリを使った開発で,いずれも自組織のプログラム資産を再利用する方法であり,外部に公開されたサービスを組み合わせるマッシュアップとは異なる。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問17(表記を一部改変)
問18
システム開発のプロジェクトにおいて,EVM を活用したパフォーマンス管理をしている。開発途中のある時点で CV(コスト差異)の値が正,SV(スケジュール差異)の値が負であるとき,プロジェクトはどのような状況か。
ア 開発コストが超過し,さらに進捗も遅れているので,双方について改善するための対策が必要である。
イ 開発コストと進捗がともに良好なので,今のパフォーマンスを維持すればよい。
ウ 開発コストは問題ないが,進捗に遅れが出ているので,遅れを改善するための対策が必要である。 正解
エ 進捗は問題ないが,開発コストが超過しているので,コスト効率を改善するための対策が必要である。
正解 ウ
解説
EVM では,CV(コスト差異)=EV−AC,SV(スケジュール差異)=EV−PV で求める。CV が正なら,出来高の価値に対して実際に掛かったコストが少なく,コストは予算内に収まっている。SV が負なら,出来高が計画に届いておらず,進捗が遅れている。
したがって,開発コストは問題ないが進捗が遅れており,その改善策が必要な状況で,ウが正しい。アは CV も負の場合,イは CV と SV がともに正の場合,エは CV が負で SV が正の場合の状況である。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問18(表記を一部改変)
問19
スコープを縮小せずにプロジェクト全体のスケジュールを短縮する技法の一つである“クラッシング”では,メンバの時間外勤務を増やしたり,業務内容に精通したメンバを新たに増員したりする。“クラッシング”を行う際に,優先的に資源を投入すべきスケジュールアクティビティはどれか。
ア 業務の難易度が最も高いスケジュールアクティビティ
イ クリティカルパス上のスケジュールアクティビティ 正解
ウ 資源が確保できる時期に開始するスケジュールアクティビティ
エ 所要期間を最も長く必要とするスケジュールアクティビティ
正解 イ
解説
クラッシングは,資源を追加して作業期間を短縮する技法である。プロジェクト全体の所要期間はクリティカルパスの長さで決まるので,クリティカルパス上にない作業を短縮しても全体の期間は縮まらない。資源はクリティカルパス上のスケジュールアクティビティに優先的に投入すべきで,イが正しい。
アの難易度が最も高いアクティビティ,ウの資源を確保できる時期に始まるアクティビティ,エの所要期間が最も長いアクティビティは,いずれもクリティカルパス上にあるとは限らず,短縮しても全体の期間が変わらないことがある。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問19(表記を一部改変)
問20
データの追加・変更・削除が,少ないながらも一定の頻度で行われるデータベースがある。このデータベースのフルバックアップを磁気テープに取得する時間間隔を今までの2倍にした。このとき,データベースのバックアップ又は復旧に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア フルバックアップ1回当たりの磁気テープ使用量が約2倍になる。
イ フルバックアップ1回当たりの磁気テープ使用量が約半分になる。
ウ フルバックアップ取得の平均実行時間が約2倍になる。
エ ログ情報によって復旧するときの処理時間が平均して約2倍になる。 正解
正解 エ
解説
フルバックアップの間隔を 2 倍にすると,1 回のバックアップから次までにたまるログの量が約 2 倍になる。復旧のときはバックアップを復元してからそのログを反映(ロールフォワード)するので,ログを用いた復旧の平均処理時間が約 2 倍になる。
アとイは誤り。データの追加・変更・削除は少ないのでデータベース自体の大きさはほとんど変わらず,1 回当たりのテープ使用量は変わらない。ウも同じ理由で,フルバックアップの取得時間も変わらない。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問20(表記を一部改変)
問21
システム監査人が負う責任はどれか。
ア 監査結果の外部への開示
イ 監査対象システムの管理
ウ 監査報告会で指摘した問題点の改善
エ 監査報告書に記載した監査意見 正解
正解 エ
解説
システム監査人は,監査の結果に基づいて監査報告書に記載した監査意見(結論,指摘事項,改善提案など)について責任を負う。エが正しい。
アの監査結果を外部に開示するかどうかは,監査を依頼した経営者などが判断する。イの監査対象システムの管理と,ウの指摘した問題点の改善は,監査対象部門(被監査部門)の責任であり,監査人がこれらを行うと独立性を損なう。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問21(表記を一部改変)
問22
営業債権管理業務に関する内部統制のうち,適切なものはどれか。
ア 売掛金回収条件の設定は,営業部門ではなく,審査部門が行っている。 正解
イ 売掛金の消込み入力と承認処理は,販売を担当した営業部門が行っている。
ウ 顧客ごとの与信限度の決定は,審査部門ではなく,営業部門の責任者が行っている。
エ 値引き又は割戻しの処理は,取引先の実態を熟知している営業部門の担当者が行っている。
正解 ア
解説
内部統制では,不正や誤りを防ぐために,業務を担当する部門と,その業務を牽制する部門の職務を分離することが重要である。売掛金の回収条件を,販売を担当する営業部門ではなく審査部門が設定していれば,営業部門が売上を優先して不利な条件で取引することを牽制できる。アが適切である。
イの消込み入力と承認処理,ウの与信限度の決定,エの値引きや割戻しの処理を,いずれも取引を担当する営業部門が自ら行っていると,担当者による不正や誤りを他の部門が発見できず,職務の分離がなされていない。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問22(表記を一部改変)
問23
業務プロセスを可視化する手法として UML を採用した場合の活用シーンはどれか。
ア 対象をエンティティとその属性及びエンティティ間の関連で捉え,データ中心アプローチの表現によって図に示す。
イ データの流れによってプロセスを表現するために,データの発生,吸収の場所,蓄積場所,データの処理をデータの流れを示す矢印でつないで表現する。
ウ 複数の観点でプロセスを表現するために,目的に応じたモデル図法を使用し,オブジェクトモデリングのために標準化された記述ルールで表現する。 正解
エ プロセスの機能を網羅的に表現するために,一つの要件に対して発生する事象を条件分岐の形式で記述する。
正解 ウ
解説
UML はオブジェクト指向のモデリングのために標準化された記法で,クラス図・アクティビティ図・シーケンス図など目的の異なる複数の図を使い分け,同じ対象を複数の観点から表現する。ウが正しい。
アはエンティティと関連で捉える E-R 図によるデータ中心アプローチ,イはデータの流れで表す DFD(データフロー図),エは条件分岐の形で網羅的に記述するデシジョンツリーや決定表の説明で,いずれも UML の図法ではない。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問23(表記を一部改変)
問24
IT 投資効果の評価に用いられる手法のうち,ROI によるものはどれか。
ア 一定期間のキャッシュフローを,時間的変化に割引率を設定して現在価値に換算した上で,キャッシュフローの合計値を求め,その大小で評価する。
イ キャッシュフロー上で初年度の投資によるキャッシュアウトフローが何年後に回収できるかによって評価する。
ウ 金銭価値の時間的変化を考慮して,現在価値に換算されたキャッシュフローの一定期間の合計値がゼロとなるような割引率を求め,その大小で評価する。
エ 投資額を分母に,投資による収益を分子とした比率を算出し,投資に値するかどうかを評価する。 正解
正解 エ
解説
ROI(Return On Investment,投資利益率)は,投資によって得られた収益を投資額で割った比率で,投資に見合う効果があるかを評価する指標である。エが該当する。
アはキャッシュフローを割引率で現在価値に換算して合計する NPV(正味現在価値)法。イは投資額を何年で回収できるかで評価する PBP(回収期間)法。ウは現在価値の合計がゼロになる割引率を求める IRR(内部収益率)法の説明である。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問24(表記を一部改変)
問25
BABOK の説明はどれか。
ア ソフトウェア品質の基本概念,ソフトウェア品質マネジメント,ソフトウェア品質技術の三つのカテゴリから成る知識体系
イ ソフトウェア要求,ソフトウェア設計,ソフトウェア構築,ソフトウェアテスティング,ソフトウェア保守など10の知識エリアから成る知識体系
ウ ビジネスアナリシスの計画とモニタリング,引き出し,要求アナリシス,基礎コンピテンシなど七つの知識エリアから成る知識体系 正解
エ プロジェクトマネジメントに関するスコープ,タイム,コスト,品質,人的資源,コミュニケーション,リスクなど九つの知識エリアから成る知識体系
正解 ウ
解説
BABOK(Business Analysis Body of Knowledge)は,IIBA がまとめたビジネスアナリシスの知識体系で,ビジネスアナリシスの計画とモニタリング,引き出し,要求アナリシス,基礎コンピテンシなどの知識エリアから成る(出題当時の第2版は七つの知識エリア)。ウが正しい。
アはソフトウェア品質の知識体系である SQuBOK,イはソフトウェアエンジニアリングの知識体系である SWEBOK,エはプロジェクトマネジメントの知識体系である PMBOK の説明である。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問25(表記を一部改変)
問26
ダイバーシティマネジメントの説明はどれか。
ア 従業員が仕事と生活の調和を図り,やりがいをもって業務に取り組み,組織の活力を向上させることである。
イ 性別や年齢,国籍などの面で従業員の多様性を尊重することによって,組織の活力を向上させることである。 正解
ウ 自ら設定した目標の達成を目指して従業員が主体的に業務に取り組み,その達成度に応じて評価が行われることである。
エ 労使双方が労働条件についての合意を形成し,協調して収益の増大を目指すことである。
正解 イ
解説
ダイバーシティマネジメントは,性別,年齢,国籍,障害の有無,価値観など,従業員の多様性を尊重して積極的に生かすことで,組織の創造性や活力を高めようとする取組みである。イが該当する。
アは仕事と生活の調和を図るワークライフバランス,ウは自ら設定した目標の達成度で評価する目標管理制度(MBO),エは労使が協調して労働条件を合意し収益の増大を目指す労使協調の説明である。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問26(表記を一部改変)
問27
バリューチェーンによる分類はどれか。
ア 競争要因を,新規参入の脅威,サプライヤの交渉力,買い手の交渉力,代替商品の脅威,競合企業の五つのカテゴリに分類する。
イ 業務を,購買物流,製造,出荷物流,販売・マーケティング,サービスという五つの主活動と,人事・労務管理などの四つの支援活動に分類する。 正解
ウ 事業の成長戦略を,製品(既存・新規)と市場(既存・新規)の2軸を用いて,市場浸透,市場開発,製品開発,多角化の4象限のマトリックスに分類する。
エ 製品を,市場の魅力度と自社の強みの2軸を用いて,花形,金のなる木,問題児,負け犬の4象限のマトリックスに分類する。
正解 イ
解説
バリューチェーン(価値連鎖)は,M.E.ポーターが提唱した考え方で,企業の活動を購買物流,製造,出荷物流,販売・マーケティング,サービスの五つの主活動と,全般管理,人事・労務管理,技術開発,調達の四つの支援活動に分類し,どの活動で価値が生み出されているかを分析する。イが正しい。
アは業界の競争要因を五つに分けるファイブフォース分析,ウは製品と市場の2軸で成長戦略を分類するアンゾフの成長マトリクス,エは製品や事業を4象限に分類する PPM の考え方(軸を市場の魅力度と自社の強みとするのは GE のビジネススクリーンの軸)である。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問27(表記を一部改変)
問28
“技術の S カーブ”の説明として,適切なものはどれか。
ア 技術の期待感の推移を表すものであり,黎明期,流行期,反動期,回復期,安定期に分類される。
イ 技術の進歩の過程を表すものであり,当初は緩やかに進歩するが,やがて急激に進歩し,成熟期を迎えると進歩は停滞気味になる。 正解
ウ 工業製品において生産量と生産性の関係を表すものであり,生産量の累積数が増加するほど生産性は向上する傾向にある。
エ 工業製品の故障発生の傾向を表すものであり,初期故障期間では故障率は高くなるが,その後の偶発故障期間での故障率は低くなり,製品寿命に近づく摩耗故障期間では故障率は高くなる。
正解 イ
解説
技術の S カーブは,技術の進歩の過程を表す曲線で,初めは研究開発に努力を注いでも性能の向上は緩やかだが,ある時点から急速に進歩し,成熟期に入ると限界に近づいて進歩が停滞する。進歩を時間に対して描くと S 字形になることからこう呼ばれる。イが適切である。
アは技術に対する期待の変化を表すハイプサイクル,ウは累積生産量が増えるほど単位当たりのコストが下がり生産性が向上する経験曲線(学習曲線),エは故障率の時間的変化を表すバスタブ曲線の説明である。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問28(表記を一部改変)
問29
職能部門別組織を説明したものはどれか。
ア 業務遂行に必要な機能と利益責任を,製品別,顧客別又は地域別にもつことによって,自己完結的な経営活動が展開できる組織である。
イ 構成員が,自己の専門とする職能部門と特定の事業を遂行する部門の両方に所属する組織である。
ウ 購買・生産・販売・財務などの仕事の特性によって,部門を編成した組織である。 正解
エ 特定の問題を解決するために各部門から専門家を集めて編成し,期間と目標を定めて活動する一時的かつ柔軟な組織である。
正解 ウ
解説
職能部門別組織(機能別組織)は,購買,生産,販売,財務など,仕事の機能(職能)ごとに部門を編成した組織である。専門性を高めやすく規模の経済を生かせるが,部門間の調整に手間が掛かる。ウが正しい。
アは製品別,顧客別,地域別に利益責任をもつ事業部を置く事業部制組織,イは職能部門と事業部門の両方に所属するマトリックス組織,エは特定の課題のために各部門から専門家を集めて一時的に編成するプロジェクト組織の説明である。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問29(表記を一部改変)
問30
労働者派遣法に基づいた労働者の派遣において,労働者派遣契約の関係が存在するのはどの当事者の間か。
ア 派遣先事業主と派遣労働者
イ 派遣先責任者と派遣労働者
ウ 派遣元事業主と派遣先事業主 正解
エ 派遣元事業主と派遣労働者
正解 ウ
解説
労働者派遣では,派遣元事業主と派遣先事業主の間で労働者派遣契約を結び,派遣元事業主と派遣労働者の間には雇用関係,派遣先事業主と派遣労働者の間には指揮命令関係がある(労働者派遣法第2条,第26条)。労働者派遣契約の関係が存在するのは派遣元事業主と派遣先事業主の間で,ウが正しい。
エの派遣元事業主と派遣労働者の間にあるのは雇用契約である。アの派遣先事業主と派遣労働者の間には,契約関係はなく指揮命令関係だけがある。イの派遣先責任者は,派遣先で派遣労働者の管理などを行うために選任される者で,契約の当事者ではない。
出典:平成26年度 春期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問30(表記を一部改変)
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