イの段数は利用者が選択するものではなく,6段以内でもない。ウのデータの暗号化,復号,暗号化の順に3回繰り返すのはトリプル DES の方式である。エの AES は共通鍵暗号方式で,公開鍵は用いない。
出典:平成30年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問1(表記を一部改変)
問2
JVN などの脆弱性対策情報ポータルサイトで採用されている CVE(Common Vulnerabilities and Exposures)識別子の説明はどれか。
アコンピュータで必要なセキュリティ設定項目を識別するための識別子
イ脆弱性が悪用されて改ざんされた Web サイトのスクリーンショットを識別するための識別子
ウ製品に含まれる脆弱性を識別するための識別子正解
エセキュリティ製品を識別するための識別子
正解 ウ
解説
CVE(Common Vulnerabilities and Exposures)識別子は,公開された個々の脆弱性に“CVE-西暦年-番号”の形式で一意に付ける識別子である。JVN などの脆弱性対策情報ポータルサイトやベンダの情報で同じ番号を使うことで,製品に含まれる同一の脆弱性であることを識別できる。ウが正しい。
アのセキュリティ設定項目を識別する識別子は CCE(Common Configuration Enumeration)である。イの改ざんされた Web サイトのスクリーンショットを識別する識別子はない。エの製品を識別する識別子は CPE(Common Platform Enumeration)で,セキュリティ製品に限ったものではない。
イの情報資産を CIA の観点から維持管理し継続的に見直すプロセスと管理策を規定したものは ISMS(JIS Q 27001)。ウの IT ガバナンスと IT マネジメントに分けてプロセスを定義したものは COBIT。エの企業の経営者を支援する施策を推進するための国の責務は,サイバーセキュリティ基本法などで定められている。
出典:平成30年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問6(表記を一部改変)
問7
UDP の性質を悪用した DDoS 攻撃に該当するものはどれか。
アDNS リフレクタ攻撃正解
イSQL インジェクション攻撃
ウディレクトリトラバーサル攻撃
エパスワードリスト攻撃
正解 ア
解説
DNS リフレクタ攻撃(DNS リフレクション攻撃)は,送信元 IP アドレスを攻撃対象に偽装した問合せを,オープンリゾルバなどの DNS サーバに大量に送り,増幅された応答を攻撃対象に集中させる DDoS 攻撃である。DNS の問合せに使う UDP はコネクションを確立しないので,送信元 IP アドレスを偽装しやすい性質が悪用される。アが該当する。
イの SQL インジェクション攻撃,ウのディレクトリトラバーサル攻撃は Web アプリケーションの脆弱性を突く攻撃,エのパスワードリスト攻撃は他のサイトから流出した ID とパスワードの組で不正ログインを試みる攻撃で,いずれも UDP の性質を悪用した DDoS 攻撃ではない。
MITB(Man-in-the-Browser)攻撃は,PC に感染したマルウェアが Web ブラウザの通信に割り込み,利用者が入力した送金先や金額などを,利用者に気付かれないように書き換える攻撃である。正規のサイトに正しく接続し,ログイン認証も正規に行われた後で改ざんされるので,利用者が入力した取引内容と金融機関が受信した内容とを照合できるトランザクション署名が有効である。アが正しい。
イの EV SSL サーバ証明書による接続先の確認,ウのワンタイムパスワードによるログイン認証,エの TLS による通信の暗号化は,いずれもブラウザの中で行われる改ざんを防げない。
出典:平成30年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問9(表記を一部改変)
問10
JIS X 9401:2016(情報技術−クラウドコンピューティング−概要及び用語)の定義によるクラウドサービス区分の一つであり,クラウドサービスカスタマの責任者が表中の項番1と2の責務を負い,クラウドサービスプロバイダが項番3〜5の責務を負うものはどれか。
アHaaS
イIaaS
ウPaaS正解
エSaaS
正解 ウ
解説
表では,クラウドサービスカスタマがアプリケーションソフトウェアに関する責務(項番 1・2)だけを負い,クラウドサービスプロバイダが DBMS,OS,ハードウェアに関する責務(項番 3~5)を負っている。これは,プロバイダが提供するプラットフォーム(DBMS や OS などの実行環境)の上で,カスタマが自らのアプリケーションを開発・運用する PaaS に当たる。ウが該当する。
アIoT 機器などで動作する Web サーバの脆弱性を悪用して感染を広げ,Web サーバの Web ページを改ざんし,決められた日時に特定の IP アドレスに対して DDoS 攻撃を行う。
イWeb サーバの脆弱性を悪用して企業の Web ページに不正な JavaScript を挿入し,当該 Web ページを閲覧した利用者を不正な Web サイトへと誘導する。
ウファイル共有ソフトを使っている PC 内でマルウェアの実行ファイルを利用者が誤って実行すると,PC 内の情報をインターネット上の Web サイトにアップロードして不特定多数の人に公開する。
エランダムな IP アドレスを生成して telnet ポートにログインを試行し,工場出荷時の弱いパスワードを使っている IoT 機器などに感染を広げるとともに,C&C サーバからの指令に従って標的に対して DDoS 攻撃を行う。正解
正解 エ
解説
Mirai は,インターネット上のランダムな IP アドレスに対して telnet のポートでログインを試み,工場出荷時のままの弱い ID とパスワードを使っている IoT 機器(ネットワークカメラやルータなど)に感染を広げ,ボットネットを形成するマルウェアである。感染した機器は C&C サーバからの指令に従って,標的に DDoS 攻撃を行う。エが正しい。
アの Web サーバの脆弱性を悪用して Web ページを改ざんし,決められた日時に DDoS 攻撃を行うのは Code Red などのワームの特徴である。イの Web ページに不正な JavaScript を挿入して利用者を誘導するのは Web サイト改ざんによる攻撃(Gumblar など),ウのファイル共有ソフトで情報を公開してしまうのは Antinny などの暴露ウイルスの動作である。
出典:平成30年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問11(表記を一部改変)
問12
HTTP Strict Transport Security(HSTS)の動作はどれか。
アHTTP over TLS(HTTPS)によって接続しているとき,EV SSL 証明書であることを利用者が容易に識別できるように,Web ブラウザのアドレス表示部分を緑色に表示する。
アは EV SSL 証明書を使ったサイトでかつて Web ブラウザが行っていたアドレスバーの表示の説明である。イは HTTPS の通信を圧縮することで,逆に圧縮後の長さから秘密情報を推測される攻撃(BREACH など)の原因にもなる処理であり,HSTS とは無関係である。ウは確立済みのセッション上でハンドシェイクをやり直す TLS の再ネゴシエーションの説明である。
出典:平成30年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問12(表記を一部改変)
問13
Web アプリケーションの脆弱性を悪用する攻撃手法のうち,Web ページ上で入力した文字列が Perl の system 関数や PHP の exec 関数などに渡されることを利用し,不正にシェルスクリプトを実行させるものは,どれに分類されるか。
アHTTP ヘッダインジェクション
イOS コマンドインジェクション正解
ウクロスサイトリクエストフォージェリ
エセッションハイジャック
正解 イ
解説
OS コマンドインジェクションは,Web アプリケーションが Perl の system 関数や PHP の exec 関数などで外部プログラムを呼び出すときに,入力データに OS のコマンドを紛れ込ませ,不正にシェルスクリプトや実行形式のファイルを実行させる攻撃である。イに分類される。
アの HTTP ヘッダインジェクションは,入力データに改行コードを含めて HTTP レスポンスヘッダに不正なヘッダや本文を挿入する攻撃。ウのクロスサイトリクエストフォージェリは,利用者に意図しないリクエストを Web サイトに送らせる攻撃。エのセッションハイジャックは,セッション ID を盗むなどしてセッションを乗っ取る攻撃である。
出典:平成30年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問13(表記を一部改変)
問14
SMTP-AUTH の特徴はどれか。
アISP 管理下の動的 IP アドレスから管理外ネットワークのメールサーバへの SMTP 接続を禁止する。
イ電子メール送信元のサーバが,送信元ドメインの DNS に登録されていることを確認して,電子メールを受信する。
ウメールクライアントからメールサーバへの電子メール送信時に,利用者 ID とパスワードによる利用者認証を行う。正解
IEEE 802.1X では,認証を受ける端末をサプリカント,接続を中継して認証が済むまで通信を制御する装置をオーセンティケータ,認証を行うサーバを認証サーバという。無線 LAN では PC がサプリカント,アクセスポイントがオーセンティケータになる。アクセスポイントは PC から受け取った認証情報を RADIUS で認証サーバ(RADIUS サーバ)へ中継するので,RADIUS クライアントの機能をもつ。イが標準的な方法である。
アの PC はサプリカントだが RADIUS クライアントにはならない。ウのアクセスポイントはサプリカントでも RADIUS サーバでもない。エの利用者認証情報を管理するサーバは RADIUS サーバ(認証サーバ)であり,オーセンティケータではない。
出典:平成30年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問17(表記を一部改変)
問18
TCP のコネクション確立方式である3ウェイハンドシェイクを表す図はどれか。
ア正解
イ
ウ
エ
正解 ア
解説
TCP の3ウェイハンドシェイクでは,コネクションの要求元が SYN を送り,要求先が SYN と ACK を一つのセグメントで返し,要求元が ACK を返すという3回のやり取りでコネクションを確立する。これを表すのはアである。
イ,エは SYN と ACK を別々に送っていてやり取りの回数が3回より多い。ウは SYN を3回送っていて,要求先から要求元への SYN がないので,双方向のコネクションが確立しない。
出典:平成30年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問18(表記を一部改変)
問19
クラス D の IP アドレス(224.0.0.0〜239.255.255.255)に関する記述として,適切なものはどれか。
アDHCP サーバが見つからないときの自動設定アドレスに使用される。
イIETF での実験用アドレスとして予約されており,一般には使用されない。
ウUDP などを用いるマルチキャスト通信で使用される。正解
エ小規模なネットワークでプライベートアドレスとして使用される。
正解 ウ
解説
クラス D の IP アドレス(224.0.0.0〜239.255.255.255)は,マルチキャストアドレスとして使われる。複数の受信者のグループ宛てに同じデータを一斉に配信する通信で,コネクションを確立しない UDP などが用いられる。ウが適切である。
アの DHCP サーバが見つからないときの自動設定アドレスは,リンクローカルアドレス 169.254.0.0/16 である。イの実験用に予約されているのはクラス E(240.0.0.0〜255.255.255.255)である。エの小規模なネットワークで使うプライベートアドレスは,クラス C の 192.168.0.0/16 などである。
出典:平成30年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問19(表記を一部改変)
問20
日本国内において,無線 LAN の規格 IEEE 802.11n 及び IEEE 802.11ac で使用される周波数帯域の組合せとして,適切なものはどれか。
アは誤りで,サービスは状態を持たないステートレスなインタフェースにするのが基本であり,そのほうが特定のサーバに依存せず可用性や拡張性を確保しやすい。イは誤りで,サービスは業務の単位で定義し,名称も業務の内容が分かる具体的なものにする。エは誤りで,サービスを再利用して開発の効率を上げるのが SOA の狙いである。
出典:平成30年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問23(表記を一部改変)
問24
IT サービスマネジメントの情報セキュリティ管理プロセスに対して,JIS Q 20000-1:2012(サービスマネジメントシステム要求事項)が要求している事項はどれか。
アCMDB に記録されている CI の原本を,セキュリティが保たれた物理的又は電子的な格納庫で管理しなければならない。
JIS Q 20000-1:2012 の情報セキュリティ管理では,変更要求について,情報セキュリティ基本方針や情報セキュリティ管理策に与える潜在的な影響を評価することを求めている。ウが要求事項である。
アの CI の原本をセキュリティが保たれた格納庫で管理することは構成管理,イの潜在的な問題を低減させる予防処置は問題管理や継続的改善,エの変更要求の受入れの意思決定でリスク,事業利益,技術的実現可能性を考慮することは変更管理の要求事項である。
出典:平成30年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問24(表記を一部改変)
問25
ある企業が,自社が提供する Web システムのセキュリティについて,外部監査人による保証を受ける場合において,次の表の A〜D のうち,IT に係る保証業務の“三当事者”のそれぞれに該当する者の適切な組合せはどれか。
アA
イB
ウC正解
エD
正解 ウ
解説
IT に係る保証業務の三当事者は,保証業務を実施する業務実施者,保証の対象(ここでは Web システムのセキュリティ)に責任を負う主題責任者,保証報告書を利用する想定利用者である。外部監査人が保証業務を実施し,Web システムのセキュリティには当該企業の経営者が責任を負い,保証報告書はシステムの安全性を知りたい Web システム利用者が利用する。
したがって,実施者が外部監査人,責任を負う者が当該企業の経営者,想定利用者が Web システム利用者である C の組合せで,ウが正しい。A と D は監査人ではない者を実施者としており,B は利用者がセキュリティの責任を負うとしている点が誤りである。