平成28年度 秋期 午前Ⅱ

平成28年度 秋期に実施されたネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱの全25問です。問題文・正解・解説をそのまま読めます。

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問1

ネットワーク機器のイーサネットポートがもつ機能である Automatic MDI/MDI-X の説明として,適切なものはどれか。

正解 

解説

ツイストペアケーブルのイーサネットでは,ポートのピン割当てに,端末側の MDI と,送信と受信のピンを入れ替えたスイッチ側の MDI-X がある。従来は MDI どうしや MDI-X どうしをつなぐときにクロスケーブルが必要だったが,Automatic MDI/MDI-X は接続先のピン割当てを自動で判別して自ポートの送受信を切り替えるので,ストレートケーブルとクロスケーブルのどちらでも接続できる。エが適切である。

アは,受信できない相手に送信を止めさせる PAUSE フレームなどのフロー制御の説明である。イの全二重・半二重の自動判別とウの速度の自動判別は,オートネゴシエーションの機能である。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問1(表記を一部改変)

問2

高速無線通信で使われている多重化方式であり,データ信号を複数のサブキャリアに分割し,各サブキャリアが互いに干渉しないように配置する方式はどれか。

正解 

解説

OFDM(直交周波数分割多重)は,データを多数のサブキャリアに分けて並列に送る方式で,各サブキャリアの周波数を互いに直交する関係に配置するので,周波数が一部重なっていても干渉しない。周波数を有効に使え,マルチパスにも強いので,無線 LAN(IEEE 802.11a/g/n/ac/ax)や 4G・5G の移動通信で使われている。ウが該当する。

アの CCK は IEEE 802.11b で使われた変調方式,イの CDM は拡散符号によって複数の信号を同じ周波数帯に重ねる符号分割多重,エの TDM は時間を区切って複数の信号を順番に送る時分割多重である。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問2(表記を一部改変)

問3

図のネットワークで,数字は二つの地点間で同時に使用できる論理回線の多重度を示している。X 地点から Y 地点までには同時に最大幾つの論理回線を使用することができるか。

地点 X,A,B,C,D,E,F,G,Y を結ぶネットワーク図。各区間の多重度は,X−A が 4,X−B が 4,X−C が 3,A−B が 2,A−D が 1,B−C が 1,B−D が 2,B−E が 3,C−F が 4,F−E が 2,F−G が 3,D−E が 2,E−G が 4,D−Y が 3,E−Y が 3,G−Y が 6。

正解 

解説

X から Y へ同時に使える論理回線の最大数は,X 側と Y 側を分ける区間の多重度の合計(カット)のうち最小のものに等しい。X と A をひとまとめにして残りと分けると,切れる区間は X-B 4,X-C 3,A-B 2,A-D 1 で合計 10 になり,これより小さい分け方はない。実際に,X-A-D-Y に 1,X-A-B-D-Y に 2,X-B-E-Y に 3,X-B-C-F-E-G-Y に 1,X-C-F-G-Y に 3 と割り当てると,各区間の多重度を超えずに合計 10 本を同時に使える。ウになる。

X から出る区間の合計は 4+4+3=11 だが,A から先へは A-B 2 と A-D 1 の計 3 しか流せないので,エの 11 にはならない。アの 8 やイの 9 は,経路の組合せを尽くさずに求めた値であり,最大ではない。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問3(表記を一部改変)

問4

図は,OSPF を使用するルータ a〜i のネットワーク構成を示す。拠点 1 と拠点 3 の間の通信は WAN1 を,拠点 2 と拠点 3 の間の通信は WAN2 を通過するようにしたい。x と y に設定するコストとして,適切な組合せはどれか。ここで,図中の数字は OSPF コストを示す。

ルータ a〜i のネットワーク構成図。拠点 1 はルータ a に,拠点 2 はルータ c に,拠点 3 はルータ i に接続。OSPF コストは,a−b が 30,a−d が 40,c−b が 50,c−d が 40,b−e が 100(WAN1),d−g が 100(WAN2),e−f が 40,e−h が 30,g−f が x,g−h が y,f−i が 10,h−i が 10。

正解 

解説

OSPF はコストの合計が最小の経路を選ぶ。x と y を同じ値 k とすると,拠点 1(a)から拠点 3(i)へは,WAN1 経由が a-b-e-h-i で 30+100+30+10=170,WAN2 経由が a-d-g-f(又は h)-i で 40+100+k+10=150+k である。WAN1 を通すには 170<150+k,つまり k>20 が必要になる。拠点 2(c)から拠点 3 へは,WAN1 経由が c-b-e-h-i で 50+100+30+10=190,WAN2 経由が c-d-g-f(又は h)-i で 40+100+k+10=150+k であり,WAN2 を通すには 150+k<190,つまり k<40 が必要になる。20<k<40 を満たすのは 30 だけなので,イが適切である。

アの 20 では拠点 1 からの WAN2 経由のコストが 170 となって WAN1 経由と等しくなり,WAN1 だけを通すようにはできない(等コストの経路が並ぶ)。ウの 40 では拠点 2 からの 2 経路がともに 190 で等しくなり,エの 50 では拠点 2 からも WAN1 経由のほうがコストが小さくなる。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問4(表記を一部改変)

問5

ネットワークの QoS を実現するために使用されるトラフィック制御方式に関する説明のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

アドミッション制御は,通信を開始する前に,ネットワークに対して必要な帯域などのリソースを要求し,確保できる場合は通信を受け入れ,確保できない場合は通信を拒否するなど,リソースの確保の状況に応じて通信を制御する方式である。アが適切である。

イの規定の最大速度を超えたパケットを破棄したり優先度を下げたりする制御はポリシング,ウのパケットの送出間隔を調整してトラフィックを平準化する制御はシェーピングで,用語と説明が入れ替わっている。エの種類や宛先に応じて優先度を変えて中継するのは優先制御で,ベストエフォートは品質を保証せずにできる限り転送する方式である。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問5(表記を一部改変)

問6

IPv4 での ARP を利用した Gratuitous ARP の説明として,適切なものはどれか。

正解 

解説

Gratuitous ARP は,送信元 IP アドレスとターゲット IP アドレスの両方に自端末が使用する IP アドレスを入れて送る ARP である。自分の IP アドレスを問い合わせる形になるので,応答が返ってくれば同じ IP アドレスを使う端末が他にいる(アドレスの重複)と分かる。また,同じセグメントの機器の ARP キャッシュを自端末の MAC アドレスで更新させる目的にも使う。アが適切である。

イは通常の ARP 要求である。ウは自端末の MAC アドレスから自分の IP アドレスを問い合わせる RARP,エは相手の MAC アドレスからその IP アドレスを問い合わせる InARP(Inverse ARP)の説明である。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問6(表記を一部改変)

問7

図は IPv4 における IPsec のデータ形式を示している。ESP トンネルモードの電文中で,暗号化されているのはどの部分か。

左から順に,新 IP ヘッダ,ESP ヘッダ,オリジナル IP ヘッダ,TCP ヘッダ,データ,ESP トレーラ,ESP 認証データ が並んだデータ形式

正解 

解説

ESP のトンネルモードでは,元の IP パケット全体(オリジナル IP ヘッダ,TCP ヘッダ,データ)に ESP トレーラ(パディングや次ヘッダの情報)を加えた部分を暗号化し,その前に ESP ヘッダと新しい IP ヘッダを付ける。暗号化されるのはオリジナル IP ヘッダから ESP トレーラまでであり,ウが該当する。

新 IP ヘッダは経路上のルータが転送に使うので暗号化できず,ESP ヘッダには復号に使うセキュリティパラメータインデックス(SPI)やシーケンス番号が入るので暗号化されない。ESP 認証データは,ESP ヘッダから ESP トレーラまでを対象に計算した改ざん検出用の値で,暗号化の対象ではない。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問7(表記を一部改変)

問8

クラス D の IP アドレスを使用するのはどの場合か。

正解 

解説

クラス D の IP アドレスは,先頭 4 ビットが 1110 の 224.0.0.0~239.255.255.255 の範囲で,マルチキャストのグループを識別するために使う。エが正しい。なお,現在はクラスによる区分は CIDR に置き換えられているが,224.0.0.0/4 は引き続きマルチキャスト用に割り当てられている。

アの 250 台程度までの小規模なネットワークに割り振るのはクラス C(ホスト数最大 254),イの 65,000 台程度の中規模なネットワークに割り振るのはクラス B(最大 65,534)である。ウのプライベートアドレスは,クラス A の 10.0.0.0/8,クラス B の 172.16.0.0/12,クラス C の 192.168.0.0/16 から割り振られ,クラス D には含まれない。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問8(表記を一部改変)

問9

MPLS の説明として,適切なものはどれか。

正解 

解説

MPLS(Multi-Protocol Label Switching)は,網の入口のルータでパケットに短い固定長のラベルを付け,網内のルータ(LSR)は IP アドレスではなくラベルを見て転送する方式である。経路表の検索が簡単になり,ラベルによって経路を指定できるので,IP-VPN や広域イーサネットなどの通信事業者の網で広く使われている。エが適切である。

アは IP に暗号化や認証の機能を加える IPsec,イは L2F と PPTP を統合したレイヤ 2 のトンネリングプロトコルである L2TP,ウは PPP フレームを IP パケットでカプセル化する PPTP の説明である。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問9(表記を一部改変)

問10

インターネットプロトコルの TCP と UDP 両方のヘッダに存在するものはどれか。

正解 

解説

TCP ヘッダと UDP ヘッダには,どちらにも送信元ポート番号と宛先ポート番号があり,これによって通信するアプリケーションを識別する。エが該当する。

アの宛先 IP アドレスとウの生存時間(TTL)は IP ヘッダ(IPv6 ではホップリミット)に含まれる。イの宛先 MAC アドレスはイーサネットなどのデータリンク層のフレームヘッダに含まれる。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問10(表記を一部改変)

問11

IPv4 アドレスが 192.168.10.0/24〜192.168.58.0/24 のネットワークを対象に経路を集約するとき,集約した経路のネットワークアドレスのビット数が最も多くなるものはどれか。

正解 

解説

集約の対象は第 3 オクテットが 10~58 のネットワークである。10=00001010,58=00111010 で,この範囲の値は上位 2 ビットがどれも 00 であり,3 ビット目は 0(10~31)と 1(32~58)の両方がある。共通なのは第 1・第 2 オクテットの 16 ビットと第 3 オクテットの上位 2 ビットで,192.168.0.0/18(192.168.0.0~192.168.63.255)が全てを含む最長のプレフィックスになる。ウが該当する。

エの 192.168.0.0/19 は 192.168.0.0~192.168.31.255 までしか含まず,32~58 が外れる。アの /16 やイの /17 は全てを含むが,ネットワークアドレスのビット数が /18 より少ない。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問11(表記を一部改変)

問12

TCP ヘッダ中のウィンドウサイズの説明として,適切なものはどれか。

正解 

解説

TCP ヘッダのウィンドウサイズは,受信側がこれ以上受け取れるデータ量(受信バッファの空き)を送信側に通知する値である。送信側は,確認応答を待たずにウィンドウサイズの分まで続けてセグメントを送信でき,それを超える場合は確認応答を待つ。イが適切である。

アのような,再送に備えて送信側が保持しているデータ量を知らせるフィールドは TCP ヘッダにない。ウの接続開始時のハンドシェイクで通知するのは MSS(最大セグメント長)などのオプションで,ウィンドウサイズは通信中に受信側の状況に応じて随時変わる。エのような後続セグメント数を示すフィールドもなく,データの並びはシーケンス番号で管理する。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問12(表記を一部改変)

問13

図のようなルータ 6 台から成るネットワークにおいて,宛先 IP アドレス 10.100.100.1 の IP パケットをルータ Y から受け取ったルータ Z は,どのルータに転送するか。ここで,ルータ Z は次に示すルーティングテーブルを用い,最長一致法(longest-match algorithm)によってルーティングするものとする。

ルータ Y(192.168.0.1)とルータ Z(192.168.0.254)が接続されている。ルータ Z の 192.168.1.1 とルータ A の 192.168.1.254,ルータ Z の 192.168.2.1 とルータ B の 192.168.2.254,ルータ Z の 192.168.3.1 とルータ C の 192.168.3.254,ルータ Z の 192.168.4.1 とルータ D の 192.168.4.254 がそれぞれ接続されている。
ルータ Z のルーティングテーブル。列は宛先アドレス,サブネットマスク,ネクストホップ。1行目 10.0.0.0,255.0.0.0,192.168.1.254。2行目 10.64.0.0,255.224.0.0,192.168.2.254。3行目 10.96.0.0,255.252.0.0,192.168.3.254。4行目 10.128.0.0,255.128.0.0,192.168.4.254。5行目 0.0.0.0,0.0.0.0,192.168.0.1。

正解 

解説

宛先 10.100.100.1 の第 2 オクテット 100 は 2 進数で 01100100 である。各経路と照合すると,10.0.0.0/8 は一致する。10.64.0.0/11(255.224.0.0)は 100 の上位 3 ビット 011 が 64(010)と一致しない。10.96.0.0/14(255.252.0.0)は上位 6 ビット 011001 が 96(011000)と一致しない。10.128.0.0/9 は最上位ビット 0 が 128(1)と一致しない。一致するのは 10.0.0.0/8 と 0.0.0.0/0 で,より長く一致する 10.0.0.0/8 が選ばれ,ネクストホップ 192.168.1.254 のルータ A に転送する。アになる。

イのルータ B,ウのルータ C,エのルータ D は,宛先がそれぞれ 10.64.0.0~10.95.255.255,10.96.0.0~10.99.255.255,10.128.0.0~10.255.255.255 の範囲にあるときの転送先である。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問13(表記を一部改変)

問14

WebDAV の特徴はどれか。

正解 

解説

WebDAV は,HTTP に PROPFIND,MKCOL,COPY,MOVE,LOCK などのメソッドを追加して拡張したプロトコルで,Web サーバ上のファイルの参照,作成,削除,移動,排他制御,バージョン管理などを,リモートから行える。イが該当する。

アは SOAP を使った Web サービスの説明,ウは Web ブラウザから電子メールを扱う Web メールの説明,エは FTP のサーバからファイルをダウンロードする説明である。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問14(表記を一部改変)

問15

チャットアプリケーションのような Web ブラウザと Web サーバ間でのリアルタイム性の高い双方向通信に利用されている WebSocket プロトコルの特徴はどれか。

正解 

解説

WebSocket(RFC 6455)は,Web ブラウザが最初に HTTP の GET リクエストに Upgrade ヘッダを付けてハンドシェイクの要求を送り,Web サーバが 101 Switching Protocols で応じることで接続を確立する。以後は同じ TCP コネクション上で,サーバとブラウザが双方向にデータを送り合える。エが該当する。

アの WebSocket のデータはフレームという独自の形式で送られ,XML で定義されてはいない。イの RTP は音声や映像をリアルタイムに転送するプロトコルで,WebSocket では使わない。ウの XMLHttpRequest オブジェクトは Ajax で使う非同期通信の仕組みで,WebSocket では WebSocket API を使う。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問15(表記を一部改変)

問16

SAML(Security Assertion Markup Language)の説明として,最も適切なものはどれか。

正解 

解説

SAML は OASIS が標準化した XML ベースの仕様で,認証の結果(認証情報)に加え,利用者の属性情報や,何を許可するかという認可情報を,異なるドメイン(組織やサービス)の間で受け渡すために使われる。ドメインをまたいだシングルサインオンの実現に用いられ,エが適切である。

アは Web サービスの情報を登録・検索する UDDI,イは電子メールを暗号化・署名して保護する S/MIME,ウはデジタル署名などに使う鍵情報の登録や検証を Web サービスとして提供する XKMS の説明である。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問16(表記を一部改変)

問17

無線 LAN で使用される規格 IEEE 802.1X が定めているものはどれか。

正解 

解説

IEEE 802.1X は,LAN に接続する端末をポート単位で認証し,認証に成功するまで通信を許可しないアクセス制御の規格である。端末(サプリカント),アクセスポイントやスイッチ(オーセンティケータ),RADIUS などの認証サーバの間で EAP(Extensible Authentication Protocol)を使って認証を行う。アが該当する。

イのような,認証局と連携してセッションごとにパスワードを生成する仕組みは IEEE 802.1X には規定されていない。ウの WPS は無線 LAN の接続設定を簡単に行うための Wi-Fi Alliance の規格である。エの CSMA/CD は有線 LAN(イーサネット)のアクセス制御方式で,無線 LAN では衝突を回避する CSMA/CA が使われる。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問17(表記を一部改変)

問18

NTP を使った増幅型の DDoS 攻撃に対して,NTP サーバが踏み台にされることを防止する対策として,適切なものはどれか。

正解 

解説

NTP を使った増幅型の DDoS 攻撃では,攻撃者が送信元 IP アドレスを攻撃対象に偽装して NTP サーバの状態確認機能(monlist)を呼び出す。monlist は最近通信した最大 600 件のアドレス一覧を返すので,小さな要求に対して何百倍もの大きな応答が攻撃対象に送り付けられる。monlist を無効にすればこの増幅に使われなくなるので,アが適切である。

イの外部の NTP サーバへの時刻問合せを止めても,外部から自サーバへの要求は防げない。ウのブロードキャストアドレス宛ての拒否は,スマーフ攻撃のようなブロードキャストを利用した攻撃への対策である。エのように外部から NTP だけを許可しても,NTP への要求は受け付けるので踏み台にされることは防げない。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問18(表記を一部改変)

問19

テンペスト技術の説明とその対策として,適切なものはどれか。

正解 

解説

テンペスト技術は,ディスプレイやケーブルなどの機器から放射される微弱な電磁波を離れた場所で傍受し,画面の表示内容などを再現して盗み見る技術である。対策は,電磁波を遮断するシールドを施した機器や部屋を使うなどして,電磁波が外に漏れないようにすることである。アが正しい。

イは通信経路上でパケットを改ざんする中間者攻撃などの説明,ウはマクロ機能を悪用するマクロウイルスの説明,エは無線 LAN の電波を傍受する盗聴の説明で,いずれもテンペスト技術ではない。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問19(表記を一部改変)

問20

社内ネットワークとインターネットの接続点に,ステートフルインスペクション機能をもっていない,静的なパケットフィルタリング型のファイアウォールを設置している。このネットワーク構成において,社内の PC からインターネット上の SMTP サーバに電子メールを送信できるようにするとき,ファイアウォールで通過許可とする TCP パケットのポート番号の組合せはどれか。

正解 

解説

PC から SMTP サーバへの電子メール送信では,PC が 1024 以上の任意のポート番号から SMTP サーバの 25 番ポートに TCP コネクションを張る。静的なパケットフィルタリングでは戻りのパケットも別に許可する必要があるので,PC から SMTP サーバへは送信元ポート 1024 以上・宛先ポート 25,SMTP サーバから PC へは送信元ポート 25・宛先ポート 1024 以上を通過させる。ウが正しい。

アは送信元と宛先のポート番号が逆になっている。イとエの 110 番は,メールサーバからメールを受信する POP3 のポート番号である。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問20(表記を一部改変)

問21

無線 LAN のアクセスポイントがもつプライバシセパレータ機能(アクセスポイントアイソレーション)の説明はどれか。

正解 

解説

プライバシセパレータ機能(アクセスポイントアイソレーション)は,同じアクセスポイントに接続している無線 LAN 端末同士の直接通信を遮断し,各端末がアクセスポイントの先のネットワークとだけ通信できるようにする機能である。公衆無線 LAN などで,他の利用者の端末からのアクセスを防ぐために使われる。イが正しい。

アは SSID を知っている利用者だけに接続させる SSID ステルス(ANY 接続拒否),ウは MAC アドレスフィルタリングの説明である。エは電波を遮る建材やシールドなどによる電波漏えいの対策である。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問21(表記を一部改変)

問22

ユーザプログラムの実行中に割込みが発生した場合のプロセッサの処理として,適切なものはどれか。

正解 

解説

ユーザプログラムの実行中に割込みが発生すると,プロセッサはまずユーザモードから特権モードに移行し(②),中断したプログラムを再開できるようにプログラムカウンタなどを退避する(①)。次に割込みの要因から割込み処理ルーチンの開始番地を決定し(③),その割込み処理ルーチンを実行する(④)。②→①→③→④ の順になり,イが適切である。

アは特権モードへの移行が最後になっており,割込み処理ルーチンを特権モードで実行できない。ウは退避が最後になっており,中断したプログラムの状態が失われる。エは開始番地の決定と実行が退避やモードの移行より前になっている。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問22(表記を一部改変)

問23

Web サーバ,アプリケーション(AP)サーバ及び DB サーバ各 1 台で構成される Web システムにおいて,次の 3 種類のタイムアウトを設定した。タイムアウトに設定する時間の長い順に並べたものはどれか。ここで,トランザクションは Web リクエスト内で処理を完了するものとする。

〔タイムアウトの種類〕

正解 

解説

③の Web サーバから AP サーバへのリクエストの応答待ちは,AP サーバの AP の処理全体(①)を含み,①の AP の処理は,その途中で行うトランザクション(②)を含む。内側の処理より外側のタイムアウトを短くすると,内側の処理が正常に終わる前に外側がタイムアウトしてしまうので,外側ほど長く設定する。長い順に③,①,②となり,ウが正しい。

アは③より①,イは①より②,エは①より②を長くしており,いずれも内側の処理が終わる前に外側がタイムアウトするおそれがある。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問23(表記を一部改変)

問24

システム開発で行うテストについて,テスト要求事項を定義するアクティビティと対応するテストの組合せのうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

共通フレームの考え方では,設計の各段階で定義した事項が正しく実現されているかを,対応するテストで確認する(V字モデル)。システム方式設計で定義したシステムの構成や要件はシステム結合テストで,ソフトウェア方式設計で定義したソフトウェアの構造やコンポーネント間のインタフェースはソフトウェア結合テストで,ソフトウェア詳細設計で定義したユニットの仕様はソフトウェアユニットテストで確認する。ウが適切である。

ア,イの運用テストは,利用者が実際の運用環境で業務に使えるかを確認するテストで,システム要件定義や運用の要件に対応する。エはソフトウェア方式設計と詳細設計に対応するテストが入れ替わっている。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問24(表記を一部改変)

問25

SOA(Service Oriented Architecture)の説明はどれか。

正解 

解説

SOA(Service Oriented Architecture,サービス指向アーキテクチャ)は,業務上の機能をサービスという単位の部品として用意し,それらを組み合わせてシステムを構築する考え方である。サービスは標準化されたインタフェースで呼び出されるので,変化に合わせて組み替えたり再利用したりしやすい。ウが正しい。

アは Web サービスのインタフェースを記述する WSDL や,メッセージを交換する SOAP などの Web サービスの規格の説明である。イは Web サービスを登録・検索する UDDI,エは SLA(サービスレベル合意)の説明である。

出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問25(表記を一部改変)