平成29年度 秋期 午前Ⅱ

平成29年度 秋期に実施されたITストラテジスト試験 午前Ⅱの全25問です。問題文・正解・解説をそのまま読めます。

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問1

共通フレーム 2013によれば,システム化構想の立案プロセスで実施するタスクはどれか。

正解 

解説

共通フレーム 2013 のシステム化構想の立案プロセスは,経営上のニーズや課題を確認し,新しい事業と業務の構想をまとめる工程である。その中で,市場,競争相手,取引先,法規制,社会情勢などの事業環境,業務環境を調査・分析し,事業目標,業務目標との関係を明確にするタスクが定められている。アが正しい。

イのシステムのライフサイクルの全期間を通した利害関係者の識別,ウの人間の能力及びスキルの限界を考慮した利用者とシステムとの相互作用の識別,エの利害関係者の要件が正確に表現されていることを利害関係者とともに確立することは,いずれもシステム化構想の後に位置する要件定義プロセスのタスクである。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問1(表記を一部改変)

問2

BCP 策定に際して,目標復旧時間となるものはどれか。

正解 

解説

内閣府の事業継続ガイドラインは,事業影響度分析の結果から優先して継続・復旧すべき重要業務を絞り込み,それをどれくらいの時間で復旧させるかを目標復旧時間(Recovery Time Objective,RTO),どの水準まで復旧させるかを目標復旧レベル(RLO)として決めるとしている。目標復旧時間は,企業活動を続けるために最低限必要な業務を復旧するまでの時間なので,アが正しい。

イは,代替手段での運用から元の状態へ戻る全面復旧に要する時間であり,重要業務を目標の水準まで戻す目標復旧時間とは別である。ウは,機能を落とした縮退運用を続けることが許容される時間である。エは,待機系へ切り替える作業そのものに要する時間であり,業務全体の復旧を対象とする目標復旧時間より狭い。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問2(表記を一部改変)

問3

システム管理基準(平成16年)によれば,情報戦略における全体最適化計画の策定で実施することはどれか。

正解 

解説

システム管理基準(平成 16 年)は,Ⅰ.情報戦略の中に 1.全体最適化を置き,その「全体最適化計画の策定」として,方針及び目標に基づいていること,コンプライアンスを考慮すること,情報化投資の方針及び確保すべき経営資源を明確にすること,投資効果及びリスク算定の方法を明確にすることなどを挙げている。イが正しい。

アの実現可能な代替案の検討と,エのユーザ部門及び情報システム部門の役割分担の明確化は,いずれもⅡ.企画業務の 1.開発計画に挙げられている項目である。ウのパッケージソフトウェアとユーザニーズとの適合性の検討は,同じくⅡ.企画業務の 2.分析に挙げられている。なお,システム管理基準はその後全面的に改訂され,現在は令和 5 年に公表された版になっている。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問3(表記を一部改変)

問4

IT 投資効果の評価に用いられる手法のうち,ROI によるものはどれか。

正解 

解説

ROI(Return On Investment:投資利益率)は,投資によって得られた収益(利益)を投資額で割った比率で,その大小で投資の効率を評価する。エが正しい。

アは将来のキャッシュフローを割引率で現在価値に換算して合計する NPV(正味現在価値)法。イは初期投資を何年で回収できるかで評価する回収期間法(ペイバック法)。ウは現在価値に換算したキャッシュフローの合計がゼロになる割引率を求める IRR(内部収益率)法である。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問4(表記を一部改変)

問5

アンゾフの成長マトリクスを説明したものはどれか。

正解 

解説

アンゾフの成長マトリクスは,製品(既存・新規)と市場(既存・新規)の二つの軸の組合せで,企業の成長戦略を四つに分ける枠組みである。既存製品を既存市場で深耕する市場浸透,既存製品を新しい市場に広げる市場拡大(市場開拓),既存市場に新製品を投入する製品開発,新製品を新市場に出す多角化からなり,この四つに分類して事業の方向性を検討する。ウが正しい。

アは,強み・弱み・機会・脅威の四つの要因で環境を整理する SWOT 分析である。イは,財務,顧客,内部ビジネスプロセス,学習と成長の四つの視点から戦略を具体化するバランススコアカード(BSC)である。エは,製品ライフサイクルの段階に応じて戦略を考える手法の説明である。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問5(表記を一部改変)

問6

バリューチェーンでは,付加価値を生み出す事業活動を,五つの主活動と四つの支援活動に分類している。支援活動に該当するものはどれか。

正解 

解説

バリューチェーンは,ポーターが示した,企業の事業活動を価値を生み出す連鎖としてとらえる枠組みである。主活動は購買物流,製造(オペレーション),出荷物流,販売・マーケティング,サービスの五つ,支援活動は全般管理(企業インフラ),人事・労務管理,技術開発,調達活動の四つに分類される。技術開発は支援活動なので,アが該当する。

イの購買物流は原材料の受入れや保管,運搬を行う活動,エの製造は投入した原材料を製品に変える活動,ウのサービスは販売した後の据付けや保守,部品供給などによって製品の価値を保ち高める活動であり,いずれも主活動に分類される。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問6(表記を一部改変)

問7

ファイブフォース分析は,業界構造を,業界内で競争が激化する五つの要因を用いて図のように説明している。図中の a に入る要因はどれか。

ファイブフォース分析の図。中央の太枠の箱 a に向かって,上の「新規参入の脅威」,左の「売り手の交渉力」,右の「買い手の交渉力」,下の「代替品の脅威」の4つの箱からそれぞれ矢印が向かっている。

正解 

解説

ポーターのファイブフォース分析は,業界の収益性を左右する力を,新規参入の脅威,代替品の脅威,売り手の交渉力,買い手の交渉力,業界内の既存企業どうしの競争という五つに整理したものである。図では周囲の四つの力が中央の a に向かっており,これら四つの力を受けて激しさが決まるのが業界内の競争である。したがって a には業者間の敵対関係が入り,イが正しい。

アの規模の経済性とエの流通チャネルの確保は,新規参入の脅威の大きさを決める参入障壁の要素である。ウの仕入先の集中度は,売り手の交渉力を強める要因である。いずれも五つの力そのものではなく,個々の力の強さを左右する要因にすぎない。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問7(表記を一部改変)

問8

投資効果を正味現在価値法で評価するとき,最も投資効果が大きい(又は損失が小さい)シナリオはどれか。ここで,期間は3年間,割引率は5%とし,各シナリオのキャッシュフローは表のとおりとする。

各シナリオのキャッシュフローの表(単位 万円)。列は シナリオ,投資額,回収額(1年目,2年目,3年目)。A:投資額 220,回収額 40,80,120。B:投資額 220,回収額 120,80,40。C:投資額 220,回収額 80,80,80。投資をしない:投資額 0,回収額 0,0,0。

正解 

解説

正味現在価値は,各年の回収額を割引率で現在価値に直して合計し,投資額を引いて求める。割引率5%なら1年目は 1.05,2年目は 1.052=1.1025,3年目は 1.053≒1.1576 で割る。

A は 40/1.05+80/1.1025+120/1.1576≒38.1+72.6+103.7=214.4 で,220 を引くと約 −5.6 万円。B は 120/1.05+80/1.1025+40/1.1576≒114.3+72.6+34.6=221.5 で約 +1.5 万円。C は 80/1.05+80/1.1025+80/1.1576≒76.2+72.6+69.1=217.9 で約 −2.1 万円。投資をしない場合は 0 である。

最も大きいのは B で,イが正しい。割り引かずに合計すると回収額はどのシナリオも 240 万円で同じになり,差が出ない。早い時期に多く回収するシナリオほど現在価値が大きくなる。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問8(表記を一部改変)

問9

コーズリレーテッドマーケティングの特徴はどれか。

正解 

解説

コーズリレーテッドマーケティングは,商品の売上の一部を社会貢献活動を行う団体に寄付するなど,企業が社会的な課題(コーズ)への取組と自社の商品の販売とを結び付けるマーケティング手法である。社会貢献への共感を購買動機にして,販売促進とブランドイメージの向上につなげる。ウが該当する。

アは顧客との長期的な関係を重視するリレーションシップマーケティング,イは顧客の許可を得てから情報を送るパーミッションマーケティングの特徴である。エは蓄積した顧客情報を分析して活用するデータベースマーケティングや CRM の特徴である。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問9(表記を一部改変)

問10

人から人へと評判が拡散することを積極的に利用することが特徴的なマーケティング手法はどれか。

正解 

解説

バイラルマーケティングは,ウイルス(virus)が人から人へうつっていくように,商品やサービスの評判が口コミや SNS を通じて利用者から利用者へ次々に広まることを,意図的に利用するマーケティング手法である。人に伝えたくなる仕掛けや紹介の仕組みを用意して利用者自身に広めてもらうことで,少ない費用で短期間に認知を広げる。エが該当する。

アのアフィリエイトマーケティングは,他のサイトに広告を掲載してもらい,そこを経由した成果に応じて報酬を支払う手法である。イのセグメント内差別化マーケティングは,同じセグメントの中を更に細かく分け,個々の顧客に合わせて製品やサービスを変える手法である。ウのパーミッションマーケティングは,あらかじめ顧客の同意を得た上で情報を送る手法である。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問10(表記を一部改変)

問11

売り手側でのマーケティング要素 4P は,買い手側での要素 4C に対応するという考え方がある。4P の一つであるプロモーションに対応する 4C の構成要素はどれか。

正解 

解説

4P は売り手側からみたマーケティングの要素(Product,Price,Place,Promotion),4C はそれを買い手側からみた要素で,Product は顧客価値(Customer Value),Price は顧客コスト(Customer Cost),Place は利便性(Convenience),Promotion はコミュニケーション(Communication)に対応する。

プロモーション(販売促進)は,売り手から一方的に働きかけるのではなく,買い手との双方向の情報のやり取りと捉えるので,ウのコミュニケーションが正しい。アは製品,イは価格,エは流通に対応する。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問11(表記を一部改変)

問12

ペネトレーション価格戦略の説明はどれか。

正解 

解説

ペネトレーション価格戦略(市場浸透価格戦略)は,新製品の導入期に市場が受け入れやすい低めの価格を設定し,当面の利益の確保よりもまず市場シェアの獲得と普及を優先する戦略である。数量が出ることで規模の経済や経験効果が働いて原価が下がり,後から利益を確保することを狙う。イが正しい。

アは,高い価格でも購入する層から短期間で利益を回収するスキミングプライシング(上澄み吸収価格戦略)である。ウは,消費者の値頃感に合わせて価格を決める知覚価値価格設定である。エは,補完し合う複数の製品をまとめて個別の合計より安く売るバンドリング価格戦略の説明である。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問12(表記を一部改変)

問13

需要の価格弾力性を説明したものはどれか。

正解 

解説

需要の価格弾力性は,価格が変化したときに需要がどれだけ変化するかを表す指標で,需要の変化率を価格の変化率で割った比率として求める。値が大きいほど,価格を上下させたときの需要の増減が大きいことを意味し,値上げや値引きが販売数量に与える影響を判断できる。イが正しい。

アは,価格と需要の関係を表す需要曲線と,価格と供給の関係を表す供給曲線を重ねた図で,両者の交点が均衡価格を示すものである。ウは,価格のほか所得や広告,販売促進などの需要決定要因と需要との関係を表した需要関数で,需要予測に用いる。エは,累積生産量が増えるほど単位コストが下がることを表す経験曲線(習熟曲線)である。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問13(表記を一部改変)

問14

企業が実施するマクロ環境分析のうち,PEST 分析によって戦略を策定している事例はどれか。

正解 

解説

PEST 分析は,企業を取り巻くマクロ環境を,政治(Politics),経済(Economy),社会(Society),技術(Technology)の四つの観点から分析する手法である。法規制は政治,景気動向は経済,流行の推移は社会,新技術の状況は技術の観点に当たるので,エが該当する。

アは購買行動に影響する要因を分析する顧客分析,イは新規参入の脅威を分析するファイブフォース分析などの業界環境(ミクロ環境)の分析である。ウは自社の販売力や技術力といった経営資源を評価する内部環境の分析である。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問14(表記を一部改変)

問15

プロダクトイノベーションの例として,適切なものはどれか。

正解 

解説

プロダクトイノベーションは,これまでにない新しい機能や性能をもつ製品・サービスを生み出すことによる革新である。マルチコア CPU を採用して高性能で低消費電力の製品を開発するエが該当する。

ア,イ,ウは,工程管理,部品在庫の削減,製造方法の見直しなど,製品を作り出す過程を改善するものであり,プロセスイノベーションの例である。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問15(表記を一部改変)

問16

インターネットにおける広告形態のうち,インプレッション保証型広告の説明はどれか。

正解 

解説

インプレッション保証型広告は,広告が表示された回数(インプレッション)を単位として取引する広告で,契約した表示回数に達するまで掲載を続ける。掲載期間ではなく表示回数を保証するので,広告主は広告に接触した延べ回数に見合った費用を負担することになる。ウが正しい。

アは,利用者が入力したキーワードに連動して検索結果の画面に出る検索連動型広告(リスティング広告)である。イは,クリックした利用者が会員登録や購入などの成果に至ったときだけ料金が発生する成果報酬型広告である。エは,掲載する場所と期間を決めて枠を買い取る期間保証型広告の説明である。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問16(表記を一部改変)

問17

フリーミアムの特徴はどれか。

正解 

解説

フリーミアムは,free(無料)と premium(割増)を組み合わせた造語で,基本的な機能やサービスを無料で提供して多数の利用者を集め,そのうちの一部に,より高度な機能や充実した内容をもつ有料のサービスを使ってもらうことで収益を得るモデルである。無料と有料の境界が明確で,有料のサービスの優位性がはっきりしていることが,無料の利用者を有料へ導く上で欠かせない。ウが正しい。

アは,広告だけを収益源とする広告モデルの説明である。イは,全ての利用者から料金を取る従来型の有料モデルで,無料の部分をもつフリーミアムとは異なる。エは逆で,フリーミアムは多数の無料利用者を抱えても追加の費用がほとんど増えないサービスに向く考え方であり,利用者ごとのコストが大きい場合には成り立ちにくい。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問17(表記を一部改変)

問18

インターネット広告の効果指標として用いられるコンバージョン率の説明はどれか。

正解 

解説

コンバージョン率は,Web サイトの広告をクリックしてそのサイトを訪れた人のうち,会員登録や商品購入など,サイト側があらかじめ目的として設定した行動に至った顧客数の割合を表す指標である。広告が実際の成果にどれだけ結び付いたかを測るもので,エが正しい。

アは,広告が表示された回数に対してクリックされた回数の割合を表すクリック率(CTR)である。イは,顧客 1 人を獲得するのに掛かった広告コストを表す CPA(顧客獲得単価)である。ウは,広告に掛けた費用に対して何倍の収益が得られたかを表す ROAS(広告費用対効果)である。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問18(表記を一部改変)

問19

ハーシィ及びブランチャードが提唱する SL 理論の説明はどれか。

正解 

解説

ハーシィ及びブランチャードが提唱した SL 理論(Situational Leadership theory)は,唯一最適なリーダシップは存在せず,有効なスタイルは部下の成熟度によって変わるとする理論である。成熟度が低い順に,細かく指示する教示的,説明して納得させる説得的,意思決定に加わってもらう参加的,任せる委任的の四つにスタイルを分ける。イが正しい。

アは,自分が知っているか,他人が知っているかの組合せで四つの窓に分けて自己理解と対人関係を説明するジョハリの窓である。ウは,共同化,表出化,連結化,内面化のプロセスで知識が創造されるとする SECI モデルである。エは,マズローの欲求段階説である。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問19(表記を一部改変)

問20

製品 X,Y を1台製造するのに必要な部品数は,表のとおりである。製品1台当たりの利益が X,Y ともに1万円のとき,利益は最大何万円になるか。ここで,部品 A は120個,部品 B は60個まで使えるものとする。

製品1台当たりの部品数の表(単位 個)。行が部品,列が製品。部品 A:製品 X 3,製品 Y 2。部品 B:製品 X 1,製品 Y 2。

正解 

解説

製品 X の製造台数を x,製品 Y の製造台数を y とすると,部品 A の制約は 3x+2y≦120,部品 B の制約は x+2y≦60 であり,利益は x+y(万円)になる。二つの制約式を等号にして辺々引くと 2x=60 となり,x=30,y=15 でこのとき利益は 45 万円である。ほかに利益が最大になり得る点は,y=0 のとき部品 A から x=40 で 40 万円,x=0 のとき部品 B から y=30 で 30 万円である。最大は 45 万円なので,ウになる。

アの 30 は製品 Y だけを作った場合,イの 40 は製品 X だけを作った場合の利益である。エの 60 は,部品 B の制約だけを見て製品 X を 60 台作ったときの値だが,このとき部品 A が 180 個必要になり,120 個までという制約を満たさない。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問20(表記を一部改変)

問21

利用者とシステム運用担当者によるブレーンストーミングを行って,利用者の操作に起因する PC でのトラブルについて,主要なトラブルごとに原因となったと思われる操作,利用状況などを拾い上げた。トラブル対策を立てるために,ブレーンストーミングの結果を利用して原因と結果の関係を整理するのに適した図はどれか。

正解 

解説

特性要因図は,結果(特性)を魚の頭に見立て,そこへ向かう背骨から大骨・小骨と枝分かれさせて原因(要因)を書き込んでいく図で,その形から魚の骨図とも呼ばれる。原因と結果の関係を階層的に整理できるので,ブレーンストーミングで挙がった操作や利用状況などの多数の要因を,主要なトラブルという特性ごとにまとめ直すのに適している。イが正しい。

アの散布図は,二つの変量の対応する値を点で打って相関の有無を見る図である。ウのパレート図は,項目を件数の多い順に並べた棒グラフと累積比率の折れ線を組み合わせ,重点的に取り組む項目を選ぶ図である。エのヒストグラムは,測定値を区間ごとの度数の柱で表して分布の形を見る図であり,いずれも原因と結果の関係を整理するものではない。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問21(表記を一部改変)

問22

期末の決算において,表の損益計算資料が得られた。当期の営業利益は何百万円か。

損益計算資料の表(単位 百万円)。列は 項目,金額。売上高 1,500。売上原価 1,000。販売費及び一般管理費 200。営業外収益 40。営業外費用 30。

正解 

解説

営業利益は,売上高から売上原価を引いて売上総利益を求め,さらに販売費及び一般管理費を引いて求める。1,500−1,000−200=300 百万円で,イが正しい。

営業外収益と営業外費用は本業以外の損益で,営業利益には含めない。これらを加減した 300+40−30=310(ウ)は経常利益である。エの 500 は売上総利益で,アの 270 は営業外収益を加えずに営業外費用だけを引いた値である。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問22(表記を一部改変)

問23

国税関係帳簿を磁気媒体で保存する場合,法律で規定されているものはどれか。

正解 

解説

国税関係帳簿は紙での保存が原則だが,電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(電子帳簿保存法)により,自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する場合には,磁気媒体などへの電磁的記録による保存をもって帳簿の保存に代えることができる。出題当時の同法第 4 条第 1 項は,この取扱いを受けるにはあらかじめ所轄の税務署長の承認を受けることを要件としていた。アが正しい。

イは誤りで,法令が定めているのは記録の真実性と可視性を確保するための要件であって,用いる媒体の性能ではない。ウも誤りで,対象は国税関係帳簿書類であり,電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存は別の条文で定められている。エも誤りで,紙やマイクロフィルムを控えとして残す義務はない。なお,令和 3 年度の改正によって事前の承認制度は廃止され,令和 4 年 1 月 1 日以後は承認を受けなくてよい。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問23(表記を一部改変)

問24

Man-in-the-Browser 攻撃に該当するものはどれか。

正解 

解説

Man-in-the-Browser 攻撃は,PC に侵入したマルウェアが Web ブラウザの内部に入り込み,利用者がインターネットバンキングへログインしたことを検知して,ブラウザから送信されるデータを利用者にも銀行にも気付かれないように書き換える攻撃である。振込先や金額を改ざんして不正送金を行うので,イが該当する。

アは,DNS サーバのキャッシュを偽の情報に書き換えて偽サイトへ誘導する DNS キャッシュポイズニングである。ウは,正規のメールに見せかけた電子メールで偽サイトへ誘導し,口座番号などを入力させて盗み出すフィッシングである。エは,正規サイトとの間に中継サイトを置き,利用者が入力した ID とパスワードをその場で使ってなりすます中間者攻撃(MITM 攻撃)である。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問24(表記を一部改変)

問25

ディジタル証明書が失効しているかどうかをオンラインでリアルタイムに確認するためのプロトコルはどれか。

正解 

解説

OCSP(Online Certificate Status Protocol)は,デジタル証明書が失効しているかどうかを,OCSP レスポンダにオンラインで問い合わせて確認するためのプロトコルである。失効リスト(CRL)全体を取得しなくても,個々の証明書の状態をその都度確認できる。ウが該当する。

アの CHAP は PPP で接続する際にチャレンジレスポンス方式で利用者を認証するプロトコル,イの LDAP はディレクトリサービスにアクセスするプロトコル,エの SNMP はネットワーク機器を監視・管理するプロトコルである。

出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問25(表記を一部改変)