平成21年度 秋期 午前Ⅱ

平成21年度 秋期に実施されたITサービスマネージャ試験 午前Ⅱの全25問です。問題文・正解・解説をそのまま読めます。

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問1

重要性や需要変動,在庫コストの観点から商品単位に定量発注法,定期発注法,2 ビン発注法のいずれの方法にするかを決定したい。発注方式を決定するために用いる手法として,適切なものはどれか。

正解 

解説

ABC 分析は,商品を年間の使用金額(売上高や在庫金額)の大きい順に並べて累計比率を求め,A,B,C の三つのランクに分ける手法である。金額の大きい A 品目は需要を見ながらきめ細かく管理する定期発注法,中程度の B 品目は定量発注法,金額の小さい C 品目は手間の掛からない 2 ビン発注法というように,ランクに応じて発注方式を決められる。アが適切である。

イの管理図は工程が安定しているかを監視する手法,ウのクリティカルパスメソッドはプロジェクトの日程を管理する手法,エの線形計画法は制約条件の下で目的関数を最大又は最小にする解を求める手法であり,発注方式の決定には用いない。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問1(表記を一部改変)

問2

ITIL v2 における“ユーザ”又は“顧客”の説明のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

ITIL v2 では,“顧客”は IT サービスの費用を負担し,サービスに対する要求やサービスレベルを決定して IT サービス提供者と合意する者であり,“ユーザ”は IT サービスを日々利用する者であると区別している。ウが適切である。

アの費用を負担する責任者とイのサービス要求を決定する者は“顧客”である。エのサービスデスクを主な窓口として利用するのは,日々サービスを利用する“ユーザ”である。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問2(表記を一部改変)

問3

システムの改善に向けて提出された 4 案について,評価項目を設定して採点した。効果及びリスクについては 5 段階評価とし,それぞれの評価項目ごとの重要度に応じた重み付けを行った上で次の式で総合評価点を算出したとき,総合評価点が最も高い改善案はどれか。

総合評価点 = 効果の評価 − リスクの評価

各システム改善案の採点結果の表。案1〜案4の順に,効果のセキュリティ強化は 3,4,5,2,システム運用品質向上は 2,4,2,5,作業コスト削減は 5,4,2,4。リスクのスケジュールリスクは 2,4,1,5,技術リスクは 4,1,5,1。
各システム改善案の採点結果
各評価項目の重み付けの表。効果のセキュリティ強化の重みは 4,システム運用品質向上は 2,作業コスト削減は 3。リスクのスケジュールリスクは 8,技術リスクは 3。
各評価項目の重み付け

正解 

解説

効果の重みは作業コスト削減 3,システム運用品質向上 2,セキュリティ強化 4,リスクの重みは技術リスク 3,スケジュールリスク 8。案ごとに重み付けして計算すると,案 1 は効果 5×3+2×2+3×4=31,リスク 4×3+2×8=28 で総合 3。案 2 は効果 36,リスク 35 で総合 1。案 3 は効果 2×3+2×2+5×4=30,リスク 5×3+1×8=23 で総合 7。案 4 は効果 30,リスク 43 で総合 −13。

最も高いのは案 3。効果の素点だけを見ると案 2 が高いが,スケジュールリスクの重みが 8 と大きいため,そこが 4 の案 2 と 5 の案 4 は総合点を大きく下げる。重み付けをしてから引き算する点が要点。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問3(表記を一部改変)

問4

エージェント機能を利用した運用監視の例はどれか。

正解 

解説

エージェント機能を利用した運用監視では,監視対象の機器にエージェントと呼ばれる監視プログラムを常駐させ,CPU やメモリ,ディスクなどのリソースの使用状況を機器の内部で監視し,しきい値を超えたら監視サーバに通知する。イが該当する。

アは実際にサービスを外部から利用して稼働を確認する監視,ウは監視サーバから ping を送って応答の有無を確かめる死活監視であり,いずれも監視対象にエージェントを置かないエージェントレスの監視である。エはウイルス感染の防止策であり,運用監視ではない。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問4(表記を一部改変)

問5

IT サービスマネジメントのインシデント管理の達成目標はどれか。

正解 

解説

インシデント管理の達成目標は,インシデントが発生したときに,組織や利用者の業務への影響を最小限に抑えるため,できるだけ早く SLA で定めた通常のサービスレベルに復帰させることである。根本原因の解決よりも,まずサービスを回復させることを優先する。エが該当する。

アのインフラストラクチャの弱点を探って取り除くことと,イの過去のインシデントの根本原因を見つけて再発を防ぐことは,問題管理の目標である。ウの顧客が要求する IT サービスを継続して維持し改善していくことは,サービスレベル管理や継続的サービス改善の目標である。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問5(表記を一部改変)

問6

ITIL におけるバーチャルサービスデスクはどれか。

正解 

解説

ITIL のバーチャルサービスデスクは,サービスデスクの要員が複数の地域や拠点に分散して存在するが,ネットワークや電話システムでつながっていて,ユーザからはあたかも 1 か所のサービスデスクに問い合わせているように見える形態である。イが該当する。

アのアウトソーシングは提供形態の選択であり,バーチャルサービスデスクの定義ではない。ウは地域ごとにサービスデスクを設けるローカルサービスデスク,エは複数の拠点に対するサービスデスク機能を 1 か所に集約する中央サービスデスクの説明である。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問6(表記を一部改変)

問7

IT サービスマネジメントのプロセスの一つである構成管理を導入することによって得られるメリットはどれか。

正解 

解説

構成管理は,IT サービスを構成するハードウェアやソフトウェア,文書などの IT 資産(構成品目)とその関係の情報を正確に記録し,維持するプロセスである。正確な構成情報があれば,インシデント管理での影響範囲の把握や変更管理での影響の評価などを確実に行えるので,他のプロセスの確実な実施を支援できる。アが該当する。

イは現在と将来の需要を把握・予測するキャパシティ管理,ウは緊急事態でも事業を継続できるようにする IT サービス継続性管理,エは合意した品質のサービスを適正なコストで提供するサービスレベル管理や財務管理のメリットである。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問7(表記を一部改変)

問8

災害による IT サービス停止が,ビジネスへどれだけの影響を及ぼすかを分析するビジネスインパクト分析は,どのプロセスで実施するか。

正解 

解説

ビジネスインパクト分析(BIA)は,災害などによって IT サービスが停止したときに事業が受ける影響の大きさや,許容できる停止時間を明らかにする分析である。その結果を基に復旧の優先順位や目標を決めて IT サービス継続計画を作るので,IT サービス継続性管理で実施する。アが該当する。

イのインシデント管理は発生したインシデントからの迅速な復旧,ウの可用性管理は日常のサービスの可用性の設計と改善,エの問題管理はインシデントの根本原因の特定と再発防止を行うプロセスであり,災害に備えたビジネスインパクト分析は行わない。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問8(表記を一部改変)

問9

複数のサーバへのアクセスに用いられる,シングルサインオンに関する記述のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

シングルサインオンは,利用者が一度の認証で複数のサーバやシステムを利用できるようにする仕組みである。ディレクトリサービスで利用者の ID やパスワードなどの認証情報を一元管理すれば,複数のサーバで ID とパスワードを統一して管理できる。ウが適切である。

アのワンタイムパスワードや,イの公開鍵暗号方式と認証局への登録は,シングルサインオンを実現する上で必須の前提ではない。エは誤りで,覚えるパスワードは減って管理は容易になるが,一つのパスワードが漏えいすると全てのサーバを不正に利用されるおそれがあるので,漏えい時のリスクはむしろ大きくなる。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問9(表記を一部改変)

問10

コンピュータシステムの利用料金を逓減課金方式にしたときのグラフはどれか。ここで,横軸を使用量,縦軸を利用料金とする。

正解 

解説

逓減課金方式は,利用量が増えるほど1単位当たりの単価を安くする方式である。単価が下がっても利用した分の料金は積み上がるので,利用料金の総額は利用量とともに増え続けるが,その増え方(グラフの傾き)は右へ行くほど緩やかになる。この形はウである。

アは利用量が増えるほど料金の総額が減っており,課金方式として成り立たない。イは一定量を超えると料金が増えなくなる上限付きの方式で,単価が段階的に下がるのではなく 0 になっている。エは右へ行くほど傾きが急になる形で,単価が上がっていく逓増課金方式である。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問10(表記を一部改変)

問11

様式が複数ある伝票から,様式ごとに定められた項目のデータを入力する。入力漏れがないことを確認するためにプログラムで実行する処理として,適切なものはどれか。

正解 

解説

項目の入力漏れは,入力されるべき項目が入力されていない誤りである。伝票の様式ごとに定められた項目数と,実際に入力された項目数を比べれば,入力されていない項目があることを検出できる。アが適切である。

イはデータの形式が正しいかを確かめるフォーマットチェック,ウは値が定められた範囲内にあるかを確かめる範囲チェック,エはマスタファイルと照合して内容の正しさを確かめる照合チェックであり,いずれも入力された値の誤りを検出するもので,入力漏れの検出には向かない。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問11(表記を一部改変)

問12

ウォームスタンバイの説明はどれか。

正解 

解説

ウォームスタンバイは,別の場所にバックアップシステムを用意しておくが,常にデータを同期させて動かしているわけではなく,緊急時にバックアップシステムを起動し,データを最新の状態にしてからサービスを回復する方式である。エが該当する。

アは同じようなシステムをもつ組織同士で協定を結んで互いに助け合う相互援助協定,イは緊急時に機器を持ち込んで立ち上げるコールドスタンバイ,ウは常にデータを同期させておき直ちに切り替えるホットスタンバイの説明である。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問12(表記を一部改変)

問13

IT サービスマネジメントの構築に当たり,現状の業務のやり方と ITIL などのベストプラクティスとを照合し,課題を明確にするために実施するものはどれか。

正解 

解説

ギャップ分析は,現状(As-Is)とあるべき姿(To-Be)とを比較して,その差(ギャップ)を明らかにする手法である。IT サービスマネジメントの構築では,現状の業務のやり方を ITIL などのベストプラクティスと照合し,足りない点や改善すべき課題を明確にするために実施する。アが該当する。

イのサービスレベル管理は顧客と合意したサービスレベルを維持・改善するプロセス,ウのマネジメントレビューは経営層がマネジメントシステムの有効性を定期的に評価する活動,エのリスクアセスメントはリスクを特定,分析,評価する活動である。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問13(表記を一部改変)

問14

IT サービスマネジメントにおけるリスクの対応策の具体例のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

リスクの対応策には,回避,軽減(低減),転嫁(移転),受容(保有)がある。指紋認証を採用することは,なりすましによる不正アクセスの発生可能性を下げるので,リスクの軽減策として適切である。イが該当する。

アの設備に保険をかけるのは,損失を保険会社に負担させるリスクの転嫁である。ウの新たにバックアップシステムを構築するのは,障害時の影響を小さくするリスクの軽減であり,受容ではない。エのバックアップシステムを遠隔地に移転するのも,災害時に同時に被災しないようにするリスクの軽減であり,転嫁ではない。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問14(表記を一部改変)

問15

空調設備の送風方式の一つである床下空調方式の特徴として,最も適切なものはどれか。

正解 

解説

床下空調方式は,二重床(フリーアクセスフロア)の床下に空調機から冷気を送り込み,床面の吹出し口から機器の下側に冷気を供給する方式である。冷気は下から上に流れ,機器から出た暖気も上昇するので,送風の流れと暖気の上昇の流れが同じ向きになり,効率よく冷却できる。イが最も適切である。

アとウは,機器の配置に合わせてダクトを設置して送風するダクト方式の特徴である。エは,空調機から室内に直接送風する直吹き方式の特徴である。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問15(表記を一部改変)

問16

雷サージによって通信回線に誘起された異常電圧から通信機器を防護するための装置はどれか。

正解 

解説

アレスタ(避雷器)は,雷サージによって通信回線や電源線に誘起された異常電圧を大地に逃がし,接続された通信機器などを過電圧から保護する装置である。ウが該当する。

アの IDF(中間配線盤)は,建物のフロアなどで配線を中継・分岐する配線盤である。イの MCCB(配線用遮断器)は,過電流が流れたときに電路を遮断する装置で,雷サージの異常電圧から機器を守るものではない。エの避雷針は,建物への直撃雷を受けて大地に流す設備であり,通信回線に誘起された異常電圧から通信機器を守るものではない。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問16(表記を一部改変)

問17

“システム監査基準”の前文に記述されている基準の利用の目的として,適切なものはどれか。

正解 

解説

システム監査基準(平成 16 年改訂)の前文では,“システム監査基準は,システム監査業務の品質を確保し,有効かつ効率的に監査を実施することを目的とした監査人の行為規範である”と記述している。アが適切である。

イは誤りで,同基準の前文では,監査上の判断の尺度として用いるのは姉妹編のシステム管理基準であるとしている。ウとエも誤りで,前文では,システム監査基準は組織体の内部監査部門等が実施するシステム監査だけでなく外部者に依頼するシステム監査においても利用でき,保証を付与することを目的とした監査であっても改善のための助言を行うことを目的とした監査であっても利用できるとしている。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問17(表記を一部改変)

問18

プロジェクトの工程管理や進捗管理に使用されるガントチャートの特徴はどれか。

正解 

解説

ガントチャートは,縦軸に作業項目,横軸に時間をとり,各作業の予定や実績を横棒で表した図である。各作業の開始時点と終了時点,期間が一目で把握でき,進捗を管理しやすい。アが該当する。

一方で,ガントチャートでは作業間の前後関係が表しにくいので,イのクリティカルパスの把握や,ウの各作業の余裕日数の把握には,アローダイアグラム(PERT 図)が適している。エの作業を要素に分解して管理しやすくするのは WBS の特徴である。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問18(表記を一部改変)

問19

顧客に対して自社製品のプレゼンテーションを行うことになった。このとき,同業他社における複数の導入成功事例を挙げ,この製品を導入することで大きな効果が期待できることを訴求したい。このプレゼンテーションで使用するストーリ構成法として適切なものはどれか。

正解 

解説

帰納的構成法は,個々の具体的な事実や事例を積み重ねて示し,そこから一般的な結論を導く構成法である。同業他社における複数の導入成功事例を挙げてから,この製品を導入すれば大きな効果が期待できるという結論を訴求するプレゼンテーションに適しているので,イが該当する。

アの演繹的構成法は,一般的な原則や前提から出発して個別の結論を導く構成法である。ウの重点順位構成法は重要なものから順に説明する構成法,エの難易構成法はやさしい内容から難しい内容へと順に説明する構成法である。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問19(表記を一部改変)

問20

シリアル ATA の説明として,適切なものはどれか。

正解 

解説

シリアル ATA は,PC の内部で磁気ディスク装置や DVD ドライブなどの記憶装置を接続するためのシリアルインタフェースであり,パラレル ATA に代わって高速なデータ転送を実現する。イが適切である。

アのキーボード,マウス,プリンタなど多岐にわたる周辺機器を接続するのは USB,ウのルータやモデムを接続するシリアルインタフェースは RS-232C,エのディジタル AV 機器を接続するシリアルインタフェースは IEEE 1394 の説明である。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問20(表記を一部改変)

問21

1 台の CPU の性能を 1 とするとき,その CPU を n 台用いたマルチプロセッサの性能 P が,P = n / (1+(n−1)a) で表されるとする。ここで,a はオーバヘッドを表す定数である。例えば,a = 0.1,n = 4 とすると,P ≒ 3 なので,4 台の CPU からなるマルチプロセッサの性能は約 3 になる。この式で表されるマルチプロセッサの性能には上限があり,n を幾ら大きくしてもある値以上には大きくならない。a = 0.1 の場合,その値は幾らか。

正解 

解説

P=n/(1+(n−1)a) の分子と分母を n で割ると,P=1/(1/n+a−a/n) となる。n を幾らでも大きくすると,1/n と a/n はいずれも 0 に近づくので,P は 1/a に近づく。

a=0.1 のとき,1/a=1/0.1=10 なので,マルチプロセッサの性能は幾ら CPU を増やしても 10 以上には大きくならない。イになる。

例えば n=100 でも P=100/(1+99×0.1)=100/10.9≒9.2 であり,10 には届かない。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問21(表記を一部改変)

問22

データマイニングを説明したものはどれか。

正解 

解説

データマイニングは,大量に蓄積されたデータを,統計的手法や人工知能などの発見型の手法を使っていろいろな視点から分析し,それまで知られていなかったデータ間の関連性や規則性を見つけ出すことである。エが該当する。

アは多次元データベースを使って分析の軸を切り替えながら集計する OLAP の説明である。イはオブジェクト指向のカプセル化,ウはデータベースのチューニングの説明である。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問22(表記を一部改変)

問23

TCP/IP ネットワークで使用される ARP の説明として,適切なものはどれか。

正解 

解説

ARP(Address Resolution Protocol)は,通信相手の IP アドレスから,同じネットワーク上でフレームを届けるために必要な MAC アドレスを問い合わせるプロトコル。

ウの MAC アドレスから IP アドレスを得るのは RARP。イの IP アドレスからホスト名を得るのは DNS の逆引き,エのホスト名から IP アドレスを得るのは DNS の正引きである。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問23(表記を一部改変)

問24

緊急事態を装って組織内部の人間からパスワードや機密情報を入手する不正な行為は,どれに分類されるか。

正解 

解説

ソーシャルエンジニアリングは,技術的な手段ではなく,人間の心理的な隙や行動のミスにつけ込んで,パスワードや機密情報を不正に入手する行為である。緊急事態を装って電話をかけ,組織内部の人間を慌てさせて聞き出す手口は,その典型である。アが該当する。

イのトロイの木馬は有用なプログラムに見せかけて利用者にインストールさせるマルウェア,ウのパスワードクラックは総当たりや辞書を使ってパスワードを解読する攻撃,エの踏み台攻撃は第三者のコンピュータを乗っ取って攻撃の中継に使う攻撃である。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問24(表記を一部改変)

問25

労働者派遣法に適合するものはどれか。

正解 

解説

出題当時(平成 21 年度)の労働者派遣法では,ソフトウェア開発などの政令で定める専門的な業務については,派遣受入期間の制限を設けていなかったので,同一人の派遣を 3 年を超えて行うことができた。エが適合する。

アは誤りで,派遣労働者に残業を命じられるのは,労働者派遣契約や派遣元の時間外労働協定(36 協定)の範囲内に限られる。イも誤りで,派遣労働者に指揮命令できるのは,労働者派遣契約で定めた指揮命令者である。ウも誤りで,派遣労働者が従事する業務の内容は労働者派遣契約で定められており,派遣先の判断だけで変更することはできない。

なお,平成 27 年の法改正で専門業務による区分は廃止され,現在は第 35 条の 3 などにより,無期雇用の派遣労働者などを除いて,同一の組織単位で同一の派遣労働者を 3 年を超えて派遣することはできない。

出典:平成21年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問25(表記を一部改変)