令和元年度 秋期に実施された高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通
午前Ⅰの全30問です。問題文・正解・解説をそのまま読めます。
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問1
全体集合 S 内に異なる部分集合 A と B があるとき,A̅∩B̅ に等しいものはどれか。ここで,A∪B は A と B の和集合,A∩B は A と B の積集合,A̅ は S における A の補集合,A−B は A から B を除いた差集合を表す。
ア A̅−B 正解
イ (A̅∪B̅)−(A∩B)
ウ (S−A)∪(S−B)
エ S−(A∩B)
正解 ア
解説
ド・モルガンの法則により,A̅∩B̅ は A∪B の補集合,つまり A にも B にも属さない要素の集合になる。アの A̅−B は「A に属さない要素から,さらに B に属するものを除いたもの」なので A̅ かつ B でない,すなわち A̅∩B̅ と同じ集合を表す。アが正しい。
イの (A̅∪B̅)−(A∩B) は,A̅∪B̅ がド・モルガンの法則で A∩B の補集合になり,そこから A∩B を引いても変わらないので A∩B の補集合のまま。ウの (S−A)∪(S−B) は A̅∪B̅ で,これも A∩B の補集合。エの S−(A∩B) も同じ集合で,イ・ウ・エはいずれも「A と B の少なくとも一方に属さない要素」を表しており,求める集合より広い。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問1(表記を一部改変)
問2
通信回線を使用したデータ伝送システムに M/M/1 の待ち行列モデルを適用すると,平均回線待ち時間,平均伝送時間,回線利用率の関係は,次の式で表すことができる。
平均回線待ち時間 = 平均伝送時間 × 回線利用率/(1−回線利用率)
回線利用率が0から徐々に増加していく場合,平均回線待ち時間が平均伝送時間よりも最初に長くなるのは,回線利用率が幾つを超えたときか。
正解 イ
解説
平均回線待ち時間が平均伝送時間より長くなるのは,掛かっている係数 回線利用率/(1−回線利用率) が1を超えるとき。回線利用率を ρ とすると ρ/(1−ρ)>1 を解いて ρ>1−ρ,すなわち ρ>0.5 となる。回線利用率が0.5を超えたときに初めて待ち時間が伝送時間を上回るので,イが正しい。
ρ=0.5 のとき係数はちょうど1で,待ち時間と伝送時間が等しくなる。ρ=0.6 なら1.5倍,ρ=0.7 なら約2.33倍で,利用率が1に近づくと係数は際限なく大きくなる。待ち行列を扱うときに利用率を上げすぎてはいけないのは,この非線形な伸びのためである。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問2(表記を一部改変)
問3
AI の機械学習における教師なし学習で用いられる手法として,最も適切なものはどれか。
ア 幾つかのグループに分かれている既存データ間に分離境界を定め,新たなデータがどのグループに属するかはその分離境界によって判別するパターン認識手法
イ 数式で解を求めることが難しい場合に,乱数を使って疑似データを作り,数値計算をすることによって解を推定するモンテカルロ法
ウ データ同士の類似度を定義し,その定義した類似度に従って似たもの同士は同じグループに入るようにデータをグループ化するクラスタリング 正解
エ プロットされた時系列データに対して,曲線の当てはめを行い,得られた近似曲線によってデータの補完や未来予測を行う回帰分析
正解 ウ
解説
教師なし学習は,正解ラベルの付いていないデータから構造や規則性を見つけ出す学習方法。クラスタリングは,データ同士の類似度だけを手掛かりに似たもの同士をまとめる手法なので,これに当たる。ウが正しい。
アは既にグループ分けされた(ラベル付きの)データから分離境界を学ぶ判別分析やサポートベクタマシンの説明で,教師あり学習。エの回帰分析も正解となる値を与えて学習するので教師あり学習である。イのモンテカルロ法は乱数を使った数値計算の手法で,機械学習の分類には当たらない。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問3(表記を一部改変)
問4
先頭ポインタと末尾ポインタをもち,多くのデータがポインタでつながった単方向の線形リストの処理のうち,先頭ポインタ,末尾ポインタ又は各データのポインタをたどる回数が最も多いものはどれか。ここで,単方向のリストは先頭ポインタからつながっているものとし,追加するデータはポインタをたどらなくても参照できるものとする。
ア 先頭にデータを追加する処理
イ 先頭のデータを削除する処理
ウ 末尾にデータを追加する処理
エ 末尾のデータを削除する処理 正解
正解 エ
解説
単方向リストでは各データが次のデータへのポインタだけをもつ。末尾のデータを削除するには,新たな末尾になる「元の末尾の一つ前」のデータのポインタを書き換える必要があるが,その位置は前へさかのぼれないので先頭からたどるしかない。データ数に比例した回数のポインタ参照が要るので,エが最も多くなる。
アの先頭への追加は,追加するデータのポインタを現在の先頭に向けて先頭ポインタを書き換えるだけ。イの先頭の削除も先頭のデータのポインタを読んで付け替えるだけ。ウの末尾への追加は末尾ポインタから直接たどり着ける。いずれもデータ数に関係なく一定回数で済む。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問4(表記を一部改変)
問5
容量が a M バイトでアクセス時間が x ナノ秒の命令キャッシュと,容量が b M バイトでアクセス時間が y ナノ秒の主記憶をもつシステムにおいて,CPU からみた,主記憶と命令キャッシュとを合わせた平均アクセス時間を表す式はどれか。ここで,読み込みたい命令コードがキャッシュに存在しない確率を r とし,キャッシュ管理に関するオーバヘッドは無視できるものとする。
正解 イ
解説
平均アクセス時間は,キャッシュに当たったときの時間とキャッシュに外れて主記憶を読むときの時間を,それぞれの確率で重み付けした平均になる。r は「キャッシュに存在しない確率」=ミス率なので,ヒット率は 1−r。したがって (1−r)·x + r·y となり,イが正しい。
エは r と 1−r を取り違えており,ミス率が高いほど速くなるという逆の式になっている。アとウは容量 a,b の比で重み付けしているが,平均アクセス時間を決めるのはアクセスがどちらに向かうかの確率であって,容量の比ではない。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問5(表記を一部改変)
問6
ジョブ群と実行の条件が次のとおりであるとき,一時ファイルを作成する磁気ディスクに必要な容量は最低何 M バイトか。
〔ジョブ群〕
〔実行の条件〕
(1) ジョブの実行多重度を2とする。 (2) 各ジョブの処理時間は同一であり,他のジョブの影響は受けない。 (3) 各ジョブは開始時に50M バイトの一時ファイルを新たに作成する。 (4) X→Y の関係があれば,ジョブ X の開始時に作成した一時ファイルは,直後のジョブ Y で参照し,ジョブ Y の終了時にその一時ファイルを削除する。直後のジョブが複数個ある場合には,最初に生起されるジョブだけが先行ジョブの一時ファイルを参照する。 (5) X から Y,Z の二つへ矢印が分かれている場合は,ジョブ X の終了時に,ジョブ Y,Z のようにジョブ X と矢印で結ばれる全てのジョブが,上から記述された順に優先して生起されることを示す。 (6) X,Y の二つから Z へ矢印が集まっている場合は,先行するジョブ X,Y 両方が終了したときにジョブ Z が生起されることを示す。 (7) ジョブの生起とは実行待ち行列への追加を意味し,各ジョブは待ち行列の順に実行される。 (8) OS のオーバヘッドは考慮しない。
正解 ウ
解説
処理時間が同じで多重度が2なので,時間の刻みごとに走るジョブを追う。まず A が単独で実行され一時ファイルを1個作る(50M バイト)。A の終了で B と C が生起し,多重度2で同時に実行されてそれぞれ一時ファイルを作るので,A・B・C の3個で150M バイト。次に B と C が終わると,B の一時ファイルは D が,C の一時ファイルは E が参照するので残り,A の一時ファイルだけが削除される。そこへ D と E が同時に実行されて一時ファイルを作るため,B・C・D・E の4個で200M バイトになる。これが最大なのでウが正しい。
その後 D と E が終わると B・C の一時ファイルが消え,F が実行されて D・E・F の3個(150M バイト)に減る。多重度が2なので同時に走るジョブは二つまでで,一時ファイルが5個以上同時に存在することはない。したがってエの250M バイトは要らず,アの100M バイトやイの150M バイトでは D と E を同時に実行する時点で足りなくなる。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問6(表記を一部改変)
問7
キャパシティプランニングの目的の一つに関する記述のうち,最も適切なものはどれか。
ア 応答時間に最も影響があるボトルネックだけに着目して,適切な変更を行うことによって,そのボトルネックの影響を低減又は排除することである。
イ システムの現在の応答時間を調査し,長期的に監視することによって,将来を含めて応答時間を維持することである。 正解
ウ ソフトウェアとハードウェアをチューニングして,現状の処理能力を最大限に引き出して,スループットを向上させることである。
エ パフォーマンスの問題はリソースの過剰使用によって発生するので,特定のリソースの有効利用を向上させることである。
正解 イ
解説
キャパシティプランニングは,将来の業務量の増加を見込んで必要な資源をあらかじめ計画する活動。現在の応答時間を把握して長期的に監視し,将来にわたって必要な性能を保てるようにするのが目的の一つになる。イが正しい。
アのボトルネックだけに着目した変更や,ウのチューニングによるスループット向上は,いま起きている性能問題を改善する活動であって,先を見越した計画ではない。エは「パフォーマンスの問題はリソースの過剰使用によって発生する」と原因を一つに決めつけており,キャパシティプランニングの目的の説明としては適切でない。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問7(表記を一部改変)
問8
エネルギーハーベスティングの適用例として,適切なものはどれか。
ア AC 電源で充電したバッテリで駆動される携帯電話機
イ インバータ制御を用いるエアーコンディショナの室外機
ウ スイッチを押す力を電力に変換して作動する RF リモコン 正解
エ 無停電電源装置を備えたデータサーバ
正解 ウ
解説
エネルギーハーベスティング(環境発電)は,身の回りにある光・熱・振動・電波などのわずかなエネルギーを電力に変換して利用する技術。スイッチを押す力を電力に変えて動く RF リモコンは,電池も外部電源も要らなくなる典型的な適用例である。ウが正しい。
アの AC 電源で充電したバッテリや,エの無停電電源装置は,外部から供給された電力を蓄えて使うもの。イのインバータ制御は電力の使い方を効率化する技術で,いずれも周囲に散在するエネルギーを収穫しているわけではない。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問8(表記を一部改変)
問9
データベースに媒体障害が発生したときのデータベースの回復法はどれか。
ア 障害発生時,異常終了したトランザクションをロールバックする。
イ 障害発生時点でコミットしていたがデータベースの実更新がされていないトランザクションをロールフォワードする。
ウ 障害発生時点でまだコミットもアボートもしていなかった全てのトランザクションをロールバックする。
エ バックアップコピーでデータベースを復元し,バックアップ取得以降にコミットした全てのトランザクションをロールフォワードする。 正解
正解 エ
解説
媒体障害は記憶媒体そのものが壊れる障害で,データベースの内容が失われる。回復するには,まずバックアップコピーから復元し,その後にログを使って,バックアップ取得以降にコミットされたトランザクションをロールフォワードして障害直前の状態まで進める。エが正しい。
アはトランザクション障害での回復,ウはシステム障害での回復に当たり,どちらも媒体は無事なのでロールバックで済む。イもシステム障害での回復で,バックアップからの復元を伴わない点が媒体障害の場合と異なる。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問9(表記を一部改変)
問10
イーサネットで使用されるメディアアクセス制御方式である CSMA/CD に関する記述として,適切なものはどれか。
ア それぞれのステーションがキャリア検知を行うとともに,送信データの衝突が起きた場合は再送する。 正解
イ タイムスロットと呼ばれる単位で分割して,同一周波数において複数の通信を可能にする。
ウ データ送受信の開始時にデータ送受信のネゴシエーションとして RTS/CTS 方式を用い,受信の確認は ACK を使用する。
エ 伝送路上にトークンを巡回させ,トークンを受け取った端末だけがデータを送信できる。
正解 ア
解説
CSMA/CD は,送信前に伝送路が使われていないかを調べ(Carrier Sense),空いていれば送信する。同時に送信されて衝突が起きたことを検出したら(Collision Detection)送信を中断し,ランダムな時間だけ待ってから再送する。アが正しい。
イはタイムスロットで分割する TDMA(時分割多元接続)。ウは無線 LAN の CSMA/CA で,無線では衝突を検出できないため RTS/CTS で事前に調整し,ACK で受信を確認する。エはトークンパッシング方式の説明である。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問10(表記を一部改変)
問11
TCP/IP ネットワークのフォワードプロキシに関する説明のうち,最も適切なものはどれか。
ア Web サーバと同一の組織内(例えば企業内)にあって,Web ブラウザからのリクエストに対して Web サーバの代理として応答する。
イ Web ブラウザと同一の組織内(例えば企業内)になければならない。
ウ Web ブラウザの代理として,Web サーバに対するリクエストを送信する。 正解
エ 電子メールをインターネット上の複数のサーバを経由して転送する。
正解 ウ
解説
フォワードプロキシは,内部のクライアント(Web ブラウザ)の代理として,外部の Web サーバへリクエストを送る中継サーバ。ブラウザ側に立つ代理なのでウが正しい。アクセス制御やログ取得,キャッシュによる高速化に使われる。
アはリバースプロキシの説明で,こちらはサーバ側に置かれてサーバの代理として応答する。イは,フォワードプロキシは同じ組織内に置くのが普通だが,インターネット上のプロキシを経由することもできるので「なければならない」とは言えない。エは電子メールを中継する MTA の説明である。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問11(表記を一部改変)
問12
インターネットとの接続において,ファイアウォールの NAPT 機能によるセキュリティ上の効果はどれか。
ア DMZ 上にある公開 Web サーバの脆弱性を悪用する攻撃から防御できる。
イ インターネットから内部ネットワークへの侵入を検知し,検知後の通信を遮断できる。
ウ インターネット上の特定の Web サービスを利用する HTTP 通信を検知し,遮断できる。
エ 内部ネットワークからインターネットにアクセスする利用者 PC について,インターネットからの不正アクセスを困難にすることができる。 正解
正解 エ
解説
NAPT は,内部の複数の PC のプライベート IP アドレスとポート番号を,グローバル IP アドレスと別のポート番号の組に対応付けて変換する。この対応表は内部から外へ通信を始めたときに作られるので,インターネット側から内部の PC を名指しで指定して接続を仕掛けることが難しくなる。エが正しい。
アの公開 Web サーバの脆弱性を突く攻撃への防御は WAF の役割。イの侵入検知と遮断は IPS,ウの特定の Web サービスを使う HTTP 通信の検知・遮断はプロキシや URL フィルタリングの役割で,いずれも NAPT の機能ではない。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問12(表記を一部改変)
問13
チャレンジレスポンス認証方式に該当するものはどれか。
ア 固定パスワードを TLS によって暗号化し,クライアントからサーバに送信する。
イ 端末のシリアル番号を,クライアントで秘密鍵を使って暗号化してサーバに送信する。
ウ トークンという装置が自動的に表示する,認証のたびに異なるデータをパスワードとしてサーバに送信する。
エ 利用者が入力したパスワードと,サーバから受け取ったランダムなデータとをクライアントで演算し,その結果をサーバに送信する。 正解
正解 エ
解説
チャレンジレスポンス認証では,サーバが認証のたびに異なるランダムなデータ(チャレンジ)を送り,クライアントはパスワードとチャレンジから計算した値(レスポンス)を返す。パスワードそのものはネットワークを流れず,盗聴されたレスポンスも次回は別のチャレンジになるので使い回せない。エが正しい。
アは通信路を暗号化して固定パスワードを送るだけで,チャレンジを使っていない。イは端末のシリアル番号を暗号化して送るもので,毎回同じ値になる。ウは時刻同期方式のワンタイムパスワードで,値は毎回変わるがサーバからのチャレンジを受け取っていない点が異なる。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問13(表記を一部改変)
問14
ファジングに該当するものはどれか。
ア サーバに FIN パケットを送信し,サーバからの応答を観測して,稼働しているサービスを見つけ出す。
イ サーバの OS やアプリケーションソフトウェアが生成したログやコマンド履歴などを解析して,ファイルサーバに保存されているファイルの改ざんを検知する。
ウ ソフトウェアに,問題を引き起こしそうな多様なデータを入力し,挙動を監視して,脆弱性を見つけ出す。 正解
エ ネットワーク上を流れるパケットを収集し,そのプロトコルヘッダやペイロードを解析して,あらかじめ登録された攻撃パターンと一致した場合は不正アクセスと判断する。
正解 ウ
解説
ファジング(fuzzing)は,極端に長い文字列や想定外の値など,問題を引き起こしそうなデータを大量に入力し,異常終了や想定外の動作が起きないかを監視して脆弱性を洗い出す手法。仕様やソースコードが分からなくても実施できる。ウが正しい。
アはサーバに FIN パケットを送って応答から稼働中のサービスを探る FIN スキャン。イはログを解析するファイル改ざんの検知。エはあらかじめ登録した攻撃パターンと照合するシグネチャ型の IDS/IPS の説明である。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問14(表記を一部改変)
問15
虹彩認証に関する記述のうち,最も適切なものはどれか。
ア 経年変化による認証精度の低下を防止するために,利用者の虹彩情報を定期的に登録し直さなければならない。
イ 赤外線カメラを用いると,照度を高くするほど,目に負担を掛けることなく認証精度を向上させることができる。
ウ 他人受入率を顔認証と比べて低くすることが可能である。 正解
エ 本人が装置に接触したあとに残された遺留物を採取し,それを加工することによって認証データを偽造し,本人になりすますことが可能である。
正解 ウ
解説
虹彩は瞳孔の周りにある模様で,個人差が非常に大きく,読み取れる情報量も多い。そのため他人を誤って本人と認めてしまう割合(他人受入率)を,顔認証より低く抑えることができる。ウが正しい。
アは,虹彩の模様は生後2年ほどで安定した後はほとんど変化しないので,定期的な登録し直しは要らない。イは,照度を高くすると目に負担がかかるうえ瞳孔が縮んで虹彩の見え方が変わるので,精度が上がるとは限らない。エは指紋認証で問題になる話で,虹彩認証は装置に接触しないため遺留物は残らない。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問15(表記を一部改変)
問16
作業成果物の作成者以外の参加者がモデレータとしてレビューを主導する役割を受け持つこと,並びに公式な記録及び分析を行うことが特徴のレビュー技法はどれか。
ア インスペクション 正解
イ ウォークスルー
ウ パスアラウンド
エ ペアプログラミング
正解 ア
解説
インスペクションは,成果物の作成者以外の参加者がモデレータとなって進行を主導し,指摘事項を公式に記録して欠陥の件数や種類を分析する,最も公式度の高いレビュー技法。分析結果を以後の開発の改善につなげる点も特徴になる。アが正しい。
イのウォークスルーは作成者自身が主催し,参加者に説明しながら進める非公式なレビュー。ウのパスアラウンドは成果物を回覧してコメントを集める方法。エのペアプログラミングは2人で1台の端末を使って一緒にコードを書く手法で,モデレータも公式な記録もない。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問16(表記を一部改変)
問17
自社開発したソフトウェアの他社への使用許諾に関する説明として,適切なものはどれか。
ア 既に自社の製品に搭載して販売していると,ソフトウェア単体では使用許諾できない。
イ 既にハードウェアと組み合わせて特許を取得していると,ソフトウェア単体では使用許諾できない。
ウ ソースコードを無償で使用許諾すると,無条件でオープンソースソフトウェアになる。
エ 特許で保護された技術を使っていないソフトウェアであっても,使用許諾することは可能である。 正解
正解 エ
解説
使用許諾(ライセンス)は,著作権者が自分の著作物を他人に使わせることを認める行為。特許で保護された技術を使っているかどうかとは無関係で,著作権をもっていれば使用を許諾できる。エが正しい。
アは,自社製品に組み込んで販売していてもソフトウェアの著作権は自社にあるので,単体でも許諾できる。イも,ハードウェアと組み合わせた特許を取得していることと,ソフトウェアの著作権を許諾することとは別の話。ウは,ソースコードを無償で提供しただけではオープンソースソフトウェアにはならず,改変や再頒布の自由を認めるライセンスを付けて初めてそう呼べる。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問17(表記を一部改変)
問18
PMBOK ガイド第6版によれば,プロジェクト・マネジャー,プログラム・マネジャー,ポートフォリオ・マネジャー,プロジェクトマネジメント・オフィス(PMO)は,それぞれ他と異なる役割を担っている。それぞれに対応した役割の説明のうち,PMO のものはどれか。
ア 戦略目標に整合させるよう,関連する複数のプロジェクトに影響する制約条件及びコンフリクトを解消する。
イ 戦略目標を達成するために,プログラム及びプロジェクトの最適な組合せを選択して,構成要素の優先順位を決定し,必要な資源を提供する。
ウ プロジェクトに関連するガバナンス・プロセスを標準化し,資源,方法論,ツール及び技法の共有を促進する。 正解
エ プロジェクトの要求事項を満たすために,知識,スキル,ツールと技法をプロジェクトのアクティビティへ適用する。
正解 ウ
解説
PMBOK ガイドでは PMO(プロジェクトマネジメント・オフィス)を,プロジェクトに関連するガバナンスのプロセスを標準化し,資源・方法論・ツール・技法の共有を促進する組織構造と位置付けている。個々のプロジェクトを動かすのではなく,組織全体でやり方をそろえて支援するのが役割である。ウが正しい。
アは複数のプロジェクトをまとめて扱うプログラム・マネジャー,イは戦略目標に沿って何をやるかを選ぶポートフォリオ・マネジャー,エは担当プロジェクトを完遂させるプロジェクト・マネジャーの役割である。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問18(表記を一部改変)
問19
アローダイアグラムで表される作業 A〜H を見直したところ,作業 D だけが短縮可能であり,その所要日数は6日に短縮できることが分かった。作業全体の所要日数は何日短縮できるか。
正解 ウ
解説
最早結合点時刻を順に求める。A の終点は5日目。C の終点は 5+5=10日目。E の始点は,B 経由の 5+3=8日目と D 経由の 10+10=20日目のうち遅いほうで20日目。E の終点は25日目で,ダミー作業があるので H の始点も F 経由の22日目と25日目のうち25日目になる。最終結合点は G 経由の28日目と H 経由の31日目で31日。D を6日にすると E の始点が 10+6=16日目,E の終点が21日目,H の始点は F 経由の22日目と21日目のうち22日目となり,最終は G 経由24日目と H 経由28日目で28日。31−28=3日短縮できるのでウが正しい。
D を4日縮めても全体が4日縮まらないのは,D を通らない経路 A→C→F→H(5+5+12+6=28日)が下限として残るため。作業を短縮するときは,短縮後に別の経路がクリティカルパスに変わらないかを必ず確かめる。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問19(表記を一部改変)
問20
IT サービスマネジメントの活動のうち,インシデント及びサービス要求管理として行うものはどれか。
ア サービスデスクに対する顧客満足度が合意したサービス目標を満たしているかどうかを評価し,改善の機会を特定するためにレビューする。
イ ディスクの空き容量がしきい値に近づいたので,対策を検討する。
ウ プログラムを変更した場合の影響度を調査する。
エ 利用者からの障害報告を受けて,既知の誤りに該当するかどうかを照合する。 正解
正解 エ
解説
インシデント及びサービス要求管理は,サービスの中断や品質低下(インシデント)と,利用者からの依頼(サービス要求)を受け付けて記録・分類し,合意した水準へできるだけ早く戻す活動。障害報告を受けて既知の誤りに該当するか照合するのは,登録済みの回避策を素早く適用するための典型的な手順なのでエが正しい。
アはサービスの報告やレビューに関する活動。イのしきい値に近づいた資源への対策はキャパシティ管理。ウの変更による影響度の調査は変更管理の活動である。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問20(表記を一部改変)
問21
クラウドサービスの導入検討プロセスに対するシステム監査において,クラウドサービス上に保存されている情報の消失の予防に関するチェックポイントとして,最も適切なものはどれか。
ア 既存の社内情報システムとの ID の一元管理の可否が検討されているか。
イ クラウドサービスの障害時における最大許容停止時間が検討されているか。
ウ クラウドサービスを提供する事業者に信頼が置け,かつ,事業やサービスが継続して提供されるかどうかが検討されているか。 正解
エ クラウドサービスを提供する事業者の施設内のネットワークに,暗号化通信が採用されているかどうかが検討されているか。
正解 ウ
解説
問われているのは「情報の消失の予防」なので,情報が失われる原因をあらかじめ断てているかを見る。クラウドでは,事業者が倒産したりサービスを終了したりすると,預けた情報を取り出せなくなる(消失する)ことが大きなリスクになる。したがって,事業者に信頼が置けるか,事業やサービスが継続して提供されるかを導入の検討段階で確かめることが,消失の予防のチェックポイントになる。ウが正しい。
アの ID の一元管理は運用の利便性,イの最大許容停止時間は可用性,エの施設内ネットワークの暗号化は機密性に関するチェックポイントで,いずれも情報の消失の予防とは目的が異なる。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問21(表記を一部改変)
問22
システム監査基準(平成30年)における監査手続の実施に際して利用する技法に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア インタビュー法とは,システム監査人が,直接,関係者に口頭で問い合わせ,回答を入手する技法をいう。 正解
イ 現地調査法は,システム監査人が監査対象部門に直接赴いて,自ら観察・調査するものなので,当該部門の業務時間外に実施しなければならない。
ウ コンピュータ支援監査技法は,システム監査上使用頻度の高い機能に特化した,しかも非常に簡単な操作で利用できる専用ソフトウェアによらなければならない。
エ チェックリスト法とは,監査対象部門がチェックリストを作成及び利用して,監査対象部門の見解を取りまとめた結果をシステム監査人が点検する技法をいう。
正解 ア
解説
インタビュー法は,監査人が関係者に直接口頭で問い合わせて回答を得る技法。アはその定義そのもの。
イは誤り。現地調査は業務の実際を観察するものなので,むしろ業務時間内に行う必要がある。ウは誤り。表計算ソフトや汎用の監査ツールを使ってもよく,専用ソフトウェアに限られない。エは誤り。チェックリストを作成するのは監査人であり,監査対象部門ではない。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問22(表記を一部改変)
問23
BCP の説明はどれか。
ア 企業の戦略を実現するために,財務,顧客,内部ビジネスプロセス,学習と成長という四つの視点から戦略を検討したもの
イ 企業の目標を達成するために業務内容や業務の流れを可視化し,一定のサイクルをもって継続的に業務プロセスを改善するもの
ウ 業務効率の向上,業務コストの削減を目的に,業務プロセスを対象としてアウトソースを実施するもの
エ 事業の中断・阻害に対応し,事業を復旧し,再開し,あらかじめ定められたレベルに回復するように組織を導く手順を文書化したもの 正解
正解 エ
解説
BCP(事業継続計画)は,災害や事故などで事業が中断・阻害されたときに,事業を復旧し,再開して,あらかじめ定めた水準まで回復させるための手順を文書にしたもの。事業継続マネジメントシステムの規格 JIS Q 22301 でもこの趣旨で定義されている。エが正しい。
アは財務・顧客・内部ビジネスプロセス・学習と成長の四つの視点から戦略を検討するバランススコアカード。イは業務プロセスを可視化して継続的に改善する BPM。ウは業務プロセスを外部に委託する BPO の説明である。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問23(表記を一部改変)
問24
定性的な評価項目を定量化するために評価点を与える方法がある。表に示す4段階評価を用いた場合,重み及び4段階評価の結果から評価されたシステム全体の目標達成度は,評価項目が全て目標どおりだった場合の評価点に対し,何%となるか。
正解 イ
解説
評価点は,省力化効果が「目標どおり」で3点,期間の短縮が「変わらず」で0点,情報の統合化が「部分改善」で1点。これに重みを掛けて合計すると 5×3+8×0+12×1=27 になる。評価項目が全て目標どおりだった場合は (5+8+12)×3=75 なので,27/75=0.36 で36%。イが正しい。
アの27は重み付けした評価点の合計そのもので,割合ではない。分母を全項目の重みの合計25と取り違えたり,重みを掛けずに評価点だけで計算したりすると別の値になるが,ウの43やエの52はこの表の数値からは導けない。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問24(表記を一部改変)
問25
半導体メーカが行っているファウンドリサービスの説明として,適切なものはどれか。
ア 商号や商標の使用権とともに,一定地域内での商品の独占販売権を与える。
イ 自社で半導体製品の企画,設計から製造までを一貫して行い,それを自社ブランドで販売する。
ウ 製造設備をもたず,半導体製品の企画,設計及び開発を専門に行う。
エ 他社からの製造委託を受けて,半導体製品の製造を行う。 正解
正解 エ
解説
ファウンドリサービスは,他社が設計した半導体を製造だけ請け負う事業。自社ブランドの製品はもたず,多くの企業からの注文をまとめて製造設備の稼働率を高めることで成り立っている。エが正しい。
アは商号や商標の使用権と独占販売権を与えるフランチャイズ。イは企画から製造・販売まで自社で一貫して行う IDM(垂直統合型メーカ)。ウは製造設備をもたず設計・開発に特化するファブレス企業の説明である。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問25(表記を一部改変)
問26
プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)における“花形”を説明したものはどれか。
ア 市場成長率,市場占有率ともに高い製品である。成長に伴う投資も必要とするので,資金創出効果は大きいとは限らない。 正解
イ 市場成長率,市場占有率ともに低い製品である。資金創出効果は小さく,資金流出量も少ない。
ウ 市場成長率は高いが,市場占有率が低い製品である。長期的な将来性を見込むことはできるが,資金創出効果の大きさは分からない。
エ 市場成長率は低いが,市場占有率は高い製品である。資金創出効果が大きく,企業の支柱となる資金源である。
正解 ア
解説
PPM の“花形”は,市場成長率も市場占有率もともに高い製品。売上が大きく資金を多く生む一方で,成長する市場で地位を保つための投資も多く必要になるので,差引きの資金創出効果は大きいとは限らない。アが正しい。
イは市場成長率・占有率がともに低い“負け犬”。ウは成長率は高いが占有率が低い“問題児”。エは成長率は低いが占有率が高い“金のなる木”の説明である。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問26(表記を一部改変)
問27
CRM を説明したものはどれか。
ア 卸売業者・メーカが,小売店の経営活動を支援してその売上と利益を伸ばすことによって,自社との取引拡大につなげる方法である。
イ 企業全体の経営資源を有効かつ総合的に計画して管理し,経営の高効率化を図るための手法である。
ウ 企業内の全ての顧客チャネルで情報を共有し,サービスのレベルを引き上げて顧客満足度を高め,顧客ロイヤルティの最大化に結び付ける考え方である。 正解
エ 生産,在庫,購買,販売,物流などの全ての情報をリアルタイムに交換することによって,サプライチェーン全体の効率を大幅に向上させる経営手法である。
正解 ウ
解説
CRM(Customer Relationship Management)は,営業・サポート・Web など企業内の全ての顧客チャネルで顧客情報を共有し,一貫した質の高い対応によって顧客満足度を高め,長期的な顧客ロイヤルティにつなげる考え方。ウが正しい。
アは卸売業者やメーカが小売店を支援するリテールサポート。イは企業全体の経営資源を統合的に管理する ERP。エはサプライチェーン全体の情報をリアルタイムに共有して効率を上げる SCM の説明である。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問27(表記を一部改変)
問28
RPA(Robotic Process Automation)の説明はどれか。
ア ホワイトカラーの単純な間接作業を,ルールエンジンや認知技術などを活用して代行するソフトウェア 正解
イ 自動制御によって,対象物をつかみ,動かす機能や,自動的に移動できる機能を有し,また,各種の作業をプログラムによって実行できる産業用ロボット
ウ 車両の状態や周囲の環境を認識し,利用者が行き先を指定するだけで自律的な走行を可能とするレーダ,GPS,カメラなどの自動運転関連機器
エ 人の生活と同じ空間で安全性を確保しながら,食事,清掃,移動,コミュニケーションなどの生活支援に使用されるロボット
正解 ア
解説
RPA(Robotic Process Automation)は,人が画面を操作して行っている定型的な事務作業を,ソフトウェアのロボットに代行させる仕組み。ルールエンジンによる決まった手順の処理から始まり,OCR や AI といった認知技術と組み合わせて対象を広げてきた。アが正しい。
イは産業用ロボット,ウは自動運転関連機器,エは生活支援ロボットの説明で,いずれも物理的に動くロボットの話であり,ソフトウェアで事務作業を自動化する RPA とは異なる。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問28(表記を一部改変)
問29
損益分岐点分析で A 社と B 社を比較した記述のうち,適切なものはどれか。
ア 安全余裕率は B 社の方が高い。 正解
イ 売上高が両社とも3,000万円である場合,営業利益は B 社の方が高い。
ウ 限界利益率は B 社の方が高い。
エ 損益分岐点売上高は B 社の方が高い。
正解 ア
解説
限界利益は売上高−変動費なので,A 社は 2,000−800=1,200万円(限界利益率0.6),B 社は 2,000−1,400=600万円(同0.3)。損益分岐点売上高は固定費÷限界利益率なので,A 社が 900÷0.6=1,500万円,B 社が 300÷0.3=1,000万円。安全余裕率は (売上高−損益分岐点売上高)÷売上高 なので,A 社が (2,000−1,500)/2,000=25%,B 社が (2,000−1,000)/2,000=50%で,B 社の方が高い。アが正しい。
ウの限界利益率は A 社0.6,B 社0.3で A 社の方が高い。エの損益分岐点売上高も A 社1,500万円,B 社1,000万円で A 社の方が高い。イは売上高3,000万円のときの営業利益を求めると,A 社が 3,000×0.6−900=900万円,B 社が 3,000×0.3−300=600万円で A 社の方が高くなる。固定費の大きい A 社は,売上が損益分岐点を超えた後の利益の伸びも大きい。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問29(表記を一部改変)
問30
プログラムの著作物について,著作権法上,適法である行為はどれか。
ア 海賊版を複製したプログラムと事前に知りながら入手し,業務で使用した。
イ 業務処理用に購入したプログラムを複製し,社内教育用として各部門に配布した。
ウ 職務著作のプログラムを,作成した担当者が独断で複製し,他社に貸与した。
エ 処理速度を向上させるために,購入したプログラムを改変した。 正解
正解 エ
解説
著作権法第47条の3は,プログラムの著作物の複製物の所有者は,自ら電子計算機で利用するために必要と認められる限度において,その複製又は翻案をすることができると定めている。処理速度を上げるために購入したプログラムを改変することはこの翻案に当たるので適法である。エが正しい。
アは,海賊版と知りながら入手したプログラムを業務で使用する行為で,同法第113条により著作権を侵害する行為とみなされる。イは,購入したプログラムを社内教育用に複製して各部門へ配布する行為で,自ら利用するために必要な限度を超えるので許されない。ウは職務著作なので著作権は法人に帰属しており,作成した担当者が独断で複製・貸与することはできない。
出典:令和元年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問30(表記を一部改変)
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