令和5年度 秋期 午前Ⅰ

令和5年度 秋期に実施された高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰの全30問です。問題文・正解・解説をそのまま読めます。

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問1

逆ポーランド表記法(後置記法)で表現されている式 ABCD−×+ において,A=16,B=8,C=4,D=2 のときの演算結果はどれか。逆ポーランド表記法による式 AB+ は,中置記法による式 A+B と同一である。

正解 

解説

逆ポーランド表記法の式は,左から読んで被演算子をスタックに積み,演算子が来たら直前の二つを取り出して計算する。ABCD−×+ では,まず C−D=4−2=2,次に B×2=8×2=16,最後に A+16=16+16=32 となる。中置記法に直すと A+B×(C−D) で,アが正しい。

イの 46 は括弧を付けずに A+B×C−D=16+32−2 と計算した値,ウの 48 は (A+B)×(C−D)=24×2,エの 94 は (A+B)×C−D=96−2 と,いずれも演算の順序を取り違えたときの値である。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問1(表記を一部改変)

問2

図のように 16 ビットのデータを 4×4 の正方形状に並べ,行と列にパリティビットを付加することによって何ビットまでの誤りを訂正できるか。ここで,図の網掛け部分はパリティビットを表す。

4×4 のデータビットと,各行の右端・各列の下端に付けたパリティビット(網掛け)。1行目 1 0 0 0|1,2行目 0 1 1 0|0,3行目 0 0 1 0|1,4行目 1 1 0 1|1,列のパリティ 0 0 0 1。

正解 

解説

行と列にパリティビットを付けた水平垂直パリティでは,1ビットの誤りが起きると,その誤りを含む行のパリティと列のパリティの両方が合わなくなる。合わない行と列の交点が誤りの位置なので,特定して反転すれば訂正できる。訂正できるのは1ビットまでで,アが正しい。

2ビットの誤りが同じ行や同じ列に並ぶと,その行(列)のパリティは偶数個の反転で元に戻ってしまい,誤りがあることすら分からなくなる。離れた位置の2ビットなら合わない行と列が2つずつ出るが,どの組合せが誤りかを決められないので,やはり訂正はできない。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問2(表記を一部改変)

問3

あるデータ列を整列したら状態 0 から順に状態 1,2,…,N へと推移した。整列に使ったアルゴリズムはどれか。

状態0  3, 5, 9, 6, 1, 2
状態1  3, 5, 6, 1, 2, 9
状態2  3, 5, 1, 2, 6, 9
  ⋮
状態N  1, 2, 3, 5, 6, 9

正解 

解説

状態0 から状態1 で最大値の 9 が末尾へ移り,状態2 では次に大きい 6 が 9 の手前へ移っている。隣り合う要素を比べて大きいほうを後ろへ交換していく操作を1回通すたびに,残りの中の最大値が末尾に確定していくのはバブルソートの動きで,ウが正しい。

アのクイックソートは基準値より小さい要素と大きい要素に分割していくので,最大値から順に末尾へ並ぶ動きにはならない。イの挿入ソートは先頭から整列済みの部分を広げていくので,状態1 は先頭の要素が並び替わる形になる。エのヒープソートはまず全体をヒープに組み替えるため,状態1 で末尾以外の並びがほぼ保たれることはない。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問3(表記を一部改変)

問4

パイプラインの性能を向上させるための技法の一つで,分岐条件の結果が決定する前に,分岐先を予測して命令を実行するものはどれか。

正解 

解説

投機実行は,分岐命令の条件が確定する前に分岐先を予測し,その先の命令を先行して実行しておく方式。予測が当たればそのまま結果を使い,外れたら実行結果を破棄してやり直す。パイプラインの停滞(制御ハザード)を減らせるので,ウが該当する。

アのアウトオブオーダー実行は,命令を記述順ではなく,実行に必要なデータがそろった順に実行する方式。イの遅延分岐は,分岐命令の直後の命令を分岐の成否にかかわらず実行する方式で,分岐先の予測は行わない。エのレジスタリネーミングは,命令間で同じレジスタを使うことによる見かけ上の依存関係を,別の物理レジスタを割り当てて解消する方式である。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問4(表記を一部改変)

問5

IaC(Infrastructure as Code)に関する記述として,最も適切なものはどれか。

正解 

解説

IaC(Infrastructure as Code)は,サーバ,ネットワーク,ストレージなどのインフラの構成や設定をコードとして記述し,そのコードをツールで実行して環境を自動的に構築・変更する考え方。人手による設定作業のばらつきをなくし,同じ構成を何度でも再現できる。システムの構成や状態をコードに定義するエが適切である。

アはインシデント対応手順の自動化(ランブックの自動実行など),イは開発支援ツール間の連携,ウは継続的インテグレーションのためのビルドやテストの手順の自動化で,いずれもインフラの構成そのものをコードで定義するものではない。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問5(表記を一部改変)

問6

プリエンプティブな優先度ベースのスケジューリングで実行する二つの周期タスク A 及び B がある。タスク B が周期内に処理を完了できるタスク A 及び B の最大実行時間及び周期の組合せはどれか。ここで,タスク A の方がタスク B より優先度が高く,かつ,タスク A と B の共有資源はなく,タスク切替え時間は考慮しないものとする。また,時間及び周期の単位はミリ秒とする。

正解 

解説

優先度の高いタスク A は周期ごとに必ず先に実行され,タスク B は A が動いていない時間だけで処理を進める。各組合せで,B の周期内に B の実行時間を確保できるかを確かめる。

アは,0〜2 に A,2〜4 に B(2ミリ秒分),4〜6 に A,6〜7 に B(残り1ミリ秒)となり,B は 7 ミリ秒で完了し周期 8 に間に合う。アが正しい。

イは 0〜3 に A,3〜6 に B(3ミリ秒分),6〜9 に A となり,周期 9 までに B の残り1ミリ秒を実行できない。ウは 0〜3 A,3〜5 B,5〜8 A,8〜10 B,10〜13 A で,B は 13 までに4ミリ秒しか実行できない。エは 0〜4 A,4〜6 B,6〜10 A,10〜12 B,12〜16 A で,B は 15 までに4ミリ秒しか実行できない。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問6(表記を一部改変)

問7

真理値表に示す3入力多数決回路はどれか。

3入力多数決回路の真理値表。入力 A B C が 000,001,010,100 のとき出力 Y は 0,011,101,110,111 のとき Y は 1。

正解 

解説

3入力多数決回路は,三つの入力のうち二つ以上が 1 のとき出力が 1 になる回路で,論理式は Y=A・B+B・C+C・A となる。二つずつの AND をとり,それらを OR でまとめるアの回路がこの式そのものなので,アが正しい。

イは XOR の OR なので,入力がすべて等しい 000 と 111 のときだけ 0 になり,111 で 1 にならない。ウは (A+B)(B+C)(C+A) の否定で,(A+B)(B+C)(C+A) 自体が多数決の式と等しいため,出力が真理値表と逆になる。エは三つの XOR が同時に 1 になることがない(3入力のうち二つずつが全て異なることはない)ので,AND の結果は常に 0 で,Y は常に 1 になる。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問7(表記を一部改変)

問8

バーチャルリアリティに関する記述のうち,レンダリングの説明はどれか。

正解 

解説

レンダリングは,3次元のモデルとして表現された仮想世界の情報を,光源や視点の位置を踏まえて,ディスプレイに表示できる2次元の画像に変換する処理。イが正しい。

アはウェアラブルカメラや慣性センサで人の動きなどを取り込むモーションキャプチャなどの処理。ウは現実世界と仮想世界の座標系を合わせるレジストレーション(位置合わせ)。エはモデル化した対象を物理法則に従って時間変化させるシミュレーションの説明である。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問8(表記を一部改変)

問9

DBMS をシステム障害発生後に再立上げするとき,ロールフォワードすべきトランザクションとロールバックすべきトランザクションの組合せとして,適切なものはどれか。ここで,トランザクションの中で実行される処理内容は次のとおりとする。

処理内容の表:T1,T2 は Read 10,Write 20。T3,T4 は Read 100。T5,T6 は Read 20,Write 10。時系列の図:T1 はチェックポイントより前に開始しチェックポイント前にコミット。T2 はチェックポイント前に開始しチェックポイント後,障害発生前にコミット。T3 はチェックポイント後に開始し障害発生時点で未コミット。T4 はチェックポイント前に開始し障害発生時点で未コミット。T5 はチェックポイント後に開始し障害発生前にコミット。T6 はチェックポイント後に開始し障害発生時点で未コミット。

正解 

解説

システム障害からの再立上げでは,チェックポイント以降にコミットされたトランザクションの更新が主記憶のバッファに残ったまま失われている可能性があるので,ログを使って進め直す(ロールフォワード)。図で該当するのはチェックポイントをまたいでコミットした T2 と T5。一方,障害時点で未コミットのトランザクションは中途半端な更新を取り消す(ロールバック)が,これが要るのは実際に書込みを行ったものだけである。

未コミットなのは T3,T4,T6 だが,表を見ると T3 と T4 は Read 100 だけで Write がないので,取り消すべき更新がなくロールバックは不要。書込みのある T6 だけがロールバックの対象になる。T1 はチェックポイント前にコミットしており,その時点で更新が確定しているので何もしなくてよい。したがってアが正しい。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問9(表記を一部改変)

問10

サブネットマスクが 255.255.252.0 のとき,IP アドレス 172.30.123.45 のホストが属するサブネットワークのアドレスはどれか。

正解 

解説

サブネットワークのアドレスは,IP アドレスとサブネットマスクのビットごとの論理積で求める。第3オクテットは 123=01111011,252=11111100 なので,論理積は 01111000=120。第4オクテットはマスクが 0 なので 0 になり,サブネットワークのアドレスは 172.30.120.0 となる。イが正しい。

ウの 172.30.123.0 は第3オクテットをそのまま残しており,サブネットマスクの 252 を適用していない。アとエは第3オクテットにマスクの値や別の値を当てはめたもので,論理積の結果とは異なる。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問10(表記を一部改変)

問11

IPv4 ネットワークにおけるマルチキャストの使用例に関する記述として,適切なものはどれか。

正解 

解説

マルチキャストは,特定のグループに属する複数のホストへ同時に送信する方式。RIP-2 はルータ間で経路情報を交換するときに,マルチキャストアドレス 224.0.0.9 宛てに更新情報を送るので,エが該当する。

アの DHCP でアドレスを取得する前の PC は,自分の IP アドレスも DHCP サーバのアドレスも分からないので,要求をブロードキャストで送る。イの ARP リクエストも同一ネットワークの全ホストに向けたブロードキャストである。ウのメーリングリストは,利用者がメーリングリストのアドレス宛てに SMTP で1通送り,サーバがメンバーごとに配送するもので,IP のマルチキャストは使わない。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問11(表記を一部改変)

問12

パスワードクラック手法の一種である,レインボーテーブル攻撃に該当するものはどれか。

正解 

解説

レインボーテーブル攻撃は,平文のパスワードとハッシュ値の対応をチェーン状にまとめて圧縮したテーブル(レインボーテーブル)をあらかじめ作っておき,不正に入手したハッシュ値から元のパスワードを効率よく割り出す攻撃である。ウが該当する。ソルトを付けてハッシュ化すると,事前に作ったテーブルが使えなくなり対策になる。

アは他のサービスから流出した ID とパスワードの組みを使い回しに期待して試すパスワードリスト攻撃,イは全ての文字列を試す総当たり攻撃(ブルートフォース攻撃),エは人をだまして情報を聞き出すソーシャルエンジニアリングである。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問12(表記を一部改変)

問13

自社の中継用メールサーバで,接続元 IP アドレス,電子メールの送信者のメールアドレスのドメイン名,及び電子メールの受信者のメールアドレスのドメイン名から成るログを取得するとき,外部ネットワークからの第三者中継と判断できるログはどれか。ここで,AAA.168.1.5 と AAA.168.1.10 は自社のグローバル IP アドレスとし,BBB.45.67.89 と BBB.45.67.90 は社外のグローバル IP アドレスとする。a.b.c は自社のドメイン名とし,a.b.d と a.b.e は他社のドメイン名とする。また,IP アドレスとドメイン名は詐称されていないものとする。

正解 

解説

第三者中継は,自社と無関係な者どうしのメールを,自社のメールサーバが中継してしまうこと。外部ネットワークからの第三者中継なら,接続元は社外の IP アドレスで,送信者も受信者も自社以外のドメインになる。社外の BBB.45.67.89 から,他社ドメイン a.b.d の送信者が他社ドメイン a.b.e の受信者に送っているウが該当する。

アは自社の IP アドレスから自社ドメインの利用者が社外へ送る通常の送信。イは自社内のやり取り。エは社外から自社ドメインの受信者宛てに届いた通常の受信であり,いずれも第三者中継ではない。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問13(表記を一部改変)

問14

JPCERT コーディネーションセンター“CSIRT ガイド(2021年11月30日)”では,CSIRT を機能とサービス対象によって六つに分類しており,その一つにコーディネーションセンターがある。コーディネーションセンターの機能とサービス対象の組合せとして,適切なものはどれか。

正解 

解説

JPCERT/CC の“CSIRT ガイド”は,コーディネーションセンターを,サービス対象を協力関係にある他の CSIRT とし,インシデント対応において CSIRT 間の情報連携,調整を行うものとしている。アが適切である。

イは,サービス対象をその CSIRT が属する組織や国・地域とし,傾向分析やマルウェア解析を行う分析センター。ウは,自社製品の脆弱性に対応してパッチ作成や注意喚起を行うベンダーチーム。エは,契約を結んだ顧客に組織内 CSIRT の機能の一部又は全部を有償で提供するインシデントレスポンスプロバイダーである。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問14(表記を一部改変)

問15

DKIM(DomainKeys Identified Mail)に関する記述のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

DKIM は,送信側のメールサーバが電子メールにデジタル署名を付与し,受信側のメールサーバが送信元ドメインの DNS に公開された公開鍵で署名を検証することで,送信元ドメインの正当性とメールが改ざんされていないことを確かめる仕組みである。アが適切である。

イは送信時に利用者 ID とパスワードで利用者を認証する SMTP-AUTH。ウは認証に失敗したメールの扱い方をポリシーとして DNS に登録し,認証結果のレポートを受け取る DMARC。エは送信元ドメインの DNS に登録された送信サーバの IP アドレスと,実際の送信元の IP アドレスを照合する SPF の説明である。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問15(表記を一部改変)

問16

アプリケーションソフトウェアの開発環境上で,用意された部品やテンプレートを GUI による操作で組み合わせたり,必要に応じて一部の処理のソースコードを記述したりして,ソフトウェアを開発する手法はどれか。

正解 

解説

ローコード開発は,用意された部品やテンプレートを GUI 上で組み合わせることを基本としつつ,標準の部品で足りない処理は一部だけソースコードを書いて補う開発手法である。“必要に応じて一部の処理のソースコードを記述”する点が当てはまり,エが正しい。

イのノーコード開発は,ソースコードを一切書かずに GUI の操作だけでソフトウェアを作る手法で,コードを記述する点が合わない。アの継続的インテグレーションは変更のたびにビルドやテストを自動で行う手法,ウのプロトタイピングは試作品を作って利用者に確認しながら要件を固める手法である。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問16(表記を一部改変)

問17

組込みシステムのソフトウェア開発に使われる IDE の説明として,適切なものはどれか。

正解 

解説

IDE(Integrated Development Environment,統合開発環境)は,ソースコードを書くエディター,コンパイラ,リンカ,デバッガなど,ソフトウェア開発に必要なツールを一つの環境にまとめたものである。アが適切である。

イは JTAG などの専用インタフェースでターゲットの CPU の状態を取得・制御する ICE(インサーキットエミュレータ)などのデバッグ用装置。ウはターゲット CPU を搭載してソフトウェアを動かして確かめる評価ボード。エはタスクスケジューリングなどの機能を提供するリアルタイム OS の説明である。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問17(表記を一部改変)

問18

PMBOK ガイド 第7版によれば,プロジェクト・スコープ記述書に記述する項目はどれか。

正解 

解説

プロジェクト・スコープ記述書は,プロジェクトのスコープ,主要な成果物と,プロジェクトに含めない事項(除外事項)を記述した文書である。何をやらないかを明記しておくことで,関係者の期待の食い違いやスコープの膨張を防げる。エが該当する。

アの WBS はスコープ記述書を基に成果物と作業を階層的に分解したもので,スコープ記述書とは別に作る(両者と WBS 辞書を合わせてスコープ・ベースラインとなる)。イのコスト見積額はコストの見積りの成果,ウのステークホルダー分類はステークホルダー登録簿などで扱う情報である。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問18(表記を一部改変)

問19

プロジェクトのスケジュールを短縮したい。当初の計画は図1のとおりである。作業 E を作業 E1,E2,E3 に分けて,図2のとおりに計画を変更すると,スケジュールは全体で何日短縮できるか。

アローダイアグラム(矢印の上が作業名,下が所要日数)。図1 当初の計画:A(5) の後に B(8) と C(7)。B の後に D(7) と E(9)。C の後に F(5)。D の後に G(7) で終了。E と F の後に H(4),H の後に I(2) で終了。図2 変更後の計画:E を E1(3) と E2(4) に分けて B の後に並行して行い,E2 の後からダミー作業で E1 の後の結合点につなぎ,E1 と E2 がそろった後に E3(2) を行う。E3 と F の後に H(4),I(2)。それ以外は図1と同じ。

正解 

解説

図1のクリティカルパスは A→B→E→H→I で,5+8+9+4+2=28日。

図2では E が E1(3),E2(4),E3(2) に分割され,E3 の直前の結合点には E1 とダミー作業(E2 の後)が入る。B の完了時点(13日)から見ると,E1 経由は 3 日,E2 経由は 4 日で,遅いほうの 4 日で結合点に到達し,そこから E3 が 2 日かかる。よって B→H は 4+2=6日となり,A→B→E2→E3→H→I は 5+8+4+2+4+2=25日。もう一方の A→B→D→G は 5+8+7+7=27日なので,図2 全体は 27日。

28−27=1日短縮できる。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問19(表記を一部改変)

問20

Y 社は,受注管理システムを運用し,顧客に受注管理サービスを提供している。日数が 30 日,月曜日の回数が4回である月において,サービス提供条件を達成するために許容されるサービスの停止時間は最大何時間か。ここで,サービスの停止時間は,小数第1位を切り捨てるものとする。

〔サービス提供条件〕

正解 

解説

この月の暦上の時間は 30日×24時間=720時間。毎週月曜日の計画停止は 4回×6時間=24時間なので,サービスを提供すべき時間は 720−24=696時間になる。計画停止はこの計算から除くので,可用性の対象には含めない。

可用性 99%以上を達成するには,停止時間を 696×1%=6.96時間以内に収める必要がある。小数第1位を切り捨てると 6時間となり,イが正しい。計画停止を除かずに 720時間で計算すると 7.2 から 7時間(ウ)と誤る。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問20(表記を一部改変)

問21

フルバックアップ方式と差分バックアップ方式とを用いた運用に関する記述のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

差分バックアップは,直前のフルバックアップ以降に変更されたデータをバックアップする方式である。復旧時は,まずフルバックアップのデータで復元し,その後に最新の差分バックアップのデータを反映させる。イが適切である。

アは誤り。差分バックアップだけではフルバックアップ時点のデータがないので復元できず,フルバックアップだけで復旧するより手順が増える。ウは誤り。差分バックアップはフルバックアップと組み合わせて運用することが前提である。エは誤り。差分バックアップは変更分だけを取るので,毎回全データを取るフルバックアップより時間が短い。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問21(表記を一部改変)

問22

販売管理システムにおいて,起票された受注伝票の入力が,漏れなく,かつ,重複することなく実施されていることを確かめる監査手続として,適切なものはどれか。

正解 

解説

受注伝票が漏れなく重複なく入力されているかは,入力結果の一覧(プルーフリスト)と元の伝票を突き合わせているかを確かめれば分かる。照合が行われた証跡として,プルーフリストや受注伝票に押された照合印を確認するのが適切な監査手続になる。ウが正しい。

アの例外取引の承認記録の確認は,取引が正当に認められたかという承認の妥当性を見るもの。イの論理チェックやフォーマットチェックの確認は入力データの正確性を見るもの。エの並行シミュレーション法はプログラムの処理ロジックの正しさを検証する技法で,いずれも入力の網羅性を確かめるものではない。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問22(表記を一部改変)

問23

バックキャスティングの説明として,適切なものはどれか。

正解 

解説

バックキャスティングは,まず目指す未来のありたい姿を描き,そこから現在へ時間を遡るように,実現するために必要な課題や施策を洗い出していく思考方法である。現在の延長線上で未来を予測するフォアキャスティングと対比される。イが適切である。

アは開発期間やリソースを固定して優先度の高い機能から提供するタイムボックス型の開発の考え方。ウは下位からの提案を意思決定に取り入れるボトムアップ型のマネジメント。エは過去のデータで投資戦略を検証するバックテストの説明である。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問23(表記を一部改変)

問24

SOA を説明したものはどれか。

正解 

解説

SOA(Service Oriented Architecture,サービス指向アーキテクチャ)は,業務プロセスを構成する機能と,それを支える IT 基盤を,再利用可能なソフトウェア部品(サービス)として提供し,それらを組み合わせてシステムを構築するアーキテクチャである。エが該当する。

アは組織や業務のやり方を抜本的に見直す BPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング),イは基幹業務を統合的に管理する ERP,ウは発注者とサービス提供者の間でサービスの品質を合意する SLA(サービスレベル合意書)の説明である。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問24(表記を一部改変)

問25

半導体メーカーが行っているファウンドリーサービスの説明として,適切なものはどれか。

正解 

解説

ファウンドリサービスは,他社が設計した半導体を製造だけ請け負う事業。自社ブランドの製品はもたず,多くの企業からの注文をまとめて製造設備の稼働率を高めることで成り立っている。エが正しい。

アは商号や商標の使用権と独占販売権を与えるフランチャイズ。イは企画から製造・販売まで自社で一貫して行う IDM(垂直統合型メーカ)。ウは製造設備をもたず設計・開発に特化するファブレス企業の説明である。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問25(表記を一部改変)

問26

市場を消費者特性でセグメント化する際に,基準となる変数を,地理的変数,人口統計的変数,心理的変数,行動的変数に分類するとき,人口統計的変数に分類されるものはどれか。

正解 

解説

人口統計的変数(デモグラフィック変数)は,年齢,性別,所得,職業,学歴,家族構成など,人口統計で把握できる消費者の属性をいう。職業はこれに当たるので,イが正しい。

アの社交性などの性格はライフスタイルや価値観と並ぶ心理的変数(サイコグラフィック変数)。ウの人口密度は都市部か地方かなどを表す地理的変数(ジオグラフィック変数)。エの製品の使用割合は購買や使用の状況を表す行動的変数である。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問26(表記を一部改変)

問27

オープンイノベーションの説明として,適切なものはどれか。

正解 

解説

オープンイノベーションは,自社の技術やアイディアだけに頼らず,大学や他社など外部組織の技術やアイディアを取り入れて組み合わせ,新たな価値を生み出す考え方である。自社で活用しきれない技術を外部に提供して価値を生むことも含む。ウが適切である。

アは開発の一部を外部に委託するアウトソーシング。イは研究開発から製品化までを自社の中だけで行うクローズドイノベーションの考え方。エは業務の工程を見直して生産性を上げる業務改善(BPR など)の説明である。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問27(表記を一部改変)

問28

スマートファクトリーで使用される AI を用いたマシンビジョンの目的として,適切なものはどれか。

正解 

解説

マシンビジョンは,カメラで撮影した画像をコンピュータで解析して,対象物の位置や形状,傷などを判別する技術。スマートファクトリーでは AI による画像認識と組み合わせて,人が目で見て行っていた外観検査などを自動化し,検査の効率と精度を高めるのに使われる。イが適切である。

アは VR(又は AR)ゴーグルによる作業支援,ウは入出荷データを使った機械学習による需要予測,エは設計変更内容の伝達であり,いずれも画像を解析して判別するマシンビジョンの目的ではない。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問28(表記を一部改変)

問29

発生した故障について,発生要因ごとの件数の記録を基に,故障発生件数で上位を占める主な要因を明確に表現するのに適している図法はどれか。

正解 

解説

パレート図は,項目を件数の多い順に並べた棒グラフと,その累積比率の折れ線グラフを組み合わせた図である。どの要因が故障件数の大部分を占めているかが一目で分かり,重点的に対策すべき要因を明確にできる。イが適切である。

アの特性要因図は結果(特性)とそれに影響する要因の関係を魚の骨の形に整理する図,ウのマトリックス図は行と列に要素を並べて要素間の関連を表す図,エの連関図は複雑に絡み合う原因と結果の関係を矢印でつないで表す図で,いずれも件数の大小を比べるものではない。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問29(表記を一部改変)

問30

匿名加工情報取扱事業者が,適正な匿名加工を行った匿名加工情報を第三者提供する際の義務として,個人情報保護法に規定されているものはどれか。

正解 

解説

個人情報保護法第44条は,匿名加工情報取扱事業者が匿名加工情報を第三者に提供するときは,あらかじめ,第三者に提供される匿名加工情報に含まれる個人に関する情報の項目及びその提供の方法について公表するとともに,提供先に対して提供する情報が匿名加工情報である旨を明示しなければならないと定めている。アが該当する。

イの個人情報保護委員会への提供内容の報告,ウの物理的な媒体に限る提供手段は,法に規定されていない。エは誤りで,匿名加工情報は特定の個人を識別できず元の個人情報を復元できないように加工したものなので,第三者提供に本人の同意は求められていない。

出典:令和5年度 秋期 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 共通 午前Ⅰ 問30(表記を一部改変)