令和7年度 春期 午前Ⅱ

令和7年度 春期に実施されたネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱの全25問です。問題文・正解・解説をそのまま読めます。

この試験について:ネットワークスペシャリスト試験について

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問1

180 台の電話機のトラフィックを調べたところ,電話機 1 台当たりの呼の発生頻度(発着呼の合計)は 3 分に 1 回,平均回線保留時間は 80 秒であった。このときの呼量は何アーランか。

正解 

解説

呼量(アーラン)は,単位時間当たりの呼数×平均保留時間を単位時間で割った値である。電話機 1 台当たり 3 分に 1 回なので 1 時間に 20 回,180 台では 1 時間に 180×20=3,600 回の呼が発生する。平均回線保留時間は 80 秒なので,呼量は 3,600×80÷3,600=80 アーランであり,エになる。

1 台当たりの呼量は 80 秒÷180 秒(3 分)=0.444… アーランで,これに 180 台を掛けても 80 アーランになる。アの 4 やイの 12 は,1 時間当たりの回数や台数の掛け方を取り違えた値である。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問1(表記を一部改変)

問2

IEEE 802.3-2022 のベーシックフレームを用いて,1,400 オクテットの MAC クライアントデータを転送するとき,フレーム長は何オクテットになるか。ここで,フレームは宛先アドレスから FCS までとする。

正解 

解説

IEEE 802.3 のベーシックフレームは,宛先アドレス 6 オクテット,送信元アドレス 6 オクテット,長さ/タイプ 2 オクテット,MAC クライアントデータ,FCS 4 オクテットで構成される。設問はフレーム長を宛先アドレスから FCS までとしているので,6+6+2+1,400+4=1,418 オクテットとなる。イが正しい。

プリアンブルと SFD(合わせて 8 オクテット)はフレームの前に付く同期用のビット列で,宛先アドレスより前にあるため今回は数えない。アの 1,414 は FCS を落とした値,ウの 1,422 は FCS を二重に数えた値,エの 1,426 はさらに 4 オクテット多い。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問2(表記を一部改変)

問3

平均ビット誤り率が 1×10−5 の回線を用いて,200,000 バイトのデータを 100 バイトずつの電文に分けて送信する。送信電文のうち,誤りが発生する電文の個数は平均して幾つか。

正解 

解説

電文の数は 200,000÷100=2,000 個である。1 電文は 100 バイト=800 ビットで,ビット誤り率が 1×10−5 なので,1 電文当たりの誤りビット数の期待値は 800×10−5=0.008 になる。誤りはまれにしか起きないので,1 電文に誤りが発生する確率はほぼこの値に等しく,誤りが発生する電文は平均 2,000×0.008=16 個である。エが該当する。

全体で見ても,200,000 バイト=1,600,000 ビットのうち誤るのは 1,600,000×10−5=16 ビットで,1 電文に 2 ビット以上の誤りが重なることはほとんどないので,16 個の電文に誤りが生じると考えてよい。アの 2 はバイトをビットに直さなかった値である。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問3(表記を一部改変)

問4

IEEE 802.3-2022 で定められている 10GBASE-T において,カテゴリ 6A ケーブルを使用した場合の最大ケーブル長は何 m か。

正解 

解説

IEEE 802.3-2022 の 10GBASE-T(第 55 節)は,クラス EA(カテゴリ 6A)以上の4 対平衡ケーブルを用いる場合の最大長を 100m と定めている。イが正しい。

アの 55m は,1 つ下のカテゴリ 6(クラス E)のケーブルを使った場合に許される距離で,設置環境のエイリアンクロストークによっては 37m まで短くなる。ウの 200m とエの 500m は,光ファイバを使う 10GBASE-SR などの距離であって,より対線の 10GBASE-T の距離ではない。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問4(表記を一部改変)

問5

IoT 向けのアプリケーション層のプロトコルである CoAP(Constrained Application Protocol)の特徴として,適切なものはどれか。

正解 

解説

CoAP は,処理能力や電力の限られた IoT 機器向けに設計された Web 転送プロトコルで,HTTP に似た GET・POST などの操作を,UDP 上の簡潔なバイナリ形式のメッセージで行う。ヘッダが小さく通信量が少ないので,パケット損失の起きやすい省電力の無線ネットワークでの小電力デバイスの通信に向いている。エが適切である。

アのリアルタイム性が求められる音声や映像の通信には RTP などが使われる。イの大容量で高い信頼性が求められるデータの通信には,TCP 上の HTTP などが向いている。ウは誤りで,CoAP はテキストベースではなくバイナリ形式のプロトコルである。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問5(表記を一部改変)

問6

Web ページ内の HTML フォームに入力されたデータが Web サーバに送られる際には,HTTP プロトコルの GET メソッド又は POST メソッドを用いたリクエストメッセージが使用される。このとき,入力されたデータはリクエストメッセージのどの部分に含まれるか。ここで,HTTP のバージョンは HTTP/1.1 とし,リクエストメッセージは,リクエスト行,ヘッダー,メッセージボディの順で構成されているものとする。

正解 

解説

GET メソッドではフォームの入力値が URL のクエリ文字列として組み立てられ,「GET /search?q=abc HTTP/1.1」のようにリクエスト行の中に入る。POST メソッドでは入力値がメッセージボディに置かれ,その大きさは Content-Length ヘッダーで示される。したがってイが正しい。

ヘッダーは Host や User-Agent のようにリクエストの付随情報を運ぶ場所で,フォームの入力値そのものが入るわけではない。ア・ウ・エはいずれもヘッダーに入るとしている点で誤り。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問6(表記を一部改変)

問7

IPv4 において,IP パケットで送られているデータが,ICMP メッセージであることを識別できるヘッダー情報はどれか。

正解 

解説

IPv4 ヘッダーのプロトコル番号(Protocol)は,IP パケットが運んでいる上位層のデータが何であるかを示す 8 ビットの値で,ICMP は 1,TCP は 6,UDP は 17 が割り当てられている。アが正しい。

イのイーサタイプ値は MAC フレームが運んでいるのが IPv4 か ARP かなどを示すもので,IPv4(0x0800)と分かるだけで ICMP かどうかまでは分からない。ウとエは TCP・UDP のヘッダーであり,ICMP メッセージには TCP ヘッダーも UDP ヘッダーも付かない。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問7(表記を一部改変)

問8

可変長サブネットマスクを利用できるルータを用いた図のネットワークにおいて,全てのセグメント間で通信可能としたい。セグメント A に割り当てるサブネットワークアドレスとして,適切なものはどれか。ここで,図中の各セグメントの数値は,上段がネットワークアドレス,下段がサブネットマスクを表す。

セグメント A とセグメント B がそれぞれ 1 台目のルータにつながり,そのルータからセグメント C が伸びて 2 台目のルータにつながる。2 台目のルータの先にセグメント D がある。セグメント B は 172.16.1.32/255.255.255.224,セグメント C は 172.16.1.224/255.255.255.252,セグメント D は 172.16.1.64/255.255.255.192。セグメント A の数値は示されていない。

正解 

解説

各セグメントのアドレス範囲を求めると,セグメント B は 172.16.1.32/27 で .32~.63,セグメント C は 172.16.1.224/30 で .224~.227,セグメント D は 172.16.1.64/26 で .64~.127 である。セグメント A には,これらと重ならない範囲を割り当てる必要がある。172.16.1.128/26(サブネットマスク 255.255.255.192)の範囲は .128~.191 で,どのセグメントとも重ならないので,ウが適切である。

アの 172.16.1.0/25 は .0~.127 でセグメント B と D に,イの 172.16.1.128/25 は .128~.255 でセグメント C に,エの 172.16.1.192/26 は .192~.255 でセグメント C に重なるので,ルータが経路を区別できず全てのセグメント間では通信できない。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問8(表記を一部改変)

問9

PPP に関する記述のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

PPP(RFC 1661)は,LCP でリンクを確立したあと,任意で認証フェーズに入り,PAP や CHAP などの認証プロトコルを実行してから,NCP で上位層のプロトコルごとの設定に進む。エが正しい。

アは誤りで,PPP は専用線でも使える。イも誤りで,全二重の通信を前提にしている。ウも誤りで,PPP は HDLC を基にしたビット同期式のフレームを使い,伝送制御文字で区切る文字同期の方式ではない。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問9(表記を一部改変)

問10

IP ネットワークにおいて経路情報の交換に UDP を用いるルーティングのプロトコルはどれか。

正解 

解説

RIP は,経路情報を UDP のポート 520 番(RIPng は 521 番)に乗せて交換するディスタンスベクタ型のルーティングプロトコルである。エが正しい。

アの BGP は TCP のポート 179 番を使う。イの OSPF は TCP も UDP も使わず,IP のプロトコル番号 89 で直接 IP の上に載る。ウの RARP は MAC アドレスから IP アドレスを求めるプロトコルで,ルーティングプロトコルではない。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問10(表記を一部改変)

問11

TCP の通信において,サーバがクライアントから要求を受けて 3 ウェイハンドシェイクを用いた TCP コネクションを確立するとき,サーバが SYN フラグの付いたパケットを受け付けるのはどの状態のときか。

正解 

解説

3 ウェイハンドシェイクでは,サーバは待ち受けの LISTEN 状態でクライアントからの SYN を受け取り,SYN+ACK を返して SYN-RECEIVED に移る。SYN を受け付けるのは LISTEN 状態のときなので,アが正しい。

イの SYN-RECEIVED は SYN を受け取ったあとに移る状態で,待っているのは相手からの ACK である。ウの SYN-SENT は,こちらから SYN を送った側(このときはクライアント)の状態。エの TIME-WAIT はコネクションを閉じたあと,遅れて届くパケットのために一定時間待つ状態である。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問11(表記を一部改変)

問12

IPv6 における ICMPv6 の近隣探索メッセージの使われ方に含まれるものはどれか。

正解 

解説

ICMPv6 の近隣探索(RFC 4861)は,近隣要請と近隣広告を使って同じリンク上のノードのMAC アドレスを求めるほか,自分が使おうとしているアドレスを宛先にした近隣要請を送り,応答があれば既に使われていると判断する重複アドレス検出(DAD,RFC 4862)にも使われる。アが正しい。

イのパス MTU の決定には,ICMPv6 のエラーメッセージであるパケット過大を使う。ウのステートフルアドレス構成では DHCPv6 そのものを使う。エのリンクローカルアドレスのプレフィックスは fe80::/64 と決まっており,取得する必要がない。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問12(表記を一部改変)

問13

OpenFlow プロトコルを使用したネットワークにおいて,OpenFlow スイッチが受信したパケットを OpenFlow コントローラーに送信するときに使用するメッセージはどれか。

正解 

解説

OpenFlow スイッチがフローテーブルに一致しないパケットを受け取ったときなどに,そのパケット(又は先頭部分)をコントローラーへ送って処理の指示を仰ぐメッセージが Packet-In である。ウが正しい。

アの Echo は相手が生きているかを確かめる往復のメッセージ。イの Flow-Mod はコントローラーからスイッチへフローエントリの追加・変更・削除を指示するもの。エの Packet-Out はコントローラーからスイッチへ,指定したパケットを指定ポートから送出させるもので,向きが逆である。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問13(表記を一部改変)

問14

FTP を使ったファイル転送でクライアントが使用するコマンドのうち,データ転送用コネクションをクライアント側から接続するために,サーバ側のデータ転送ポートを要求するものはどれか。

正解 

解説

FTP のパッシブモードでは,クライアントが PASV コマンドを送ると,サーバは待ち受けるデータ転送用のポートを開いて,その IP アドレスとポート番号を応答で返す。クライアントはそのポートへ自分から接続して,データ転送用コネクションを張る。ウが該当する。

アの ACCT はユーザのアカウント情報を送るコマンド,イの MODE はストリームやブロックなどの転送モードを指定するコマンドである。エの PORT は,クライアント側の IP アドレスとポート番号をサーバに通知し,サーバ側からクライアントへデータ転送用コネクションを張らせる(アクティブモードの)コマンドである。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問14(表記を一部改変)

問15

日本国内において,無線 LAN の規格 IEEE 802.11n 及び IEEE 802.11ac で使用される周波数帯の組合せとして,適切なものはどれか。

正解 

解説

IEEE 802.11n は 2.4GHz 帯と 5GHz 帯の両方を使えるが,IEEE 802.11ac は 5GHz 帯だけを使う。ウが正しい。802.11ac が 5GHz 帯に限られるのは,帯域幅を 80MHz・160MHz まで広げるだけの連続した周波数が 2.4GHz 帯には無いためである。

アは 802.11n を 2.4GHz 帯だけとしている点が誤り。イとエは 802.11ac に 2.4GHz 帯を含めている点が誤りで,エはさらに 802.11n から 2.4GHz 帯を落としている。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問15(表記を一部改変)

問16

TLS に関する記述のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

TLS のクライアント認証に使う個人認証用のデジタル証明書(と秘密鍵)は,PC に保存するだけでなく IC カードに格納することもできる。IC カードを読み取れる環境であれば,どの PC からでも利用でき,利用する PC を特定の PC に限定する必要はない。ウが適切である。

アは誤りで,Web サーバのデジタル証明書にはサーバの FQDN(ドメイン名)を記載するのが一般的で,IP アドレスの組込みは必須ではないので,IP アドレスを変更しても取り直す必要はない。イも誤りで,TLS で使う共通鍵暗号の鍵長は暗号スイートによって 128 ビットや 256 ビットなどに決まり,128 ビット未満で任意に指定するものではない。エも誤りで,TLS は不特定の利用者との通信にも使え,Web サーバへの事前の利用者登録は必要ない。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問16(表記を一部改変)

問17

テンペスト攻撃の説明とその対策として,適切なものはどれか。

正解 

解説

テンペスト攻撃は,ディスプレイやケーブルなどの機器から漏れる微弱な電磁波を離れた場所で傍受し,画面の表示内容などを再現して情報を盗み取る攻撃である。対策は,電磁波を遮断するシールドを施した機器や部屋を使うなどして,電磁波が外に漏れないようにすることである。イが正しい。

アは通信経路上でパケットを改ざんする中間者攻撃などの説明,ウはマクロ機能を悪用するマクロマルウェアの説明,エは無線 LAN の電波を傍受する盗聴の説明で,いずれもテンペスト攻撃ではない。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問17(表記を一部改変)

問18

DRDoS 攻撃に該当するものはどれか。

正解 

解説

DRDoS(Distributed Reflection Denial of Service)は,送信元 IP アドレスを標的のものに偽装した要求を多数の第三者のサーバへ送り,それらが標的に返す応答で標的を溢れさせる攻撃である。DNS のように小さな要求に対して大きな応答を返すサービスが踏み台に使われる。ウが該当する。

アは対策が出るまでの間に脆弱性を突くゼロデイ攻撃,イは SYN パケットを送り続けて接続待ちの資源を使い切らせる SYN フラッド攻撃,エは少しずつ長時間かけて接続を占有する Slow HTTP DoS 攻撃の説明であり,いずれも第三者に反射させる形ではない。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問18(表記を一部改変)

問19

無線 LAN の暗号化通信を実装するための規格に関する記述のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

WPA3-Enterprise は,IEEE 802.1X による利用者認証を行い,認証の結果として端末ごとに動的に生成・配布される鍵を用いて通信を暗号化する無線 LAN のセキュリティ規格である。エが適切である。

アの EAP は IEEE 802.1X で使われる認証のための枠組み(プロトコル)であり,登録した共通鍵で通信を暗号化する規格ではない。イの RADIUS はアクセスポイントなどと認証サーバの間で認証情報をやり取りするプロトコルで,クライアントとアクセスポイントの間の暗号化通信を実装するものではない。ウの SSID は無線 LAN のネットワークを識別する名前であり,秘密鍵ではない。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問19(表記を一部改変)

問20

DNSSEC の機能はどれか。

正解 

解説

DNSSEC は,DNS の応答に含まれるリソースレコードにデジタル署名を付け,受け取った側がその署名を検証することで,応答が正当な権威 DNS サーバから送られたものであり,途中で改ざんされていないことを確かめる仕組みである。DNS キャッシュポイズニングへの対策になる。イが正しい。

アのように再帰的な問合せを受け付ける範囲を広げると,オープンリゾルバとなって DNS リフレクション攻撃に悪用されるおそれがあり,逆効果である。ウは権威 DNS サーバの冗長化による可用性の向上。エは共通鍵とハッシュ関数を使って DNS の更新要求などの送信者を認証する TSIG の説明である。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問20(表記を一部改変)

問21

スパムメールの対策として,TCP ポート番号 25 への通信に対して ISP が実施する OP25B の例はどれか。

正解 

解説

OP25B(Outbound Port 25 Blocking)は,ISP が,管理下にある動的 IP アドレスの利用者から,ISP のメールサーバを経由せずに外部のメールサーバの TCP ポート 25 番へ直接送られる通信を遮断する対策である。ボットに感染した PC などが外部へ直接スパムメールを送ることを防ぐ。イが該当する。

アは外部から受信するメールをシグネチャで判定して遮断する受信側の対策,ウは送信元のメールサーバの DNS 逆引きによる受信側の対策,エは第三者中継を許すメールサーバからの受信を拒否する対策であり,いずれも外向き(Outbound)の通信を遮断する OP25B ではない。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問21(表記を一部改変)

問22

キャッシュメモリへの書込み動作には,ライトスルー方式とライトバック方式がある。それぞれの特徴のうち,適切なものはどれか。

正解 

解説

ライトスルー方式は,書込みのたびにキャッシュメモリと主記憶の両方へ書くので,主記憶の内容が常にキャッシュメモリの内容と一致する。イが正しい。キャッシュだけを見て主記憶が古いという状態にならないため,複数のプロセッサや DMA から主記憶を参照する構成でも整合性を取りやすい。

アはライトバック方式の特徴で,キャッシュだけに書くから速い。ウはライトスルー方式の説明を「ライトバック方式」として書いているので誤り。エはライトバック方式では主記憶が古いままなので,追い出されるときに書き戻しが必要になる。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問22(表記を一部改変)

問23

MTBF を長くするよりも,MTTR を短くするのに役立つものはどれか。

正解 

解説

MTTR(平均修復時間)は,故障してから復旧するまでにかかる時間の平均。エラーログを取得しておけば,障害が起きたときに原因の特定と切分けが早く済むので,復旧までの時間を短縮できる。アが正しい。

イの誤り訂正機能とウの命令再試行機能は,誤りが起きても処理を続けられるようにして故障そのものを表面化させないので,MTBF(平均故障間隔)を長くする働きをする。エの予防保全も故障を未然に防ぐもので,やはり MTBF を長くする側の対策である。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問23(表記を一部改変)

問24

Pattern-Oriented Software Architecture のアーキテクチャパターンのうち,ブローカーの説明はどれか。

正解 

解説

Pattern-Oriented Software Architecture のブローカーパターンは,分散したコンポーネントの間に仲介役(ブローカー)を置き,サービスの登録・検索と要求や応答の受渡しを任せることで,クライアントがサーバの所在や実装を直接知らずに済むようにする。エが正しい。

アはマイクロカーネル,イはパイプとフィルタ,ウは MVC(Model-View-Controller)の説明である。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問24(表記を一部改変)

問25

ステージング環境の説明として,適切なものはどれか。

正解 

解説

ステージング環境は,本番環境とほぼ同じ構成・設定・データで用意した検証用の環境で,システムを本番にリリースする直前に,最終的な動作確認や性能・運用手順の確認を行うために使う。エが適切である。

アのプログラムを変更するたびにデプロイして動作確認やデバッグを行うのは開発環境の説明である。イのベータ版を一般に公開して利用者に報告してもらうのはベータテストの説明,ウの DMZ を設けた構成はネットワークのセキュリティ設計の説明であり,いずれもステージング環境の意味ではない。

出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問25(表記を一部改変)