平成24年度 秋期に実施されたITサービスマネージャ試験
午前Ⅱの全25問です。問題文・正解・解説をそのまま読めます。
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問1
システムの改善に向けて提出された 4 案について,評価項目を設定して採点した結果を,採点結果表に示す。効果及びリスクについては 5 段階評価とし,それぞれの評価項目の重要度に応じて,重み付け表に示すとおりの重み付けを行った上で次の式で総合評価点を算出したとき,総合評価点が最も高い改善案はどれか。
〔総合評価点の算出式〕
総合評価点 = 効果の総評価点 − リスクの総評価点
採点結果表
重み付け表
正解 ウ
解説
効果の重みは作業コスト削減 3,システム運用品質向上 2,セキュリティ強化 4,リスクの重みは技術リスク 3,スケジュールリスク 8。案ごとに重み付けして計算すると,案 1 は効果 5×3+2×2+3×4=31,リスク 4×3+2×8=28 で総合 3。案 2 は効果 36,リスク 35 で総合 1。案 3 は効果 2×3+2×2+5×4=30,リスク 5×3+1×8=23 で総合 7。案 4 は効果 30,リスク 43 で総合 −13。
最も高いのは案 3。効果の素点だけを見ると案 2 が高いが,スケジュールリスクの重みが 8 と大きいため,そこが 4 の案 2 と 5 の案 4 は総合点を大きく下げる。重み付けをしてから引き算する点が要点。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問1(表記を一部改変)
問2
JIS Q 20000-1 において,供給者管理に求められるものはどれか。
ア 供給者管理における変更は,変更管理プロセスではなく,供給者管理プロセスに従う。
イ 供給者は,供給者管理プロセスへの適合を実証する。
ウ サービス提供者は,供給者管理プロセスを文書化する。 正解
エ 重要な契約についてのレビューを,少なくとも 3 年に 1 回実施する。
正解 ウ
解説
JIS Q 20000-1 の供給者管理では,サービス提供者が供給者を管理するためのプロセスを文書化し,供給者ごとに契約を結んで,その実績を監視することを求めている。ウが該当する。
アは誤りで,供給者に関わる変更も,サービスや構成品目に影響するものは変更管理プロセスで管理する。イも誤りで,供給者管理プロセスを確立し運用するのはサービス提供者であり,供給者がその適合を実証するものではない。エも誤りで,契約のレビューはあらかじめ定めた間隔で行うことが求められており,“少なくとも 3 年に 1 回”という規定はない。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問2(表記を一部改変)
問3
IT サービスマネジメントにおいて,インシデントに対する一連の活動のうち,イベント管理プロセスが分担する活動はどれか。
ア インシデントの発生後に,インシデントの原因などをエラーレコードとして記録する。
イ インシデントの発生後に,問題の根本原因を分析して記録する。
ウ インシデントの発生時に,IT サービスを迅速に復旧するための対策を講じる。
エ インシデントの発生を早期に検出して,関連するプロセスに通知する。 正解
正解 エ
解説
イベント管理は,構成品目やサービスの状態変化(イベント)を監視して検知し,意味を判断したうえで,対応が必要なものを関連するプロセスへ通知するプロセス。インシデントの検知と通知がこれに当たる。
アは問題管理で作成する既知のエラー記録,イも問題管理の根本原因分析,ウはインシデント管理によるサービスの復旧であり,いずれもイベント管理の分担ではない。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問3(表記を一部改変)
問4
IT サービスマネジメントのインシデント管理の達成目標はどれか。
ア インフラストラクチャの弱点を探り,それらの弱点を取り除くための提案を行ってインシデントを予防する。
イ 過去のインシデントの根本原因を見つけ,改善や是正に関する提案を行い,インシデントを未然に防ぐ。
ウ 顧客が要求する IT サービスを,継続して維持し,改善していくようにする。
エ 組織やユーザのビジネス活動に対するインパクトを最小限に抑えるために,できるだけ早く SLA で定めた通常のサービスレベルに復帰させる。 正解
正解 エ
解説
インシデント管理の達成目標は,インシデントが発生したときに,組織や利用者の業務への影響を最小限に抑えるため,できるだけ早く SLA で定めた通常のサービスレベルに復帰させることである。根本原因の解決よりも,まずサービスを回復させることを優先する。エが該当する。
アのインフラストラクチャの弱点を探って取り除くことと,イの過去のインシデントの根本原因を見つけて再発を防ぐことは,問題管理の目標である。ウの顧客が要求する IT サービスを継続して維持し改善していくことは,サービスレベル管理や継続的サービス改善の目標である。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問4(表記を一部改変)
問5
システム障害が発生したときにシステムを初期状態に戻して再開する方法であり,イニシャルプログラムロードとも呼ばれるものはどれか。
ア ウォームスタート
イ コールドスタート 正解
ウ ロールバック
エ ロールフォワード
正解 イ
解説
コールドスタートは,直前の状態を引き継がずにシステムを初期状態から立ち上げ直す方法で,初期プログラムロード(IPL)とも呼ばれる。更新前コピーや更新後コピーを使った前処理を伴わない。
アのウォームスタートは,停止直前の状態を引き継いで再開する方法。ウのロールバックとエのロールフォワードは,ログを使ってデータベースの内容を整合の取れた状態に戻す・進める回復処理であり,システムの開始方法ではない。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問5(表記を一部改変)
問6
次の文章は,法人顧客向け IT サービス提供者のサービスデスクとサポートチームの行動である。明らかに改善が必要なマネジメントプロセスはどれか。
ある顧客から特定の処理結果に誤りがあるのではないかというクレームがあった。クレームを受けた担当者は緊急度が低いと判断し,インシデントとして記録した後,技術サポートチームに調査を依頼した。技術サポートチームが調査した結果,プログラムのバグが原因と判明し,問題レコードを記録して変更要求(RFC)を提起した。変更管理チームは変更を完了させて関係者に連絡した後,その変更をクローズした。変更のクローズを受け,サービスデスクはクレームに対して回答するために,既知のエラーデータベースを参照したが,処置内容が登録されていなかったので回答できなかった。
ア イベント管理
イ インシデント管理
ウ 変更管理
エ 問題管理 正解
正解 エ
解説
問題管理は,インシデントの根本原因を突き止め,原因と回避策が判明したものを既知のエラーとして記録し,既知のエラーデータベースに登録する。サービスデスクはこのデータベースを参照して,利用者への回答やインシデントの解決に使う。
文章では,技術サポートチームがバグを原因と特定して問題レコードを記録し,変更も完了しているのに,既知のエラーデータベースに処置内容が登録されていなかったので,サービスデスクが回答できなかった。問題の原因と処置を記録して共有する問題管理に不備があるので,エが該当する。
インシデントの記録と調査の依頼(イ),変更の実施とクローズ(ウ)は適切に行われている。アのイベント管理はこの文章の流れに登場しない。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問6(表記を一部改変)
問7
IT サービスマネジメントにおける変更要求に対する活動のうち,リリース管理プロセスに含まれるものはどれか。
ア 変更された構成アイテム(CI)のパッケージ化 正解
イ 変更諮問委員会(CAB)の召集
ウ 変更の影響を受ける構成アイテム(CI)の識別
エ 変更要求(RFC)のレビュー
正解 ア
解説
リリース管理は,変更管理で承認された変更を,稼働環境に確実に展開するプロセスである。変更された構成アイテム(CI)をまとめてリリースパッケージを作成し,構築,テストしてから展開する。変更された CI のパッケージ化はリリース管理に含まれるので,アが該当する。
イの変更諮問委員会(CAB)の召集,ウの変更の影響を受ける CI の識別,エの変更要求(RFC)のレビューは,変更を評価し承認するまでの活動であり,変更管理プロセスに含まれる。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問7(表記を一部改変)
問8
ITIL におけるワークアラウンドの説明はどれか。
ア インシデント管理,問題管理のプロセスにおける問題の状態のこと
イ インシデント管理から問題管理,変更管理へと問題を扱うプロセスが遷移すること
ウ インシデントの中で,障害ではないもののこと
エ インシデントや問題に対する完全な解決策がまだ存在しないときの暫定処置のこと 正解
正解 エ
解説
ワークアラウンドは,インシデントや問題に対して根本的な解決策がまだない場合に,その影響を減らしたり取り除いたりするための暫定的な処置(回避策)である。例えば,不具合のある機能の代わりに別の手順で処理してもらうといった対応がこれに当たる。エが該当する。
アの問題の状態,イのプロセス間の遷移,ウの障害ではないもの(サービス要求など)は,いずれもワークアラウンドの説明ではない。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問8(表記を一部改変)
問9
ITIL v3 における変更諮問委員会(CAB)の役割の説明はどれか。
ア 変更されたリリースパッケージの導入に対する最終承認を行う。
イ 変更に対する切り戻し計画とテスト計画の作成を行う。
ウ 変更の許可を支援し,変更の評価と優先度付けにおいて変更管理を援助する。 正解
エ 変更要求の受領及び登録を行い,非現実的な要求は却下する。
正解 ウ
解説
ITIL v3 の変更諮問委員会(CAB)は,変更の評価,優先度付け,許可について,変更マネージャを支援し助言する機関である。変更の内容に応じて,IT 部門,業務部門,供給者などの関係者で構成する。ウが該当する。
アのリリースパッケージの導入の承認はリリース管理で行う判断である。イの切り戻し計画やテスト計画の作成は,変更を実施する担当者やリリース管理が行う作業である。エの変更要求の受付と登録,非現実的な要求の却下は,変更管理の最初の段階で変更マネージャなどが行う作業であり,CAB の役割ではない。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問9(表記を一部改変)
問10
“IT サービスが必要とされたときに合意済の機能を実行する能力”について,様々な側面を定義,分析,計画立案,測定,改善することを責務とする ITIL のプロセスはどれか。
ア IT サービス継続性管理
イ インシデント管理
ウ 可用性管理 正解
エ 問題管理
正解 ウ
解説
設問の“IT サービスが必要とされるときに,合意した条件の下で要求された機能を果たせる状態にある能力”は可用性の定義。これを定義し,分析し,計画し,測定し,改善するのが可用性管理。
アの IT サービス継続性管理は災害などの重大な中断に備えて復旧を計画するプロセス,イのインシデント管理は発生した中断を早く復旧させるプロセス,エの問題管理はインシデントの根本原因を取り除くプロセスであり,可用性そのものを管理するプロセスではない。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問10(表記を一部改変)
問11
ITIL v3 におけるサービストランジションの説明はどれか。
ア 規定された要件と制約に沿って,サービスを運用に移行し,確実に稼働させることである。 正解
イ サービスの効率,有効性,費用対効果の観点で運用状況を継続的に測定し,改善していくことである。
ウ サービスの内容を具体的に決めることである。
エ 戦略的資産として,どのようにサービスマネジメントを設計,開発,導入するかについての手引を提供することである。
正解 ア
解説
ITIL のサービスライフサイクルは,サービスストラテジ,サービスデザイン,サービストランジション,サービスオペレーション,継続的サービス改善の五つの段階からなる。サービストランジションは,設計されたサービスを,規定された要件と制約に沿って構築・テストし,運用に移行して確実に稼働させる段階である。アが正しい。
イの運用状況を継続的に測定して改善するのは継続的サービス改善。ウのサービスの内容を具体的に決めるのはサービスデザイン。エの,戦略的資産としてサービスマネジメントをどう設計,開発,導入するかの手引を提供するのはサービスストラテジの説明である。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問11(表記を一部改変)
問12
次の処理条件でサーバ上のファイルを磁気テープにバックアップするとき,バックアップの運用に必要な磁気テープは何本か。
〔処理条件〕
(1) 毎月初日(1 日)にフルバックアップを取る。フルバックアップは 1 回につき 1 本の磁気テープを必要とする。 (2) フルバックアップを取った翌日から次のフルバックアップまでは,毎日,差分バックアップを取る。差分バックアップは,差分バックアップ用として別の磁気テープに追記し,1 か月分が 1 本に記録できる。 (3) 常に 6 か月前の同一日までのデータについて,指定日の状態にファイルを復元できることを保証する。ただし,6 か月前の同一日が存在しない場合は,当該月の月末日以降のデータについて,指定日の状態にファイルを復元できることを保証する(例:本日が 10 月 31 日の場合は,4 月 30 日以降のデータについて,指定日の状態にファイルを復元できることを保証する)。
正解 ウ
解説
処理条件 (3) から,常に 6 か月前の同一日以降の任意の日の状態に復元できなければならない。ある日の状態に復元するには,その月の 1 日のフルバックアップと,その月の差分バックアップの両方が必要である。
例えば本日が 10 月 31 日なら,4 月 30 日以降の日を復元できる必要があるので,4 月から 10 月までの 7 か月分のフルバックアップと差分バックアップを保管しておかなければならない。本日が 10 月 1 日でフルバックアップを取った後でも,4 月 1 日以降の復元のために同じく 4 月から 10 月までの 7 か月分が必要になる。
フルバックアップ用が 7 本,差分バックアップ用が 7 本で,合計 14 本となり,ウになる。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問12(表記を一部改変)
問13
IT サービスマネジメントにおいて,構成ベースラインを確立することによって可能になることはどれか。
ア IT サービスの存続期間を通したパフォーマンスの変化の測定
イ インシデントが発生したときの問題管理プロセスでの状況証拠の分析
ウ サービスを機能させるために必要な最低限の利用可能レベルの定義
エ 変更後などの構成監査及び切り戻しのための基準の提供 正解
正解 エ
解説
構成ベースラインは,ある時点の構成品目(CI)の構成を正式に承認して固定した記録である。これを基準にすれば,変更後などに実際の構成が記録どおりかを確かめる構成監査ができ,変更がうまくいかなかったときに戻すべき状態(切り戻しの基準)も明確になる。エが該当する。
アはサービスのパフォーマンスの測定と報告,イはインシデント記録やログを用いた原因分析,ウはサービスを最低限機能させるための目標復旧レベルの定義であり,いずれも構成ベースラインを確立することで可能になるものではない。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問13(表記を一部改変)
問14
バックアップサイトの説明のうち,ウォームスタンバイの説明はどれか。
ア 同じようなシステムを運用する外部の企業や組織と協定を結び,緊急時には互いのシステムを貸し借りして,サービスを回復する。
イ 緊急時にバックアップシステムを持ち込んでシステムを再開し,サービスを回復する。
ウ 別の場所に常にデータの同期が取れているバックアップシステムを用意し,緊急時にバックアップシステムに切り換えてサービスを回復する。
エ 別の場所にバックアップシステムを用意し,緊急時にバックアップシステムを起動してデータを最新状態にした後にサービスを回復する。 正解
正解 エ
解説
ウォームスタンバイは,別の場所にバックアップシステムを用意しておくが,常にデータを同期させて動かしているわけではなく,緊急時にバックアップシステムを起動し,データを最新の状態にしてからサービスを回復する方式である。エが該当する。
アは同じようなシステムをもつ組織同士で協定を結んで互いに助け合う相互援助協定,イは緊急時に機器を持ち込んで立ち上げるコールドスタンバイ,ウは常にデータを同期させておき直ちに切り替えるホットスタンバイの説明である。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問14(表記を一部改変)
問15
アプリケーションサービス供給,インソーシング,パートナシップ,ビジネスプロセスアウトソーシングの長所と短所に関する記述のうち,ビジネスプロセスアウトソーシングはどれか。
ア サービスを採用する組織にとって,共有ソフトウェアの複雑性とコストが低減できるという長所があるが,提供されたサービスを単に利用するだけで,サービス提供者のナレッジは利用できないという短所がある。
イ サービスを採用する組織にとって,異なる複数の専門能力や市場機会を戦略的に活用できるという長所があるが,プロジェクトが複雑になり,知的所有権の保護が複雑になるという短所がある。
ウ サービスを採用する組織にとって,専門スキルが低コストで利用できるという長所があるが,事業上のナレッジを喪失するリスクが存在するという短所がある。 正解
エ 自社の方針やプロセスを熟知しているので,組織間で意思疎通がしやすいという長所があるが,利用可能な要員数やスキルなどによって,時期や成果が左右されるという短所がある。
正解 ウ
解説
ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)は,経理や人事,コールセンターなどの業務プロセスそのものを外部の専門事業者に委託する形態である。専門的なスキルを低コストで利用できる一方で,業務を外部に任せることで,自社にその業務のノウハウ(事業上のナレッジ)が残らなくなるリスクがある。ウが該当する。
アはソフトウェアを共有して提供を受けるアプリケーションサービス供給(ASP),イは複数の組織が協力して専門能力や市場機会を生かすパートナシップ,エは自社内の要員で行うインソーシングの長所と短所である。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問15(表記を一部改変)
問16
システム監査を保証型で行う目的として,最も適切なものはどれか。
ア 外部利害関係者からの信頼獲得 正解
イ システム開発コストの削減
ウ 情報システムの効率性改善
エ 不正行為の防止
正解 ア
解説
保証型のシステム監査は,監査対象の情報システムのコントロールが適切に整備・運用されていることを,監査人が一定の水準で保証する監査である。その結果は,取引先や株主などの外部の利害関係者に対して,情報システムが信頼できることを示すために利用される。アが該当する。
イ,ウ,エのコスト削減,効率性の改善,不正の防止は,監査で見つかった問題点について改善を提言する助言型の監査などを通じて期待される効果であり,保証型監査の主な目的ではない。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問16(表記を一部改変)
問17
PMBOK において,プロジェクトやフェーズの終結に当たってステークホルダの公式な承認を受けるために照合することとされているものはどれか。
ア 作業パフォーマンス情報とスケジュールベースライン
イ 作業パフォーマンス測定結果と品質マネジメント計画書
ウ 要素成果物とプロジェクト憲章
エ 要素成果物とプロジェクトスコープ記述書 正解
正解 エ
解説
PMBOK(第 4 版)の“スコープ検証”では,プロジェクトやフェーズの終結に当たって,完成した要素成果物をプロジェクトスコープ記述書や WBS などのスコープベースラインと照合し,顧客やスポンサなどのステークホルダから公式な承認(受入れ)を得る。エが該当する。
アの作業パフォーマンス情報とスケジュールベースラインの比較はスケジュールのコントロール,イの作業パフォーマンス測定結果と品質マネジメント計画書は品質のコントロールで扱う。ウのプロジェクト憲章はプロジェクトを公式に認可する文書であり,成果物の受入れで照合する対象ではない。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問17(表記を一部改変)
問18
クリティカルチェーン法におけるタスクのスケジューリングとバッファの設定方法のうち,適切なものはどれか。
ア クリティカルパス上にないタスクのチェーンには,バッファを設定しない。
イ クリティカルパス上の最後のタスクの終了期と納期の間に,プロジェクト全体で使用するバッファを設定する。 正解
ウ クリティカルパス上の全てのタスクに,バッファを設定する。
エ なるべく前倒しでタスクを開始するように計画し,バッファを少しでも多く確保する。
正解 イ
解説
クリティカルチェーン法では,各タスクの見積りに含まれていた余裕を取り上げてまとめ,クリティカルチェーン(資源の制約まで考えた最長の経路)の最後のタスクの後,つまり終了期と納期の間に,プロジェクト全体で共有するプロジェクトバッファを置く。イが正しい。
アは誤りで,クリティカルチェーンに合流するタスクのチェーンには,合流点の手前に合流バッファ(フィーディングバッファ)を設定する。ウは誤りで,個々のタスクに余裕を持たせるとその余裕を使い切ってしまいやすいので,バッファはタスクごとではなくまとめて管理する。エは誤りで,前倒しで始めてもバッファが増えるわけではなく,余裕の管理はバッファの消費状況で行う。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問18(表記を一部改変)
問19
情報システムの企画,開発,運用,保守作業に関わる国際標準の一つである SPA(Software Process Assessment)の説明として,適切なものはどれか。
ア ソフトウェアプロセスがどの程度標準化・定量化され,継続的に改善されているかを判定することを目的としている。 正解
イ ソフトウェアライフサイクルを主プロセス,支援プロセス,組織プロセスの三つのプロセス群に分け,作業内容を定めている。
ウ 品質保証に関する要求項目を体系的に規定した国際規格の一部である。
エ プロジェクトマネジメントの知識体系と応用のためのガイドである。
正解 ア
解説
SPA(Software Process Assessment)は,組織のソフトウェアプロセスの能力を評価するための枠組みで,国際規格 ISO/IEC 15504 として標準化された。プロセスがどの程度標準化,定量化され,継続的に改善されているかを成熟度や能力水準で判定し,プロセス改善に役立てる。アが該当する。
イはソフトウェアライフサイクルプロセスを定めた ISO/IEC 12207(共通フレーム),ウは品質マネジメントシステムの要求事項を定めた ISO 9000 シリーズ,エはプロジェクトマネジメントの知識体系ガイドである PMBOK の説明である。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問19(表記を一部改変)
問20
主記憶アクセスの高速化技術であるライトバック方式における,キャッシュメモリ及び主記憶への書込みの説明として,適切なものはどれか。
ア キャッシュメモリ及び主記憶の両方に同時に書き込む。
イ キャッシュメモリにだけ書き込み,対応する主記憶の更新は,キャッシュメモリからデータが追い出されるときに行う。 正解
ウ キャッシュメモリへの書込みと同時にバッファに書き込んだ後,バッファから主記憶へ順次書き込む。
エ 主記憶を,独立して動作する複数のブロックに分けて,各ブロックに並列に書き込む。
正解 イ
解説
ライトバック方式は,データを書き込むときにキャッシュメモリにだけ書き込み,主記憶への書込みは,そのデータがキャッシュメモリから追い出されるときにまとめて行う方式である。書込みのたびに低速な主記憶にアクセスしないので,高速に処理できる。イが該当する。
アのキャッシュメモリと主記憶の両方に同時に書き込むのはライトスルー方式である。ウのバッファを介して主記憶に順次書き込む方式や,エの主記憶を複数ブロックに分けて並列に書き込む方式は,ライトバック方式ではない。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問20(表記を一部改変)
問21
二つのシステムの信頼性評価指標の関係に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア 稼働率が等しければ,MTBF も等しい。
イ 稼働率が等しければ,MTTR も等しい。
ウ 故障発生率が等しければ,MTBF も等しい。 正解
エ 故障発生率が等しければ,MTTR も等しい。
正解 ウ
解説
故障発生率(故障率)は,単位時間当たりに故障が発生する割合であり,平均故障間隔(MTBF)の逆数(1/MTBF)で表される。故障発生率が等しければ MTBF も等しいので,ウが適切である。
稼働率は MTBF÷(MTBF+MTTR) で求めるので,MTBF と MTTR の比率が同じであれば値が等しくなる。例えば MTBF 90 時間・MTTR 10 時間と,MTBF 900 時間・MTTR 100 時間は,どちらも稼働率 0.9 である。したがって,稼働率が等しくても MTBF や MTTR が等しいとは限らず,アとイは誤りである。エの MTTR は修理に掛かる時間であり,故障発生率とは関係しないので誤りである。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問21(表記を一部改変)
問22
無線 LAN の規格である IEEE 802.11b 及び IEEE 802.11g に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア IEEE 802.11b 同士の最大伝送速度の方が,IEEE 802.11g 同士の最大伝送速度よりも高速である。
イ IEEE 802.11g の一つのアクセスポイントの配下に,IEEE 802.11b と IEEE 802.11g の両方の端末が混在できる。 正解
ウ いずれも屋外では利用できない。
エ いずれも最大伝送速度は 1M ビット/秒である。
正解 イ
解説
IEEE 802.11g は,IEEE 802.11b と同じ 2.4GHz 帯を使用し,802.11b との互換性をもつ。そのため,802.11g のアクセスポイントの配下に,802.11b の端末と 802.11g の端末を混在させて接続できる(混在時は通信速度が低下することがある)。イが適切である。
アは誤りで,最大伝送速度は 802.11b が 11M ビット/秒,802.11g が 54M ビット/秒であり,802.11g の方が高速である。ウも誤りで,いずれも屋外で利用できる。エも誤りで,最大伝送速度は 1M ビット/秒ではない。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問22(表記を一部改変)
問23
TCP/IP ネットワークで使用される ARP の説明として,適切なものはどれか。
ア IP アドレスから MAC アドレスを得るためのプロトコル 正解
イ IP アドレスからホスト名(ドメイン名)を得るためのプロトコル
ウ MAC アドレスから IP アドレスを得るためのプロトコル
エ ホスト名(ドメイン名)から IP アドレスを得るためのプロトコル
正解 ア
解説
ARP(Address Resolution Protocol)は,通信相手の IP アドレスから,同じネットワーク上でフレームを届けるために必要な MAC アドレスを問い合わせるプロトコル。
ウの MAC アドレスから IP アドレスを得るのは RARP。イの IP アドレスからホスト名を得るのは DNS の逆引き,エのホスト名から IP アドレスを得るのは DNS の正引きである。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問23(表記を一部改変)
問24
家庭内で,PC を無線 LAN とブロードバンドルータを介してインターネットに接続するとき,期待できるセキュリティ上の効果の記述のうち,適切なものはどれか。
ア IP マスカレード機能による,インターネットからの不正侵入に対する防止効果 正解
イ PPPoE 機能による,経路上の盗聴に対する防止効果
ウ WPA 機能による,不正な Web サイトへの接続に対する防止効果
エ WPS 機能による,インターネットからのウイルス感染に対する防止効果
正解 ア
解説
ブロードバンドルータの IP マスカレード(NAPT)機能は,家庭内の PC のプライベート IP アドレスを一つのグローバル IP アドレスに変換して通信する。インターネット側からは内部の PC のアドレスが直接見えず,内部から始めた通信の応答以外は内部に届かないので,インターネットからの不正侵入を防ぐ効果が期待できる。アが適切である。
イの PPPoE は,インターネット接続事業者との間で接続や認証を行うためのプロトコルで,通信の暗号化機能はない。ウの WPA は無線 LAN の通信を暗号化し認証する規格で,不正な Web サイトへの接続は防げない。エの WPS は無線 LAN の接続設定を簡単にする機能で,ウイルス感染を防ぐものではない。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問24(表記を一部改変)
問25
申込みの撤回又は契約の解除に応じない旨の取引条件を告知していた販売業者から PC を購入した場合に,法令で定めた期間内であれば特定商取引法に基づく契約の解除が可能な取引はどれか。
ア Web サイトから,最終申込画面で取引条件を承諾して購入した。
イ コンピュータ専門誌の広告を見て電話で購入した。
ウ コンピュータ専門店舗の店頭で購入した。
エ 自宅に訪れた営業担当者と契約して購入した。 正解
正解 エ
解説
特定商取引法第 9 条は,訪問販売において,法定の書面を受け取った日から 8 日以内であれば,申込みの撤回又は契約の解除(クーリング・オフ)ができると定めている。この規定は,販売業者が撤回や解除に応じない旨を告知していても,購入者に不利な特約として効力をもたない。自宅に訪れた営業担当者と契約したエは訪問販売に当たるので,契約を解除できる。
アの Web サイトからの購入とイの雑誌広告を見て電話で申し込んだ購入は,同法の通信販売に当たる。通信販売では,商品の引渡しを受けた日から 8 日以内の申込みの撤回等が認められているが,販売業者が撤回等についての特約を広告に表示していた場合はその特約に従うので,解除できない。ウの店頭での購入は,同法の対象となる取引ではない。
出典:平成24年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問25(表記を一部改変)
ほかの年度
令和7年度 秋期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和3年度 春期 午前Ⅱ
令和元年度 秋期 午前Ⅱ
平成30年度 秋期 午前Ⅱ
平成29年度 秋期 午前Ⅱ
平成28年度 秋期 午前Ⅱ
平成27年度 秋期 午前Ⅱ
平成26年度 秋期 午前Ⅱ
平成25年度 秋期 午前Ⅱ
平成24年度 秋期 午前Ⅱ
平成23年度 秋期 午前Ⅱ
平成22年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 秋期 午前Ⅱ
令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和7年度 秋期 午前Ⅱ
令和6年度 秋期 午前Ⅱ
令和5年度 秋期 午前Ⅱ
令和4年度 秋期 午前Ⅱ
令和3年度 秋期 午前Ⅱ
令和2年度 10月 午前Ⅱ
平成31年度 春期 午前Ⅱ
平成30年度 春期 午前Ⅱ
平成29年度 春期 午前Ⅱ
平成28年度 春期 午前Ⅱ
平成27年度 春期 午前Ⅱ
令和7年度 秋期 午前Ⅰ
令和7年度 春期 午前Ⅰ
令和7年度 春期 午前Ⅱ
令和7年度 春期 午後Ⅰ
令和6年度 秋期 午前Ⅰ
令和6年度 春期 午前Ⅰ
令和6年度 春期 午前Ⅱ
令和6年度 春期 午後Ⅰ
令和5年度 秋期 午前Ⅰ
令和5年度 春期 午前Ⅰ
令和5年度 春期 午前Ⅱ
令和5年度 春期 午後Ⅰ
令和4年度 秋期 午前Ⅰ
令和4年度 春期 午前Ⅰ
令和4年度 春期 午前Ⅱ
令和4年度 春期 午後Ⅰ
令和3年度 秋期 午前Ⅰ
令和3年度 春期 午前Ⅰ
令和3年度 春期 午前Ⅱ
令和3年度 春期 午後Ⅰ
令和2年度 10月 午前Ⅰ
令和元年度 秋期 午前Ⅰ
令和元年度 秋期 午前Ⅱ
令和元年度 秋期 午後Ⅰ
平成31年度 春期 午前Ⅰ
平成30年度 秋期 午前Ⅰ
平成30年度 秋期 午前Ⅱ
平成30年度 秋期 午後Ⅰ
平成30年度 春期 午前Ⅰ
平成29年度 秋期 午前Ⅰ
平成29年度 秋期 午前Ⅱ
平成29年度 秋期 午後Ⅰ
平成29年度 春期 午前Ⅰ
平成28年度 秋期 午前Ⅰ
平成28年度 秋期 午前Ⅱ
平成28年度 秋期 午後Ⅰ
平成28年度 春期 午前Ⅰ
平成27年度 秋期 午前Ⅰ
平成27年度 春期 午前Ⅰ
平成27年度 秋期 午前Ⅱ
平成27年度 秋期 午後Ⅰ
平成26年度 秋期 午前Ⅰ
平成26年度 秋期 午後Ⅰ
平成26年度 春期 午前Ⅰ
平成25年度 秋期 午前Ⅰ
平成25年度 秋期 午後Ⅰ
平成25年度 春期 午前Ⅰ
平成24年度 秋期 午前Ⅰ
平成24年度 秋期 午後Ⅰ
平成24年度 春期 午前Ⅰ
平成23年度 秋期 午前Ⅰ
平成23年度 秋期 午後Ⅰ
平成23年度 特別試験 午前Ⅰ
平成22年度 秋期 午前Ⅰ
平成22年度 秋期 午後Ⅰ
平成22年度 春期 午前Ⅰ
平成21年度 秋期 午前Ⅰ
平成21年度 秋期 午後Ⅰ
平成26年度 秋期 午前Ⅱ
平成25年度 秋期 午前Ⅱ
平成23年度 秋期 午前Ⅱ
平成22年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 秋期 午前Ⅱ
平成21年度 春期 午前Ⅰ