平成25年度 秋期に実施されたITサービスマネージャ試験
午前Ⅱの全25問です。問題文・正解・解説をそのまま読めます。
この年度を解いてみる
問1
ITIL のサービスストラテジ段階で管理するサービスポートフォリオの構成要素のうち,サービスパイプラインに収録されるサービスはどれか。
ア 開発が完了し,顧客に提供することが可能なサービス
イ 今後,段階的に停止されたり,取り消されたりするサービス
ウ サービスオペレーション段階で実行されているサービス
エ 将来提供する予定である開発中のサービス 正解
正解 エ
解説
サービス・ポートフォリオは,サービス・パイプライン,サービス・カタログ,廃止済みサービスの三つからなる。このうちサービス・パイプラインは,構想中や開発中で,将来提供する予定のサービスを収めた部分。顧客には公開しない。
アの提供可能なサービスとウの稼働中のサービスはサービス・カタログ,イの段階的に停止・取消しをするサービスは廃止済みサービスに当たる。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問1(表記を一部改変)
問2
JIS Q 20000-1 の関係プロセスの規定における,供給者,サービス提供者及び顧客の 3 者の関係のうち,適切なものはどれか。
ア 供給者,サービス提供者及び顧客は,それぞれ別々の組織(外部)に所属する。
イ 供給者のサービスも含めて,サービス提供者が,顧客にサービスを提供する。 正解
ウ 供給者は,サービス提供者を顧客とみなしてサービスを提供することはない。
エ 供給者はサービス提供者からサービスや製品を受領して,顧客に提供する。
正解 イ
解説
関係プロセスでは,供給者から調達したサービスも含めて,サービス提供者が一体のサービスとして顧客に提供する。顧客から見た窓口はあくまでサービス提供者であり,供給者と顧客が直接やり取りするわけではない。
アは誤りで,内部顧客や内部供給者のように同じ組織内にいることもある。ウも誤りで,供給者にとってはサービス提供者が顧客に当たる。エは供給者とサービス提供者の関係が逆になっている。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問2(表記を一部改変)
問3
IT サービスマネジメントのプロセスの一つである構成管理を導入することによって得られるメリットはどれか。
ア IT リソースに対する,現在の需要の把握と将来の需要の予測ができる。
イ 緊急事態時でも最低限の IT サービス基盤を提供することによって,事業の継続が可能になる。
ウ 構成品目の情報を正確に把握することによって,他のプロセスの確実な実施を支援できる。 正解
エ 適正な費用で常に一定した品質での IT サービスが提供されるようになる。
正解 ウ
解説
構成管理は,IT サービスを構成するハードウェア,ソフトウェア,文書などの構成品目(CI)とその関係を識別し,正確な情報を構成管理データベース(CMDB)に記録して維持するプロセスである。正確な構成情報があれば,インシデント管理での影響範囲の把握や,変更管理での影響の評価などを確実に行えるので,他のプロセスの確実な実施を支援できる。ウが該当する。
アは現在と将来の需要を把握・予測する容量・能力(キャパシティ)管理,イは緊急事態でも事業を継続できるようにする IT サービス継続性管理,エは合意した品質のサービスを適正な費用で提供するサービスレベル管理や財務管理のメリットである。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問3(表記を一部改変)
問4
オンラインシステムの性能監視における注意事項のうち,適切なものはどれか。
ア OS やネットワークなどの複数の測定項目を定常的に監視する。 正解
イ オンライン時間帯に性能を測定することはサービスレベルの低下につながるので,測定はオフライン時間帯に行う。
ウ 性能データのうちの一定期間内の最大値だけに着目し,管理の限界を逸脱しているかどうかを確認する。
エ 性能を測定する間隔は短いほど良い。
正解 ア
解説
オンラインシステムの性能は,CPU やメモリ,ディスク,OS,ネットワークなど多くの要素の影響を受ける。性能の低下を早く見つけ,原因を特定するには,複数の測定項目を定常的に監視して,傾向を把握しておくことが必要である。アが適切である。
イは誤りで,利用者が実際に使っている時間帯の性能を測定しなければ,サービスレベルを正しく評価できない。ウも誤りで,最大値だけでなく平均値や分布,時間的な推移も見る必要がある。エも誤りで,測定間隔を短くしすぎると,測定そのものがシステムの負荷となり,データ量も膨大になるので,目的に合った間隔にする。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問4(表記を一部改変)
問5
レプリケーションが有効な対策となるものはどれか。
ア 悪意によるデータの改ざんを防ぐ。
イ コンピュータウイルスによるデータの破壊を防ぐ。
ウ 災害発生時にシステムが長時間停止するのを防ぐ。 正解
エ 操作ミスによるデータの削除を防ぐ。
正解 ウ
解説
レプリケーションは,データを別の場所にある複製先へほぼリアルタイムに複製し,常に同じ内容を保つ仕組みである。災害で主系のシステムが使えなくなっても,遠隔地の複製先に切り替えれば,最新に近いデータで早期にサービスを再開できるので,システムの長時間停止を防ぐ対策になる。ウが該当する。
ア,イ,エの改ざん,ウイルスによる破壊,操作ミスによる削除は,いずれも元のデータへの変更がそのまま複製先にも反映されてしまうので,レプリケーションでは防げない。これらには,アクセス制御やウイルス対策,世代管理したバックアップなどが有効である。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問5(表記を一部改変)
問6
システムが障害によって停止したときに行う,システム再開の方法の一つであるウォームスタートの説明はどれか。
ア システムの再立上げの過程で,システム停止時に処理中であったジョブのうち,処理の続行が可能なものは処理を再開させ,入出力キューに残っているものは,そのまま処理の対象とする。 正解
イ システムの初期化のために,イニシャルプログラムローダによってコンフィギュレーション情報を主記憶装置上に展開する。
ウ システムの停止で処理が中断したジョブについて,それまでに採取されたチェックポイント情報によって回復作業を実施する。
エ ジャーナルファイルに記録されているデータを使用して,ファイルを障害発生以前の状態に戻す。
正解 ア
解説
ウォームスタートは,システムを完全に初期化せず,停止時の状態の情報を生かして再開する方法である。システム停止時に処理中であったジョブのうち続行できるものは処理を再開し,入出力キューに残っているジョブもそのまま処理の対象とするので,短時間で業務を再開できる。アが該当する。
イはシステムを初期状態から立ち上げるコールドスタート(イニシャルプログラムロード)の説明である。ウはチェックポイントからの再開(チェックポイントリスタート),エはジャーナル(ログ)を用いてファイルを障害前の状態に戻すロールバックの説明である。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問6(表記を一部改変)
問7
ITIL によれば,インシデントの階層的エスカレーションに該当するものはどれか。
ア 現在の担当者では解決できなかったインシデントの対応を,高度な専門知識をもつサポートグループに委ねる。
イ 現在の担当者では解決できなかったインシデントの対応を,広範にわたる関係者を招集する権限をもつ上級マネージャに委ねる。 正解
ウ 自分のシフト勤務時間内に完了しなかったインシデントの対応を,次のシフト勤務者に委ねる。
エ 中央サービスデスクで受け付けたインシデントの対応を,利用者が属する地域のローカルサービスデスクに委ねる。
正解 イ
解説
階層的エスカレーションは,対応に必要な権限や資源が足りないときに,指揮命令系統の上位へ引き上げること。関係者を招集する権限をもつ上級マネージャに委ねるのがこれに当たる。
アはより高い技術力をもつグループへ渡す機能的エスカレーション。ウのシフト交代時の引継ぎと,エの中央からローカルのサービスデスクへの割り振りは,担当の移動であってエスカレーションの種類ではない。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問7(表記を一部改変)
問8
ITIL のインシデント管理の方針において,インシデントモデルを定義しておくことによって得られるメリットはどれか。
ア インシデント管理プロセス及びその運用の効率性と有効性を判断するための基準を明確にすることができる。
イ 過去のインシデントについて,履歴,カテゴリ,及び解決するために取られた処置を容易に参照することができる。
ウ 繰り返し発生するインシデントを,事前に定義した経路で,事前に定義した期間内に処理することができる。 正解
エ 根本原因が判明していない問題に対する解決策を提供することができる。
正解 ウ
解説
インシデント・モデルは,繰り返し発生する種類のインシデントについて,取るべき手順とその順序,責任者,エスカレーション経路,解決までの時間枠をあらかじめ定めておくもの。定義しておけば,担当者の力量に左右されずに,決めた経路と時間枠の中で処理できる。
アはインシデント管理の KPI や測定基準の話,イはインシデント記録や既知のエラーデータベースの効用,エは根本原因が未判明の問題に対するワークアラウンド(問題管理)であり,いずれもモデルを定義したことによる直接のメリットではない。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問8(表記を一部改変)
問9
ITIL の IT サービス継続性管理の達成目標に関する説明として,適切なものはどれか。
ア 災害が起こった後,一定期間内にシステムを復旧し,事業を継続させる。 正解
イ 災害だけでなく,インシデントも含めた対策を実施する。
ウ 災害によって被害を被った情報システムの構成を修復する。
エ 災害の発生を予測したプロアクティブな予防措置よりも,事後の復旧に重点を置く。
正解 ア
解説
ITIL の IT サービス継続性管理は,事業継続管理を支えるために,災害などの重大な事態が発生した後も,合意した期間内に IT サービスを復旧させ,事業を継続できるようにすることを達成目標とする。アが適切である。
イは誤りで,通常のインシデントからの復旧はインシデント管理が扱い,IT サービス継続性管理は事業に重大な影響を与える災害などを対象とする。ウは災害の後に構成を修復することだけを述べており,事業の継続という目標を表していない。エも誤りで,IT サービス継続性管理では,リスクアセスメントに基づく予防措置にも重点を置く。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問9(表記を一部改変)
問10
ITIL によれば,既存及び新規の全てのサービスに対してビジネスインパクト分析を行うことを役割とするマネージャはどれか。
ア IT サービス継続性管理プロセス・マネージャ 正解
イ 可用性管理プロセス・マネージャ
ウ キャパシティ管理プロセス・マネージャ
エ サービスレベル管理プロセス・マネージャ
正解 ア
解説
ITIL では,IT サービス継続性管理プロセス・マネージャが,既存及び新規の全てのサービスについてビジネスインパクト分析(BIA)を行い,サービスの停止が事業に与える影響や復旧の優先度を明らかにする役割を担う。アが該当する。
イの可用性管理プロセス・マネージャはサービスやコンポーネントの可用性の設計と改善,ウのキャパシティ管理プロセス・マネージャは現在と将来の容量・能力の計画,エのサービスレベル管理プロセス・マネージャは SLA の交渉と監視を担う。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問10(表記を一部改変)
問11
IT サービスマネジメントにおけるサービスレベル管理プロセスの活動はどれか。
ア IT サービスの提供に必要な予算に対して,適切な資金を確保する。
イ 現在のリソースの調整と最適化,及び将来のリソース要件に関する予測を記載した計画を作成する。
ウ 災害や障害などで事業が中断しても,要求されたサービス機能を合意された期間内に確実に復旧できるように,事業影響度の評価や復旧優先順位を明確にする。
エ 提供する IT サービス及びサービス目標を特定し,サービス提供者が顧客との間で合意文書を交わす。 正解
正解 エ
解説
サービスレベル管理プロセスは,提供する IT サービスとそのサービス目標を特定し,サービス提供者と顧客の間でサービスレベル合意書(SLA)として合意し,その達成状況を監視・報告して改善していくプロセスである。エが該当する。
アは IT サービスの予算と資金を管理する財務管理,イは現在のリソースの最適化と将来のリソース要件の予測を行うキャパシティ管理,ウは事業影響度の評価や復旧優先順位を明確にする IT サービス継続性管理の活動である。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問11(表記を一部改変)
問12
JIS Q 20000-1 におけるサービス継続及び可用性管理プロセスで行う活動はどれか。
ア インシデント及び問題の影響を識別し,これを最小限に抑える,又は回避するための手順を採用する。
イ サービス全体の可用性などの要求事項を,事業計画,SLA 及びリスクを考慮して特定する。 正解
ウ サービスの容量・能力を監視し,サービスのパフォーマンスを調整して,かつ,適切な容量・能力を提供するための方法,手順及び技法を明確にする。
エ 提供する個々のサービスを定義し,これに合意して,かつ,文書化する。
正解 イ
解説
サービス継続及び可用性管理では,サービス全体の可用性やサービス継続に関する要求事項を,事業計画,サービスの要求事項,SLA 及びリスクを考慮したうえで,顧客及び利害関係者と合意する。何をどこまで維持するのかを関係者と決めるのがこのプロセスの出発点になる。
アはインシデント及び問題の影響を最小化・未然防止する問題管理,ウは容量・能力管理,エはサービスレベル管理の活動である。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問12(表記を一部改変)
問13
サービス提供時間帯が毎日 6~20 時のシステムにおいて,ある月の停止時間,修復時間及びシステムメンテナンス時間は次のとおりであった。このとき,この月の可用性は何%か。ここで,1 か月の稼働日数は 30 日,可用性(%)は小数第 2 位を四捨五入するものとする。
〔停止時間,修復時間及びシステムメンテナンス時間〕
システム障害によるサービス提供時間内の停止時間:7 時間 システム障害によるサービス提供時間外の修復時間:3 時間 サービス提供時間外のシステムメンテナンス時間:8 時間
ア 95.7
イ 97.6
ウ 98.3 正解
エ 99.0
正解 ウ
解説
サービス提供時間は 6時〜20時の14時間×30日=420時間。
サービス可用性の計算に含めるのは,サービス提供時間内に止まっていた時間だけである。提供時間外の修復時間3時間とメンテナンス時間8時間は,もともとサービスを提供していない時間帯なので停止時間に数えない。
したがって (420−7)÷420=413÷420=0.98333…,すなわち 98.3%。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問13(表記を一部改変)
問14
ITIL において,可用性管理のリアクティブな活動で用いる技法はどれか。
ア 故障樹解析
イ コンポーネント障害インパクト分析
ウ サービス障害分析 正解
エ 単一障害点分析
正解 ウ
解説
ITIL の可用性管理の活動は,発生した障害に対応するリアクティブな活動と,障害を未然に防ぐプロアクティブな活動に分けられる。サービス障害分析(SFA)は,発生したサービスの中断について,その根本的な原因や対応の経過を分析して改善策を見つける技法であり,リアクティブな活動で用いる。ウが該当する。
ア,イ,エは,いずれもサービスの設計段階などで障害の発生を予測し,未然に防ぐためのプロアクティブな活動で用いる技法である。アの故障樹解析(FTA)は障害につながる事象の組合せを木構造で分析し,イのコンポーネント障害インパクト分析(CFIA)は構成要素の障害がサービスに与える影響を評価し,エの単一障害点分析(SPOF 分析)は一か所の障害で全体が止まる箇所を洗い出す。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問14(表記を一部改変)
問15
IT サービスマネジメントの情報セキュリティ管理プロセスに対して,JIS Q 20000-1 が要求している事項はどれか。
ア 潜在的な問題を低減させるために,予防処置を取らなければならない。
イ ディジタルの構成品目の原本を,物理的又は電子的にセキュリティが保たれた書庫で管理しなければならない。
ウ 変更要求が情報セキュリティ基本方針及び管理策に与える影響を評価しなければならない。 正解
エ 変更要求の受入れについての意思決定では,リスク,事業利益及び技術的実現可能性を考慮しなければならない。
正解 ウ
解説
JIS Q 20000-1:2012 の情報セキュリティ管理では,情報セキュリティ変更及びインシデントについて,変更要求が情報セキュリティ基本方針及び情報セキュリティ管理策に与える潜在的な影響を評価することを求めている。変更によってセキュリティの弱点が生じないように,変更管理と連携して評価する。ウが該当する。
アの予防処置は,サービスマネジメントシステムの改善の一般的な要求事項である。イの構成品目の原本をセキュリティが保たれた書庫で管理することは構成管理,エの変更要求の受入れでリスク,事業利益及び技術的実現可能性を考慮することは変更管理の要求事項である。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問15(表記を一部改変)
問16
システムの本番移行に支障を来すリスクに対するコントロールを監査するチェックポイントはどれか。
ア システム運用段階で新システムの稼働状況がレビューされ,その結果についてシステム開発部門及びユーザ部門の責任者の承認が得られているか。
イ システム開発段階で抽出された問題への対策が,移行後のシステム改善計画に反映されているか。
ウ システム企画段階で,システムの投資対効果が評価されているか。
エ ユーザ部門を含めた各部門の役割と責任を明確にした移行計画が作成されているか。 正解
正解 エ
解説
本番移行のリスクを抑えるコントロールは移行段階にある。利用部門を含む各部門の役割と責任を明確にした移行計画が作られているかを確かめることが,移行時の作業漏れや責任の空白を防ぐチェックポイントになる。
アはシステム運用段階,イは移行後の改善計画,ウはシステム企画段階についてのチェックポイントであり,いずれも本番移行そのもののリスクに対するコントロールではない。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問16(表記を一部改変)
問17
工程別の生産性が次のとおりのとき,全体の生産性を表す式はどれか。
〔工程別の生産性〕
設計工程:X ステップ/人月 製造工程:Y ステップ/人月 試験工程:Z ステップ/人月
ア X+Y+Z
イ (X+Y+Z)/3
ウ 1/X+1/Y+1/Z
エ 1/(1/X+1/Y+1/Z) 正解
正解 エ
解説
全体の生産性は,全体で作成したステップ数を全体の工数(人月)で割って求める。作成するステップ数を S とすると,各工程の工数は,設計工程が S/X,製造工程が S/Y,試験工程が S/Z 人月となる。
全体の工数は S/X+S/Y+S/Z なので,全体の生産性は S÷(S/X+S/Y+S/Z)=1/(1/X+1/Y+1/Z) となり,エになる。
アとイは生産性を足したり平均したりしているが,生産性は工数の逆数の関係にあるので,単純に足したり平均したりすることはできない。ウは 1 ステップ当たりの全体の工数を表しており,生産性ではない。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問17(表記を一部改変)
問18
システムを開発するときの進捗管理と費用管理を同時に行うために,トレンドチャートを用いる。マイルストーンの予定の位置から実績の位置に結んだ矢印が垂直に下に向かっているときの進捗と費用に関する状況説明のうち,適切なものはどれか。
ア 進捗が予定どおりで,費用が予算を下回っている。 正解
イ 進捗が予定どおりで,費用が予算を超過している。
ウ 進捗が予定より遅れ,費用が予算を超過している。
エ 進捗が予定より進み,費用が予算を下回っている。
正解 ア
解説
トレンドチャートは,横軸に開発期間,縦軸に予算消化率をとり,マイルストーンごとに予定と実績を記入して,進捗と費用を同時に管理する図である。予定の位置から実績の位置への矢印が横にずれていれば,マイルストーンの達成時期がずれている(進捗の遅れや進み)ことを,縦にずれていれば,予算の消化が予定と違うことを表す。
矢印が垂直に下に向かっているのは,マイルストーンを予定どおりの時期に達成し,そのときの予算消化率が予定より低いことを表すので,進捗が予定どおりで費用が予算を下回っている。アが適切である。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問18(表記を一部改変)
問19
期間 10 日のプロジェクトを,5 日目の終了時にアーンドバリュー分析したところ,表のとおりであった。現在のコスト効率が今後も続く場合,完成時総コスト見積り(EAC)は何万円か。
正解 エ
解説
現在のコスト効率が今後も続く場合の完成時総コスト見積りは EAC=BAC÷CPI で求める。CPI=EV÷AC=40÷60=2/3 なので,EAC=100÷(2/3)=150 万円。
イの 120 は,残りの作業は予算どおりに進むと仮定した EAC=AC+(BAC−EV)=60+60 の値で,設問の“現在のコスト効率が今後も続く”という条件には合わない。アの 110 とウの 135 は,いずれの EAC の式からも出てこない。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問19(表記を一部改変)
問20
プロセッサの省電力技術の一つであるパワーゲーティングの説明として,適切なものはどれか。
ア 仕事量に応じて,プロセッサへ供給する電源電圧やクロック周波数を変える。
イ 動作していない回路ブロックへのクロック供給を停止する。
ウ 動作していない回路ブロックへの電源供給を遮断する。 正解
エ マルチコアプロセッサにおいて,使用しないコアの消費電力枠を,動作しているコアに割り当てる。
正解 ウ
解説
パワーゲーティングは,プロセッサ内で動作していない回路ブロックへの電源供給を遮断することで,動作していない回路で生じるリーク電流(漏れ電流)による電力消費も含めて削減する技術である。ウが該当する。
アは,負荷に応じて電源電圧やクロック周波数を変える DVFS(動的電圧周波数制御)である。イは,クロック供給だけを停止するクロックゲーティングで,クロックの切替えによる電力は減らせるが,電源が供給されているのでリーク電流は残る。エは,使用しないコアの消費電力枠を動作中のコアに回して性能を上げる技術であり,省電力技術ではない。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問20(表記を一部改変)
問21
ソフトウェアの安全対策の考え方のうち,アフォーダンスに関する記述はどれか。
ア 機能や使い方が直感的に分かるように,コントロールパネルのボタンなどの形,色や配置を工夫することによって,誤操作を低減する。 正解
イ 故障による被害を最小限にとどめるように,ファイルの自動バックアップを行う機能をもたせる。
ウ セキュリティ面の保護を複数の手段で講じて,多層で防御する機能をもたせる。
エ 利用者が操作や入力値を誤った場合でも危険な状態が発生しないようにする。
正解 ア
解説
アフォーダンスは,物の形や色,配置などが,その使い方を利用者に自然に伝える性質である。ボタンなどの形,色や配置を工夫して,機能や使い方が直感的に分かるようにし,誤操作を減らすアが該当する。
イの故障による被害を最小限にとどめるのはフェールソフトやバックアップの考え方,ウの複数の手段で多層に防御するのは多層防御(多重防御),エの利用者が操作を誤っても危険な状態にならないようにするのはフールプルーフの考え方である。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問21(表記を一部改変)
問22
関係データベースのビューに関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア ビューの元の表に新たな列を追加するときは,既存のビューにも影響が出るので,ビューを再定義する必要がある。
イ ビューの列は,元の表の列名と異なる名称で定義することができる。 正解
ウ ビューは,元の表から指定した列を抜き出すように定義するものであり,指定条件を満たす行を抜き出すように定義することはできない。
エ 二つ以上の表の結合によって定義されたビューは,いつでも更新操作が可能である。
正解 イ
解説
ビューは,元の表(実表)から必要な列や行を取り出したり,複数の表を結合したりして定義する仮想的な表である。ビューの列には,AS 句などを使って元の表の列名と異なる名称を付けることができるので,イが適切である。
アは誤りで,元の表に列を追加しても,既存のビューはその列を参照していないので影響を受けず,再定義する必要はない。ウも誤りで,WHERE 句で条件を指定して,条件を満たす行だけを取り出すビューを定義できる。エも誤りで,複数の表を結合したビューは,更新内容を元の表のどの行に反映すればよいかが一意に決まらない場合があるので,一般に更新操作ができるとは限らない。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問22(表記を一部改変)
問23
磁気ディスク装置や磁気テープ装置などのストレージ(補助記憶装置)を,通常の LAN とは別の高速な専用ネットワークで構成する方式はどれか。
正解 エ
解説
SAN(Storage Area Network)は,サーバと外部記憶装置を,業務用の LAN とは別に用意した高速な専用ネットワークで接続する構成。ファイバチャネルなどを使い,記憶装置へのアクセスが LAN の通信と干渉しない。
アの DAFS はネットワーク越しにファイルを共有するためのプロトコル,イの DAS はサーバに記憶装置を直結する方式,ウの NAS は通常の LAN に接続して使うファイルサーバ専用機であり,いずれも専用ネットワークで接続する構成ではない。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問23(表記を一部改変)
問24
ISO 22301:2012 が要求事項を規定している対象はどれか。
ア IT サービスマネジメントシステム
イ 個人情報保護マネジメントシステム
ウ 事業継続マネジメントシステム 正解
エ 情報セキュリティマネジメントシステム
正解 ウ
解説
JIS Q 22301 は,事業継続マネジメントシステム(BCMS)の要求事項を規定した規格。
アの IT サービスマネジメントシステムは JIS Q 20000-1,イの個人情報保護マネジメントシステムは JIS Q 15001,エの情報セキュリティマネジメントシステムは JIS Q 27001 が対応する。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問24(表記を一部改変)
問25
派遣労働者の受入れに関する記述のうち,派遣先責任者の役割,立場として,適切なものはどれか。
ア 派遣先責任者は,派遣先管理台帳の管理,派遣労働者から申出を受けた苦情への対応,派遣元事業主との連絡調整,派遣労働者の人事記録と考課などの任務を行わなければならない。
イ 派遣先責任者は,派遣就業場所が複数ある場合でも,一人に絞って選任されなければならない。
ウ 派遣先責任者は,派遣労働者が従事する業務全般を統括する管理職位の者の内から選任されなければならない。
エ 派遣先責任者は,派遣労働者に直接指揮命令する者に対して,労働者派遣法などの関連法規の規定,労働者派遣契約の内容,派遣元からの通知などを周知しなければならない。 正解
正解 エ
解説
労働者派遣法は,派遣先に派遣先責任者の選任を義務付けている。派遣先責任者の職務には,派遣労働者に直接指揮命令する者などに対して,労働者派遣法などの関係法令の規定,労働者派遣契約の内容,派遣元事業主からの通知の内容を周知することが含まれる。エが正しい。
アは誤りで,派遣先責任者は派遣先管理台帳の作成・管理,苦情の処理,派遣元との連絡調整などを行うが,派遣労働者を雇用しているのは派遣元なので,人事記録や考課は派遣先の職務ではない。イは誤りで,派遣先責任者は事業所ごとに,派遣労働者の人数に応じて選任する。ウは誤りで,業務全般を統括する管理職位の者から選ぶ必要はなく,職務を適切に遂行できる者から選任すればよい。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問25(表記を一部改変)
ほかの年度
令和7年度 秋期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和3年度 春期 午前Ⅱ
令和元年度 秋期 午前Ⅱ
平成30年度 秋期 午前Ⅱ
平成29年度 秋期 午前Ⅱ
平成28年度 秋期 午前Ⅱ
平成27年度 秋期 午前Ⅱ
平成26年度 秋期 午前Ⅱ
平成25年度 秋期 午前Ⅱ
平成24年度 秋期 午前Ⅱ
平成23年度 秋期 午前Ⅱ
平成22年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 秋期 午前Ⅱ
令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和7年度 秋期 午前Ⅱ
令和6年度 秋期 午前Ⅱ
令和5年度 秋期 午前Ⅱ
令和4年度 秋期 午前Ⅱ
令和3年度 秋期 午前Ⅱ
令和2年度 10月 午前Ⅱ
平成31年度 春期 午前Ⅱ
平成30年度 春期 午前Ⅱ
平成29年度 春期 午前Ⅱ
平成28年度 春期 午前Ⅱ
平成27年度 春期 午前Ⅱ
令和7年度 秋期 午前Ⅰ
令和7年度 春期 午前Ⅰ
令和7年度 春期 午前Ⅱ
令和7年度 春期 午後Ⅰ
令和6年度 秋期 午前Ⅰ
令和6年度 春期 午前Ⅰ
令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和6年度 春期 午後Ⅰ
令和5年度 秋期 午前Ⅰ
令和5年度 春期 午前Ⅰ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午後Ⅰ
令和4年度 秋期 午前Ⅰ
令和4年度 春期 午前Ⅰ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午後Ⅰ
令和3年度 秋期 午前Ⅰ
令和3年度 春期 午前Ⅰ
令和3年度 春期 午前Ⅱ
令和3年度 春期 午後Ⅰ
令和2年度 10月 午前Ⅰ
令和元年度 秋期 午前Ⅰ
令和元年度 秋期 午前Ⅱ
令和元年度 秋期 午後Ⅰ
平成31年度 春期 午前Ⅰ
平成30年度 秋期 午前Ⅰ
平成30年度 秋期 午前Ⅱ
平成30年度 秋期 午後Ⅰ
平成30年度 春期 午前Ⅰ
平成29年度 秋期 午前Ⅰ
平成29年度 秋期 午前Ⅱ
平成29年度 秋期 午後Ⅰ
平成29年度 春期 午前Ⅰ
平成28年度 秋期 午前Ⅰ
平成28年度 秋期 午前Ⅱ
平成28年度 秋期 午後Ⅰ
平成28年度 春期 午前Ⅰ
平成27年度 秋期 午前Ⅰ
平成27年度 春期 午前Ⅰ
平成27年度 秋期 午前Ⅱ
平成27年度 秋期 午後Ⅰ
平成26年度 秋期 午前Ⅰ
平成26年度 秋期 午後Ⅰ
平成26年度 春期 午前Ⅰ
平成25年度 秋期 午前Ⅰ
平成25年度 秋期 午後Ⅰ
平成25年度 春期 午前Ⅰ
平成24年度 秋期 午前Ⅰ
平成24年度 秋期 午後Ⅰ
平成24年度 春期 午前Ⅰ
平成23年度 秋期 午前Ⅰ
平成23年度 秋期 午後Ⅰ
平成23年度 特別試験 午前Ⅰ
平成22年度 秋期 午前Ⅰ
平成22年度 秋期 午後Ⅰ
平成22年度 春期 午前Ⅰ
平成21年度 秋期 午前Ⅰ
平成21年度 秋期 午後Ⅰ
平成26年度 秋期 午前Ⅱ
平成24年度 秋期 午前Ⅱ
平成23年度 秋期 午前Ⅱ
平成22年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 春期 午前Ⅰ