平成29年度 秋期 午前Ⅱ

平成29年度 秋期に実施されたネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱの全25問です。問題文・正解・解説をそのまま読めます。

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問1

ZigBee の特徴はどれか。

正解 

解説

ZigBee は,物理層と MAC 層に IEEE 802.15.4 を使い,その上にネットワーク層やアプリケーション層を規定した無線通信方式である。通信速度は低いが消費電力が小さく,電池で長期間動作できるので,多数のセンサを結ぶセンサネットワークなどに使われる。ウが正しい。

アは,一つのマスタと最大七つのアクティブなスレーブでピコネットを構成する Bluetooth の説明である。イは,ETC などで使われる 5.8 GHz 帯の DSRC(狭域通信)の説明である。エは,広い周波数帯にデータを拡散して近距離で高速に伝送する UWB(Ultra Wide Band)の説明である。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問1(表記を一部改変)

問2

180 台の電話機のトラフィックを調べたところ,電話機 1 台当たりの呼の発生頻度(発着呼の合計)は 3 分に 1 回,平均回線保留時間は 80 秒であった。このときの呼量は何アーランか。

正解 

解説

呼量(アーラン)は,単位時間当たりの呼数×平均保留時間を単位時間で割った値である。電話機 1 台当たり 3 分に 1 回なので 1 時間に 20 回,180 台では 1 時間に 180×20=3,600 回の呼が発生する。平均回線保留時間は 80 秒なので,呼量は 3,600×80÷3,600=80 アーランであり,エになる。

1 台当たりの呼量は 80 秒÷180 秒(3 分)=0.444… アーランで,これに 180 台を掛けても 80 アーランになる。アの 4 やイの 12 は,1 時間当たりの回数や台数の掛け方を取り違えた値である。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問2(表記を一部改変)

問3

二つのルーティングプロトコル RIP-2 と OSPF を比較したとき,OSPF だけに当てはまる特徴はどれか。

正解 

解説

OSPF はリンクステート型のルーティングプロトコルで,各ルータがリンクの状態を交換して同じリンク状態データベース(LSDB)を作り,それをもとにダイクストラ法で最短経路を計算する。ディスタンスベクタ型の RIP-2 はリンク状態のデータベースをもたないので,イが OSPF だけに当てはまる。

アの可変長サブネットマスク(VLSM)には,サブネットマスクを経路情報に含める RIP-2 も OSPF も対応している。ウのマルチキャストも両方が使う(RIP-2 は 224.0.0.9,OSPF は 224.0.0.5 と 224.0.0.6)。エの 30 秒ごとの定期的な経路情報の更新は RIP-2 の特徴で,OSPF は変化があったときに更新を通知する。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問3(表記を一部改変)

問4

IEEE 802.1Q で規定された VLAN の VID(VLAN Identifier)のビット長はどれか。

正解 

解説

IEEE 802.1Q の VLAN タグは,TPID(16 ビット)と TCI(16 ビット)の 4 オクテットから成り,TCI は優先度 PCP(3 ビット),DEI(1 ビット),VID(12 ビット)で構成される。VID は 12 ビットで,0~4095 の値をとる(0 と 4095 は予約されており,VLAN として使えるのは 4094 個)。ウが正しい。

アの 8 ビットやイの 10 ビットでは,それぞれ 256 個,1,024 個の VLAN しか識別できず,VID の長さではない。エの 16 ビットは,タグの種類を示す TPID(値は 0x8100)や,VID を含む TCI 全体の長さである。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問4(表記を一部改変)

問5

スパニングツリープロトコルに関する記述のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

スパニングツリープロトコルでは,各ブリッジが BPDU に載せたブリッジ ID を比較し,値の最も小さいブリッジをルートブリッジにする。ブリッジ ID は,管理者が設定するブリッジの優先順位(プライオリティ)と MAC アドレスを組み合わせたもので,優先順位が同じなら MAC アドレスの小さいブリッジが選ばれる。エが適切である。

アは誤りで,スパニングツリープロトコルは OSI 基本参照モデルのデータリンク層のプロトコルである。イも誤りで,冗長な経路の一部のポートをブロックして一つの経路だけを使い,ループを防ぐ。ウも誤りで,ブロードキャストフレームはブリッジ間で転送される(ループがあると転送され続けるので,それを防ぐのがこのプロトコルの目的である)。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問5(表記を一部改変)

問6

DNS ゾーンデータファイルの MX レコードに関する記述のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

MX レコードは,あるドメイン宛ての電子メールを受け取るメールサーバ(メール交換ホスト)を示すもので,先頭の NAME フィールドにはメールアドレスの @ より後ろのドメイン名を記述し,値としてプリファレンス値とメール交換ホストのドメイン名を記述する。アが適切である。

イのプリファレンス値は,値が小さいほど優先度が高い。ウのメール交換ホストは IP アドレスではなくドメイン名(ホスト名)で指定し,その IP アドレスは A レコードなどで引く。エの MX レコードの値には,CNAME で定義した別名を指定してはならないとされている(RFC 2181)。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問6(表記を一部改変)

問7

IPv4 における ICMP のメッセージに関する説明として,適切なものはどれか。

正解 

解説

ICMP の Redirect メッセージは,ルータが受け取ったデータグラムについて,送信元と同じネットワーク上に宛先へのより適切な次のルータがあるときに,そのルータを送信元に通知して経路の変更を促すために使われる。イが適切である。

アのソースルーティングの失敗は Destination Unreachable(Source Route Failed)で通知し,Echo Reply は ping の Echo Request に対する応答である。ウのフラグメントの再組立て中のタイムアウトは Time Exceeded(Fragment Reassembly Time Exceeded)で通知する。エの Time Exceeded は TTL が 0 になったときなどに送られるもので,バッファがあふれたときに送信の抑制を促すのは Source Quench(現在は廃止)である。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問7(表記を一部改変)

問8

IPv6 の IP アドレスに関する記述のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

IPv6 では,ホストがルータから受け取るルータ広告(RA)に含まれるプレフィックスと,自分で生成したインタフェース ID を組み合わせて,IP アドレスを自動設定できる(ステートレスアドレス自動設定,SLAAC)。エが適切である。

アは逆で,IPv6 は基本ヘッダを固定長にし,ヘッダチェックサムを廃止してルータでの分割(フラグメンテーション)も行わないので,中継処理は軽くなる。イの IPv6 アドレスは 16 ビットずつ 16 進数で表しコロンで区切る表記が推奨されている。ウの IPv4 射影アドレスは,上位 80 ビットを 0,続く 16 ビットを 1 とし,下位 32 ビットに IPv4 アドレスを入れる(::ffff:192.0.2.1 など)。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問8(表記を一部改変)

問9

SMTP に関する記述のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

SMTP では,メールクライアントからの送信(サブミッション)にサブミッションポート(587 番)を使い,SMTP 認証を求めることで,メールサーバ間の転送に使う 25 番ポートと分けられる。これと,ISP が内部から外部の 25 番ポートへの通信を遮断する OP25B(Outbound Port 25 Blocking)を組み合わせて,迷惑メールの送信を防ぐ。エが適切である。なお,現在は TLS で最初から暗号化する 465 番ポートでの送信も推奨されている(RFC 8314)。

アの拡張機能の一覧を応答するのは,HELO ではなく EHLO コマンドに対してである。イの宛先が複数ある場合は,RCPT コマンドを宛先ごとに繰り返す。ウの差出人のメールアドレスは MAIL コマンド(MAIL FROM)に指定し,DATA コマンドの後にはメール本文を送る。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問9(表記を一部改変)

問10

UDP を使用するプロトコルはどれか。

正解 

解説

DHCP は,クライアントがまだ IP アドレスをもたない状態でブロードキャストを使って設定情報を要求するので,コネクションを確立しない UDP を使う(サーバは 67 番,クライアントは 68 番ポート)。アが正しい。

イの FTP(制御用 21 番,データ転送用 20 番),ウの HTTP(80 番),エの SMTP(25 番)は,いずれも TCP を使うプロトコルである。なお,現在は UDP 上の QUIC で動作する HTTP/3 も使われている。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問10(表記を一部改変)

問11

ネットワークの制御に関する記述のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

ウィンドウによるフロー制御(スライディングウィンドウ方式)では,受信側からの応答確認を待たずにウィンドウサイズ分のデータを続けて送り,応答確認があった分だけウィンドウを先へずらして次のデータを送る。一つ送るたびに応答を待つ方式より,複数のデータをまとめて送れるので効率がよい。ウが適切である。

アは誤りで,TCP のウィンドウサイズは可変であり,スロースタートや輻輳回避のアルゴリズムで送信量を調整する。イは,受信側で誤りを検出して再送を要求する ARQ(自動再送要求)の説明であり,フォワード誤り訂正方式は冗長なビットを付けて受信側だけで誤りを訂正する。エは,通信の前に仮想の通信路を確立するバーチャルサーキット方式の説明であり,データグラム方式はパケットごとに独立して経路を選ぶ。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問11(表記を一部改変)

問12

ネットワークアドレス 192.168.10.192/28 のサブネットにおけるブロードキャストアドレスはどれか。

正解 

解説

プレフィックス長が /28 なので,ホスト部は 32-28=4 ビットで,サブネットには 24=16 個のアドレスがある。ネットワークアドレス 192.168.10.192 から 16 個分の範囲は .192~.207 であり,ホスト部のビットが全て 1 になる最後のアドレス 192.168.10.207 がブロードキャストアドレスである。イが該当する。

アの .199 は /29(8 個)とした場合,ウの .223 は /27(32 個)とした場合のブロードキャストアドレスである。エの .255 は /24 のブロードキャストアドレスである。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問12(表記を一部改変)

問13

SDN(Software-Defined Networking)で利用される OpenFlow プロトコルの説明として,適切なものはどれか。ここで,ネットワーク機器は OpenFlow に対応しているものとする。

正解 

解説

OpenFlow は,SDN で経路制御などを行うコントローラと,データの転送を行うネットワーク機器(OpenFlow スイッチ)の間で使う制御用のプロトコルである。コントローラは,パケットの条件と処理を組にしたフローエントリを OpenFlow によってスイッチのフローテーブルに書き込み,スイッチはそれに従って転送する。アが適切である。

イは,管理マネージャがネットワーク機器の MIB を取得する SNMP の説明である。ウは,フローごとの統計情報をコレクタに送る NetFlow や IPFIX などの説明である。エは,ループを防ぎ障害時に迂回経路を決める STP(スパニングツリープロトコル)などの説明である。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問13(表記を一部改変)

問14

FTP によるファイル転送には,制御用とデータ転送用の二つのコネクションが用いられる。これらのコネクションに関する記述のうち,適切なものはどれか。ここで,FTP はパッシブモードで動作するものとする。

正解 

解説

FTP のパッシブモードでは,クライアントがサーバの 21 番ポートに制御用コネクションを張ったあと PASV コマンドを送り,サーバが待ち受けるポート番号を通知する。クライアントはそのポートに対してデータ転送用コネクションも自分から張る。どちらもクライアントからサーバに対して確立するので,ウが適切である。クライアント側のファイアウォールや NAPT を通しやすい。

アはアクティブモードの説明で,制御用コネクションはクライアントから,データ転送用コネクションはサーバ(通常 20 番ポート)からクライアントに対して確立する。イとエのように,制御用コネクションをサーバから確立することはない。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問14(表記を一部改変)

問15

IP 電話の音声品質を表す指標のうち,ノイズ,エコー,遅延などから算出されるものはどれか。

正解 

解説

R 値は,ITU-T G.107 の E モデルで定義される音声品質の指標で,ノイズ,エコー,遅延,パケット損失などの伝送品質を表すパラメータから計算によって算出する(0~100 の値をとり,大きいほど品質が良い)。イが該当する。

アの MOS 値は,実際に人が音声を聞いて 5 段階で評価した結果を平均した主観評価の指標である。ウのジッタはパケットの到着間隔の揺らぎ,エのパケット損失率は失われたパケットの割合であり,いずれも R 値を算出する要素の一部で,それ自体が総合的な指標ではない。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問15(表記を一部改変)

問16

ウイルスの検出手法であるビヘイビア法を説明したものはどれか。

正解 

解説

ビヘイビア法(動的ヒューリスティック法)は,検査対象のプログラムの振る舞いを監視し,ウイルスの感染や発病によって生じるファイルの書込み動作の異常や通信量の異常な増加などの変化を検知して感染を検出する手法である。未知のウイルスも検出できる可能性がある。エが正しい。

アのウイルス定義ファイルのパターンと比較するのはパターンマッチング法。イの感染していないことを保証する情報をあらかじめ付加しておき不整合を検出するのはチェックサム法(インテグリティチェック法)。ウの安全な場所に保管した原本と比較するのはコンペア法である。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問16(表記を一部改変)

問17

未使用の IP アドレス空間であるダークネットに到達する通信の観測において,送信元 IP アドレスが A,送信元ポート番号が 80/tcp の SYN/ACK パケットを受信した場合に想定できる攻撃はどれか。

正解 

解説

SYN/ACK パケットは,TCP の接続要求(SYN)を受け取ったサーバが返す応答である。IP アドレス A のポート 80/tcp から,ホストに割り振られていない未使用アドレス宛てに SYN/ACK が大量に送られているのは,攻撃者が送信元 IP アドレスを未使用アドレスなどに偽装した SYN パケットを A に大量に送り付け,A がその偽の送信元に応答している状況と推定できる。これは A を攻撃先とする SYN フラッド攻撃(サービス妨害攻撃)の跳ね返り(バックスキャッタ)であり,アが該当する。

A は SYN/ACK を返している側なので攻撃元ではなく,ウ・エは当たらない。パスワードリスト攻撃は TCP 接続を確立したうえで認証を試行する攻撃であり,実在しないアドレスとの間では接続が確立しないので,イも当たらない。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問17(表記を一部改変)

問18

ディジタルフォレンジックスに該当するものはどれか。

正解 

解説

ディジタルフォレンジックスは,不正アクセスや情報漏えいなどの犯罪や事故が起きたときに,証拠となり得るコンピュータ上のデータやログを,改変されないように保全・収集し,分析して,その後の訴訟などに備える技術や手続である。エが正しい。

アのディジタルコンテンツに著作権者などの情報を埋め込むのは電子透かし。イのシステムを実際に攻撃して侵入を試みるテスト手法はペネトレーションテスト。ウの巧みな話術や盗み聞きなどでパスワードなどを入手するのはソーシャルエンジニアリングである。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問18(表記を一部改変)

問19

DNSSEC の機能はどれか。

正解 

解説

DNSSEC は,DNS の応答に含まれるリソースレコードにディジタル署名を付け,受け取った側がその署名を検証することで,応答が正当な権威 DNS サーバから送られたものであり,途中で改ざんされていないことを確かめる仕組みである。DNS キャッシュポイズニングへの対策になる。イが正しい。

アのように再帰的な問合せを受け付ける範囲を広げると,オープンリゾルバとなって DNS リフレクション攻撃に悪用されるおそれがあり,逆効果である。ウは権威 DNS サーバの冗長化による可用性の向上。エは共通鍵とハッシュ関数を使って DNS の更新要求などの送信者を認証する TSIG の説明である。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問19(表記を一部改変)

問20

内部ネットワーク上の PC からインターネット上の Web サイトを参照するときは,DMZ 上の VDI(Virtual Desktop Infrastructure)サーバにログインし,VDI サーバ上の Web ブラウザを必ず利用するシステムを導入する。インターネット上の Web サイトから内部ネットワーク上の PC へのマルウェアの侵入,及び PC からインターネット上の Web サイトへのデータ流出を防止するのに効果がある条件はどれか。

正解 

解説

この仕組みでは,インターネット上の Web サイトとの通信は,DMZ の VDI サーバ上の仮想マシンの Web ブラウザが行う。PC と VDI サーバの間で画面転送プロトコルだけを利用すれば,PC には仮想マシンの画面の情報だけが送られ,Web サイトから取得したファイルは PC に届かない。また,PC のファイルを VDI サーバに渡せないので,Web サイトへ流出させることもできない。イが必要な条件である。

アのファイル転送も利用すると,マルウェアを含むファイルが PC に持ち込まれたり,PC のファイルが持ち出されたりする。ウの VDI サーバが HTTP 通信を中継すると,PC が直接 Web サイトと通信するのと変わらない。エの VDI サーバが画面転送プロトコルを中継するだけでは,仮想マシン上の Web ブラウザを使う仕組みにならない。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問20(表記を一部改変)

問21

DNS の再帰的な問合せを使ったサービス不能攻撃(DNS amp 攻撃)の踏み台にされることを防止する対策はどれか。

正解 

解説

DNS amp(DNS リフレクション攻撃)は,送信元 IP アドレスを攻撃対象に偽装した問合せを,誰からでも再帰的な問合せを受け付ける DNS キャッシュサーバ(オープンリゾルバ)に大量に送り,大きな応答を攻撃対象に集中させる攻撃である。キャッシュサーバとコンテンツサーバを分離し,インターネット側からキャッシュサーバに問合せできないようにすれば,踏み台にされることを防げる。アが正しい。

イの Whois データベースでドメインの情報を確認しても,攻撃は防げない。ウの一つのレコードに複数の IP アドレスを割り当てるのは DNS ラウンドロビンによる負荷分散である。エのディジタル署名による応答の確認は DNSSEC で,キャッシュポイズニングへの対策である。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問21(表記を一部改変)

問22

MLC(Multi-Level Cell)フラッシュメモリの特徴として,適切なものはどれか。

正解 

解説

MLC(Multi-Level Cell)は,一つのメモリセルに 2 ビット以上の情報を記憶する方式のフラッシュメモリ。1 ビットだけを記憶する SLC に比べて同じ面積により多くのデータを詰められるが,書換え可能回数は少なくなる。

アはコンデンサの電荷を使う DRAM,イは電気抵抗の値を使う ReRAM(抵抗変化型メモリ),エはフリップフロップを使う SRAM の説明である。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問22(表記を一部改変)

問23

複数台の PC で 1 台のプリンタを共有するシステムがある。このプリンタに対する平均印刷要求回数が毎分 1 回のとき,このプリンタの平均印刷時間(印刷を要求してから終了するまでの時間)は何秒か。ここで,プリンタは,平均が 15 秒の指数分布に従う時間で印刷要求を処理するものとし,プリンタに対する印刷要求はポアソン分布に従うものとする。

正解 

解説

印刷要求がポアソン分布に従って到着し,印刷時間が指数分布に従うので,M/M/1 の待ち行列として考える。平均到着間隔は 60 秒,平均サービス時間は 15 秒なので,利用率 ρ=15÷60=0.25 である。平均待ち時間は ρ÷(1-ρ)×15=0.25÷0.75×15=5 秒で,印刷を要求してから終了するまでの平均時間は 5+15=20 秒になる(15÷(1-0.25)=20 秒としても求められる)。ウになる。

アの 15 秒は待ち時間を含まない平均印刷時間だけである。イの 18 秒は M/M/1 の式に当てはめた値と合わない。エの 30 秒は,利用率を 0.5 とした場合(15÷(1-0.5))の値である。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問23(表記を一部改変)

問24

ソフトウェアの使用性を向上させる施策として,適切なものはどれか。

正解 

解説

使用性(ユーザビリティ)は,利用者がソフトウェアを理解し,習得し,操作しやすい度合いを表す品質特性である。オンラインヘルプを充実させて利用方法を理解しやすくすることは使用性の向上に当たるので,アが適切である。

イの連携できる他システムを増やすことは相互運用性(互換性),ウの機能を追加して利用できる範囲を広げることは機能性(機能適合性),エのファイルを分散配置して障害時の停止リスクを減らすことは信頼性(可用性)を向上させる施策である。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問24(表記を一部改変)

問25

XP(eXtreme Programming)のプラクティスの一つであるものはどれか。

正解 

解説

XP(エクストリームプログラミング)は,短い反復で開発を進めるアジャイル開発手法の一つで,プラクティスとしてペアプログラミング,テスト駆動開発,リファクタリング,継続的インテグレーション,コードの共同所有などを挙げる。2人1組で1台のコンピュータを使い,一方がコードを書き他方がレビューしながら進めるペアプログラミングはその代表で,エが正しい。

アの構造化プログラミングは,順次・選択・繰返しの制御構造でプログラムを組み立てる考え方。イのコンポーネント指向プログラミングは,部品を組み合わせてソフトウェアを作る考え方。ウのビジュアルプログラミングは,図形を操作してプログラムを作る方式で,いずれも XP のプラクティスではない。

出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問25(表記を一部改変)