ブリッジはデータリンク層でフレームを中継する装置で,受信したフレームをいったん蓄えて FCS を検査し,学習した MAC アドレスのテーブルと照らして転送先を決める。ブロードキャストフレームは全ての端末に届けるものなので,もう一方のセグメントにも中継する。一方,衝突で生じた不完全なフレームは正しいフレームとして受信できず破棄されるので,中継しない。イが適切である。
CSMA(Carrier Sense Multiple Access)方式では,端末は送信する前に伝送路のキャリア信号を検出(キャリアセンス)し,他の端末が送信中でないことを確かめてから送信する。有線 LAN の CSMA/CD と無線 LAN の CSMA/CA は,どちらもこの仕組みを土台にしている。アが適切である。
アあて先 IP アドレスはそのままで,あて先 MAC アドレスを接続先サーバの MAC アドレスに置き換える。
イあて先 IP アドレスはそのままで,あて先 MAC アドレスをルータ 1 又はルータ 2 の MAC アドレスに置き換える。正解
ウあて先 MAC アドレスはそのままで,あて先 IP アドレスを接続先ルータの IP アドレスに置き換える。
エあて先 MAC アドレスはそのままで,あて先 IP アドレスをルータ 1 又はルータ 2 の IP アドレスに置き換える。
正解 イ
解説
マルチホーミングは,自社のネットワークを複数の ISP(図ではルータ 1 経由の ISP1 とルータ 2 経由の ISP2)に接続し,回線を使い分けたり障害時に切り替えたりする構成である。負荷分散装置は,クライアントからのパケットをどちらのルータから送り出すかを選び,あて先 IP アドレス(接続先サーバ)はそのままで,あて先 MAC アドレスを選んだルータ 1 又はルータ 2 の MAC アドレスに書き換えて転送する。イが適切である。
アの接続先サーバは,インターネットを越えた別の LAN にある。MAC アドレスは同じデータリンクの中でしか使えないので,接続先サーバの MAC アドレスに書き換えても自社の LAN からは届かない。ウやエのようにあて先 IP アドレスを接続先ルータやルータ 1,ルータ 2 のアドレスに書き換えると,パケットは接続先サーバに届かなくなる。
出典:平成21年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問6(表記を一部改変)
問7
TCP/IP ネットワークで使用される ARP の説明として,適切なものはどれか。
アIP アドレスから MAC アドレスを得るためのプロトコル正解
イIP アドレスからホスト名(ドメイン名)を得るためのプロトコル
ウMAC アドレスから IP アドレスを得るためのプロトコル
エホスト名(ドメイン名)から IP アドレスを得るためのプロトコル
正解 ア
解説
ARP(Address Resolution Protocol)は,通信相手の IP アドレスから,同じネットワーク上でフレームを届けるために必要な MAC アドレスを問い合わせるプロトコル。
ウの MAC アドレスから IP アドレスを得るのは RARP。イの IP アドレスからホスト名を得るのは DNS の逆引き,エのホスト名から IP アドレスを得るのは DNS の正引きである。
DNS は,ドメイン名の階層に沿って DNS サーバを木構造に配置した分散データベースである。DNS サーバは,問い合わせられた名前の情報を自分が持っていないとき,ルートサーバなど上位の階層の DNS サーバに問い合わせ,そこから下位のサーバをたどって答えを得る。アが適切である。
イのセカンダリサーバは,ゾーン転送によってプライマリサーバと同じ内容のゾーンデータを保持し,負荷分散や障害時の予備として働く。ウは DNS サーバ(ネームサーバ)の説明で,ネームリゾルバはアプリケーションの依頼を受けて DNS サーバに問い合わせるクライアント側のプログラムである。エのリソースレコードは,ゾーンファイルを編集したり動的更新(DNS UPDATE)を使ったりして,構築後も更新できる。
出典:平成21年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問9(表記を一部改変)
問10
HTTP の GET メソッドと POST メソッドに関する記述のうち,適切なものはどれか。
アGET の実装は必須であるが,POST はオプションである。正解
イGET はサーバへの送信,POST はサーバからの応答である。
ウPOST の応答はキャッシュされるが,GET はキャッシュされない。
エPOST はサーバの CGI を起動できるが,GET は起動できない。
正解 ア
解説
HTTP の仕様(出題当時の HTTP/1.1 の RFC 2616,現在の RFC 9110)は,汎用のサーバが GET と HEAD のメソッドを必ず実装しなければならず,それ以外のメソッドはオプションであると定めている。したがって,GET の実装は必須で POST はオプションであり,アが適切である。
イの GET と POST は,どちらもクライアントからサーバへ送るリクエストのメソッドで,サーバから返すのはレスポンスである。ウは逆で,GET の応答はキャッシュされるのが普通であり,POST の応答は Cache-Control などで明示したときだけキャッシュできる。エの CGI は GET でも POST でも起動でき,GET では URL のクエリ文字列で,POST ではメッセージボディでデータを渡す。
出典:平成21年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問10(表記を一部改変)
問11
電源オフ時に IP アドレスを保持することができない装置が,電源オン時に自装置の MAC アドレスから自装置に割り当てられている IP アドレスを知るために用いるデータリンク層のプロトコルで,ブロードキャストを利用するものはどれか。
アARP
イDHCP
ウDNS
エRARP正解
正解 エ
解説
RARP(Reverse ARP)は,自装置の MAC アドレスを基に,自装置に割り当てられた IP アドレスを問い合わせるプロトコルである。問合せはブロードキャストで送信され,RARP サーバが IP アドレスを応答する。電源を切ると IP アドレスを保持できない装置が起動時に使う。エが正しい。
アの ARP は,IP アドレスから MAC アドレスを求めるプロトコルで,方向が逆である。イの DHCP も IP アドレスを自動設定するが,UDP を使うアプリケーション層のプロトコルで,データリンク層のプロトコルではない。ウの DNS はドメイン名と IP アドレスを対応付けるプロトコルである。
同一の LAN に接続された複数のルータを,仮想的に 1 台のルータとして見えるようにして冗長構成を実現するプロトコルはどれか。
アARP
イOSPF
ウRSTP
エVRRP正解
正解 エ
解説
VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)は,同じ LAN に接続した複数のルータでグループを作り,仮想 IP アドレスと仮想 MAC アドレスを持つ 1 台の仮想ルータとして見せるプロトコルである。端末がデフォルトゲートウェイに仮想 IP アドレスを設定しておけば,マスタルータが故障してもバックアップルータが引き継ぐので,通信を続けられる。エが該当する。
アの ARP は IP アドレスから MAC アドレスを求めるプロトコル,イの OSPF はリンクステート型のルーティングプロトコルである。ウの RSTP は,レイヤ 2 のループを防ぐスパニングツリーの切替えを高速化したプロトコルである。
出典:平成21年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問16(表記を一部改変)
問17
Web サーバを使ったシステムにおいて,インターネットから受け取ったリクエストを Web サーバに中継する仕組みはどれか。
アDMZ
イフォワードプロキシ
ウプロキシ ARP
エリバースプロキシ正解
正解 エ
解説
リバースプロキシは,インターネットからのリクエストを Web サーバの手前で受け取り,内部の Web サーバに中継する仕組みである。Web サーバを直接インターネットに公開せずに済み,負荷分散や認証,キャッシュなどにも使われる。エが正しい。
企業の DMZ 上で 1 台の DNS サーバをインターネット公開用と社内用で共用している。この DNS サーバが,DNS キャッシュポイズニングの被害を受けた結果,引き起こされ得る現象はどれか。
アDNS サーバで設定された自社の公開 Web サーバの FQDN 情報が書き換えられ,外部からの参照者が,本来とは異なる Web サーバに誘導される。
イDNS サーバのメモリ上にワームが常駐し,DNS 参照元に対して不正プログラムを送り込む。
ウ社内の利用者が,インターネット上の特定の Web サーバを参照する場合に,本来とは異なる Web サーバに誘導される。正解
エ電子メールの不正中継対策をした自社のメールサーバが,不正中継の踏み台にされる。
正解 ウ
解説
DNS キャッシュポイズニングは,DNS サーバのキャッシュに偽の名前解決の情報を覚えさせる攻撃である。このサーバは社内用のキャッシュサーバを兼ねているので,社内の利用者がインターネット上の Web サーバの名前を問い合わせると,キャッシュされた偽の IP アドレスが返され,本来とは異なる Web サーバに誘導される。ウが該当する。
アの自社の公開 Web サーバの情報は,DNS サーバに直接設定されたゾーン情報で,キャッシュの汚染によって書き換えられるものではない。イのワームの常駐やエのメールサーバの不正中継は,キャッシュポイズニングによって引き起こされる現象ではない。
認証 VLAN は,レイヤ2スイッチや無線 LAN アクセスポイントに接続してきた端末や利用者を IEEE 802.1X などで認証し,認証に成功した場合だけ接続を許可して,利用者に応じた VLAN に所属させる仕組みである。ウが該当する。
アの DHCP は端末に IP アドレスなどを自動的に割り当てるプロトコル,イの Web シングルサインオンは一度の認証で複数の Web システムを利用できるようにする仕組み,エのパーソナルファイアウォールは PC 上で動作して通信を制御するソフトウェアで,スイッチやアクセスポイントでの接続の許可を行うものではない。