令和6年度 春期に実施されたネットワークスペシャリスト試験
午前Ⅱの全25問です。問題文・正解・解説をそのまま読めます。
この年度を解いてみる
問1
BGP-4 における AS に関する記述として,適切なものはどれか。
ア あるルータが作成した Router-LSA が伝播するルータの集合である。
イ 接続されるルータの数,ブロードキャストやマルチキャストの使用の有無,トポロジ種別などによって区分けされたネットワーク群であり,Hello プロトコルによって隣接関係を確立する。
ウ 同一の管理ポリシーによって管理されるネットワーク群であり,2 オクテット又は 4 オクテットの AS 番号によって識別される。 正解
エ リンクステート型の共通のプロトコルを使用して,ルーティング情報を相互に交換するルータの集合である。
正解 ウ
解説
BGP-4 の AS(Autonomous System,自律システム)は,ISP や大規模な組織など,同一の管理ポリシーによって運用されるネットワーク群であり,2 オクテット又は 4 オクテットの AS 番号で識別される。BGP-4 はこの AS と AS の間で経路情報を交換する。ウが適切である。
アの Router-LSA が伝播する範囲は OSPF のエリアである。イの接続形態によるネットワークの区分と Hello プロトコルによる隣接関係の確立は,OSPF のネットワークタイプの説明である。エのリンクステート型の共通のプロトコルで経路情報を交換するルータの集合も,OSPF などの IGP のルーティングドメインの説明で,AS の定義ではない。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問1(表記を一部改変)
問2
CS-ACELP(G.729)による 8k ビット/秒の音声符号化を行う VoIP ゲートウェイ装置において,パケットを生成する周期が 20 ミリ秒のとき,1 パケットに含まれる音声ペイロードは何バイトか。
正解 ア
解説
G.729 の符号化速度は 8k ビット/秒なので,20 ミリ秒の間に生成される音声データは 8,000 ビット/秒×0.02 秒=160 ビットになる。バイトに直すと 160÷8=20 バイトであり,アになる。
イの 160 はビットをバイトに直さなかった値である。ウの 200 やエの 1,000 は,周期や速度の換算を誤った値で,1 パケットの音声ペイロードにはならない。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問2(表記を一部改変)
問3
1 時間当たりの平均通話回数が 60 で,平均保留時間は 120 秒である。呼損率を 0.1 にしたいとき,必要な回線数は最低幾らか。ここで,表中の数値は加わる呼量(アーラン)を表す。
表 即時式完全群負荷表
正解 イ
解説
呼量(アーラン)は,1 時間当たりの平均通話回数×平均保留時間(秒)÷3,600 で求める。60×120÷3,600=2 アーランである。表で呼損率 0.1 のとき,回線数 3 で扱える呼量は 1.271 アーランで 2 に足りず,回線数 4 では 2.045 アーランで 2 を上回る。したがって必要な回線数は最低 4 であり,イになる。
アの 3 回線では呼損率が 0.1 を超えてしまう。ウの 5 回線やエの 6 回線でも条件は満たすが,最低の回線数ではない。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問3(表記を一部改変)
問4
二つのルーティングプロトコル RIP-2 と OSPF とを比較したとき,OSPF だけに当てはまる特徴はどれか。
ア 可変長サブネットマスクに対応している。
イ リンク状態のデータベースを使用している。 正解
ウ ルーティング情報の更新にマルチキャストを使用している。
エ ルーティング情報の更新を 30 秒ごとに行う。
正解 イ
解説
OSPF はリンクステート型のルーティングプロトコルで,各ルータがリンクの状態を交換して同じリンク状態データベース(LSDB)を作り,それをもとにダイクストラ法で最短経路を計算する。ディスタンスベクタ型の RIP-2 はリンク状態のデータベースをもたないので,イが OSPF だけに当てはまる。
アの可変長サブネットマスク(VLSM)には,サブネットマスクを経路情報に含める RIP-2 も OSPF も対応している。ウのマルチキャストも両方が使う(RIP-2 は 224.0.0.9,OSPF は 224.0.0.5 と 224.0.0.6)。エの 30 秒ごとの定期的な経路情報の更新は RIP-2 の特徴で,OSPF は変化があったときに更新を通知する。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問4(表記を一部改変)
問5
5 個のノード A~E から構成される図のネットワークにおいて,A をルートノードとするスパニングツリーを構築した。このとき,スパニングツリー上で隣接するノードはどれか。ここで,図中の数値は対応する区間のコストを表すものとする。
ア A と E
イ B と C
ウ C と D
エ D と E 正解
正解 エ
解説
コストの小さい辺から順に,閉路ができないように選んでいく(クラスカル法)と,A-B(1),E-C(1),B-E(2),E-D(3)の 4 本で 5 個のノードがつながる。C-D(3)は C と D が既に E を介してつながっているので選ばない。A をルートとすると A-B-E と伸び,E から C と D に分かれる木になるので,スパニングツリー上で隣接するのは D と E であり,エになる。
A から各ノードへの最小コストで見ても,E へは A-B-E(3)が A-E(4)より小さく,D へは A-B-E-D(6)が A-D(7)や A-B-E-C-D(7)より小さいので,同じ木になる。アの A と E,イの B と C,ウの C と D の辺はいずれも木に含まれない。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問5(表記を一部改変)
問6
IPv4 における ARP の MAC アドレス解決機能を IPv6 で実現するプロトコルはどれか。
ア DHCPv6
イ ICMPv6 正解
ウ IGMPv2
エ RIPng
正解 イ
解説
IPv6 では ARP を使わず,ICMPv6 を使う近隣探索プロトコル(NDP)の近隣要請(Neighbor Solicitation)と近隣広告(Neighbor Advertisement)のメッセージによって,IPv6 アドレスに対応する MAC アドレスを解決する。イが該当する。
アの DHCPv6 は IPv6 アドレスなどの設定情報を配布するプロトコル,ウの IGMPv2 は IPv4 でマルチキャストグループへの参加・離脱を管理するプロトコル(IPv6 では ICMPv6 の MLD が相当する),エの RIPng は IPv6 対応の RIP である。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問6(表記を一部改変)
問7
IPv4 の IP マルチキャストアドレスに関する記述として,適切なものはどれか。
ア 127.0.0.1 は IP マルチキャストアドレスである。
イ 192.168.1.0/24 のネットワークの IP マルチキャストアドレスは 192.168.1.255 である。
ウ IP マルチキャストアドレスの先頭の 4 ビットは 1111 である。
エ IP マルチキャストアドレスの先頭の 4 ビットを除いた残りの 28 ビットは,受信するホストのグループを識別するために利用される。 正解
正解 エ
解説
IPv4 の IP マルチキャストアドレスは,先頭 4 ビットが 1110 のクラス D のアドレス(224.0.0.0~239.255.255.255)であり,残りの 28 ビットで,同じマルチキャストを受信するホストのグループを識別する。エが適切である。
アの 127.0.0.1 は自分自身を表すループバックアドレス,イの 192.168.1.255 は 192.168.1.0/24 のブロードキャストアドレスである。ウの先頭 4 ビットが 1111 のアドレスはクラス E(240.0.0.0 以降)で,将来のために予約されている。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問7(表記を一部改変)
問8
リモートアクセス環境において,認証情報やアカウンティング情報をやり取りするプロトコルはどれか。
ア CHAP
イ PAP
ウ PPTP
エ RADIUS 正解
正解 エ
解説
RADIUS は,リモートアクセスサーバや無線 LAN のアクセスポイントなどが RADIUS クライアントになり,RADIUS サーバとの間で利用者の認証情報や,接続時間などのアカウンティング(利用記録)情報をやり取りするプロトコルである。エが該当する。
アの CHAP とイの PAP は,PPP で接続する際に利用者を認証する方式で,アカウンティング情報は扱わない(PAP はパスワードを平文で送り,CHAP はチャレンジレスポンス方式で送る)。ウの PPTP は PPP のフレームをトンネリングして VPN を構成するプロトコルである。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問8(表記を一部改変)
問9
ホスト A からホスト B に TCP を用いてデータを送信するとき,TCP セグメントのシーケンス番号と受信確認番号(肯定応答番号)に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア A が B からの応答を待たずに,続けて送信する場合のシーケンス番号は,直前に送信した TCP セグメントのシーケンス番号と送信データのオクテット数の和である。 正解
イ A は,送信する TCP セグメントのシーケンス番号と受信確認番号を 0 から 1 ずつ増加させ,最大値 65,535 に達すると 0 に戻す。
ウ B が受信した TCP セグメントにおいて,受信確認番号がシーケンス番号より小さい場合は,その TCP セグメントはエラー後に再送されたものである。
エ B は,受け取った TCP セグメントのシーケンス番号を受信確認番号として応答する。
正解 ア
解説
TCP のシーケンス番号は,送信するデータの先頭のオクテットが,送信データ全体の何オクテット目に当たるかを示す。応答を待たずに続けて送る場合,次のセグメントのシーケンス番号は,直前のセグメントのシーケンス番号にそのデータのオクテット数を加えた値になるので,アが適切である。
イは誤りで,シーケンス番号と受信確認番号は 32 ビットであり,1 ずつではなくデータのオクテット数だけ増える。また,シーケンス番号の初期値は接続ごとに決められる。ウのように両者の大小で再送を判断することはない。エは誤りで,受信確認番号は次に受け取りたいオクテットの位置を示すので,受け取ったシーケンス番号にデータのオクテット数を加えた値を返す。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問9(表記を一部改変)
問10
インターネットプロトコルの TCP と UDP 両方のヘッダーに存在するものはどれか。
ア 宛先 IP アドレス
イ 宛先 MAC アドレス
ウ 生存時間(TTL)
エ 送信元ポート番号 正解
正解 エ
解説
TCP ヘッダと UDP ヘッダには,どちらにも送信元ポート番号と宛先ポート番号があり,これによって通信するアプリケーションを識別する。エが該当する。
アの宛先 IP アドレスとウの生存時間(TTL)は IP ヘッダ(IPv6 ではホップリミット)に含まれる。イの宛先 MAC アドレスはイーサネットなどのデータリンク層のフレームヘッダに含まれる。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問10(表記を一部改変)
問11
IPv4 ネットワークで使用される IP アドレス a とサブネットマスク m からホストアドレスを求める式はどれか。ここで,“~”はビット反転の演算子,“|”はビットごとの論理和の演算子,“&”はビットごとの論理積の演算子を表し,ビット反転の演算子の優先順位は論理和,論理積の演算子よりも高いものとする。
ア ~a & m
イ ~a | m
ウ a & ~m 正解
エ a | ~m
正解 ウ
解説
サブネットマスク m は,ネットワーク部のビットが 1,ホスト部のビットが 0 になっている。これをビット反転した ~m はホスト部だけが 1 になるので,IP アドレス a との論理積 a & ~m をとると,ネットワーク部が 0 になりホスト部だけが残る。ウが該当する。
ネットワークアドレスは a & m で求める。アの ~a & m はネットワーク部を反転した値,イの ~a | m やエの a | ~m はビットが 1 に埋まってしまい,ホストアドレスにはならない(a | ~m はそのサブネットのブロードキャストアドレスになる)。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問11(表記を一部改変)
問12
IPv4 ネットワークにおいて,サブネットマスクが 255.255.255.0 である四つのネットワーク 192.168.32.0,192.168.33.0,192.168.34.0,192.168.35.0 を,CIDR を使って最小のスーパーネットにしたときの,ネットワークアドレスとサブネットマスクの組合せとして,適切なものはどれか。
ア ネットワークアドレス:192.168.32.0 サブネットマスク:255.255.248.0
イ ネットワークアドレス:192.168.32.0 サブネットマスク:255.255.252.0 正解
ウ ネットワークアドレス:192.168.35.0 サブネットマスク:255.255.248.0
エ ネットワークアドレス:192.168.35.0 サブネットマスク:255.255.252.0
正解 イ
解説
四つのネットワークの第 3 オクテットは 32=00100000,33=00100001,34=00100010,35=00100011 であり,上位 6 ビット(001000)が共通で,下位 2 ビットだけが異なる。共通部分は第 1・第 2 オクテットの 16 ビットと合わせて 22 ビットなので,最小のスーパーネットは 192.168.32.0/22,サブネットマスクは 255.255.252.0 になる。イが該当する。
アとウの 255.255.248.0(/21)は 192.168.32.0~192.168.39.255 までを含み,必要以上に広い。ウとエの 192.168.35.0 は,第 3 オクテットの下位ビットが 0 になっていないのでネットワークアドレスにならない。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問12(表記を一部改変)
問13
ネットワークを構成するホストの IP アドレスとして用いることができるものはどれか。
ア 127.16.10.255/8
イ 172.16.10.255/16 正解
ウ 192.168.255.255/24
エ 224.168.10.255/8
正解 イ
解説
172.16.10.255/16 は,ネットワーク部が 172.16,ホスト部が 10.255 であり,ホスト部が全て 0 でも全て 1 でもないので,ホストの IP アドレスとして使える。イが該当する。第 4 オクテットが 255 でも,プレフィックス長によってはブロードキャストアドレスにならない。
アの 127 から始まるアドレスは自分自身を指すループバックアドレスである。ウの 192.168.255.255/24 はホスト部(最後の 8 ビット)が全て 1 のブロードキャストアドレスである。エの 224 から始まるアドレスはクラス D のマルチキャストアドレスで,ホストに割り当てるアドレスではない。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問13(表記を一部改変)
問14
OSPF と RIP の IPv6 対応に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア OSPF はバージョン 2 で対応している。
イ OSPF はバージョン 3 で対応している。 正解
ウ RIP はバージョン 1 で対応している。
エ RIP はバージョン 2 で対応している。
正解 イ
解説
OSPF は,IPv4 用のバージョン 2(OSPFv2)とは別に,IPv6 に対応したバージョン 3(OSPFv3)が定められている。イが適切である。
RIP の IPv6 対応版は RIPng(RIP next generation)であり,ウの RIP バージョン 1 やエの RIP バージョン 2 は IPv4 用で IPv6 には対応していない。アの OSPF バージョン 2 も IPv4 用である。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問14(表記を一部改変)
問15
IP 電話の音声品質を表す指標のうち,ノイズ,エコー,遅延などから算出されるものはどれか。
ア MOS 値
イ R 値 正解
ウ ジッタ
エ パケット損失率
正解 イ
解説
R 値は,ITU-T G.107 の E モデルで定義される音声品質の指標で,ノイズ,エコー,遅延,パケット損失などの伝送品質を表すパラメータから計算によって算出する(0~100 の値をとり,大きいほど品質が良い)。イが該当する。
アの MOS 値は,実際に人が音声を聞いて 5 段階で評価した結果を平均した主観評価の指標である。ウのジッタはパケットの到着間隔の揺らぎ,エのパケット損失率は失われたパケットの割合であり,いずれも R 値を算出する要素の一部で,それ自体が総合的な指標ではない。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問15(表記を一部改変)
問16
Web コンテンツを提供する際に CDN(Content Delivery Network)を利用することによって,副次的に影響を軽減できる脅威はどれか。
ア DDoS 攻撃 正解
イ Man-in-the-Browser 攻撃
ウ パスワードリスト攻撃
エ リバースブルートフォース攻撃
正解 ア
解説
CDN は,世界各地に配置したキャッシュサーバからコンテンツを配信する仕組みで,大量のアクセスが多数のサーバに分散される。本来の目的は配信の高速化や負荷分散だが,オリジンサーバに届くトラフィックが減るので,DDoS 攻撃の影響も副次的に軽減できる。アが該当する。
イの Man-in-the-Browser 攻撃は利用者の Web ブラウザ内のマルウェアによる攻撃,ウのパスワードリスト攻撃やエのリバースブルートフォース攻撃は正規の形式でログインを試みる攻撃であり,いずれもコンテンツの配信を分散しても影響は軽減されない。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問16(表記を一部改変)
問17
RLO(Right-to-Left Override)を利用した手口はどれか。
ア “マルウェアに感染している”といった偽の警告を出して,利用者を脅し,マルウェア対策ソフトの購入などを迫る。
イ 脆弱性があるホストやシステムをあえて公開して,攻撃の内容を観察する。
ウ ネットワーク機器の設定を不正に変更して,MIB 情報のうち監視項目の値の変化を検知したとき,セキュリティに関するイベントを SNMP マネージャ宛てに通知させる。
エ 文字の表示順を変える制御文字を利用して,ファイル名の拡張子を偽装する。 正解
正解 エ
解説
RLO は,Unicode の制御文字の一つで,それ以降の文字列を右から左の順に表示させる。例えば“abc[RLO]fdp.exe”というファイル名は“abcexe.pdf”のように表示され,実行ファイルを PDF 文書に見せかけることができる。文字の表示順を変える制御文字を利用してファイル名の拡張子を偽装するエが該当する。
アは偽の警告で利用者を脅して対策ソフトを買わせるスケアウェア,イは攻撃を観察するためのおとりのシステムであるハニーポットの説明である。ウは SNMP のトラップを利用した監視の設定に関する記述で,RLO とは関係がない。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問17(表記を一部改変)
問18
暗号化装置における暗号化処理時の消費電力を測定するなどして,当該装置内部の秘密情報を推定する攻撃はどれか。
ア キーロガー
イ サイドチャネル攻撃 正解
ウ スミッシング
エ 中間者攻撃
正解 イ
解説
暗号化処理中の消費電力や処理時間,電磁波などの物理的な情報を測定し,そこから装置内部の秘密鍵などを推定する攻撃をサイドチャネル攻撃という。消費電力を使うものは電力解析攻撃と呼ばれ,イが該当する。
アのキーロガーはキーボード入力を記録して ID やパスワードを盗むソフトウェアや装置,ウのスミッシングは SMS を使ったフィッシング,エの中間者攻撃は通信の途中に割り込んで盗聴や改ざんを行う攻撃である。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問18(表記を一部改変)
問19
なりすましメール対策に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア DMARC では,“受信メールサーバが受信メールをなりすましと判定したとき,受信メールサーバは送信元メールサーバに当該メールを送り返す”,という DMARC ポリシーを設定できる。
イ IP25B では,ISP が自社の受信メールサーバから他社 ISP の動的 IP アドレスの 25 番ポートへの接続をブロックする。
ウ S/MIME では,電子メール送信者は,自身の公開鍵を使ってデジタル署名を生成し,送信する電子メールに付与する。電子メール受信者は,電子メール送信者の秘密鍵を使ってデジタル署名を検証する。
エ SPF では,ドメインの DNS で,そのドメインを送信元とする電子メールの送信に用いてもよいメールサーバの IP アドレスを SPF レコードにあらかじめ記述しておく。 正解
正解 エ
解説
SPF は,ドメインの管理者が,そのドメインを送信元とする電子メールの送信に使うメールサーバの IP アドレスを DNS の SPF レコード(TXT レコード)に記述しておき,受信側がメールの送信元の IP アドレスと照合する送信ドメイン認証の仕組みである。エが適切である。
アは誤りで,DMARC ポリシーで指定できるのは,認証に失敗したメールを受け取る(none),隔離する(quarantine),拒否する(reject)の三つであり,送信元メールサーバに送り返すことは定められていない。イの IP25B は,ISP が他社 ISP の動的 IP アドレスから自社のメールサーバの 25 番ポートへの接続をブロックするもので,向きが逆である。ウの S/MIME では,送信者は自身の秘密鍵で署名を生成し,受信者は送信者の公開鍵で検証するので,鍵が逆である。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問19(表記を一部改変)
問20
マルウェアの検出手法であるビヘイビア法を説明したものはどれか。
ア あらかじめ特徴的なコードをパターンとして登録したマルウェア定義ファイルを用いてマルウェア検査対象を検査し,同じパターンがあればマルウェアとして検出する。
イ マルウェアに感染していないことを保証する情報をあらかじめ検査対象に付加しておき,検査時に不整合があればマルウェアとして検出する。
ウ マルウェアへの感染が疑わしい検査対象のハッシュ値と,安全な場所に保管されている原本のハッシュ値を比較し,マルウェアを検出する。
エ マルウェアへの感染によって生じるデータの読込みの動作,書込みの動作,通信などを監視して,マルウェアを検出する。 正解
正解 エ
解説
ビヘイビア法(動的ヒューリスティック法)は,検査対象のプログラムを実際に動作させたり動作を監視したりして,マルウェアに特有の不審なファイルの読み書き,通信,レジストリの変更などの振る舞いを検出する手法である。未知のマルウェアも検出できる可能性がある。エが該当する。
アの定義ファイルのパターンと照合する手法はパターンマッチング法(シグネチャ法)である。イは感染していないことを保証する情報を付けておき不整合を調べるチェックサム法(インテグリティチェック法),ウは原本と比較するコンペア法の説明である。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問20(表記を一部改変)
問21
IPsec に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア ESP のトンネルモードを使用すると,暗号化通信の区間において,エンドツーエンドの通信で用いる元の IP ヘッダーを含めて暗号化できる。 正解
イ IKE は IPsec の鍵交換のためのプロトコルであり,ポート番号 80 が使用される。
ウ 暗号化アルゴリズムとして,HMAC-SHA1 が使用される。
エ 二つのホストの間で IPsec による通信を行う場合,認証や暗号化アルゴリズムを両者で決めるために ESP ヘッダーではなく AH ヘッダーを使用する。
正解 ア
解説
IPsec の ESP をトンネルモードで使うと,元の IP パケットをヘッダも含めて丸ごと暗号化し,その外側に新しい IP ヘッダを付けて送る。暗号化通信を行う区間では,エンドツーエンドの通信で用いる元の IP ヘッダも暗号化されるので,アが適切である。
イは誤りで,IKE は UDP のポート番号 500(NAT トラバーサルでは 4500)を使う。ウの HMAC-SHA1 は改ざんの検出(完全性の確認)に使うメッセージ認証のアルゴリズムであり,暗号化のアルゴリズムではない。エの認証や暗号化のアルゴリズムの取り決めは IKE で行うもので,AH は暗号化の機能をもたず認証と改ざん検出だけを提供する。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問21(表記を一部改変)
問22
PCI Express 3.0,PCI Express 4.0 及び PCI Express 5.0 を比較した記述のうち,適切なものはどれか。
ア 1 レーンの片方向最大転送レートは,PCI Express 4.0 は PCI Express 3.0 の 2 倍,PCI Express 5.0 は PCI Express 4.0 の 2 倍である。 正解
イ PCI Express 3.0 はそれ以前の PCI Express 1.1 及び PCI Express 2.0 と後方互換性があるが,PCI Express 4.0 はそれ以前のものと後方互換性がない。
ウ いずれも,規格上の最大レーン数は 32 レーンである。
エ いずれも,シリアル転送において 8b/10b 変換を採用している。
正解 ア
解説
PCI Express の 1 レーン当たりの転送速度は,3.0 が 8GT/s,4.0 が 16GT/s,5.0 が 32GT/s で,世代が上がるごとに 2 倍になっている。アが適切である。
イは誤りで,PCI Express 4.0 もそれ以前の世代との後方互換性をもち,接続した機器どうしが対応する速度で動作する。エも誤りで,8b/10b 変換を使うのは 1.x と 2.0 であり,3.0 以降は符号化による損失の少ない 128b/130b 変換を使う。ウの最大レーン数は,実際のスロットでは x16 までの構成が一般的であり,三つの世代を比較した記述として適切なのはアである。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問22(表記を一部改変)
問23
ジョブの多重度が 1 で,到着順にジョブが実行されるシステムにおいて,表に示すジョブ A~C を処理するとき,ジョブ C が到着してから実行が終了するまでのターンアラウンドタイムは何秒か。ここで,OS のオーバーヘッドは考慮しない。
正解 ア
解説
多重度 1 で到着順に実行するので,ジョブ A が時刻 0 から 5 まで実行され,その間に到着したジョブ B が 5 から 11 まで,ジョブ C が 11 から 14 まで実行される。ジョブ C は時刻 3 に到着して時刻 14 に終了するので,ターンアラウンドタイムは 14−3=11 秒であり,アになる。
エの 14 は到着時刻を差し引かずに終了時刻をそのまま答えた値である。イの 12 やウの 13 は,実行の順序や待ち時間を取り違えた値である。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問23(表記を一部改変)
問24
安全性と信頼性について,次の方針でプログラム設計を行う場合,その方針を表す用語はどれか。
〔方針〕
不特定多数の人が使用するプログラムには,自分だけが使用するプログラムに比べて,より多く,データチェックの機能を組み込む。プログラムが処理できるデータの前提条件を文書に書いておくだけでなく,プログラムについては前提条件を満たしていないデータが入力されたときは,エラーメッセージを表示して再入力を促すものとする。
ア フールプルーフ 正解
イ フェールセーフ
ウ フェールソフト
エ フォールトトレランス
正解 ア
解説
フールプルーフは,利用者が誤った操作をしたり想定外のデータを入力したりしても,システムが異常な動作をしないようにあらかじめ防いでおく考え方。前提条件を満たさないデータが入力されたらエラーメッセージを出して再入力を促す,という方針はまさにこれに当たる。アが正しい。
イのフェールセーフは故障したときに安全な側に倒す設計,ウのフェールソフトは故障時に機能を落としてでも運転を続ける設計,エのフォールトトレランスは構成要素を多重化して故障が起きても正常な動作を続けられるようにすること。いずれも故障が起きた後の備えであり,誤操作を未然に防ぐフールプルーフとは着眼点が違う。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問24(表記を一部改変)
問25
バグトラッキングシステムの説明として,最も適切なものはどれか。
ア ソースコードを画面に表示しながら,プログラムの実行及び中断,変数の値の表示などの,バグの発見を支援する機能を提供する。
イ テストケース及びテストプログラムの開発を支援して,バグの発見を容易にする。
ウ バグの数とソースプログラムの諸元から,品質管理のためのメトリクスを算定する。
エ 発見されたバグの内容,バグが発生したソフトウェアのバージョンなどを記録し,その修正計画や修正履歴を管理する。 正解
正解 エ
解説
バグトラッキングシステムは,発見された不具合を1件ずつ登録し,内容・発生したバージョン・再現手順・担当者・状態などを記録して,起票から修正完了までを追跡するツールである。名前のとおり「バグを追跡する」ことが役割なので,エが正しい。
アはデバッガの説明で,バグを見つけて原因を突き止める段階の道具。イはテストケースやテストドライバの作成を助けるテスト支援ツール。ウはバグ密度などの品質メトリクスを算出するツールの説明で,いずれもバグの記録と追跡を目的とするものではない。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問25(表記を一部改変)
ほかの年度
令和7年度 秋期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和3年度 春期 午前Ⅱ
令和元年度 秋期 午前Ⅱ
平成30年度 秋期 午前Ⅱ
平成29年度 秋期 午前Ⅱ
平成28年度 秋期 午前Ⅱ
平成27年度 秋期 午前Ⅱ
平成26年度 秋期 午前Ⅱ
平成25年度 秋期 午前Ⅱ
平成24年度 秋期 午前Ⅱ
平成23年度 秋期 午前Ⅱ
平成22年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 秋期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和7年度 秋期 午前Ⅱ
令和6年度 秋期 午前Ⅱ
令和5年度 秋期 午前Ⅱ
令和4年度 秋期 午前Ⅱ
令和3年度 秋期 午前Ⅱ
令和2年度 10月 午前Ⅱ
平成31年度 春期 午前Ⅱ
平成30年度 春期 午前Ⅱ
平成29年度 春期 午前Ⅱ
平成28年度 春期 午前Ⅱ
平成27年度 春期 午前Ⅱ
令和7年度 秋期 午前Ⅰ
令和7年度 春期 午前Ⅰ
令和7年度 春期 午前Ⅱ
令和7年度 春期 午後Ⅰ
令和6年度 秋期 午前Ⅰ
令和6年度 春期 午前Ⅰ
令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和6年度 春期 午後Ⅰ
令和5年度 秋期 午前Ⅰ
令和5年度 春期 午前Ⅰ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午後Ⅰ
令和4年度 秋期 午前Ⅰ
令和4年度 春期 午前Ⅰ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午後Ⅰ
令和3年度 秋期 午前Ⅰ
令和3年度 春期 午前Ⅰ
令和3年度 春期 午前Ⅱ
令和3年度 春期 午後Ⅰ
令和2年度 10月 午前Ⅰ
令和元年度 秋期 午前Ⅰ
令和元年度 秋期 午前Ⅱ
令和元年度 秋期 午後Ⅰ
平成31年度 春期 午前Ⅰ
平成30年度 秋期 午前Ⅰ
平成30年度 秋期 午前Ⅱ
平成30年度 秋期 午後Ⅰ
平成30年度 春期 午前Ⅰ
平成29年度 秋期 午前Ⅰ
平成29年度 秋期 午前Ⅱ
平成29年度 秋期 午後Ⅰ
平成29年度 春期 午前Ⅰ
平成28年度 秋期 午前Ⅰ
平成28年度 秋期 午前Ⅱ
平成28年度 秋期 午後Ⅰ
平成28年度 春期 午前Ⅰ
平成27年度 秋期 午前Ⅰ
平成27年度 春期 午前Ⅰ
平成27年度 秋期 午前Ⅱ
平成27年度 秋期 午後Ⅰ
平成26年度 秋期 午前Ⅰ
平成26年度 秋期 午後Ⅰ
平成26年度 春期 午前Ⅰ
平成25年度 秋期 午前Ⅰ
平成25年度 秋期 午後Ⅰ
平成25年度 春期 午前Ⅰ
平成24年度 秋期 午前Ⅰ
平成24年度 秋期 午後Ⅰ
平成24年度 春期 午前Ⅰ
平成23年度 秋期 午前Ⅰ
平成23年度 秋期 午後Ⅰ
平成23年度 特別試験 午前Ⅰ
平成22年度 秋期 午前Ⅰ
平成22年度 秋期 午後Ⅰ
平成22年度 春期 午前Ⅰ
平成21年度 秋期 午前Ⅰ
平成21年度 秋期 午後Ⅰ
平成26年度 秋期 午前Ⅱ
平成25年度 秋期 午前Ⅱ
平成24年度 秋期 午前Ⅱ
平成23年度 秋期 午前Ⅱ
平成22年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 春期 午前Ⅰ