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高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通

令和7年度 秋期 科目A-1(午前Ⅰ)

令和7年度 秋期に実施された高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ(2026年度からの科目A-1)の全30問に,運営者が独自に書いた解説を付けています。正解の理由に加えて,多くの問題でほかの選択肢がなぜ誤りなのかも説明しています。

この試験について:科目A-1(午前Ⅰ・高度試験 共通)について

この年度を解く(受ける試験区分を選ぶ)

問1

コンピュータによる伝票処理システムがある。このシステムは,伝票データをためる待ち行列をもち,M/M/1 の待ち行列モデルが適用できるものとする。平均待ち時間が T 秒以上となるのは,システムの利用率が少なくとも何%以上となったときか。ここで,伝票データをためる待ち行列の特徴は次のとおりである。

正解 イ

解説

M/M/1 では平均待ち時間=平均処理時間×ρ/(1−ρ)(ρ は利用率)で表せる。1件の処理時間の平均が T 秒なので,平均待ち時間が T 秒以上になるのは ρ/(1−ρ)≧1 のとき。これを解くと ρ≧1−ρ,すなわち ρ≧0.5 となり,利用率50%以上。イが正しい。

利用率が50%のとき待ち時間はちょうど T と等しくなり,それを超えると待つ時間のほうが処理時間より長くなる。ウの67%では 0.67/0.33 で約2倍,エの80%では0.8/0.2 で4倍まで伸びる。アの33%では約0.5倍で T に届かない。

M/M/1 の待ち時間と利用率 M/M/1 の平均待ち時間は 平均処理時間×ρ÷(1−ρ)(ρ は利用率)。ρ=0.5 で係数が1になり,待ち時間が処理時間と同じになる。ρ=0.67 で2倍,0.8 で4倍,0.9 で9倍と,1に近づくと急に長くなる。 0.5 → 1倍 0.8 → 4倍 0.9 → 9倍 1 利用率 ρ ρ÷(1−ρ)(待ち時間 ÷ 処理時間)
利用率が50%を超えると待ち時間が処理時間を超え,1に近づくと急増する

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問1(表記を一部改変)

問2

AI における機械学習において,2クラス分類モデルの評価方法の一つである ROC 曲線で用いられる偽陽性率の説明として,最も適切なものはどれか。ここで,分類されるデータには正しいものと間違っているものが含まれるものとする。

正解 イ

解説

ROC 曲線は,横軸に偽陽性率,縦軸に真陽性率をとって分類モデルの性能を表す。“正しい”を陽性とすると,偽陽性率は,実際には“間違い”(陰性)であるデータのうち,誤って“正しい”(陽性)と予測したものの割合で,偽陽性の件数÷(偽陽性+真陰性の件数) で求める。イが該当する。

アは“間違い”と予測したデータを分母にしており,偽陽性率ではない(陰性と予測したものに含まれる見逃しの割合)。ウは実際に“間違い”のデータを正しく“間違い”と予測した割合で,特異度(真陰性率)に当たり,1 から引くと偽陽性率になる。エは全データに対する予測の誤りの割合で,誤分類率(1−正解率)である。

ROC 曲線と偽陽性率 “正しい”を陽性とする。真陽性率は,実際に正しいデータのうち正しいと予測できた割合 TP÷(TP+FN)。偽陽性率は,実際は間違いのデータのうち誤って正しいと予測した割合 FP÷(FP+TN)。判定のしきい値を変えながら,横軸に偽陽性率,縦軸に真陽性率を描いたのが ROC 曲線で,左上に寄るほど(曲線の下の面積 AUC が1に近いほど)よいモデル。 予測 正しい 間違い 正 TP FN 誤 FP TN 実際 真陽性率=TP÷(TP+FN) 偽陽性率=FP÷(FP+TN) 偽陽性率 真陽性率 でたらめ 左上に寄るほどよい(AUC)
偽陽性率の分母は「実際は間違い(陰性)」のデータ

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問2(表記を一部改変)

問3

異なる n 個のデータが昇順に整列された表がある。この表を m 個のデータごとのブロックに分割し,各ブロックの最後尾のデータだけを線形探索することによって,目的のデータの存在するブロックを探し出す。次に,当該ブロック内を線形探索して目的のデータを探し出す。このときの平均比較回数を表す式はどれか。ここで,m は十分に大きく,n は m の倍数とし,目的のデータは必ず表の中に存在するものとする。

正解 イ

解説

表は n/m 個のブロックに分かれる。まず各ブロックの最後尾を先頭から線形探索するので,目的のブロックに着くまでの比較回数は平均で (n/m)/2=n/(2m) 回になる。次にそのブロック内の m 個を線形探索するので,平均 m/2 回の比較が加わる。

合計の平均比較回数は m/2+n/(2m) で,イが正しい。m が十分に大きいので,線形探索の平均回数を (個数+1)/2 ではなく 個数/2 で近似している。アとウはブロック内・ブロック間の探索を平均でなく全件の回数で数えたもの,エはブロック内の探索を数えていない。

ブロックに分けた探索の平均比較回数 昇順に並んだ n 個を m 個ずつのブロックに分けると,ブロックは n/m 個。まず各ブロックの最後尾だけを先頭から調べて,目的のブロックを見つける(平均 n/(2m) 回)。次にそのブロックの m 個を調べる(平均 m/2 回)。合計 m/2 + n/(2m)。 ブロック1 ブロック2 ブロック3 ブロック4 ブロック5 ① 最後尾(塗ったマス)だけを先頭から ① ブロックは n/m 個 → 平均 n/(2m) 回 ② 見つけたブロックの m 個の中 → 平均 m/2 回 平均 = m/2 + n/(2m)
最後尾をたどる回数と,ブロックの中を調べる回数を足す

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問3(表記を一部改変)

問4

プロセッサの高速化技法の一つとして,同時に実行可能な複数の動作を,コンパイルの段階でまとめて一つの複合命令とし,高速化を図る方式はどれか。

正解 エ

解説

VLIW(Very Long Instruction Word)は,同時に実行できる複数の命令をコンパイラが解析し,一つの長い複合命令にまとめておく方式。並列に実行できるかどうかの判断を実行時ではなくコンパイル時に済ませるので,プロセッサの制御回路を単純にしたまま並列実行による高速化を図れる。エが該当する。

アの CISC は複雑で多機能な命令を多数備えるアーキテクチャ,ウの RISC は命令を単純な固定長のものに絞り,パイプライン処理で高速化するアーキテクチャで,いずれも命令をコンパイル時にまとめる方式ではない。イの MIMD は複数のプロセッサがそれぞれ別の命令を別のデータに対して実行する並列処理の分類(フリンの分類)である。

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問4(表記を一部改変)

問5

キャパシティプランニングの目的の一つに関する記述のうち,最も適切なものはどれか。

正解 イ

解説

キャパシティプランニングは,将来の業務量の増加を見込んで必要な資源をあらかじめ計画する活動。現在の応答時間を把握して長期的に監視し,将来にわたって必要な性能を保てるようにするのが目的の一つになる。イが正しい。

アのボトルネックだけに着目した変更や,ウのチューニングによるスループット向上は,いま起きている性能問題を改善する活動であって,先を見越した計画ではない。エは「パフォーマンスの問題はリソースの過剰使用によって発生する」と原因を一つに決めつけており,キャパシティプランニングの目的の説明としては適切でない。

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問5(表記を一部改変)

問6

4ブロックのキャッシュメモリ C0〜C3 が表に示す状態である。ここで,新たに別のブロックの内容をキャッシュメモリにロードする必要が生じたとき,C2 のブロックを置換の対象とするアルゴリズムはどれか。

キャッシュメモリの状態の表。列はキャッシュメモリ,ロード時刻(分:秒),最終参照時刻(分:秒),参照回数。C0 はロード時刻 0:00,最終参照時刻 0:08,参照回数 10。C1 は 0:03,0:06,1。C2 は 0:04,0:05,3。C3 は 0:05,0:10,5。

正解 エ

解説

C2 のブロックに当てはまる特徴を表から探す。最終参照時刻が 0:05 で4ブロックの中で最も古いので,最も長い間参照されていないブロックを置き換える LRU(Least Recently Used)なら C2 が対象になる。エが正しい。

アの FIFO は最も早くロードされたブロックを置き換えるので,ロード時刻 0:00 の C0 が対象。イの LFU は参照回数が最も少ないブロックを置き換えるので,参照回数1の C1 が対象。ウの LIFO は最も新しくロードされたブロックを置き換えるので,ロード時刻 0:05 の C3 が対象となる。

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問6(表記を一部改変)

用語解説:キャッシュメモリ

問7

組込みシステムのプログラムで,放された状態では 0 になり,押された状態では 1 になるスイッチの値を読み込んでいる。このプログラムによって,スイッチの値は周期的に適切なタイミングで読み込まれ,チャタリング処理などの適切な処理が行われるものとし,a が今回の値で,b が前回の値とする。このスイッチが放された状態から押された状態に変化したことを検出するための論理式はどれか。ここで,“・”は論理積,“+”は論理和,“ ̄”は論理否定を表す。

正解 ア

解説

放された状態から押された状態への変化は,前回の値 b が 0 で,今回の値 a が 1 のときである。b が 0 のとき b が 1 になるので,a と b の論理積 a・b はこのときだけ 1 になる。アが正しい。

イの ā・b は前回 1・今回 0 のときに 1 になり,押された状態から放された状態への変化を検出する。ウの a+b とエの ā+b は論理和なので,変化がなくても 1 になる場合がある。例えば a+b は押し続けている(a=1,b=1)ときや放し続けている(a=0,b=0)ときにも 1 になる。

押された瞬間を見つける a・¬b スイッチを周期的に読み,a が今回の値,b が前回の値。放された(0)から押された(1)に変わった回は,前回 b=0 で今回 a=1。¬b=1 なので a・¬b はこの回だけ1になる。押し続けている間は b=1 なので0に戻る。 a(今回) b(前回) a・¬b 押された瞬間(0 → 1)だけ 1 ¬a・b なら放された瞬間(1 → 0)を見つける
前回0・今回1 の回だけ a・¬b=1

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問7(表記を一部改変)

問8

BASE 特性を満たし,次の特徴をもつ NoSQL データベースシステムに関する記述のうち,適切なものはどれか。

〔NoSQL データベースシステムの特徴〕

正解 イ

解説

BASE は,Basically Available(基本的に可用),Soft state(状態は厳密でなくてよい),Eventually consistent(結果整合性)の頭文字で,分散した NoSQL データベースが整合性より可用性を優先するときの特性を表す。更新はすぐに全ノードへそろわなくても,障害がなければいずれ全ノードに反映されればよいとする結果整合性の考え方で,イが該当する。

アの2相コミットで全ノードに同時に反映するのは,ACID 特性を満たす強い整合性の仕組みである。ウの,どのノードも常に同じ結果を返すのも強い整合性で,結果整合性では更新の反映途中にノードごとに異なる結果を返すことがある。エのように分断時に要求を受け付けなくするのは可用性を犠牲にして整合性を守る動作で,可用性を優先する BASE とは逆である。

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問8(表記を一部改変)

問9

関係データベースのビューに関する記述のうち,適切なものはどれか。

正解 ア

解説

ビューは CREATE VIEW ビュー名(列名, …) AS SELECT … のように列名を指定したり,SELECT 句で別名を付けたりして,基の表とは異なる列名で定義できる。アが適切である。

イは誤り。WHERE 句で条件を指定すれば,行を抜き出すビューも定義できる。ウは誤り。結合で定義したビューは,更新が基の表のどの行に対応するかを一意に決められない場合があり,結合の仕方などによって更新できないことがある。エは誤り。和両立(列の数と各列のドメインが対応する)な二つの表なら,UNION を使った和集合のビューを定義できる。

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問9(表記を一部改変)

問10

100M ビット/秒の LAN と 1G ビット/秒の LAN がある。ヘッダーを含めて 1,250 バイトのパケットを N 個送信するときに,100M ビット/秒の LAN の送信時間が 1G ビット/秒の LAN より9ミリ秒多く掛かった。N は幾らか。ここで,いずれの LAN においても,パケットの送信間隔(パケットの送信が完了してから次のパケットを送信開始するまでの時間)は1ミリ秒であり,パケット送信間隔も送信時間に含める。

正解 ウ

解説

1,250 バイトは 1,250×8=10,000 ビット。1パケットの送信に掛かる時間は,100M ビット/秒の LAN で 10,000÷(100×106)=0.1 ミリ秒,1G ビット/秒の LAN で 10,000÷109=0.01 ミリ秒であり,1パケット当たり 0.09 ミリ秒の差がある。

パケットの送信間隔はどちらの LAN も1ミリ秒で同じなので,送信時間の差には影響しない。差の合計が9ミリ秒なので,N=9÷0.09=100 となり,ウが正しい。

100M と 1G の LAN の送信時間の差 1,250 バイト=10,000 ビットのパケット1個の送信は,100M ビット/秒で 0.1 ミリ秒,1G ビット/秒で 0.01 ミリ秒。差は1個あたり 0.09 ミリ秒。送信間隔の1ミリ秒はどちらも同じなので差に入らない。9 ÷ 0.09 = 100 個。 1パケット 1,250 バイト = 10,000 ビット 100M 送信 0.1 ms 間隔 1 ms 1G 間隔 1 ms 差 0.09 ms/個 × N = 9 ms N = 100
送信間隔は同じなので,差は送信そのものの時間だけ(帯の長さは目安)

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問10(表記を一部改変)

問11

リバースプロキシの説明として,適切なものはどれか。

正解 ア

解説

リバースプロキシは,インターネット側からの要求をいったん受け付け,内部ネットワークにある公開 Web サーバへ中継する。Web サーバを直接インターネットにさらさずに済み,負荷分散や TLS 処理の肩代わり,キャッシュなどにも使われる。アが該当する。

イは通信を監視して攻撃を検知する IDS(侵入検知システム),ウはインターネットなどの上に仮想的な専用回線を作る VPN の説明。エは内部の PC からインターネットへの通信を中継する,通常の(フォワード)プロキシの説明である。

フォワードプロキシとリバースプロキシ フォワードプロキシは,組織内のクライアントの代わりにインターネット上のサーバへアクセスする(クライアント側の代理)。リバースプロキシは,インターネットから来た要求をサーバの手前で受け,内部の Web サーバに振り分ける(サーバ側の代理)。負荷分散や TLS の終端,キャッシュに使う。 フォワードプロキシ 社内 PC プロキシ 外の Web クライアント側の代理 リバースプロキシ 外の利用者 リバースプロキシ 社内 Web サーバ側の代理(振り分け・TLS 終端)
どちら側の代理か。フォワードはクライアント側,リバースはサーバ側

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問11(表記を一部改変)

問12

サイバー攻撃の攻撃段階をモデル化したサイバーキルチェーンにおいて,“エクスプロイト”に該当する行為はどれか。

正解 イ

解説

サイバーキルチェーンは,標的型攻撃の段階を“偵察”,“武器化”,“デリバリ”,“エクスプロイト”,“インストール”,“コマンドとコントロール(C&C)”,“目的の実行”の七つに分けたモデル。エクスプロイトは,届いた攻撃コードが標的の脆弱性を突いて実行される段階で,OS の脆弱性を悪用して攻撃ツールを実行させるイが該当する。

アは標的の情報を集める“偵察”,ウは秘密情報を窃取して外部に送る“目的の実行”,エはマルウェアを添付した電子メールで攻撃コードを送り届ける“デリバリ”の段階である。

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問12(表記を一部改変)

用語解説:ソーシャルエンジニアリングと標的型攻撃

問13

デジタル署名が付与されたソフトウェアをインストールするときに,そのソフトウェアの発行元を確認するために使用する証明書はどれか。

正解 ウ

解説

コードサイニング証明書は,ソフトウェアの開発元又は発行元が署名するために使う証明書。導入前に署名を検証することで,作成者が誰であるかと,配布の途中で改ざんされていないことを確認できる。

アの EV SSL 証明書とエのサーバ証明書は Web サーバの正当性を確認するもの,イのクライアント証明書は利用者や端末を認証するもので,いずれもソフトウェアの発行元の確認には使わない。

コードサイニング証明書 ソフトウェアの発行元は,自分の秘密鍵でソフトウェアに署名し,コードサイニング証明書を付けて配る。利用者はインストールの前に,証明書の公開鍵で署名を検証し,誰が作ったかと,配る途中で改ざんされていないかを確かめる。サーバ証明書や EV SSL 証明書は Web サーバを,クライアント証明書は利用者を確かめるもの。 発行元 秘密鍵で署名 ソフトウェア +署名+証明書 利用者 証明書で検証 分かること:作ったのは誰か,改ざんされていないか サーバ証明書は Web サーバ,クライアント証明書は利用者を確かめる
署名で発行元と改ざんの有無を確かめる

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問13(表記を一部改変)

用語解説:ディジタル署名(デジタル署名) TLS(SSL)

問14

JIS Q 27000:2019(情報セキュリティマネジメントシステム−用語)における真正性及び信頼性に対する定義 a〜d の組みのうち,適切なものはどれか。

〔定義〕

正解 ア

解説

JIS Q 27000:2019 は,真正性を“エンティティは,それが主張するとおりのものであるという特性”(b),信頼性を“意図する行動と結果とが一貫しているという特性”(a)と定義している。よって真正性 b,信頼性 a のアが適切である。

残りの定義のうち,c の“認可されたエンティティが要求したときに,アクセス及び使用が可能であるという特性”は可用性,d の“認可されていない個人,エンティティ又はプロセスに対して,情報を使用させず,また,開示しないという特性”は機密性の定義である。

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問14(表記を一部改変)

用語解説:JIS Q 27000 シリーズ(情報セキュリティマネジメント) 情報セキュリティの要素(機密性・完全性・可用性)

問15

電子メールの送信時に,送信側メールサーバでデジタル署名を電子メールヘッダーに付与し,受信側メールサーバでそれを検証することで,送信元ドメインのなりすましや電子メールの改ざんを検知できる技術はどれか。

正解 ア

解説

DKIM(DomainKeys Identified Mail)は,送信側のメールサーバが電子メールにデジタル署名を付けて DKIM-Signature ヘッダーに入れ,受信側のメールサーバが DNS で公開された送信ドメインの公開鍵を使って署名を検証する仕組み。送信元ドメインのなりすましと,途中での改ざんを検知できる。アが該当する。

イの OP25B は,ISP が動的 IP アドレスの利用者から外部の 25 番ポートへの接続を遮断し,迷惑メールの直接送信を防ぐ対策。ウの S/MIME は送信者のメールソフトなどで本文に署名や暗号化を施すもので,メールサーバがヘッダーに署名を付ける技術ではない。エの SPF は,送信元ドメインが DNS に登録した送信サーバの IP アドレスと,実際に送ってきたサーバの IP アドレスを照合する仕組みで,デジタル署名は使わず,本文の改ざんも検知できない。

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問15(表記を一部改変)

用語解説:ディジタル署名(デジタル署名) 送信ドメイン認証(SPF・DKIM・DMARC)

問16

UML のダイアグラムのうち,インスタンス間の関係を表現するものはどれか。

正解 イ

解説

オブジェクト図は,ある時点で存在するインスタンス(オブジェクト)と,インスタンス同士のつながり(リンク)を表す UML のダイアグラムで,クラス図の具体例を示すのに使う。イが該当する。

アのアクティビティ図は処理や業務の流れ,ウのコンポーネント図はソフトウェアを構成する部品とそのインタフェースや依存関係,エのユースケース図はアクターとシステムが提供する機能(ユースケース)の関係を表すダイアグラムである。

UML のおもな図の使い分け シーケンス図はオブジェクト間のメッセージを時間の順に,コミュニケーション図はオブジェクトのつながりに注目して相互作用を表す。ユースケース図はアクタとシステムの機能の関係(システムの範囲),アクティビティ図は処理の流れ(分岐・並行・同期),状態マシン図は1つのオブジェクトの状態の移り変わり,クラス図は静的な構造,オブジェクト図はある時点のインスタンスのつながりを表す。 図 表すもの シーケンス図 メッセージを時間の順に コミュニケーション図 オブジェクトのつながりと相互作用 ユースケース図 アクタと機能,システムの範囲 アクティビティ図 処理の流れ(分岐・並行・同期) 状態マシン図 1つのオブジェクトの状態の遷移 クラス図 クラスと関連(静的な構造) オブジェクト図 ある時点のインスタンスとリンク
時間の順はシーケンス図,範囲はユースケース図,業務の流れはアクティビティ図

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問16(表記を一部改変)

用語解説:UML(統一モデリング言語)

問17

委託元への著作権の移転に関する条項を含むソフトウェア開発委託契約書に,“委託先は著作者人格権を行使しない”という記載があった。これはどのような問題の発生を防ぐためのものか。

正解 エ

解説

著作者人格権(公表権,氏名表示権,同一性保持権)は著作者の一身に専属し,譲渡できない(著作権法第59条)。そのため,契約で著作権を委託元に移転しても,著作者人格権は委託先に残る。委託先が同一性保持権を行使すれば,委託元がソフトウェアを改変することに異議を唱えられるので,委託元が自社で修正したり他社に修正を依頼したりできなくなるおそれがある。これを防ぐために“行使しない”と定めるので,エが正しい。

アの技術者倫理上の責任,イの開発者の雇用,ウの不具合に対する金銭的補償(契約不適合責任など)は,いずれも著作者人格権とは関係がなく,この条項で防ぐ問題ではない。

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問17(表記を一部改変)

用語解説:著作権と知的財産権(特許・営業秘密・ライセンス)

問18

チームの発展段階を五つに区分したタックマンモデルによれば,メンバーの異なる考え方や価値観が明確になり,メンバーがそれぞれの意見を主張し合う段階はどれか。

正解 エ

解説

タックマンモデルは,チームが成立期(Forming)→ 動乱期(Storming)→ 安定期(Norming)→ 遂行期(Performing)→ 散会期(Adjourning)の順に発展すると考える。メンバーの考え方や価値観の違いが表に出て,互いに意見を主張し合い衝突が起きるのは動乱期で,エが正しい。

ウの成立期はメンバーが集まったばかりで互いに様子を見ている段階。アの安定期は衝突を経てチームの規範や役割が固まる段階。イの遂行期はチームが成熟して高い成果を出す段階である。

タックマンモデル チームは,成立期(互いを知る),動乱期(考え方がぶつかる),安定期(ルールや役割が固まる),遂行期(成果を出す),散会期(解散する)の順に発達する。 成立期 知り合う 動乱期 ぶつかる 安定期 まとまる 遂行期 成果を出す 散会期 解散 動乱期を乗り越えてまとまる チームの発達の段階を表すモデル
成立 → 動乱 → 安定 → 遂行 → 散会

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問18(表記を一部改変)

問19

あるプロジェクトは4月から9月までの6か月間で開発を進めており,現在のメンバー全員が9月末まで作業すれば完了する見込みである。しかし,他のプロジェクトで発生した緊急の案件に対応するために,8月初めから,4人のメンバーがプロジェクトから外れることになった。9月末に予定どおり開発を完了させるために,7月の半ばからメンバーを増員する。条件に従うとき,人件費は何万円増加するか。

〔条件〕

正解 ウ

解説

開発を予定どおり終えるには,外れる4人が8・9月に行うはずだった作業 4人×2か月=8人月に加え,引継ぎで元のメンバ4人が作業できない0.5か月分 4人×0.5か月=2人月も取り戻す必要がある。合わせて10人月の作業を8・9月の2か月で行うので,増員するメンバは 10÷2=5人。この5人は7月後半の引継ぎから9月末まで2.5か月在籍するので,人件費は 5人×2.5か月=12.5人月で1,250万円になる。

一方,外れる4人の8・9月分 4人×2か月=8人月,800万円はこのプロジェクトに計上しなくなる。増加額は 1,250−800=450万円で,ウが正しい。引継ぎ期間中に元のメンバの作業が止まる分を見落とすと,増員は4人で 4×2.5=10人月,増加額は200万円(ア)と誤る。

引継ぎのある増員と人件費 4 人が 8 月初めに抜け,7 月後半の 0.5 か月は引継ぎで元の 4 人も増員も開発をしない。取り戻すのは 4 人×2 か月=8 人月と,引継ぎで止まる 4 人×0.5 か月=2 人月の計 10 人月。8・9 月の 2 か月で行うので増員は 5 人。5 人×2.5 か月=12.5 人月(1,250 万円)が増え,抜ける 4 人の 8 人月(800 万円)が減るので,差し引き 450 万円の増加。 7月前半 7月後半 8月 9月 抜ける4人 増員5人 開発 引継ぎ 引継ぎ 開発(10人月) 取り戻す:4×2=8 人月+4×0.5=2 人月 = 10 人月 → 2か月で 5 人 増える:5×2.5=12.5 人月(1,250万円) 減る:4×2=8 人月(800万円) 差し引き 450 万円の増加
引継ぎの間は元のメンバも作業しない。その分も取り戻す

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問19(表記を一部改変)

問20

サービスマネジメントにおける問題管理の活動はどれか。

正解 ア

解説

問題管理は,インシデントの根本原因を特定し,再発を防ぐための恒久的な解決策を見いだすプロセスである。根本原因が分かるまでの暫定的な回避策(ワークアラウンド)の記録も含まれる。アが該当する。

イのサービス要求の優先度付けはインシデント及びサービス要求管理,ウの変更要求の記録は変更管理,エのリリースの検証はリリース及び展開管理の活動である。

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問20(表記を一部改変)

用語解説:インシデント管理と問題管理

問21

システム監査基準(令和5年)において,システム監査で使用される用語の説明として,適切なものはどれか。

正解 エ

解説

システム監査基準(令和5年)の用語の定義では,独立性を“第三者から不当な影響や圧力等を受けていない状態を指し,精神的独立性と外観的独立性から構成される”としている。エが適切である。

アは再現性の定義。所見は“監査で発見したこと,又は発見したことに基づく考えや意見”を指し,ウの説明が所見に当たる。イは精神的独立性の定義で,正当な懐疑心は“何事をも当然のこととせず,疑ってみる,又は確認してみる心”をいう。正当な注意は“監査の実施過程で監査人として当然払うべき注意”である。

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問21(表記を一部改変)

用語解説:システム監査(監査手続・監査証拠・フォローアップ)

問22

システム監査基準(令和5年)に従い,監査目的に基づいて,ガバナンス,マネジメント,コントロールの視点から検証・評価を行う。“コントロールの視点”から行う項目はどれか。

正解 イ

解説

システム監査基準(令和5年)は,コントロールの視点での監査を,業務プロセス等においてリスクに応じたコントロールが適切に組み込まれ機能しているかを確かめるものとし,例として“異常なアクセスを検出した際に適時に対処及び報告がなされているかどうか”を挙げている。イが該当する。

アの IT 投資の結果が適切なリターンを生んでいるか,エの新技術や技術革新を経営戦略推進のために適時適切に利活用できているかは,ガバナンスの視点の例。ウの情報セキュリティ対策が PDCA サイクルに基づいて適切に管理されているかは,マネジメントの視点の例として示されている。

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問22(表記を一部改変)

用語解説:システム監査(監査手続・監査証拠・フォローアップ)

問23

事業目標達成のためのプログラムマネジメントの考え方として,適切なものはどれか。

正解 ア

解説

プログラムマネジメントは,事業目標の達成という共通の目的に向けて,互いに関連する複数のプロジェクトをまとめて管理する考え方。個々のプロジェクトの成果を足し合わせるだけでなく,プロジェクト間の連携や統合,相互作用を通じて全体の価値を高め,組織の戦略を実現する。アが適切である。

イは個々のプロジェクト管理を細かくする話で,複数のプロジェクトを束ねる視点がない。ウは一つのシステム開発の技術選定によるリスク低減の話。エはプロジェクトマネジメントを組織的に支援する PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の説明である。

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問23(表記を一部改変)

問24

SOA の説明はどれか。

正解 エ

解説

SOA(Service Oriented Architecture,サービス指向アーキテクチャ)は,業務システムの機能を利用者から見た意味のある単位(サービス)に分割し,それらを組み合わせてシステムを構築する考え方。業務プロセスの変更に合わせてサービスを組み替えやすく,他システムとの連携も容易になる。

アは ERP,イはフィット&ギャップ分析,ウは BPM(ビジネスプロセスマネジメント)の説明。

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問24(表記を一部改変)

用語解説:SOA(サービス指向アーキテクチャ)

問25

投資の意思決定手法の一つである PBP 法に関する記述として,適切なものはどれか。

正解 ウ

解説

PBP(Payback Period)法は,投資額を毎年のキャッシュフローで回収するまでの期間を求め,期間が短い投資ほど有利と評価する手法である。ウが適切である。

アは誤り。PBP 法は各年のキャッシュフローを割り引かずにそのまま足すので,時間的価値を考慮しない(割り引く方法は割引回収期間法と呼んで区別する)。イは誤り。回収が済んだ後のキャッシュフローは評価に含まれない。エは誤り。割引率を用いるのは NPV(正味現在価値)法や IRR(内部収益率)法で,PBP 法は割引率を用いない。

回収期間(PBP)を累計の折れ線で比べる 投資額 500 に対して,キャッシュインの累計が 500 を越える年を比べる。d は 300,500 で2年目ちょうどに回収し,最も早い。b は3年目,a と c は4年目に回収する。a は合計が最も大きいが,前半が小さいので回収は遅い。PBP は回収後のキャッシュインを評価に含めない。 年 累計 投資 500 a b c d 1 2 3 4 5 d:2年で回収
累計の線が投資額の線を越える年。早いほど良い

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問25(表記を一部改変)

用語解説:投資評価(NPV・IRR・ROI)

問26

バランススコアカードで使われる戦略マップの説明はどれか。

正解 イ

解説

戦略マップは,バランススコアカードの四つの視点(財務,顧客,内部ビジネスプロセス,学習と成長)に課題・施策・目標を配置し,それらの因果関係を矢印でつないで一枚に表したもの。下位の視点の取組みが上位の成果につながる筋道を可視化する。

アはポジショニングマップ,ウはビジネススクリーン,エはドメインの定義に関する説明。

バランススコアカードの4つの視点と戦略マップ 下から学習と成長,内部ビジネスプロセス,顧客,財務の4つの視点を積み上げる。専門人材を育てると出荷までの日数を縮められ,顧客満足度が上がり,売上高が伸びる,という因果関係を矢印でつないだものが戦略マップ。各視点に目標と指標(KPI)を置く。 財務 売上高を伸ばす 売上高・利益率 顧客 顧客満足度を上げる 顧客満足度・シェア 内部ビジネスプロセス 出荷を速くする 出荷までの日数 学習と成長 専門人材を育てる 育成人数・特許件数
下の視点の成果が上の視点の成果につながる(因果関係)

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問26(表記を一部改変)

用語解説:バランススコアカードと KPI・KGI・CSF

問27

図のアンゾフの成長マトリクスのうち,市場浸透戦略の例として,適切なものはどれか。

アンゾフの成長マトリクス。横軸は製品(既存・新規),縦軸は市場(既存・新規)。既存市場×既存製品は市場浸透戦略,既存市場×新規製品は新製品開発戦略,新規市場×既存製品は新市場開拓戦略,新規市場×新規製品は多角化戦略。

正解 イ

解説

アンゾフの成長マトリクスで,市場浸透戦略は既存の市場に既存の製品を投入し,販売量やシェアを伸ばす戦略である。すでに販売している地域で,同じ商品を特別価格によって知名度を上げてより多くの住民に売るイが該当する。

アは既存のユーザー(既存市場)に上位機種という新しい製品を売るので新製品開発戦略。ウは長年の商品(既存製品)を他の地方という新しい市場で売るので新市場開拓戦略。エは販売実績のない国(新規市場)に一から開発した製品(新規製品)を売るので多角化戦略である。

アンゾフの成長マトリクス 製品(既存・新規)と市場(既存・新規)の組合せで成長の戦略を4つに分ける。既存の製品を既存の市場でもっと売るのが市場浸透,既存の製品を新しい市場に売るのが市場開拓(新市場開拓),新しい製品を既存の市場に出すのが製品開発(新製品開発),新しい製品で新しい市場に出るのが多角化。 製品 既存 新規 市場 既存 新規 市場浸透 今の製品を今の市場で 製品開発 新しい製品を今の市場に 市場開拓 今の製品を新しい市場に 多角化 新しい製品で新しい市場へ
製品と市場のどちらを新しくするか

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問27(表記を一部改変)

問28

生産事業所のシステムを,生産計画などの計画層,各指示や工程管理・製造管理などの実行層,機械・機器の制御を行う制御層の三つの層に大きく分けたとき,MES が運用される層はどれか。

正解 イ

解説

MES(Manufacturing Execution System,製造実行システム)は,生産計画に基づいて現場に作業を指示し,工程の進捗や品質,設備の稼働状況などを管理・記録するシステム。計画と機器制御の間をつなぐ実行層で運用されるので,イが正しい。

計画層では ERP(統合基幹業務システム)などが生産計画や資材所要量を扱い,制御層では PLC(プログラマブルロジックコントローラ)などが機械や機器を直接制御する。MES は三つの層のすべてにまたがるものではないので,エも誤り。

生産システムの3つの層と MES 計画層では ERP などが生産計画や資材の所要量を扱う。実行層の MES(製造実行システム)は,計画に基づいて現場に作業を指示し,工程の進み具合や品質,設備の稼働を管理・記録する。制御層では PLC などが機械や機器を直接制御する。 計画層 ERP:生産計画・資材所要量 実行層 MES:作業指示・工程/品質管理 制御層 PLC:機械・機器の制御 MES は3つの層すべてにまたがるものではない
MES は計画と制御の間の実行層

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問28(表記を一部改変)

問29

表のような製品 A,B を製造,販売する場合,考えられる利益は最大で何円になるか。ここで,機械の年間使用可能時間は延べ 15,000 時間とし,年間の固定費は製品 A,B に関係なく 15,000,000 円とする。

製品の表。列は製品,販売単価,変動費,製造時間。製品 A は販売単価 30,000 円,変動費 18,000 円/個,製造時間 8 時間/個。製品 B は販売単価 25,000 円,変動費 10,000 円/個,製造時間 12 時間/個。

正解 イ

解説

製造時間の上限 15,000 時間を,どちらの製品に使えば利益が最大になるかを考える。1個当たりの限界利益(販売単価−変動費)は A が 12,000 円,B が 15,000 円で,製造時間1時間当たりに直すと A が 12,000÷8=1,500 円,B が 15,000÷12=1,250 円となり,A のほうが大きい。

販売数量に制約はないので,全ての時間を A に使う。15,000÷8=1,875 個を製造し,限界利益は 1,875×12,000=22,500,000 円。固定費 15,000,000 円を引いた利益は 7,500,000 円で,イが正しい。1個当たりの限界利益だけで B を選ぶと,15,000÷12=1,250 個で 1,250×15,000−15,000,000=3,750,000 円(ア)となる。

限られた機械時間は「時間当たりの限界利益」で配る 1個当たりの限界利益は A 12,000 円,B 15,000 円で B が大きいが,製造時間1時間当たりでは A 1,500 円,B 1,250 円で A が大きい。販売数量に制約はないので 15,000 時間を全て A に使い,1,875 個×12,000 円=22,500,000 円。固定費 15,000,000 円を引いて利益は 7,500,000 円。 製品 限界利益/個 製造時間/個 1時間当たり A 12,000 円 8 時間 1,500 円 B 15,000 円 12 時間 1,250 円 15,000 時間 ÷ 8 = 1,875 個 × 12,000 円 = 2,250 万円 − 固定費 1,500 万円 = 利益 750 万円(イ) 1 個当たりで B を選ぶと 1,250 個 → 375 万円(ア) 制約が時間なら,時間当たりで比べる
1時間当たりの限界利益が大きい A に全部使う → 750 万円

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問29(表記を一部改変)

問30

意匠法において,保護の対象となり得るものはどれか。

正解 ア

解説

意匠法第2条第1項は,意匠を物品の形状等,建築物の形状等,又は“画像(機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限り…)”であって,視覚を通じて美感を起こさせるものと定義している。機器の操作に使う画面である GUI の画像は保護の対象となり得るので,アが該当する。

イのアルゴリズム,ウの通信プロトコル,エのビジネスモデルは,いずれも視覚を通じて美感を起こさせる形ではなく,意匠には当たらない。アルゴリズムや通信プロトコルは著作権法でも保護されない(第10条第3項は,プログラムの著作物に対する保護が解法や規約に及ばないと定める)。ソフトウェアによる処理やビジネスの仕組みは,要件を満たせば特許で保護される可能性がある。

出典:令和7年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問30(表記を一部改変)