FCoE(Fibre Channel over Ethernet)は,FC フレームをそのままイーサネットフレームに格納して運ぶ技術である。FC はフレームの損失をほとんど想定していないので,優先度ごとのフロー制御(PFC,IEEE 802.1Qbb)などで輻輳時もフレームを失わないように拡張したイーサネット(DCB:Data Center Bridging)の上で使う。エが適切である。
アは誤りで,FC フレームは分割も縮小もせず,イーサネット側で最大約 2.5 k バイトのフレーム(ベビージャンボフレーム)を扱えるようにして運ぶ。イの UDP とウの TCP はどちらも使わない。FCoE は IP を使わずイーサネット上に直接載せるプロトコルで,TCP/IP の上で FC を運ぶのは FCIP や iSCSI(SCSI コマンドを TCP で運ぶ)である。
アは誤りで,NCP を切り替えることで IP 以外のネットワーク層プロトコルも運べる。イも誤りで,PPP は全二重のリンクを前提としている。エのベーシック手順(キャラクタ単位で伝送制御文字を使う手順)ではなく,PPP のフレームは HDLC に似た形式を基にしている。
出典:平成25年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問11(表記を一部改変)
問12
電源オフ時に IP アドレスを保持することができない装置が,電源オン時に自装置の MAC アドレスから自装置に割り当てられている IP アドレスを知るために用いるデータリンク層のプロトコルであり,ブロードキャストを利用するものはどれか。
アARP
イDHCP
ウDNS
エRARP正解
正解 エ
解説
RARP(Reverse ARP)は,自装置の MAC アドレスを基に,自装置に割り当てられた IP アドレスを問い合わせるプロトコルである。問合せはブロードキャストで送信され,RARP サーバが IP アドレスを応答する。電源を切ると IP アドレスを保持できない装置が起動時に使う。エが正しい。
アの ARP は,IP アドレスから MAC アドレスを求めるプロトコルで,方向が逆である。イの DHCP も IP アドレスを自動設定するが,UDP を使うアプリケーション層のプロトコルで,データリンク層のプロトコルではない。ウの DNS はドメイン名と IP アドレスを対応付けるプロトコルである。
出典:平成25年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問12(表記を一部改変)
問13
TCP のコネクション確立方式である3ウェイハンドシェイクを表す図はどれか。
ア正解
イ
ウ
エ
正解 ア
解説
TCP の3ウェイハンドシェイクでは,コネクションの要求元が SYN を送り,要求先が SYN と ACK を一つのセグメントで返し,要求元が ACK を返すという3回のやり取りでコネクションを確立する。これを表すのはアである。
イ,エは SYN と ACK を別々に送っていてやり取りの回数が3回より多い。ウは SYN を3回送っていて,要求先から要求元への SYN がないので,双方向のコネクションが確立しない。
アISP“A”管理下の固定 IP アドレスから送信しようとしたが,受信者の承諾を得ていない広告の電子メール
イISP“A”管理下の固定 IP アドレスから送信しようとしたが,送信元 IP アドレスが DNS で逆引きできなかった電子メール
ウISP“A”管理下の動的 IP アドレスから ISP“A”のメールサーバを経由して送信される電子メール
エISP“A”管理下の動的 IP アドレスから ISP“A”のメールサーバを経由せずに送信される電子メール正解
正解 エ
解説
OP25B(Outbound Port 25 Blocking)は,ISP が管理下の動的 IP アドレスから,ISP のメールサーバを経由せずに外部のメールサーバのポート番号 25 へ直接送る SMTP 通信を遮断する対策である。したがって,ISP“A”の動的 IP アドレスから ISP“A”のメールサーバを経由せずに送信された電子メールが遮断される。エが該当する。
ウの ISP“A”のメールサーバを経由した電子メールは遮断されない。ア,イの固定 IP アドレスからの送信は,通常 OP25B の対象外である。受信者の承諾を得ていない広告メールや,逆引きできない送信元の判定は OP25B の仕組みではない。
ウスイッチが,PC の MAC アドレスから接続可否を判別するので,PC の不正接続のリスクを低減できる。
エスイッチが,物理ポートごとに,決まった IP アドレスの PC 接続だけを許可するので,PC の不正接続のリスクを低減できる。
正解 イ
解説
VLAN でポートを複数のセグメントに分けると,ブロードキャストパケットはそのセグメント(ブロードキャストドメイン)の中にしか届かなくなる。ARP 要求などのブロードキャストに含まれる IP アドレスや MAC アドレスの情報が,他のセグメントの PC に不要に流れることを防げるので,イが効果の一つである。
アは誤りで,VLAN は同一セグメント内の ICMP パケットを遮断する機能ではない。ウの MAC アドレスによる接続可否の判別や,エの物理ポートごとに決まった IP アドレスの PC だけを許可する機能は,それぞれ MAC アドレス認証やポートセキュリティなどの機能であり,ポートをセグメントに分けることで得られる効果ではない。
出典:平成25年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問20(表記を一部改変)
問21
DNS の再帰的な問合せを使ったサービス不能攻撃(DNS amp)の踏み台にされることを防止する対策はどれか。
ウ一つの DNS レコードに複数のサーバの IP アドレスを割り当て,サーバへのアクセスを振り分けて分散させるように設定する。
エ他の DNS サーバから送られてくる IP アドレスとホスト名の対応情報の信頼性をディジタル署名で確認するように設定する。
正解 ア
解説
DNS amp(DNS リフレクション攻撃)は,送信元 IP アドレスを攻撃対象に偽装した問合せを,誰からでも再帰的な問合せを受け付ける DNS キャッシュサーバ(オープンリゾルバ)に大量に送り,大きな応答を攻撃対象に集中させる攻撃である。キャッシュサーバとコンテンツサーバを分離し,インターネット側からキャッシュサーバに問合せできないようにすれば,踏み台にされることを防げる。アが正しい。
イの Whois データベースでドメインの情報を確認しても,攻撃は防げない。ウの一つのレコードに複数の IP アドレスを割り当てるのは DNS ラウンドロビンによる負荷分散である。エのディジタル署名による応答の確認は DNSSEC で,キャッシュポイズニングへの対策である。
出典:平成25年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問21(表記を一部改変)
問22
パイプラインの深さを D,パイプラインピッチを P 秒とすると,I 個の命令をパイプラインで実行するのに要する時間を表す式はどれか。ここで,パイプラインは1本だけとし,全ての命令は処理に D ステージ分の時間がかかり,各ステージは1ピッチで処理されるものとする。また,パイプラインハザードについては,考慮しなくてよい。
ア(I+D)×P
イ(I+D−1)×P正解
ウ(I×D)+P
エ(I×D−1)+P
正解 イ
解説
パイプラインでは,最初の命令が D 個のステージを通り終えるのに D ピッチかかる。その後は,1ピッチごとに次の命令が1個ずつ完了するので,残りの I−1 個の命令には I−1 ピッチかかる。
合計は D+(I−1) ピッチで,1ピッチが P 秒なので,所要時間は (I+D−1)×P 秒となり,イが正しい。アは最後に1ピッチ余分に数えている。ウ,エは時間の単位であるピッチ P を掛けずに足しており,式として成り立たない。
出典:平成25年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問22(表記を一部改変)
問23
SAN(Storage Area Network)におけるサーバとストレージの接続形態として,適切なものはどれか。
アシリアル ATA などの接続方式によって内蔵ストレージとして1対1に接続する。
イファイバチャネルなどによる専用ネットワークで接続する。正解
ウプロトコルは CIFS(Common Internet File System)を使用し,LAN で接続する。
エプロトコルは NFS(Network File System)を使用し,LAN で接続する。
正解 イ
解説
SAN は,サーバとストレージをファイバチャネルなどによる専用のネットワークで接続する構成。業務用の LAN とは別の経路になるので,ストレージへのアクセスが LAN の通信と干渉しない。
アはサーバに直結する DAS,ウとエは LAN 上でファイル共有プロトコル(CIFS や NFS)を使う NAS の説明である。
出典:平成25年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問23(表記を一部改変)
問24
1台の CPU の性能を1とするとき,その CPU を n 台用いたマルチプロセッサの性能 P が,
で表されるとする。ここで,a はオーバヘッドを表す定数である。例えば,a=0.1,n=4 とすると,P≒3 なので,4台の CPU から成るマルチプロセッサの性能は約3になる。この式で表されるマルチプロセッサの性能には上限があり,n を幾ら大きくしても P はある値以上には大きくならない。a=0.1 の場合,P の上限は幾らか。