令和元年度 秋期 午前Ⅱ

令和元年度 秋期に実施されたITストラテジスト試験 午前Ⅱの全25問です。問題文・正解・解説をそのまま読めます。

この年度を解いてみる

問1

エンタープライズアーキテクチャの参照モデルのうち,BRM(Business Reference Model)として提供されるものはどれか。

正解 

解説

エンタープライズアーキテクチャ(EA)では,組織の姿を政策・業務体系,データ体系,適用処理体系,技術体系の四つの体系で捉え,その検討の雛形として参照モデルを用意する。BRM(Business Reference Model,業務参照モデル)は参照モデルの中で最も業務に近い階層に当たり,業務の分類に従って整理した業務体系・システム体系と,機能構成図や業務流れ図などの各種業務モデルを提供する。ウが正しい。

アは,アプリケーションの機能を部品として分類・体系化した SRM(Service Component Reference Model)である。イは,基盤や技術の標準仕様を示した TRM(Technical Reference Model)である。エは,組織間で共有される情報の名称・定義・属性を記述した DRM(Data Reference Model)の説明である。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問1(表記を一部改変)

問2

官民データ活用推進基本法などに基づいて進められているオープンデータバイデザインに関して,行政機関における取組の記述として,適切なものはどれか。

正解 

解説

オープンデータ基本指針では,営利目的,非営利目的を問わず二次利用可能なルールが適用され,機械判読に適し,無償で利用できる形で公開されたデータをオープンデータと定義している。オープンデータバイデザインは,公共データをオープンデータとして公開することを前提に,情報システムや業務プロセス全体の企画,整備及び運用を行う考え方である。エが適切である。

イは誤りで,オープンデータは営利目的の利用も認められる。ウも誤りで,オープンデータは国民誰もがインターネットなどを通じて利用できるように公開するものであり,行政機関同士の相互利用に限定するものではない。アも誤りで,個人情報を含むデータは公開に適さないデータとして扱われ,選択肢のような届出によってオープン化する仕組みはない。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問2(表記を一部改変)

問3

SCOR(Supply Chain Operations Reference model)で定義している SCM に関する実行プロセスのうち,自社にとっての Source に当たるものはどれか。

正解 

解説

SCOR(Supply Chain Operations Reference model)は,サプライチェーンの業務を共通の枠組みで記述するための参照モデルである。実行プロセスを,計画(Plan),調達(Source),生産(Make),配送(Deliver),返品(Return)などに分類している。Source は,製品やサービスを作るために必要な資材などを購入・調達するプロセスなので,アが該当する。

イの受注と納入は Deliver,ウの納入後に発生する返品などの作業は Return,エのプロダクトの生産,サービスの実施は Make に当たる。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問3(表記を一部改変)

問4

EMS(Electronics Manufacturing Services)の説明として,適切なものはどれか。

正解 

解説

EMS は,自社で生産設備をもつ企業が,他社のブランドで販売される電子機器の製造を受託するサービス。複数社の製品をまとめて生産することで規模の経済を働かせ,委託側は生産設備を持たずに済む。

アは設計だけを受託しており製造を行っていない点で誤り。イは自社ブランド販売,ウは自社製造なので,いずれも受託製造ではない。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問4(表記を一部改変)

問5

システム開発における発注者と受注者であるベンダとの契約方法のうち,実費償還型契約はどれか。

正解 

解説

実費償還契約は,委託業務の遂行に要した費用を発注者が実費で負担し,これにベンダーの役務や技術に対する報酬(手数料や利益)を上乗せして支払う契約である。費用が膨らむリスクは主に発注者が負う。エが正しい。

アは契約時に合意した価格を支払う定額契約で,コスト増のリスクはベンダーが負う。イは物価や調達コストの変動に応じて金額を調整する経済価格調整付き定額契約。ウは目標コスト・利益・利益配分率・上限額を合意し,目標と実績の差に応じて利益を配分する定額インセンティブフィー契約で,いずれも実費償還ではない。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問5(表記を一部改変)

問6

LBO の説明はどれか。

正解 

解説

LBO(Leveraged Buyout)は,買収先企業の資産や将来生み出すキャッシュフローを担保にして金融機関などから資金を調達し,限られた手元資金で企業を買収する手法である。てこ(leverage)のように借入れで自己資金を増幅させることからこの名がある。買収後は,買収先企業が生む利益で借入金を返済していく。エが正しい。

アは,買付価格・期間・株数を公告して市場外で株式を買い集める TOB(株式公開買付け)である。イは,現経営陣や事業部門の責任者が自社の株式を取得して経営権を握る MBO(Management Buyout)である。ウは,投資会社が不振企業の株式の過半数を取得し,経営陣を送り込んで価値を高めるハンズオン型の投資の説明である。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問6(表記を一部改変)

問7

アンゾフの成長マトリクスを説明したものはどれか。

正解 

解説

アンゾフの成長マトリクスは,製品(既存・新規)と市場(既存・新規)の二つの軸の組合せで,企業の成長戦略を四つに分ける枠組みである。既存製品を既存市場で深耕する市場浸透,既存製品を新しい市場に広げる市場拡大(市場開拓),既存市場に新製品を投入する製品開発,新製品を新市場に出す多角化からなり,この四つに分類して事業の方向性を検討する。ウが正しい。

アは,強み・弱み・機会・脅威の四つの要因で環境を整理する SWOT 分析である。イは,財務,顧客,内部ビジネスプロセス,学習と成長の四つの視点から戦略を具体化するバランススコアカード(BSC)である。エは,製品ライフサイクルの段階に応じて戦略を考える手法の説明である。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問7(表記を一部改変)

問8

ブランド戦略のうち,ブランド拡張を説明したものはどれか。

正解 

解説

ブランド拡張(ブランドエクステンション)は,市場で確立した既存のブランドネームを他の商品にも使い,そのブランドに対する認知や信頼をそのまま新しい商品に生かして販売効果を高める戦略である。広告費をかけ直さずに新商品を市場に受け入れてもらえる一方,拡張先での評判が元のブランドにも及ぶ点に注意が要る。イが正しい。

アは,ブランドネームはそのままで狙う市場セグメントを変える市場開拓の考え方である。ウは,市場は変えずにブランドネームだけを新しいものに入れ替えるブランドの置換えである。エは,同一カテゴリの中で複数のブランドを使い分けて売場を押さえるマルチブランド戦略の説明である。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問8(表記を一部改変)

問9

目標とする投資収益率を実現するように価格を設定する手法はどれか。

正解 

解説

ターゲットリターン価格設定(目標収益率価格設定)は,投下した資本に対して目標とする投資収益率が得られるように価格を決める手法である。想定する販売数量のもとで総費用を求め,これに目標収益率を達成するのに必要な利益額を上乗せして,1 単位当たりの価格を算出する。ウが正しい。

アの実勢価格設定は,競合他社の価格や業界の相場を基準にして価格を決める手法である。イの需要価格設定は,需要の強さや顧客層ごとの支払意思に応じて価格を変える手法である。エの知覚価値価格設定は,消費者がその製品に感じている価値を基に価格を決める手法である。いずれも自社の投資収益率から価格を導くものではない。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問9(表記を一部改変)

問10

ペネトレーション価格戦略の説明はどれか。

正解 

解説

ペネトレーション価格戦略(市場浸透価格戦略)は,新製品の導入期に市場が受け入れやすい低めの価格を設定し,当面の利益の確保よりもまず市場シェアの獲得と普及を優先する戦略である。数量が出ることで規模の経済や経験効果が働いて原価が下がり,後から利益を確保することを狙う。イが正しい。

アは,高い価格でも購入する層から短期間で利益を回収するスキミングプライシング(上澄み吸収価格戦略)である。ウは,消費者の値頃感に合わせて価格を決める知覚価値価格設定である。エは,補完し合う複数の製品をまとめて個別の合計より安く売るバンドリング価格戦略の説明である。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問10(表記を一部改変)

問11

企業や組織の目標管理の仕組みとして OKR(Objectives and Key Results)を活用するとき,OKR の目標(Objectives)及び主な結果(Key Results)に関する記述として,適切なものはどれか。

正解 

解説

OKR(Objectives and Key Results)は,達成したい目標(Objectives)と,その達成度を測る主な結果(Key Results)を組にして掲げる目標管理の仕組みである。目標は,一定期間で目指す挑戦的な到達点を人を鼓舞する言葉で表し,主な結果は,その目標にどれだけ近づいたかを誰が見ても同じように判断できるよう定量的な指標で表す。ウが適切である。

アは,主な結果を定性的・主観的なままにすると達成度を測れなくなるので誤りである。エは,目標と主な結果の性質を入れ替えているので誤りである。イは誤りで,OKR では会社の目標を事業部や個人の目標へつなげ,自分の OKR が上位の OKR のどこに結び付くかを組織全体で共有する。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問11(表記を一部改変)

問12

図は,シックスシグマの基本となる日常業務の効率や品質の向上を目指す継続的改善サイクルである DMAIC の活動フェーズである。c に該当するものはどれか。ここで,ア〜エは a〜d のいずれかに対応する。

“定義”から a へ矢印が向かい,a から b へ,b から c(太枠)へ,c から d へ矢印が向かう。d から a へ戻る矢印がある。

正解 

解説

シックスシグマの継続的改善サイクルは DMAIC と呼ばれ,定義(Define),測定(Measure),分析(Analyze),改善(Improve),定着・管理(Control)の順に進める。改善の対象と目標を定義した後,現状を測定し,測定結果から問題の原因を分析して,原因を取り除く改善策を実施し,その効果を維持するように定着させる。

図の a は測定,b は分析,c は改善,d は定着に当たる。c は改善であり,アになる。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問12(表記を一部改変)

問13

ファイブフォース分析において,企業の競争力に影響を与える五つの要因として,新規参入者の脅威,バイヤの交渉力,競争業者間の敵対関係,代替製品の脅威と,もう一つはどれか。

正解 

解説

ポーターのファイブフォース分析は,業界の収益性を左右する競争要因を,新規参入者の脅威,代替製品の脅威,バイヤ(買い手)の交渉力,サプライヤ(売り手)の交渉力,競争業者間の敵対関係の五つに整理したものである。問題文に挙がっていない残りの一つはサプライヤの交渉力なので,アが正しい。

イの自社製品の品質は,業界の構造を決める力ではなく,自社が競争の中でどう戦うかという内部の問題である。ウの消費者の購買力は,既に挙がっているバイヤの交渉力に含めて扱うものである。エの政府の規制は,新規参入の障壁を左右する外部環境として考慮されることはあるが,五つの要因そのものには含まれない。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問13(表記を一部改変)

問14

コールセンタシステムにおける IVR を説明したものはどれか。

正解 

解説

IVR(Interactive Voice Response)は,かかってきた電話に自動で応答し,音声ガイダンスに従って顧客が電話機のボタンを押すと,その操作に応じて必要な情報を選んで流したり,合成音声で回答したりする仕組みである。オペレータにつなぐ前に用件を振り分けたり,定型的な問合せをオペレータを介さずに処理したりできる。イが正しい。

アは,外線と内線,内線同士を接続する構内交換機(PBX)である。ウは,コンピュータと電話を統合し,着信と同時に発信者の顧客情報をオペレータの画面に表示する CTI である。エは,着信をあらかじめ決めたルールで空いているオペレータ 1 人に振り分ける ACD(着信呼自動分配)の説明である。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問14(表記を一部改変)

問15

企業と大学との共同研究に関する記述として,適切なものはどれか。

正解 

解説

大学と企業との共同研究は,大学の教職員と企業の研究者が同じ課題に対等の立場で共同して取り組む制度である。企業が負担する研究経費は,研究の実施に必要な費用を賄うものであって,企業が発注者,大学が受注者という関係を作るものではない。この点で,企業から委ねられた研究を大学側だけで実施する受託研究とは異なるので,ウが適切である。

アは誤りで,TLO は大学等技術移転促進法に基づき承認を受けた技術移転機関で,研究成果の特許化と民間への実施許諾を担う。共同研究を実施する機関ではなく,全ての大学に置かれているわけでもない。イも誤りで,特許法が特許を受ける権利の起点とするのは実際に発明をした自然人であり,法人を発明者とすることはできない。エも誤りで,国立大学法人の共同研究でも企業が経費の一部又は全部を負担するのが通例である。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問15(表記を一部改変)

問16

Web サイト上で実行されるスマートコントラクトの説明はどれか。

正解 

解説

スマートコントラクトは,契約の執行条件と契約内容をあらかじめプログラムの形で基盤上に定義しておき,条件に合致する事象が起きたことを基盤が確認すると,契約内容が自動で執行される仕組みである。ブロックチェーンのように改ざんが難しく記録が共有される基盤の上に置くことで,当事者以外が内容を保証しなくても取引を成立させられる。イが正しい。

アは誤りで,スマートコントラクトは第三者機関を介さずに執行できることが特徴である。ウも誤りで,決済に暗号資産を使うかどうかはスマートコントラクトの要件ではない。エも誤りで,証券の取引や権利の移転,保険金の自動支払など,インターネット通販以外の分野にも適用される。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問16(表記を一部改変)

問17

インターネットにおける広告形態のうち,インプレッション保証型広告の説明はどれか。

正解 

解説

インプレッション保証型広告は,広告が表示された回数(インプレッション)を単位として取引する広告で,契約した表示回数に達するまで掲載を続ける。掲載期間ではなく表示回数を保証するので,広告主は広告に接触した延べ回数に見合った費用を負担することになる。ウが正しい。

アは,利用者が入力したキーワードに連動して検索結果の画面に出る検索連動型広告(リスティング広告)である。イは,クリックした利用者が会員登録や購入などの成果に至ったときだけ料金が発生する成果報酬型広告である。エは,掲載する場所と期間を決めて枠を買い取る期間保証型広告の説明である。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問17(表記を一部改変)

問18

EC サイトが実施した 3 種類のバナー広告 A〜C について,広告費用,バナー広告クリック数,各バナー広告からサイトにアクセスして商品を購入した人数は表のとおりである。コンバージョン率,顧客獲得単価(商品購入者数 1 人当たりの広告費用)の説明として正しいものはどれか。

表。列はバナー広告 A,バナー広告 B,バナー広告 C。広告費用(円):A 150,000,B 750,000,C 1,000,000。バナー広告クリック数(サイトアクセス数)(回):A 300,B 500,C 600。商品購入者数(人):A 6,B 25,C 30。

正解 

解説

コンバージョン率は,サイトへのアクセス数に対する商品購入者数の割合である。A は 6÷300=2%,B は 25÷500=5%,C は 30÷600=5% で,A が最も低い。顧客獲得単価は広告費用を商品購入者数で割った値なので,A は 150,000÷6=25,000 円,B は 750,000÷25=30,000 円,C は 1,000,000÷30=約 33,333 円で,A が最も安い。A についての記述が両方とも合っているイが正しい。

アは,コンバージョン率が 2%,5%,5% と同一ではないので誤りである。ウは,B と C のコンバージョン率がともに 5% である点は合っているが,顧客獲得単価は A が 25,000 円,C が約 33,333 円で同一ではない。エは,C の顧客獲得単価が最も高い点は合っているが,コンバージョン率が最も低いのは A である。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問18(表記を一部改変)

問19

予測手法の一つであるデルファイ法の説明はどれか。

正解 

解説

デルファイ法は,複数の専門家に同じ質問のアンケートを繰り返し,前回の全体の回答傾向を示しながら回答し直してもらうことで,意見を収束させて予測を得る手法。匿名で行うため,声の大きい人に引きずられにくい点が特徴になる。エが正しい。

アは景気動向指数のように先行指標から予測する方法。イは計量モデルによる予測。ウはクロスセクション分析(横断面分析)で,いずれも専門家の意見を集約する手法ではない。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問19(表記を一部改変)

問20

ベイズ統計の説明として,適切なものはどれか。

正解 

解説

ベイズ統計は,ベイズの定理を基礎にした統計の考え方である。データを得る前にもっている確率の見込み(事前分布)を,観測したデータによって更新し,事後分布を求める。新しいデータが得られるたびに推定を更新できるので,機械学習や,単語の出現確率から迷惑メールかどうかを判定する迷惑メールフィルターなどに利用されている。イが該当する。

ウは,収集したデータの代表値や分布を求めてデータの特徴を捉える記述統計の説明である。アは貿易統計など公的な経済統計の作成に関する説明,エはオープンデータの利用に関する説明であり,いずれもベイズ統計ではない。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問20(表記を一部改変)

問21

製品 X,Y を 1 台製造するのに必要な部品数は,表のとおりである。製品 1 台当たりの利益が X,Y ともに 1 万円のとき,利益は最大何万円になるか。ここで,部品 A は 120 個,部品 B は 60 個まで使えるものとする。

表(単位 個)。行は部品,列は製品。部品 A:製品 X 3,製品 Y 2。部品 B:製品 X 1,製品 Y 2。

正解 

解説

製品 X の製造台数を x,製品 Y の製造台数を y とすると,部品 A の制約は 3x+2y≦120,部品 B の制約は x+2y≦60 であり,利益は x+y(万円)になる。二つの制約式を等号にして辺々引くと 2x=60 となり,x=30,y=15 でこのとき利益は 45 万円である。ほかに利益が最大になり得る点は,y=0 のとき部品 A から x=40 で 40 万円,x=0 のとき部品 B から y=30 で 30 万円である。最大は 45 万円なので,ウになる。

アの 30 は製品 Y だけを作った場合,イの 40 は製品 X だけを作った場合の利益である。エの 60 は,部品 B の制約だけを見て製品 X を 60 台作ったときの値だが,このとき部品 A が 180 個必要になり,120 個までという制約を満たさない。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問21(表記を一部改変)

問22

投資効果の評価に用いられる内部収益率法(IRR 法)を説明したものはどれか。

正解 

解説

内部収益率法(IRR 法)は,投資によって将来得られる現金収入を現在価値に割り引いた額が投資額とちょうど等しくなるような割引率(内部収益率)を求め,それが資本コストなどの基準となる割引率よりも大きければ有利と評価する方法である。ウが正しい。

アは,収入と支出を現在価値に置き換えた差額の大小で判断する正味現在価値法(NPV 法)である。イは,投下した資金を何年で回収できるかで判断する回収期間法である。エは,年々の平均現金流入額を投資額で割った投資利益率で判断する投資利益率法(ROI 法)の説明である。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問22(表記を一部改変)

問23

基準値を超える鉛,水銀などの有害物質を電気・電子機器に使用することを制限するために,欧州連合が制定し,施行しているものはどれか。

正解 

解説

RoHS 指令は,電気・電子機器に鉛,水銀,カドミウム,六価クロムなどの特定有害物質を基準値を超えて含むことを制限する欧州連合(EU)の指令である。イが正しい。

アの ISO 14001 は環境マネジメントシステムの国際規格。ウの WEEE 指令は,使用済みの電気・電子機器の回収やリサイクルを製造者などに求める EU の指令で,有害物質の使用制限ではない。エのグリーン購入法は,国などに環境負荷の少ない製品の調達を求める日本の法律である。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問23(表記を一部改変)

問24

DNS 水責め攻撃(ランダムサブドメイン攻撃)はどれか。

正解 

解説

DNS 水責め攻撃は,標的のドメインについて存在しないサブドメイン名をランダムに大量生成して問い合わせる攻撃。キャッシュに載っていないので問合せが必ず権威 DNS サーバまで届き,その処理能力を使い果たさせる。

アは偽の情報をキャッシュに覚え込ませる DNS キャッシュポイズニング,ウとエは大量の,あるいはサイズの大きい DNS レスポンスを送り付ける DNS リフレクション攻撃(DNS amp 攻撃)である。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問24(表記を一部改変)

問25

暗号技術のうち,共通鍵暗号方式はどれか。

正解 

解説

AES(Advanced Encryption Standard)は,暗号化と復号に同じ鍵を使う共通鍵暗号方式で,米国の標準暗号として採用され,無線 LAN の WPA2 や TLS など広く使われている。アが正しい。

イの ElGamal 暗号,ウの RSA,エの楕円曲線暗号は,いずれも暗号化に公開鍵,復号に秘密鍵を使う公開鍵暗号方式である。RSA は大きな数の素因数分解の難しさ,ElGamal 暗号と楕円曲線暗号は離散対数問題の難しさを安全性の根拠にしている。

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問25(表記を一部改変)