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用語解説

無線 LAN(WPA2・WPA3・CSMA/CA)

無線 LAN は電波が壁を越えて届くので,誰に聞かれても困らないように暗号化し,誰が接続してよいかを確かめることが欠かせません。 情報処理安全確保支援士とネットワークスペシャリストの科目A-2(午前Ⅱ)で繰り返し出ていて,ほかの区分にも出ます。 暗号化の方式の世代と,有線の LAN と違うアクセス制御の仕組みを押さえましょう。

暗号化の方式

方式暗号化ひとことで
WEPRC4最初の方式。鍵が短く固定で,すぐに破られる。使ってはいけない
WPATKIP(RC4)WEP の弱さを急いで補った方式。鍵を通信の途中で更新する
WPA2CCMP(AES)暗号化アルゴリズムに AES を使う。長く標準として使われてきた
WPA3AESWPA2 の後継。パスワードを総当たりで推測する攻撃に強い認証(SAE)を使う
Enhanced OpenAESパスワードなしで暗号化する。公衆無線 LAN 向け(RFC 8110)

WPA2 と WPA3 には,認証のしかたで2つの形があります。 Personal(PSK)は,アクセスポイントと端末に同じパスワード(事前共有鍵)を設定し,それを知っている端末だけを接続させます。家庭や小さな事務所向けです。 Enterpriseは,IEEE 802.1X に沿って利用者を一人ずつ認証し,暗号化の鍵を利用者ごとに動的に配ります。企業向けです。

公開セミナーのように参加者が毎回変わる場で PSK を使うなら,事前共有鍵をセミナーごとに変えます。変えないと,前の回の参加者も接続できてしまいます。

IEEE 802.1X と RADIUS

IEEE 802.1X は,アクセスポイントが EAP を使って利用者(クライアント)を認証する枠組みです。 アクセスポイントが認証の窓口(オーセンティケータ)になり,利用者の情報を管理する RADIUS サーバに問い合わせます。 このためアクセスポイントには,オーセンティケータと RADIUS クライアントの機能を持たせます。 アクセスポイントが何台あっても,利用者の情報は RADIUS サーバの1か所で管理できます。仕組みは IEEE 802.1X・RADIUS のページにあります。

規格と周波数帯

IEEE 802.11b・802.11g2.4 GHz 帯
IEEE 802.11a5 GHz 帯
IEEE 802.11n2.4 GHz 帯と 5 GHz 帯
IEEE 802.11ac5 GHz 帯

2.4 GHz 帯は免許なしで使える帯域で,Bluetooth や電子レンジとも重なるため,電波が干渉しやすい帯域です。 ネットワークの名前の SSID は最長32オクテットで,端末が接続するアクセスポイントを選ぶのに使います。 SSID を隠したり,MAC アドレスで接続を制限したりするだけでは,盗聴や成りすましは防げません。

CSMA/CA と隠れ端末問題

有線の LAN(CSMA/CD)は,送信しながら衝突を検出できます。無線では,自分が送信している間はほかの電波を聞き取れないので,衝突を検出できません。 そこで無線 LAN は CSMA/CA(衝突回避)を使います。電波が空いているのを確かめたうえで,さらにランダムな時間待ってから送信し, 受信した側は確認応答(ACK)を返します。ACK が返ってこなければ,衝突したとみなして送り直します。 どちらも「キャリア信号を検出し,データの送信を制御する」点は共通です。

隠れ端末問題は,2台の端末がどちらもアクセスポイントとは通信できるのに,互いの電波は届かない状況で起きます。 相手が送信中だと気づけないので,同時に送ってアクセスポイントで衝突しやすくなります。 送信の前に RTS・CTS という短い信号をやり取りして,送信の権利を予約する対策があります。

試験での問われ方

当サイトが収録している科目A(午前)の問題のうち,無線 LAN・WPA・SSID・CSMA/CA などの語が出てくるのは56問です。 型ごとに数えると次のとおりです。

出題された過去問(56問)

リンク先の年度ページで,問題と解説を読めます。

科目A-1(午前Ⅰ・高度試験 共通)(3問)
  • 令和4年度 秋期 問15家庭内で,PC を無線 LAN ルータを介してインターネットに接続するとき,期待できるセキュリテ…
  • 平成29年度 春期 問15無線 LAN 環境における WPA2-PSK の機能はどれか。
  • 平成26年度 秋期 問15無線 LAN を利用するとき,セキュリティ方式として WPA2 を選択することで利用される暗号化…
情報処理安全確保支援士 科目A-2(午前Ⅱ)(25問)
  • 令和7年度 秋期 問17無線 LAN で使用される規格 IEEE 802.1X が規定しているものはどれか。
  • 令和6年度 秋期 問17利用者認証情報を管理するサーバ 1 台と複数のアクセスポイントで構成された無線 LAN 環境を実…
  • 令和6年度 春期 問12不特定多数の利用者に無料で開放されている公衆無線 LAN サービスのアクセスポイントと端末で利用…
  • 令和5年度 春期 問14無線 LAN の暗号化通信を実装するための規格に関する記述のうち,適切なものはどれか。
  • 令和4年度 秋期 問17無線 LAN のアクセスポイントがもつプライバシーセパレータ機能(アクセスポイントアイソレーショ…
  • 令和4年度 春期 問17利用者認証情報を管理するサーバ 1 台と複数のアクセスポイントで構成された無線 LAN 環境を実…
  • 令和4年度 春期 問18IEEE 802.11a/b/g/n で採用されているアクセス制御方式はどれか。
  • 令和3年度 秋期 問15無線 LAN の暗号化通信を実装するための規格に関する記述のうち,適切なものはどれか。
  • 令和3年度 春期 問17RFC 8110 に基づいたものであり,公衆無線 LAN などでパスフレーズなどでの認証なしに,…
  • 平成31年度 春期 問13無線 LAN の情報セキュリティ対策に関する記述のうち,適切なものはどれか。
  • 平成31年度 春期 問18無線 LAN の隠れ端末問題の説明として,適切なものはどれか。
  • 平成30年度 秋期 問17利用者認証情報を管理するサーバ1台と複数のアクセスポイントで構成された無線 LAN 環境を実現し…
  • 平成30年度 秋期 問20日本国内において,無線 LAN の規格 IEEE 802.11n 及び IEEE 802.11a…
  • 平成29年度 秋期 問17無線 LAN の情報セキュリティ対策に関する記述のうち,適切なものはどれか。
  • 平成29年度 春期 問17利用者認証情報を管理するサーバ 1 台と複数のアクセスポイントで構成された無線 LAN 環境を実…
  • 平成29年度 春期 問20IEEE 802.11a/b/g/n で採用されているアクセス制御方式はどれか。
  • 平成28年度 春期 問18無線 LAN で用いられる SSID の説明として,適切なものはどれか。
  • 平成26年度 春期 問13無線 LAN のセキュリティ対策に関する記述のうち,適切なものはどれか。
  • 平成25年度 秋期 問4無線 LAN における WPA2 の特徴はどれか。
  • 平成25年度 春期 問7無線 LAN 環境に複数台の PC,複数のアクセスポイント及び利用者認証情報を管理する 1 台の…
  • 平成25年度 春期 問17IEEE 802.11a や IEEE 802.11b で採用されているアクセス制御方式はどれか…
  • 平成24年度 春期 問11有料の公衆無線 LAN サービスにおいて実施される,ネットワークサービスの不正利用に対するセキュ…
  • 平成24年度 春期 問17無線 LAN で用いられる SSID の説明として,適切なものはどれか。
  • 平成22年度 秋期 問14無線 LAN における通信の暗号化の仕組みに関する記述のうち,適切なものはどれか。
  • 平成21年度 秋期 問13レイヤ2スイッチや無線 LAN アクセスポイントで接続を許可する仕組みはどれか。
ネットワークスペシャリスト 科目A-2(午前Ⅱ)(20問)
ITサービスマネージャ 科目A-2(午前Ⅱ)(3問)
  • 平成28年度 秋期 問24無線 LAN のセキュリティ方式として WPA2 を選択するとき,利用される暗号化アルゴリズムは…
  • 平成24年度 秋期 問22無線 LAN の規格である IEEE 802.11b 及び IEEE 802.11g に関する記…
  • 平成24年度 秋期 問24家庭内で,PC を無線 LAN とブロードバンドルータを介してインターネットに接続するとき,期待…
システムアーキテクト 科目A-2(午前Ⅱ)(3問)
ITストラテジスト 科目A-2(午前Ⅱ)(2問)
  • 令和4年度 春期 問25参加者が毎回変わる 100 名程度の公開セミナにおいて,参加者に対して無線 LAN 接続環境を提…
  • 平成28年度 秋期 問25無線 LAN のセキュリティ方式として WPA2 を選択するとき,利用される暗号化アルゴリズムは…

関連する用語

IEEE 802.1X・RADIUS(ネットワークの利用者認証) CSMA/CD・CSMA/CA 共通鍵暗号と公開鍵暗号