平成27年度 秋期 午前Ⅱ

平成27年度 秋期に実施されたネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱの全25問です。問題文・正解・解説をそのまま読めます。

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問1

DNS の資源レコード(リソースレコード,RR)に関する記述のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

NS レコードは,そのゾーンについて権威を持つ DNS サーバのホスト名を指定するレコードである。ゾーン自身の DNS サーバを示すほか,親ゾーンに置いて下位ドメインの DNS サーバを示すことで,問合せを下位ドメインへ委任する。ウが適切である。

アのキャッシュに情報を残す時間やゾーン情報の更新をチェックする間隔などを指定するのは SOA レコードで,CNAME レコードは別名に対する正式名を指定する。イの MX レコードが指定するのはメールサーバの IP アドレスではなくホスト名(と優先度)である。エの名前に対応する IP アドレスを指定するのは A レコードや AAAA レコードで,PTR レコードは逆に IP アドレスに対応する名前を指定する。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問1(表記を一部改変)

問2

ZigBee の特徴はどれか。

正解 

解説

ZigBee は,物理層と MAC 層に IEEE 802.15.4 を使い,その上にネットワーク層やアプリケーション層を規定した無線通信方式である。通信速度は低いが消費電力が小さく,電池で長期間動作できるので,多数のセンサを結ぶセンサネットワークなどに使われる。ウが正しい。

アは,一つのマスタと最大七つのアクティブなスレーブでピコネットを構成する Bluetooth の説明である。イは,ETC などで使われる 5.8 GHz 帯の DSRC(狭域通信)の説明である。エは,広い周波数帯にデータを拡散して近距離で高速に伝送する UWB(Ultra Wide Band)の説明である。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問2(表記を一部改変)

問3

OSI 基本参照モデルのトランスポート層の機能として,適切なものはどれか。

正解 

解説

トランスポート層は,下位のネットワーク層以下がどのような通信網を使っていても,その品質の差を誤り回復や順序制御,フロー制御などで補い,上位層に対してエンドシステム間の透過的で信頼性のあるデータ転送を提供する層である。ウが適切である。

アの経路選択や中継を行い透過的なデータ転送を行うのはネットワーク層の機能である。イの情報をフレーム化して伝送誤り検出用のビット列(FCS など)を付けるのはデータリンク層の機能である。エのルータでのパケット中継処理もネットワーク層の機能である。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問3(表記を一部改変)

問4

IPv4 ネットワークにおける OSPF の仕様に当てはまるものはどれか。

正解 

解説

OSPF はリンク状態型のルーティングプロトコルで,広告する経路ごとにサブネットマスクの情報を付けて伝えるので,同じネットワークの中で長さの異なるサブネットマスクを使う可変長サブネット(VLSM)に対応している。ウが当てはまる。

アの距離ベクトルアルゴリズムを使うのは RIP である。OSPF は各ルータが同じリンク状態データベースを持ち,ダイクストラ法で最短経路を計算する。イの異なる自律システム間で経路情報を交換するのは BGP などの EGP で,OSPF は一つの自律システム内で使う IGP である。エの最大ホップ数 15 の制限は RIP のもので,OSPF はコスト(メトリック)で経路を選び,ホップ数の制限は無い。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問4(表記を一部改変)

問5

平均ビット誤り率が 1×10−5 の回線を用いて,200,000 バイトのデータを 100 バイトずつの電文に分けて送信する。送信電文のうち,誤りが発生する電文の個数は平均して幾つか。

正解 

解説

電文の数は 200,000÷100=2,000 個である。1 電文は 100 バイト=800 ビットで,ビット誤り率が 1×10−5 なので,1 電文当たりの誤りビット数の期待値は 800×10−5=0.008 になる。誤りはまれにしか起きないので,1 電文に誤りが発生する確率はほぼこの値に等しく,誤りが発生する電文は平均 2,000×0.008=16 個である。エが該当する。

全体で見ても,200,000 バイト=1,600,000 ビットのうち誤るのは 1,600,000×10−5=16 ビットで,1 電文に 2 ビット以上の誤りが重なることはほとんどないので,16 個の電文に誤りが生じると考えてよい。アの 2 はバイトをビットに直さなかった値である。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問5(表記を一部改変)

問6

HDLC 手順で用いられるフレーム中のフラグシーケンスの役割として,適切なものはどれか。

正解 

解説

HDLC 手順では,フレームの先頭と末尾に 01111110 というビットパターンのフラグシーケンスを置いて,フレームの開始と終了を示す。データ中に同じパターンが現れないように,送信側は 1 が 5 個続いたら 0 を挿入し,受信側でそれを取り除く(ビットスタッフィング,0 挿入)。イが適切である。

アは,順序番号を使って受信確認を待たずに複数のフレームを連続して送る連続転送(ウィンドウ制御)の働きである。ウのフレームの転送順序の制御は制御部に入る送信順序番号と受信順序番号が担う。エの伝送誤りの検出は,CRC による FCS(フレームチェックシーケンス)が担う。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問6(表記を一部改変)

問7

IPv4 における ICMP のメッセージに関する説明として,適切なものはどれか。

正解 

解説

ICMP の Redirect メッセージは,ルータが受け取ったデータグラムについて,送信元と同じネットワーク上に宛先へのより適切な次のルータがあるときに,そのルータを送信元に通知して経路の変更を促すために使われる。イが適切である。

アのソースルーティングの失敗は Destination Unreachable(Source Route Failed)で通知し,Echo Reply は ping の Echo Request に対する応答である。ウのフラグメントの再組立て中のタイムアウトは Time Exceeded(Fragment Reassembly Time Exceeded)で通知する。エの Time Exceeded は TTL が 0 になったときなどに送られるもので,バッファがあふれたときに送信の抑制を促すのは Source Quench(現在は廃止)である。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問7(表記を一部改変)

問8

マルチキャストグループへの参加や離脱をホストが通知したり,マルチキャストグループに参加しているホストの有無をルータがチェックしたりするときに使用するプロトコルはどれか。

正解 

解説

IGMP(Internet Group Management Protocol)は,IPv4 で,ホストがマルチキャストグループへの参加や離脱をルータに通知したり,ルータがグループに参加しているホストが残っているかを定期的に問い合わせたりするためのプロトコルである。イが該当する。

アの ARP は IP アドレスから MAC アドレスを求めるプロトコル,ウの LDAP はディレクトリサービスにアクセスするプロトコル,エの RIP はルータ間で経路情報を交換するルーティングプロトコルである。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問8(表記を一部改変)

問9

IPv6 において IPv4 から仕様変更された内容の説明として,適切なものはどれか。

正解 

解説

IPv6 は,登場した当初の仕様で,IPsec の認証(AH)と暗号化(ESP)の機能を全ての IPv6 ノードが実装しなければならないとしていた。そのため,IP レベルでパケットを暗号化したり,送信元を認証して改ざんを検出したりできる。エが適切である。

アの資源予約は RSVP によるもので,IPv6 では TOS フィールドに代わって Traffic Class フィールドとフローラベルが設けられた。イのアドレス空間は 32 ビットから 128 ビットに拡張された。ウは逆で,IPv6 ではルータの処理を軽くするため IP ヘッダのチェックサムフィールドが廃止された。なお,その後 IPsec の実装は RFC 6434(現在は RFC 8504)で必須(MUST)から推奨(SHOULD)に改められている。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問9(表記を一部改変)

問10

RSVP の説明として,適切なものはどれか。

正解 

解説

RSVP(Resource reSerVation Protocol)は,IP ネットワークで,アプリケーションが必要とする帯域などの QoS を確保するため,通信経路上の各ルータに資源の予約を要求し,ホスト間の通信に使う伝送帯域を管理するプロトコルである。受信側から予約を要求し,経路上のルータが予約の状態を保持する。アが適切である。

イの物理的な接続形態に依存せずノードを論理的なグループに分ける技術は VLAN である。ウの PPP のデータリンクを複数束ねるように拡張したプロトコルは MP(PPP Multilink Protocol)である。エのリモートアクセスの利用者を認証するプロトコルは RADIUS などである。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問10(表記を一部改変)

問11

UDP を使用するプロトコルはどれか。

正解 

解説

DHCP は,クライアントがまだ IP アドレスをもたない状態でブロードキャストを使って設定情報を要求するので,コネクションを確立しない UDP を使う(サーバは 67 番,クライアントは 68 番ポート)。アが正しい。

イの FTP(制御用 21 番,データ転送用 20 番),ウの HTTP(80 番),エの SMTP(25 番)は,いずれも TCP を使うプロトコルである。なお,現在は UDP 上の QUIC で動作する HTTP/3 も使われている。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問11(表記を一部改変)

問12

IP ネットワークにおいて,クライアントの設定を変えることなくデフォルトゲートウェイの障害を回避するために用いられるプロトコルはどれか。

正解 

解説

VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)は,複数のルータで一つの仮想ルータを構成し,仮想 IP アドレスと仮想 MAC アドレスを共有する。通常はマスタのルータが転送を担い,マスタが故障するとバックアップのルータが引き継ぐ。クライアントはデフォルトゲートウェイとして仮想 IP アドレスを設定しておけばよいので,設定を変えずに障害を回避できる。エが該当する。

アの RARP は MAC アドレスから IP アドレスを求めるプロトコル,イの RSTP はスパニングツリーの収束を速くしたレイヤ 2 のループ防止プロトコル,ウの RTSP は音声や動画のストリーミングの再生・停止などを制御するプロトコルである。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問12(表記を一部改変)

問13

ネットワークに接続されているホストの IP アドレスが 212.62.31.90 で,サブネットマスクが 255.255.255.224 のとき,ホストアドレスはどれか。

正解 

解説

サブネットマスク 255.255.255.224 は,第4オクテットの 224 が 2 進数で 11100000 なので,第4オクテットの上位3ビットまでがネットワーク部,下位5ビットがホスト部になる。IP アドレスの第4オクテット 90 は 2 進数で 01011010 である。

下位5ビットは 11010 で,10 進数にすると 16+8+2=26 となる。したがって,ホストアドレスは 26 で,イが正しい。アの 10 は下位4ビット(1010)だけを取り出した値である。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問13(表記を一部改変)

問14

サブネットマスクが 255.255.255.0 である四つのネットワーク 192.168.32.0,192.168.33.0,192.168.34.0,192.168.35.0 を,CIDR を使ってスーパーネット化したときのネットワーク番号とサブネットマスクの組合せとして,適切なものはどれか。

正解 

解説

四つのネットワークの第 3 オクテットは 32=00100000,33=00100001,34=00100010,35=00100011 であり,上位 6 ビット(001000)が共通で,下位 2 ビットだけが異なる。共通部分は第 1・第 2 オクテットの 16 ビットと合わせて 22 ビットなので,最小のスーパーネットは 192.168.32.0/22,サブネットマスクは 255.255.252.0 になる。イが該当する。

アとウの 255.255.248.0(/21)は 192.168.32.0~192.168.39.255 までを含み,必要以上に広い。ウとエの 192.168.35.0 は,第 3 オクテットの下位ビットが 0 になっていないのでネットワークアドレスにならない。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問14(表記を一部改変)

問15

IP 電話の音声品質を表す指標のうち,ノイズ,エコー,遅延などから算出されるものはどれか。

正解 

解説

R 値は,ITU-T G.107 の E モデルで定義される音声品質の指標で,ノイズ,エコー,遅延,パケット損失などの伝送品質を表すパラメータから計算によって算出する(0~100 の値をとり,大きいほど品質が良い)。イが該当する。

アの MOS 値は,実際に人が音声を聞いて 5 段階で評価した結果を平均した主観評価の指標である。ウのジッタはパケットの到着間隔の揺らぎ,エのパケット損失率は失われたパケットの割合であり,いずれも R 値を算出する要素の一部で,それ自体が総合的な指標ではない。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問15(表記を一部改変)

問16

送信者 A が,受信者 B と共有している鍵を用いて,メッセージからメッセージ認証符号を生成し,そのメッセージ認証符号とメッセージを受信者 B に送信する。このとき,メッセージとメッセージ認証符号を用いて,受信者 B ができることはどれか。

正解 

解説

メッセージ認証符号(MAC)は,送信者と受信者が共有する鍵とメッセージから計算する値である。受信者 B は,受け取ったメッセージから同じ鍵で MAC を計算し,受け取った MAC と一致するかを確かめる。一致すれば,メッセージが途中で改ざんされておらず,鍵を共有する相手が作ったものであることが分かる。ウが該当する。

アの伝送誤りの訂正は誤り訂正符号(ハミング符号など)で行うもので,MAC は誤りを検出はできても訂正はできない。イの複製(再送攻撃)の検知には,MAC の計算対象にシーケンス番号やタイムスタンプを含めるなどの仕組みが別に必要である。エの盗聴は MAC では検知できず,内容を守るには暗号化が必要である。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問16(表記を一部改変)

問17

無線 LAN における WPA2 の特徴はどれか。

正解 

解説

WPA2 は,IEEE 802.11i に基づく無線 LAN のセキュリティ規格で,暗号化アルゴリズムに AES を用いた CCMP(Counter-mode with CBC-MAC Protocol)を使用して,通信の暗号化と改ざんの検知を行う。イが正しい。

アの AH と ESP による認証と暗号化は IPsec の特徴である。ウの SSL Handshake Protocol による相互認証は,無線 LAN の暗号化方式である WPA2 の特徴ではない。エの利用者が設定する秘密鍵と IV を連結して RC4 で暗号化するのは WEP の特徴である。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問17(表記を一部改変)

問18

プロキシサーバ又はリバースプロキシサーバを新たに DMZ に導入するセキュリティ強化策のうち,導入によるセキュリティ上の効果が最も高いものはどれか。

正解 

解説

リバースプロキシサーバを DMZ の公開用 Web サーバとし,本来の Web サーバを外部からアクセスできない別の DMZ に移すと,外部からの要求は全てリバースプロキシサーバで受けて中継されるので,外部から Web サーバへ直接アクセスしてコンテンツを改ざんすることを防げる。イの効果が最も高い。

アは,リバースプロキシサーバを置いても外部の PC とリバースプロキシサーバの間の通信は暗号化されないので,インターネット上での盗聴は防げない。ウとエの社内 PC 向けのプロキシサーバも,インターネット上の Web サーバとプロキシサーバの間の通信をそのまま中継するだけなので,インターネット上での盗聴や改ざんは防げない。盗聴や改ざんを防ぐには TLS などによる暗号化が必要である。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問18(表記を一部改変)

問19

インターネットサービスプロバイダ(ISP)が,OP25B を導入することで得られるセキュリティ上の効果はどれか。

正解 

解説

OP25B(Outbound Port 25 Blocking)は,ISP の管理下にある動的 IP アドレスから,ISP のメールサーバを経由せずに ISP 管理外のネットワークの 25 番ポートへ直接送信する通信を遮断する仕組みである。ボットなどが ISP のメールサーバを使わずに直接スパムメールを送ることを防ぐので,ISP 管理下から管理外へ向けて送られるスパムメールを制限できる。イが該当する。

OP25B は外向きの SMTP 通信(25 番ポート)を対象とするので,アとウの ICMP パケットによる DDoS 攻撃は遮断できない。エの ISP 管理外から管理下に向けて送られるスパムメールの制限は,受信側で行う IP25B や送信ドメイン認証などの対策の役割である。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問19(表記を一部改変)

問20

Web アプリケーションの脆弱性を悪用する攻撃手法のうち,Web ページ上で入力した文字列が Perl の system 関数や PHP の exec 関数などに渡されることを利用し,不正にシェルスクリプトや実行形式のファイルを実行させるものは,どれに分類されるか。

正解 

解説

OS コマンドインジェクションは,Web アプリケーションが Perl の system 関数や PHP の exec 関数などで外部プログラムを呼び出すときに,入力データに OS のコマンドを紛れ込ませ,不正にシェルスクリプトや実行形式のファイルを実行させる攻撃である。イに分類される。

アの HTTP ヘッダインジェクションは,入力データに改行コードを含めて HTTP レスポンスヘッダに不正なヘッダや本文を挿入する攻撃。ウのクロスサイトリクエストフォージェリは,利用者に意図しないリクエストを Web サイトに送らせる攻撃。エのセッションハイジャックは,セッション ID を盗むなどしてセッションを乗っ取る攻撃である。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問20(表記を一部改変)

問21

TLS に関する記述のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

SSL のクライアント認証に使う個人認証用のディジタル証明書と秘密鍵は,IC カードなどの持ち運べる媒体に格納できるので,特定の PC に保存しておく必要はない。イが適切である。

アは誤りで,サーバ証明書にはサーバの FQDN(コモンネーム)を記載し,IP アドレスを変更しても FQDN が同じなら再取得は不要である。ウは誤りで,SSL は Web ブラウザと Web サーバの間の通信を暗号化するためのプロトコルで,利用者登録を前提としていない。エは誤りで,日本国内で共通鍵の長さが 128 ビット未満に制限されているという規制はない。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問21(表記を一部改変)

問22

パリティ専用の磁気ディスク装置をもち,ブロック単位のストライピングを行う RAID の方式はどれか。

正解 

解説

RAID4 は,データをブロック単位で複数の磁気ディスク装置に分散して書き込み(ストライピング),そのパリティを専用の 1 台の磁気ディスク装置に記録する方式である。ウが該当する。書込みのたびにパリティ専用の装置へアクセスが集中するのが弱点である。

アの RAID1 は同じデータを 2 台の装置に書き込むミラーリングで,パリティは使わない。イの RAID3 はパリティ専用の装置を持つが,ストライピングの単位はブロックではなくビットやバイトである。エの RAID5 はブロック単位のストライピングを行い,パリティを専用の装置ではなく全ての装置に分散して記録する。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問22(表記を一部改変)

問23

マルチプロセッサによる並列処理において,1 プロセッサのときに対する性能向上比はアムダールの法則で説明することができる。性能向上比に関する記述のうち,適切なものはどれか。

〔アムダールの法則〕

性能向上比 = 1 ÷ {(1-並列化可能部の割合)+ 並列化可能部の割合 ÷ プロセッサ数}

正解 

解説

並列化可能部の割合を r,プロセッサ数を n とすると,性能向上比は 1÷{(1−r)+r÷n} で表される。r=0.5 の場合は 1÷(0.5+0.5÷n) となり,n をいくら増やしても 0.5÷n は 0 に近づくだけなので,性能向上比は 1÷0.5=2 に近づくが 2 を超えることはない。ウが適切である。

アは誤りで,r が分母の中にあるので,性能向上比は r に比例しない。イは誤りで,プロセッサ数が増えても r が大きいほど性能向上比は大きくなる。エは誤りで,例えば r=0.9,n=100 では 1÷(0.1+0.009)≒9.2 となり,プロセッサ数の半分の 50 には遠く及ばない(n をいくら増やしても 10 未満にとどまる)。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問23(表記を一部改変)

問24

オブジェクト間の is-a 関係を表す図はどれか。

正解 

解説

is-a 関係は“A は B の一種である”という関係で,下位のクラスが上位のクラスの性質を受け継ぐ汎化・特化の関係に当たる。“乗用車は自動車の一種”,“トラックは自動車の一種”と言えるウが is-a 関係を表す図である。

アの“拡大”と“縮小”は“画像”に対する操作(メソッド)であり,“画像”の一種ではない。イの“氏名”と“生年月日”は“社員”が持つ属性である。エの“受話器”と“プッシュボタン”は“電話機”を構成する部品であり,全体と部分の関係(part-of 関係,集約)に当たる。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問24(表記を一部改変)

問25

SOA(Service Oriented Architecture)でサービスを設計する際の注意点のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

SOA では,業務の機能を独立したサービスとして部品化し,それらを組み合わせてシステムを構築する。サービス間の関係を疎結合にしておけば,業務が変化したときに,サービスを入れ替えたり組み合わせを変えたりして柔軟に対応できる。ウが適切である。

アのステートフルなインタフェースは,サービスが利用者の状態を保持するためにサービス間の結び付きが強くなり,再利用や拡張がしにくくなるので,SOA ではステートレスにするのが一般的である。イのサービスの命名は業務上の役割が分かるようにするのが望ましく,業務からの独立性の確保とは関係がない。エの SOA はサービスの再利用を前提とした考え方である。

出典:平成27年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問25(表記を一部改変)