平成22年度 秋期に実施されたITサービスマネージャ試験
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問1
JIS Q 20000-1 において,供給者管理に求められるものはどれか。
ア 供給者管理における変更は,変更管理プロセスではなく,供給者管理プロセスに従う。
イ 供給者は,供給者管理プロセスへの適合を実証する。
ウ サービス提供者は,供給者管理プロセスを文書化する。 正解
エ 重要な契約についてのレビューを少なくとも 3 年に 1 回実施する。
正解 ウ
解説
JIS Q 20000-1 の供給者管理では,サービス提供者が供給者を管理するためのプロセスを文書化し,供給者ごとに契約を結んで,その実績を監視することを求めている。ウが該当する。
アは誤りで,供給者に関わる変更も,サービスや構成品目に影響するものは変更管理プロセスで管理する。イも誤りで,供給者管理プロセスを確立し運用するのはサービス提供者であり,供給者がその適合を実証するものではない。エも誤りで,契約のレビューはあらかじめ定めた間隔で行うことが求められており,“少なくとも 3 年に 1 回”という規定はない。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問1(表記を一部改変)
問2
コンピュータルームにおけるオペレータの行動のうち,適切なものはどれか。
ア オペレーションミスによる障害が発生したので,ジョブを再実行した。この結果,予定時間内に作業が完了したので,正常処理として取り扱った。
イ ジョブの異常終了の原因が,システムリソースの不足にあることが分かったので,運用マニュアルに記載された回復処理手順に従ってジョブを再処理した。 正解
ウ ジョブの実行に必要なデータファイルの記録媒体が準備されておらず,保管庫の管理者が不在だったので,自分自身で保管庫から探し出して,ジョブを実行した。
エ プログラムの開発者から直接,緊急のジョブを実行するように依頼があったので,この依頼を自分の判断で受け入れて,緊急のジョブを処理した。
正解 イ
解説
ジョブの異常終了の原因がシステムリソースの不足と分かった場合は,運用マニュアルに記載された回復処理手順に従って再処理するのが,オペレータとして適切な行動である。イが該当する。
アは,オペレーションミスによる障害を正常処理として扱うと,障害の記録や原因分析,再発防止が行われないので不適切である。ウは,保管庫の管理者の不在時にオペレータが自分で媒体を持ち出しており,媒体の管理と職務の分離を損なう。エは,開発者からの依頼を正式な手続を経ずに自分の判断で受け入れており,承認されていないジョブの実行につながる。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問2(表記を一部改変)
問3
JIS Q 20000 規格群の関係プロセスの規定における,供給者,サービス提供者及び顧客の 3 者の関係のうち,適切なものはどれか。
ア 供給者,サービス提供者及び顧客は,それぞれ別々の組織(外部)に所属する。
イ 供給者のサービスも含めて,サービス提供者が責任をもって,顧客にサービスを提供する。 正解
ウ 供給者は,サービス提供者を顧客とみなしてサービスを提供することはない。
エ 供給者はサービス提供者からサービスや製品を受領して,顧客に提供する。
正解 イ
解説
関係プロセスでは,供給者から調達したサービスも含めて,サービス提供者が一体のサービスとして顧客に提供する。顧客から見た窓口はあくまでサービス提供者であり,供給者と顧客が直接やり取りするわけではない。
アは誤りで,内部顧客や内部供給者のように同じ組織内にいることもある。ウも誤りで,供給者にとってはサービス提供者が顧客に当たる。エは供給者とサービス提供者の関係が逆になっている。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問3(表記を一部改変)
問4
IT サービスマネジメントにおける SLA の対象項目として,適切なものはどれか。
正解 ウ
解説
SLA(サービスレベル合意書)には,サービス提供者と顧客が合意したサービスの品質を測る項目を定める。障害の起きにくさや,稼働率,復旧時間などの信頼性に関する項目は,利用者から見たサービスの品質を表すので SLA の対象になる。ウが適切である。
アの移植性とイの開発生産性は,ソフトウェアの開発や保守に関する特性であり,提供中の IT サービスの品質として合意する項目ではない。エの妥当性は,測定して達成状況を確認できるサービスレベルの項目にはならない。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問4(表記を一部改変)
問5
IT サービスマネジメントにおける問題管理プロセスとして,実施するものはどれか。
ア システムダウンから暫定的に復旧させ,業務を継続できるようにする。
イ システムダウンに備えて,復旧のための設計をする。
ウ システムダウンの根本原因を究明し,抜本的な対応策を策定する。 正解
エ システムダウンの発生を記録し,関係する部署に状況を連絡する。
正解 ウ
解説
問題管理プロセスは,インシデントの根本原因を究明し,再発を防ぐための抜本的な対応策を策定するプロセスである。ウが該当する。
アの暫定的に復旧させて業務を継続できるようにすることと,エのシステムダウンの発生を記録して関係部署に連絡することは,インシデント管理プロセスで行う。イのシステムダウンに備えた復旧のための設計は,可用性管理や IT サービス継続性管理で行う。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問5(表記を一部改変)
問6
JIS Q 20000 規格群におけるインシデント管理プロセスと問題管理プロセスの関係はどれか。
ア インシデント管理プロセスでは,インシデント解決の進捗状況を問題管理プロセスに伝えなければならない。
イ インシデント管理プロセスでは,インシデントの根本原因を調査して,その結果を問題管理プロセスに伝えなければならない。
ウ 問題管理プロセスでは,既知の誤り及び是正された問題に関する最新情報を,インシデント管理プロセスが利用できるようにしなければならない。 正解
エ 問題管理プロセスでは,問題の根本原因を正すために要求される変更を,インシデント管理プロセスに伝えなければならない。
正解 ウ
解説
JIS Q 20000 規格群では,問題管理プロセスは,既知の誤り及び是正された問題に関する最新の情報を,インシデント管理プロセスが利用できるようにしなければならないとしている。インシデント管理はこの情報を使って,同じ原因のインシデントを迅速に解決できる。ウが該当する。
アのインシデント解決の進捗状況を問題管理に伝えることは求められていない。イのインシデントの根本原因の調査は問題管理プロセスで行う活動である。エの根本原因を正すための変更は,変更管理プロセスに要求として提起するもので,インシデント管理プロセスに伝えるものではない。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問6(表記を一部改変)
問7
システム障害が発生したときにシステムを初期状態に戻して再開する方法で,イニシャルプログラムロードとも呼ばれるものはどれか。
ア ウォームスタート
イ コールドスタート 正解
ウ ロールバック
エ ロールフォワード
正解 イ
解説
コールドスタートは,直前の状態を引き継がずにシステムを初期状態から立ち上げ直す方法で,初期プログラムロード(IPL)とも呼ばれる。更新前コピーや更新後コピーを使った前処理を伴わない。
アのウォームスタートは,停止直前の状態を引き継いで再開する方法。ウのロールバックとエのロールフォワードは,ログを使ってデータベースの内容を整合の取れた状態に戻す・進める回復処理であり,システムの開始方法ではない。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問7(表記を一部改変)
問8
レプリケーションが有効な対策となるものはどれか。
ア 悪意によるデータの改ざんを防ぐ。
イ コンピュータウイルスによるデータの破壊を防ぐ。
ウ 災害発生時にシステムが長時間停止するのを防ぐ。 正解
エ 操作ミスによるデータの削除を防ぐ。
正解 ウ
解説
レプリケーションは,データを別の場所にある複製先へほぼリアルタイムに複製し,常に同じ内容を保つ仕組みである。災害で主系のシステムが使えなくなっても,遠隔地の複製先に切り替えれば,最新に近いデータで早期にサービスを再開できるので,システムの長時間停止を防ぐ対策になる。ウが該当する。
ア,イ,エの改ざん,ウイルスによる破壊,操作ミスによる削除は,いずれも元のデータへの変更がそのまま複製先にも反映されてしまうので,レプリケーションでは防げない。これらには,アクセス制御やウイルス対策,世代管理したバックアップなどが有効である。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問8(表記を一部改変)
問9
ITIL v3 における変更諮問委員会(CAB)の役割の説明はどれか。
ア 変更されたリリースパッケージの導入に対する最終承認を行う。
イ 変更に対する切り戻し計画とテスト計画の作成を行う。
ウ 変更の許可を支援し,変更の評価と優先度付けにおいて変更管理を援助する。 正解
エ 変更要求の受領及び登録を行い,非現実的な要求は却下する。
正解 ウ
解説
ITIL v3 の変更諮問委員会(CAB)は,変更の評価,優先度付け,許可について,変更マネージャを支援し助言する機関である。変更の内容に応じて,IT 部門,業務部門,供給者などの関係者で構成する。ウが該当する。
アのリリースパッケージの導入の承認はリリース管理で行う判断である。イの切り戻し計画やテスト計画の作成は,変更を実施する担当者やリリース管理が行う作業である。エの変更要求の受付と登録,非現実的な要求の却下は,変更管理の最初の段階で変更マネージャなどが行う作業であり,CAB の役割ではない。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問9(表記を一部改変)
問10
システムを毎日 8:00 から 24:00 まで稼働させるために,要員を図の 3 種類の勤務時間で 1 名ずつ配置している。このシステムを,年間 365 日稼働させるために必要となる要員の総数は,最少で何人か。ここで,年間の休日は 120 日,年次有給休暇日数は 20 日とする。また,休暇や病欠などで要員の確保が不可能にならないように調整できるものとする。
正解 ウ
解説
8:00 から 24:00 まで稼働させるために,勤務 1〜3 に毎日 1 名ずつ,1 日当たり 3 名の勤務が必要である。年間 365 日稼働させるので,必要な勤務日数の合計は 3×365=1,095 人日となる。
要員 1 人が年間に勤務できる日数は,365−120(休日)−20(年次有給休暇)=225 日である。1,095÷225=4.86… なので,4 人では 900 人日しか確保できず,最少で 5 人が必要となる。ウになる。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問10(表記を一部改変)
問11
ITIL におけるサービスレベル管理の説明はどれか。
ア IT サービスを供給するために使用される IT 資産と資源を財務的に管理するプロセスである。
イ 顧客と提供者の合意事項が達成できるように IT サービスの品質を維持し,改善するプロセスである。 正解
ウ サービスの品質を阻害する事象に対して,迅速に元のサービスレベルまで回復させるプロセスである。
エ 必須となる IT インフラとサービス設備が,合意した期限内に回復できるようにするプロセスである。
正解 イ
解説
ITIL のサービスレベル管理は,顧客と IT サービス提供者の間で合意したサービスレベルが達成できるように,IT サービスの品質を監視,報告,レビューし,維持・改善していくプロセスである。イが該当する。
アは IT 資産と資源を財務的に管理する IT サービス財務管理,ウはサービスの品質を阻害する事象から迅速に回復させるインシデント管理,エは必須となる IT インフラとサービス設備を合意した期限内に回復できるようにする IT サービス継続性管理の説明である。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問11(表記を一部改変)
問12
“IT サービスが必要とされたときに合意済の機能を実行する能力”について,様々な側面を定義,分析,計画立案,測定,改善することを責務とする ITIL のプロセスはどれか。
ア IT サービス継続性管理
イ インシデント管理
ウ 可用性管理 正解
エ 問題管理
正解 ウ
解説
設問の“IT サービスが必要とされるときに,合意した条件の下で要求された機能を果たせる状態にある能力”は可用性の定義。これを定義し,分析し,計画し,測定し,改善するのが可用性管理。
アの IT サービス継続性管理は災害などの重大な中断に備えて復旧を計画するプロセス,イのインシデント管理は発生した中断を早く復旧させるプロセス,エの問題管理はインシデントの根本原因を取り除くプロセスであり,可用性そのものを管理するプロセスではない。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問12(表記を一部改変)
問13
ITIL v3 におけるサービストランジションの説明はどれか。
ア 規定された要件と制約に沿って,サービスを運用に移行し,確実に稼働させることである。 正解
イ サービスの効率,有効性,費用対効果の観点で運用状況を継続的に測定し,改善していくことである。
ウ サービスの内容を具体的に決めることである。
エ 戦略的資産として,どのようにサービスマネジメントを設計,開発,導入するかについての手引を提供することである。
正解 ア
解説
ITIL のサービスライフサイクルは,サービスストラテジ,サービスデザイン,サービストランジション,サービスオペレーション,継続的サービス改善の五つの段階からなる。サービストランジションは,設計されたサービスを,規定された要件と制約に沿って構築・テストし,運用に移行して確実に稼働させる段階である。アが正しい。
イの運用状況を継続的に測定して改善するのは継続的サービス改善。ウのサービスの内容を具体的に決めるのはサービスデザイン。エの,戦略的資産としてサービスマネジメントをどう設計,開発,導入するかの手引を提供するのはサービスストラテジの説明である。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問13(表記を一部改変)
問14
ソフトウェア開発・保守の工程において,リポジトリを構築する理由はどれか。
ア 各工程で検出した不良を管理することが可能になり,ソフトウェアの品質分析が容易になる。
イ 各工程での作業手順を定義することが容易になり,開発・保守時の作業ミスを防止することができる。
ウ 各工程での作業予定と実績を関連付けて管理することが可能になり,作業の進捗管理が容易になる。
エ 各工程での成果物を一元管理することによって,開発・保守作業の効率が良くなり,用語の統一もできる。 正解
正解 エ
解説
リポジトリは,要求仕様書,設計書,プログラム,テストデータなど,ソフトウェア開発・保守の各工程で作成される成果物とその情報を一元的に管理するデータベースである。成果物を共有して再利用しやすくなるので開発・保守作業の効率が良くなり,データ項目名などの用語を辞書として統一することもできる。エが該当する。
アの不良の管理は不良管理(障害管理)のデータベース,イの作業手順の定義は標準化された開発プロセスや手順書,ウの作業予定と実績の管理は進捗管理のツールの役割である。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問14(表記を一部改変)
問15
システム運用にかかわる費用を,利用部門に公平に賦課するための制度はどれか。
正解 ウ
解説
課金は,システム運用に掛かった費用を,各利用部門の利用量などに応じて公平に負担させる制度である。利用部門にコストを意識させ,資源の無駄な使用を抑える効果もある。ウが該当する。
アの委託計算は計算処理を外部に委託すること,イの外部委託は業務を外部の事業者に任せることであり,費用を利用部門に賦課する制度ではない。エの標準原価は,製品などの目標となる原価をあらかじめ科学的に設定したもので,原価管理に用いる。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問15(表記を一部改変)
問16
ミッションクリティカルシステムの意味として,適切なものはどれか。
ア OS などのように,業務システムを稼働させる上で必要不可欠なシステム
イ システム運用条件が,性能の限界に近い状態の下で稼働するシステム
ウ 障害が起きると,企業活動に重大な影響を及ぼすシステム 正解
エ 先行して試験導入され,成功すると本格的に導入されるシステム
正解 ウ
解説
ミッションクリティカルシステムは,障害が発生して停止すると,企業活動や社会に重大な影響を及ぼすシステムである。銀行の勘定系システムや交通機関の運行管理システムなどが該当し,高い信頼性と可用性が求められる。ウが適切である。
アは業務システムの基盤となる OS などの基本ソフトウェア,イは性能の限界に近い高負荷で稼働するシステムの説明である。エは試験的に導入されるパイロットシステムの説明である。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問16(表記を一部改変)
問17
請負契約でシステム開発を委託している案件について,委託元のシステム監査人の指摘事項に該当するものはどれか。
ア 委託した開発案件の品質を委託元の管理者が定期的にモニタリングしている。
イ 委託元の管理者が委託先の開発担当者を指揮命令している。 正解
ウ 契約書に機密保持のための必要事項が盛り込まれている。
エ 特定の委託先との契約が長期化しているので,その妥当性を確認している。
正解 イ
解説
請負契約では,受託者が自ら雇用する開発担当者に対して業務の遂行方法の指示などを行う。委託元の管理者が委託先の開発担当者を直接指揮命令すると,実態が労働者派遣となる偽装請負に当たり,労働者派遣法に抵触するおそれがあるので,システム監査人の指摘事項に該当する。イが該当する。
アの委託した開発案件の品質を定期的にモニタリングすること,ウの契約書に機密保持のための事項を盛り込むこと,エの長期化した契約の妥当性を確認することは,いずれも委託元として適切な管理であり,指摘事項にはならない。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問17(表記を一部改変)
問18
EVM(Earned Value Management)は,プロジェクトのスケジュールの遅れやコストの超過を可視化できる進捗管理手法である。図中の A が示すものはどれか。
ア 実質的な削減金額
イ 実質的な超過金額
ウ 進捗の遅延日数
エ 進捗の遅れを金額で表した値 正解
正解 エ
解説
EVM では,現在の時点までに予定していた作業の価値であるプランドバリュー(PV)と,実際に完了した作業の価値であるアーンドバリュー(EV)を比べて進捗を評価する。図の A は PV と EV の差(スケジュール差異)であり,予定より進んでいない作業の分を金額で表したものである。エが該当する。
アとイのコストの削減や超過は,EV と実コスト(AC)の差(コスト差異)で表す。ウの遅延日数は横軸(時間)方向の差であり,縦軸(金額)方向の差である A では表されない。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問18(表記を一部改変)
問19
プロジェクトのリスクマネジメントにおけるリスク対応策のうち,リスクの受容策はどれか。
ア 開発人員を追加投入する。
イ 開発を他社に委託する。
ウ スコープを縮小する。
エ リスク発生に備えてコンティンジェンシー予備を設ける。 正解
正解 エ
解説
リスク対応策には,回避,転嫁,軽減,受容がある。受容は,リスクへの対応策を事前に講じず,リスクが発生したときに対処することを受け入れる策であり,発生に備えて費用や時間のコンティンジェンシー予備を設けておくことは,能動的な受容策に当たる。エが該当する。
アの開発人員の追加投入はリスクの発生確率や影響を小さくする軽減,イの開発の他社への委託はリスクを第三者に移す転嫁,ウのスコープの縮小はリスクの原因そのものを取り除く回避の策である。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問19(表記を一部改変)
問20
RAID3 の組合せとして,適切なものはどれか。
ア ストライピングの単位:ビット,冗長化:ハミングコード,冗長ディスク構成:固定
イ ストライピングの単位:ビット,冗長化:パリティ,冗長ディスク構成:固定 正解
ウ ストライピングの単位:ブロック,冗長化:パリティ,冗長ディスク構成:固定
エ ストライピングの単位:ブロック,冗長化:パリティ,冗長ディスク構成:分散
正解 イ
解説
RAID3 は,データをビット(又はバイト)単位で複数のディスクに分散して記録するストライピングを行い,誤り訂正のためのパリティを専用の 1 台のディスクに固定して記録する方式である。イが適切である。
アのハミングコードを用いるのは RAID2,ウのブロック単位のストライピングでパリティ専用ディスクを固定するのは RAID4,エのブロック単位でパリティを複数のディスクに分散するのは RAID5 である。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問20(表記を一部改変)
問21
Web システムにおいて,ロードバランサ(負荷分散装置)が定期的に行っているアプリケーションレベルの稼働監視に関する記述として,最も適切なものはどれか。
ア Web サーバで OS のコマンドを実行し,その結果が正常かどうかを確認する。
イ Web サーバの特定の URL にアクセスし,その結果に含まれる文字列が想定値と一致するかどうかを確認する。 正解
ウ Web サーバの特定のポートに対して接続要求パケットを発行し,確認応答パケットが返ってくるかどうかを確認する。
エ ネットワークの疎通を確認するコマンドを実行し,Web サーバから応答が返ってくるかどうかを確認する。
正解 イ
解説
ロードバランサによるアプリケーションレベルの稼働監視は,Web サーバの特定の URL に実際に HTTP でアクセスし,応答の内容に想定した文字列が含まれているかを確認して,アプリケーションが正しく動作しているかを判断する。イが最も適切である。
ウは特定のポートへの接続確認で,TCP の接続が確立できることは分かるが,アプリケーションが正常に応答するかまでは分からない。エは ping などによるネットワークの疎通確認である。アの Web サーバで OS のコマンドを実行する方法は,負荷分散装置が外部から行う稼働監視ではなく,アプリケーションの応答も確認できない。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問21(表記を一部改変)
問22
商品の販売状況分析を商品軸,販売チャネル軸,時間軸,顧客タイプ軸で行う。データ集計の観点を,商品,販売チャネルごとから,商品,顧客タイプごとに切り替える操作はどれか。
ア ダイス 正解
イ データクレンジング
ウ ドリルダウン
エ ロールアップ
正解 ア
解説
OLAP のダイスは,多次元データを見る分析軸を別の軸に入れ替える操作。商品・販売チャネルの組合せで見ていたものを商品・顧客タイプの組合せに切り替えるのがこれに当たる。
ウのドリルダウンは同じ軸のまま,より細かい階層へ掘り下げる操作。エのロールアップは逆に上位の階層へ集約する操作。イのデータクレンジングは,分析の前に表記の揺れや誤りを整える処理であり,集計の観点を変える操作ではない。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問22(表記を一部改変)
問23
図は,組織内の TCP/IP ネットワークにあるクライアントが,プロキシサーバ,ルータ,インターネットを経由して組織外の Web サーバを利用するときの経路を示している。この通信の TCP コネクションが設定される場所はどれか。
ア クライアントと Web サーバの間,クライアントとプロキシサーバの間
イ クライアントとプロキシサーバの間,プロキシサーバと Web サーバの間 正解
ウ クライアントとプロキシサーバの間,プロキシサーバとルータの間,ルータと Web サーバの間
エ クライアントとルータの間,ルータと Web サーバの間
正解 イ
解説
プロキシサーバはクライアントに代わって Web サーバへアクセスする。このためコネクションはクライアントとプロキシサーバの間で一度終端され,プロキシサーバと Web サーバの間で改めて張られる。TCP コネクションはこの 2 本になる。
アは誤りで,プロキシを経由する以上クライアントと Web サーバが直接コネクションを張ることはない。ウとエのルータは IP パケットを中継するネットワーク層の装置であり,TCP コネクションの終端にはならない。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問23(表記を一部改変)
問24
暗号方式に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア AES は公開鍵暗号方式,RSA は共通鍵暗号方式の一種である。
イ 共通鍵暗号方式では,暗号化及び復号に使用する鍵が同一である。 正解
ウ 公開鍵暗号方式を通信内容の秘匿に使用する場合は,暗号化鍵を秘密にして,復号鍵を公開する。
エ ディジタル署名に公開鍵暗号方式が使用されることはなく,共通鍵暗号方式が使用される。
正解 イ
解説
共通鍵暗号方式は,暗号化と復号に同じ鍵を使う方式である。イが適切である。
アは誤りで,AES は共通鍵暗号方式,RSA は公開鍵暗号方式である。ウも誤りで,公開鍵暗号方式を通信内容の秘匿に使う場合は,受信者の公開鍵で暗号化し,受信者だけがもつ秘密鍵で復号する。暗号化鍵を公開し,復号鍵を秘密にする。エも誤りで,デジタル署名では,送信者が自分の秘密鍵で署名を作り,受信者が送信者の公開鍵で検証するので,公開鍵暗号方式が使われる。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問24(表記を一部改変)
問25
製造業者の責任に関して,製造物責任法(PL 法)に定められているものはどれか。
ア 顧客の財産に関する損害については,製造業者は製造物を顧客に引き渡した時から永久に損害賠償責任を負う。
イ 製造物の欠陥原因が部品メーカの製造した部品であった場合,完成品メーカの設計どおりに製造し納品した部品であっても,部品メーカに損害賠償責任がある。
ウ 製造物を顧客に引き渡した時における科学又は技術水準では発見できない内容の欠陥であれば,その製造業者の損害賠償責任は問われない。 正解
エ 製造物を輸入して販売している販売業者は,製造業者ではないので,その製造物によって顧客が財産上の損害を被っても,損害賠償責任は問われない。
正解 ウ
解説
製造物責任法第 4 条第 1 号は,製造物を引き渡した時における科学又は技術に関する知見によっては欠陥があることを認識できなかったことを製造業者等が証明したときは,損害賠償の責任を負わないと定めている(開発危険の抗弁)。ウが該当する。
アは誤りで,同法第 5 条により,損害賠償の請求権は製造業者等が製造物を引き渡した時から 10 年を経過したときなどに時効によって消滅する。イも誤りで,同法第 4 条第 2 号により,部品の欠陥が専ら完成品メーカの設計に関する指示に従ったことにより生じ,過失がない場合は,部品メーカは責任を負わない。エも誤りで,同法第 2 条第 3 項により,製造物を業として輸入した者も製造業者に含まれ,責任を負う。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問25(表記を一部改変)
ほかの年度
令和7年度 秋期 午前Ⅱ
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平成22年度 秋期 午後Ⅰ
平成22年度 春期 午前Ⅰ
平成21年度 秋期 午前Ⅰ
平成21年度 秋期 午後Ⅰ
平成26年度 秋期 午前Ⅱ
平成25年度 秋期 午前Ⅱ
平成24年度 秋期 午前Ⅱ
平成23年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 春期 午前Ⅰ