令和6年度 春期に実施されたITサービスマネージャ試験
午前Ⅱの全25問です。問題文・正解・解説をそのまま読めます。
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問1
JIS Q 20000-1:2020(サービスマネジメントシステム要求事項)によれば,サービスマネジメントシステム(SMS)の支援に関する要求事項のうち,“意図した結果を達成するために,知識及び技能を適用する能力”に関するものはどれか。
ア サービスの運用に必要な人,技術,情報及び財務に関する資源を決定し,提供する。
イ サービスの運用を支援するために必要な知識を決定し,維持する。
ウ 組織の要員がサービスマネジメントの方針及び目的に関する認識をもつようにする。
エ 適切な教育,訓練又は経験に基づいて,組織の管理下で SMS 及びサービスのパフォーマンス及び有効性に影響を与える業務を行う人々が力量を備えていることを確実にする。 正解
正解 エ
解説
“意図した結果を達成するために,知識及び技能を適用する能力”は JIS Q 20000-1:2020 における“力量”の定義。7.2(力量)は,適切な教育,訓練又は経験に基づいて,SMS 及びサービスのパフォーマンス及び有効性に影響を与える業務を組織の管理下で行う人々が力量を備えていることを確実にするよう要求している。
アは 7.1(資源),イは 7.6(知識),ウは 7.3(認識)の要求事項であり,いずれも力量そのものではない。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問1(表記を一部改変)
問2
サービスマネジメントにおける“サービス継続管理”の活動において,組織は,サービス継続計画を作成し,実施し,維持しなければならない。“サービス継続の発動の基準及び責任”や“重大なサービスの停止の場合に実施する手順”と同様に,サービス継続計画に含めなければならない事項はどれか。
ア 顧客又はサービスに重大な影響を及ぼす可能性のある変更を判断する基準
イ サービスに対する需要に基づいた現在の容量・能力及び予測される容量・能力
ウ 他のサービスへの依存関係
エ 平常業務の状態に復帰するための手順 正解
正解 エ
解説
サービス継続計画には,発動の基準及び責任,重大なサービス停止時に実施する手順とあわせて,平常業務の状態に復帰するための手順を含めなければならない。復旧して終わりではなく,通常運用に戻すところまでを計画に含める点が要点。
アは変更管理で定める“重大な変更”の判断基準,イは容量・能力管理の計画に含める内容,ウは構成管理やサービスの設計で扱う依存関係であり,いずれもサービス継続計画に必須の事項として規定されているものではない。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問2(表記を一部改変)
問3
サービスマネジメントの“事業関係管理”において,サービス提供者が実施すべき活動はどれか。
ア 外部供給者が提供又は運用するサービス,サービスコンポーネント,プロセス又はプロセスの一部に関する適用範囲を含めた契約文書を作成し,外部供給者と合意する。
イ サービスの顧客,利用者及び他の利害関係者を特定し,文書化し,顧客及び他の利害関係者との間にコミュニケーションのための取決めを確立する。 正解
ウ 提供する各サービスについて,文書化したサービスの要求事項に基づいて,一つ以上の SLA を顧客と合意する。
エ 内部供給者又は供給者として行動する顧客に対して,サービスレベル目標,他のコミットメント,活動及び関係者間のインタフェースを定義するための合意文書を作成し,合意し,維持する。
正解 イ
解説
事業関係管理は,顧客との関係を築き,維持することを目的とする活動。顧客・利用者・他の利害関係者を特定して文書化し,コミュニケーションの取決めを確立することがこれに当たる。
アは供給者管理(外部供給者との契約),ウとエはサービスレベル管理(SLA や合意文書の作成)の活動。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問3(表記を一部改変)
問4
ITIL4 の可用性管理プラクティスにおいて,障害発生後のサービスの回復の速さを測定する指標はどれか。
ア MTBF
イ MTRS 正解
ウ サービス期間中の合計ダウンタイム
エ 平均サービス・インシデント間隔
正解 イ
解説
MTRS(Mean Time to Restore Service,平均サービス回復時間)は,サービスが停止してから回復するまでに要した時間の平均で,回復の速さを表す指標。
アの MTBF(平均故障間隔)とエの平均サービス・インシデント間隔は障害の起こりにくさ(信頼性)を表す。ウの合計ダウンタイムは停止していた時間の総量であり,1回あたりの回復の速さは表さない。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問4(表記を一部改変)
問5
JIS Q 20000-1:2020(サービスマネジメントシステム要求事項)によれば,内部監査の要求事項のうち,適切なものはどれか。
ア 各監査について,監査の基準及び監査範囲を明確にする。 正解
イ 監査は,新しいリスク又はその他の問題が発見されたときに実施する。
ウ 監査を受ける業務を担当する要員の中から,適切な知識を有する人を監査員に選定する。
エ 前回までの監査の結果を考慮せずに,監査プログラムを計画する。
正解 ア
解説
9.2(内部監査)は,各監査について監査の基準及び監査範囲を明確にすることを要求している。何を基準に,どこまでを対象として監査するのかを毎回定める。
イは誤り。内部監査はあらかじめ定めた間隔で計画的に実施する。ウは誤り。監査の客観性・公平性を確保するため,監査員は自らの業務を監査してはならない。エは誤り。監査プログラムの計画では,前回までの監査の結果も考慮しなければならない。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問5(表記を一部改変)
問6
サービス提供時間帯が毎日0時から24時の IT サービスにおいて,ある年の4月1日0時から6月30日24時までのサービス停止状況は表のとおりであった。システムバージョンアップ作業に伴う停止時間は,計画停止時間として顧客との間で合意されている。4月1日から6月30日までの IT サービスのサービス可用性は何%か。ここで,サービス可用性(%)は小数第3位を四捨五入するものとする。
ア 95.52
イ 95.70
ウ 99.52 正解
エ 99.63
正解 ウ
解説
4月1日から6月30日までは 30+31+30=91日。毎日0時から24時が提供時間帯なので,合計は 91×24=2,184時間。システムバージョンアップ作業の84時間は,サービス提供時間に含めない計画停止として顧客と合意しているので,分母から除く。分母は 2,184−84=2,100時間,実際の停止はハードウェア故障の10時間だけなので,可用性は (2,100−10)÷2,100=2,090÷2,100=0.99523…,すなわち 99.52% でウになる。
イの 95.70 は,バージョンアップの84時間を除かずに分母を 2,184時間とし,停止時間に含めて計算した値(2,090÷2,184=0.95696…)である。アの 95.52 は,分母から84時間を除いたうえで停止時間にも84時間を数えた値((2,100−94)÷2,100=0.95523…)である。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問6(表記を一部改変)
問7
総所有費用(TCO)の説明として,適切なものはどれか。
ア 自社に導入した業務システムの開発総費用とハードウェア購入費用
イ システムの導入から廃棄に至るライフサイクルの総費用 正解
ウ ハードウェア及びソフトウェアを導入して稼働させるまでの総費用
エ ハードウェア購入費用とヘルプデスクや利用者教育などのテクニカルサポートに要する費用
正解 イ
解説
TCO(Total Cost of Ownership,総所有費用)は,システムの導入から運用・保守を経て廃棄に至るまでのライフサイクル全体でかかる費用の総額。初期費用(イニシャルコスト)だけでなく,運用費用(ランニングコスト)も含める点が要点。
アとウは導入までの費用しか含んでおらず,エは費目の一部にすぎない。いずれもライフサイクル全体を対象としていない。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問7(表記を一部改変)
問8
サービスデスクに WFM(Work Force Management)システムを導入する目的として,適切なものはどれか。
ア アウトバウンド業務において顧客の電話番号を自動的に発信することによって,要員による電話の掛け誤りを防止する。
イ 過去の応対記録に基づいて顧客の興味や関心に合わせたきめ細かい対応を行い,顧客満足度を高める。
ウ 顧客からの問合せ件数の実績に基づいて今後の問合せ件数を予測し,要員の勤務スケジュールを自動的に作成する。 正解
エ 資料請求の受付などの簡単な顧客対応は音声による自動応答で行うことによって,要員が高度な顧客対応に集中できるようにする。
正解 ウ
解説
WFM(Work Force Management)は,業務量を予測して必要な要員数を算出し,勤務スケジュールを最適に組むための仕組み。サービスデスクでは問合せ件数の実績から今後の件数を予測し,シフトを自動作成する目的で導入する。
アはオートコール(プレディクティブダイヤリング),イは CRM の活用,エは IVR(音声自動応答)の説明。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問8(表記を一部改変)
問9
運用サービスを提供するデータセンターにおいて,サーバに仮想化技術を用いることによって得られる利点のうち,適切なものはどれか。
ア 仮想サーバを,それぞれのリクエストの応答時間が長くなる時間帯が重ならないように,少数の物理サーバに再配置することによって,現状の応答時間を保証した上で物理サーバの台数を削減できる。
イ クラスタ構成のサーバの処理能力をスケールアップによって増強する場合,ソフトウェアの基本ライセンスの条件の確認はしなくてもよい。
ウ サービスの利用が少なくなる夜間の消費電力量を削減させるために,物理サーバの稼働台数を減少させるとき,ライブマイグレーションによって仮想サーバを少数の物理サーバに集約させれば,サービスを停止させなくて済む。 正解
エ 大規模データの分散処理を実現するソフトウェア Apache Hadoop を用いて構築したシステムを評価する場合,このシステムを複数の仮想サーバを稼働させる1台の物理サーバ上に構築することによって,システムの処理能力を検証できる。
正解 ウ
解説
ライブマイグレーションは,仮想サーバを稼働させたまま別の物理サーバへ移す技術。夜間に仮想サーバを少数の物理サーバへ集約して空いた物理サーバを停止すれば,サービスを止めずに消費電力を削減できる。
アは誤り。ピークが重ならないよう集約しても,物理資源を共有する以上,現状の応答時間を保証できるとは限らない。イは誤り。仮想環境でもライセンス条件(CPU コア数など)の確認は必要。エは誤り。分散処理システムの処理能力は複数の物理サーバに分散させてこそ評価できるもので,1台の物理サーバ上に構築しても検証にならない。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問9(表記を一部改変)
問10
災害時における復旧対策の説明のうち,ウォームサイトのものはどれか。
ア IT サービスが再開されるまで,手作業で業務を遂行する。
イ あらかじめシステムを稼働させるために必要な電源,ネットワークなどの設備を備えた拠点に,いつでも利用できる状態の本番環境と同じバックアップシステムを備えておき,災害時にはバックアップシステムに切り替えることでサービスを復旧する。
ウ あらかじめシステムを稼働させるために必要な電源,ネットワークなどの設備を備えた拠点に,本番環境とほぼ同じシステムを非稼働状態で待機させておき,災害時にはこのシステムを稼働させて復旧する。 正解
エ あらかじめシステムを稼働させるために必要な電源,ネットワークなどの設備を備えた拠点を確保しておき,災害時には自社のコンピュータ機器を設置して,数日から数週間で復旧する。
正解 ウ
解説
ウォームサイトは,設備を備えた拠点に本番環境とほぼ同じシステムを非稼働状態で待機させておき,災害時にそれを起動して復旧する方式。機器はあるが動いていない点が,常時稼働のホットサイトとの違い。
イは切替えるだけで復旧できるホットサイト,エは場所だけ確保しておき機器は災害後に持ち込むコールドサイトの説明。アは代替手作業による業務継続であり,バックアップサイトの分類ではない。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問10(表記を一部改変)
問11
基幹業務システムの構築及び運用において,データ管理者(DA)とデータベース管理者(DBA)を別々に任命した場合の DA の役割として,適切なものはどれか。
ア 業務データ量の増加傾向を把握し,ディスク装置の増設などを計画して実施する。
イ システム開発の設計工程では,主に論理データベース設計を行い,データ項目を管理して標準化する。 正解
ウ システム開発のテスト工程では,主にパフォーマンスチューニングを担当する。
エ システム障害が発生した場合には,データの復旧や整合性のチェックなどを行う。
正解 イ
解説
DA(データ管理者)は,組織全体のデータを資源として捉え,データ項目の標準化や論理データベース設計といった“データそのもの”の管理を担う。
ア・ウ・エはいずれも DBA(データベース管理者)の役割で,容量の管理,性能チューニング,障害時の復旧など,DBMS の運用に関わる業務。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問11(表記を一部改変)
問12
データセンターの施設効率を測る定量指標である,PUE(Power Usage Effectiveness)の計算式はどれか。
ア IT 機器の総消費電力 ÷ データセンターの総消費電力
イ IT 機器の総消費電力 ÷ データセンターの総床面積
ウ IT 機器の総処理量 ÷ データセンターの総消費電力
エ データセンターの総消費電力 ÷ IT 機器の総消費電力 正解
正解 エ
解説
PUE は「データセンター全体の消費電力 ÷ IT 機器の消費電力」で求める。空調や電源設備などIT機器以外にどれだけ電力を使っているかを示す指標で,1.0 に近いほど効率がよい。
アは PUE の逆数(DCiE)。イは床面積あたりの電力密度,ウは電力あたりの処理量であり,いずれも PUE の定義ではない。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問12(表記を一部改変)
問13
空調計画における冷房負荷には,“外気負荷”,“室内負荷”,“伝熱負荷”,“日射負荷”などがある。冷房負荷の軽減策のうち,“伝熱負荷”の軽減策として,最も適切なものはどれか。
ア 使用を終えたら,その都度 PC の電源を切る。
イ 隙間風や換気による影響を少なくする。
ウ 日光が当たる南に面したガラス窓をむやみに大きなものにしない。
エ 屋根や壁面に断熱加工を施す。 正解
正解 エ
解説
伝熱負荷は,屋根・壁・窓などの構造体を通して外部の熱が伝わってくることによる負荷。断熱加工を施して熱の伝わりを抑えるのが直接の軽減策になる。
アは室内の機器の発熱による室内負荷,イは外気の出入りによる外気負荷,ウは窓から差し込む日射による日射負荷の軽減策。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問13(表記を一部改変)
問14
システム監査基準(令和5年)におけるシステム監査基準の説明として,適切なものはどれか。
ア システム監査が効果的かつ効率的に行われるために,システム監査のあるべき体制や実施方法等を示したもの 正解
イ システム監査の信頼性を保つために,システム監査人が保持すべき情報システム及びシステム監査に関する専門的知識・技能の水準を定めたもの
ウ 情報システムのガバナンス,マネジメント,コントロールを点検・評価・検証する際の判断の尺度となるもの
エ 情報システムの利活用において共通して留意すべき事項を体系化・一般化してまとめたもの
正解 ア
解説
システム監査基準は,システム監査が効果的かつ効率的に行われるよう,システム監査のあるべき体制や実施方法などを示した実践規範。監査を「どう行うか」を定めたものである。
ウとエは,監査人が点検・評価の尺度として用いるシステム管理基準の説明。イは監査人の専門能力に関する記述であり,システム監査基準そのものの説明ではない。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問14(表記を一部改変)
問15
デジタル署名のあるソフトウェアをインストールするときに,そのソフトウェアの発行元を確認するために使用する証明書はどれか。
ア EV SSL 証明書
イ クライアント証明書
ウ コードサイニング証明書 正解
エ サーバ証明書
正解 ウ
解説
コードサイニング証明書は,ソフトウェアやドライバに署名して,配布元が正当であることと,配布後に改ざんされていないことを利用者が検証できるようにするための証明書。
アの EV SSL 証明書とエのサーバ証明書は Web サーバの身元を証明するもの,イのクライアント証明書は利用者や端末を認証するためのもの。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問15(表記を一部改変)
問16
JIS Q 27000:2019(情報セキュリティマネジメントシステム-用語)における用語の定義として,適切なものはどれか。
ア トップマネジメントとは,リスクを運用管理することについて,アカウンタビリティ及び権限をもつ人又は主体のことである。
イ リスクアセスメントとは,リスクを修正するプロセスのことであり,リスクを生じさせる活動を開始又は継続しないと決定することによって,リスクを回避することを含む。
ウ リスク評価とは,リスク及び/又はその大きさが受容可能か又は許容可能かを決定するために,リスク分析の結果をリスク基準と比較するプロセスのことである。 正解
エ リスク分析とは,リスクを発見,認識及び記述するプロセスのことであり,リスク源,事象,それらの原因及び起こり得る結果の特定が含まれる。
正解 ウ
解説
リスク評価は,リスク分析の結果をリスク基準と比較して,リスクやその大きさが受容可能・許容可能かどうかを決定するプロセス。ウがその定義そのもの。
アはリスク所有者の定義(トップマネジメントは組織を指揮・管理する人又は集団)。イはリスク対応の定義。エはリスク特定の定義(リスク分析はリスクの性質を理解し,リスクレベルを決定するプロセス)。リスクアセスメントは,リスク特定・リスク分析・リスク評価を合わせたプロセス全体を指す。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問16(表記を一部改変)
問17
IoT 推進コンソーシアム,総務省,経済産業省が策定した“IoT セキュリティガイドライン(Ver 1.0)”における“要点17. 出荷・リリース後も安全安心な状態を維持する”に対策例として挙げられているものはどれか。
ア IoT 機器及び IoT システムが収集するセンサーデータ,個人情報などの情報の洗い出し,並びに保護すべきデータの特定
イ IoT 機器のアップデート方法の検討,アップデートなどの機能の搭載,アップデートの実施 正解
ウ IoT 機器メーカー,IoT システムやサービスの提供者,利用者の役割の整理
エ PDCA サイクルの実施,組織として IoT システムやサービスのリスクの認識,対策を行う体制の構築
正解 イ
解説
“出荷・リリース後も安全安心な状態を維持する”は運用・保守段階の要点で,脆弱性が見つかったときに直せるよう,アップデート方法を検討し,機能を搭載し,実際にアップデートを実施することが対策例として挙げられている。
アは分析段階の“守るべきものを特定する”,ウは方針段階の“つながることによるリスクを想定する”に関連する内容,エは方針段階の“IoT の性質を考慮した基本方針を定める”に当たる。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問17(表記を一部改変)
問18
ステークホルダ登録簿の作成及び更新に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア 重要なステークホルダを特定するために,社外の人だけをステークホルダ登録簿に記載する。
イ ステークホルダに公平に対応するために,ステークホルダ登録簿には登録したステークホルダの重要度を付けない。
ウ ステークホルダのニーズや期待の変化に対応するために,ステークホルダ登録簿の内容を継続的に更新する。 正解
エ ステークホルダの利害及び関係に関連する情報を漏れなく記載するために,プロジェクトをある程度進めてからステークホルダ登録簿を作成する。
正解 ウ
解説
ステークホルダはプロジェクトの進行に伴って入れ替わり,ニーズや期待も変化する。したがってステークホルダ登録簿は一度作って終わりではなく,継続的に見直して更新する。
アは誤り。社内のステークホルダも登録の対象。イは誤り。限られた労力を適切に配分するため,影響度や関心度に応じた重要度を付けて管理する。エは誤り。要求を早期に把握するため,登録簿はプロジェクトの初期に作成する。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問18(表記を一部改変)
問19
アローダイアグラムで表される日程のプロジェクトにおいて,現在のクリティカルパスは作業 A,D,I,J である。作業 D を2日,作業 J を1日短縮するとき,作業 F の総余裕日数は何日減少するか。ここで,総余裕日数とは,当該作業に先行する作業が遅れなしに完了したとき,総所要日数を増加させることなく,当該作業が遅れてもよい日数である。
正解 ア
解説
短縮前。総所要日数はクリティカルパス A→D→I→J の 3+4+6+4=17日。F の直前の結合点の最早は B の 3日,F は6日なので最早終了は9日。J の直前の結合点の最遅は 17−4=13日なので,F の総余裕日数は 13−9=4日。
短縮後。D が2日になると D→I の経路は 3+2=5日となり,E 経由の 3+3=6日のほうが遅くなる。J の直前の結合点の最早は max(B+F,C+G,E+I)=max(9,11,12)=12日,総所要日数は 12+3=15日(C→H の 14日より長い)。J の直前の結合点の最遅は 15−3=12日なので,F の総余裕日数は 12−9=3日。
よって 4−3=1日減少する。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問19(表記を一部改変)
問20
品質の定量的評価の指標のうち,ソフトウェアの保守性の評価指標になるものはどれか。
ア (最終成果物に含まれる誤りの件数)÷(最終成果物の量)
イ (修正時間の合計)÷(修正件数) 正解
ウ (変更が必要となるソースコードの行数)÷(移植するソースコードの行数)
エ (利用者からの改良要求件数)÷(出荷後の経過月数)
正解 イ
解説
保守性は,不具合を見つけて直すのがどれだけ容易かを表す品質特性。1件あたりの平均修正時間(修正時間の合計÷修正件数)が短いほど保守しやすいので,これが保守性の指標になる。
アは欠陥密度で信頼性の指標,ウは移植に伴う変更量の割合で移植性の指標。エは改良要求の発生頻度であり,ソフトウェアの保守性そのものを測るものではない。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問20(表記を一部改変)
問21
ネットワークインタフェースカード(NIC)のチーミングの説明として,適切なものはどれか。
ア 処理能力を超えてフレームを受信する可能性があるとき,一時的に送信の中断を要求し,受信バッファがあふれないようにする。
イ 接続相手の NIC が対応している通信規格又は通信モードの違いを自動的に認識し,最適な速度で通信を行うようにする。
ウ ソフトウェアで NIC をエミュレートし,1台のコンピュータに搭載している物理 NIC の数以上のネットワークインタフェースを使用できるようにする。
エ 一つの IP アドレスに複数の NIC を割り当て,負荷分散,帯域の有効活用,耐障害性の向上などを図る。 正解
正解 エ
解説
チーミング(ボンディング)は,複数の NIC を束ねて一つの論理的なインタフェースとして扱う技術。1つの IP アドレスに複数の NIC を割り当てることで,負荷分散や帯域の有効活用に加え,1枚が故障しても通信を継続できる耐障害性が得られる。
アはフロー制御,イはオートネゴシエーション,ウは仮想 NIC の説明。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問21(表記を一部改変)
問22
クライアントサーバシステムの3層アーキテクチャを説明したものはどれか。
ア アプリケーションに必要な GUI と API をプレゼンテーション層とファンクション層に分離したアーキテクチャであり,データベースサーバを独立させている。
イ プレゼンテーション層,ファンクション層,データ層に分離したアーキテクチャであり,各層の OS は異なってもよい。 正解
ウ プレゼンテーション層とデータ層をミドルウェア層によって連係したアーキテクチャであり,各層をネットワークで接続されたコンピュータに分散する。
エ プレゼンテーション層とファンクション層を結合し,データ層を分離したアーキテクチャであり,データベースサーバを効率的に運用できる。
正解 イ
解説
3層アーキテクチャは,画面表示を担うプレゼンテーション層,業務処理を担うファンクション層(アプリケーション層),データ管理を担うデータ層の3つに分離した構成。層ごとに独立しているので,各層の OS やハードウェアが異なっていてもよい。
アは GUI と API という分け方が3層の定義と異なる。ウはミドルウェアで連係するとしているが,中間はファンクション層である。エはプレゼンテーション層とファンクション層を結合しており,これは2層(クライアントサーバ)の構成。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問22(表記を一部改変)
問23
機械学習を用いたビッグデータ分析において使用される JupyterLab の説明はどれか。
ア 定期的に実行するタスクを制御するための,タスク管理ツールである。
イ データ分析を行う際に使用する,対話型の開発環境である。 正解
ウ 並列分散処理を行うバッチシステムである。
エ マスターノードをもたない分散データベースシステムである。
正解 イ
解説
JupyterLab は,コードの記述と実行,その結果のグラフや表示を一つのノートブック上で対話的に繰り返せる開発環境。試行錯誤しながら進めるデータ分析や機械学習で広く使われる。
アはジョブスケジューラ,ウは Hadoop や Spark などの分散処理基盤,エは Cassandra のようなマスターレスの分散データベースの説明。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問23(表記を一部改変)
問24
インターネット上やイントラネット上でのファイル共有サービスなどで用いられ,HTTP を拡張して,ファイルやフォルダの参照,作成,削除,属性変更などを可能にする仕組みはどれか。
ア iSCSI
イ NFS
ウ WebDAV 正解
エ WebRTC
正解 ウ
解説
WebDAV(Web-based Distributed Authoring and Versioning)は,HTTP を拡張してファイルやフォルダの参照・作成・削除・属性変更などを行えるようにしたプロトコル。HTTP を使うのでファイアウォールを越えやすく,オンラインストレージなどで利用される。
アの iSCSI は IP ネットワーク上で SCSI コマンドを転送するブロックストレージ向けの規格,イの NFS は主に UNIX 系で使われるファイル共有プロトコル,エの WebRTC はブラウザ間でリアルタイムに音声・映像・データをやり取りする仕組み。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問24(表記を一部改変)
問25
NFT の説明として,適切なものはどれか。
ア アーティストによって Web 上で発表され,パブリックドメインに置かれる絵画・音楽などのデジタルアートの総称
イ 芸術作品や貴金属などの売買において,正当な取引であることを記録するために暗号資産を支払の手段とすること
ウ ブロックチェーン技術を用いて一意性が付与されることによって,代替不可能なことが担保されたデジタルデータ 正解
エ メタバースやオンラインゲームなどの仮想空間において,代用貨幣を用いて利用者がアイテムなどを売買すること
正解 ウ
解説
NFT(Non-Fungible Token,非代替性トークン)は,ブロックチェーン上で一意性を付与することによって,ほかのものと取り替えられないこと(代替不可能であること)が担保されたデジタルデータ。デジタル作品の保有者を証明する用途などに使われる。
アはデジタルアートそのものの総称であって NFT の定義ではない。イとエは暗号資産や代用貨幣による決済の話であり,これらは同じものと交換できる代替可能(fungible)なトークン。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問25(表記を一部改変)
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平成30年度 春期 午前Ⅰ
平成29年度 秋期 午前Ⅰ
平成29年度 秋期 午前Ⅱ
平成29年度 秋期 午後Ⅰ
平成29年度 春期 午前Ⅰ
平成28年度 秋期 午前Ⅰ
平成28年度 秋期 午前Ⅱ
平成28年度 秋期 午後Ⅰ
平成28年度 春期 午前Ⅰ
平成27年度 秋期 午前Ⅰ
平成27年度 春期 午前Ⅰ
平成27年度 秋期 午前Ⅱ
平成27年度 秋期 午後Ⅰ
平成26年度 秋期 午前Ⅰ
平成26年度 秋期 午後Ⅰ
平成26年度 春期 午前Ⅰ
平成25年度 秋期 午前Ⅰ
平成25年度 秋期 午後Ⅰ
平成25年度 春期 午前Ⅰ
平成24年度 秋期 午前Ⅰ
平成24年度 秋期 午後Ⅰ
平成24年度 春期 午前Ⅰ
平成23年度 秋期 午前Ⅰ
平成23年度 秋期 午後Ⅰ
平成23年度 特別試験 午前Ⅰ
平成22年度 秋期 午前Ⅰ
平成22年度 秋期 午後Ⅰ
平成22年度 春期 午前Ⅰ
平成21年度 秋期 午前Ⅰ
平成21年度 秋期 午後Ⅰ
平成26年度 秋期 午前Ⅱ
平成25年度 秋期 午前Ⅱ
平成24年度 秋期 午前Ⅱ
平成23年度 秋期 午前Ⅱ
平成22年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 春期 午前Ⅰ