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応用情報技術者試験

令和7年度 秋期 科目A(午前)

令和7年度 秋期に実施された応用情報技術者試験 午前(2026年度からの科目A)の全80問に,運営者が独自に書いた解説を付けています。正解の理由に加えて,多くの問題でほかの選択肢がなぜ誤りなのかも説明しています。

この試験について:応用情報技術者試験について

この年度を解いてみる

問1

A,B,C,D を論理変数とするとき,次のカルノー図と等価な論理式はどれか。ここで,・は論理積,+は論理和,X は X の否定を表す。

カルノー図。行は AB(00,01,11,10),列は CD(00,01,11,10)。AB=00 の行は 1,0,0,1。AB=01 の行は 0,1,1,0。AB=11 の行は 0,1,1,0。AB=10 の行は 0,0,0,0。

正解 エ

解説

カルノー図の1のマスをまとめる。AB=01 と 11 の行(B=1)で,CD=01 と 11 の列(D=1)にある四つの1は,A と C の値に関係なく B=1,D=1 のときなので B・D にまとまる。残る AB=00 の行の CD=00 と CD=10 の1は,左右の端が隣接しているとみなして一つにまとめられ,A=0,B=0,D=0 のときなので Ā・B・D となる。

よって論理式は Ā・B・D+B・D で,エが正しい。アとウの B・D は AB=10 の行の CD=00,10 にも1を置くことになるが,その行はすべて0なので誤り。イの Ā・B・C・D は AB=00,CD=10 のマスの1を表していない。

カルノー図の1をまとめる B=1 の行(AB=01,11)で D=1 の列(CD=01,11)にある4つの1は,A と C に関係なく B・D。AB=00 の行の CD=00 と CD=10 の1は,左右の端がつながっているとみなして1つにまとめ,Ā・B̄・D̄。全体は Ā・B̄・D̄+B・D。 AB\CD 00 01 11 10 00 1 0 0 1 01 0 1 1 0 11 0 1 1 0 10 0 0 0 0 B・D(実線)+ A・B・D(破線:両端がつながる)
左右の端(上下の端)は隣どうし。大きな四角でまとめるほど式が短くなる

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問1(表記を一部改変)

問2

コンピュータによる伝票処理システムがある。このシステムは,伝票データをためる待ち行列をもち,M/M/1 の待ち行列モデルが適用できるものとする。平均待ち時間が T 秒以上となるのは,システムの利用率が少なくとも何%以上となったときか。ここで,伝票データをためる待ち行列の特徴は次のとおりである。

正解 イ

解説

M/M/1 では平均待ち時間=平均処理時間×ρ/(1−ρ)(ρ は利用率)で表せる。1件の処理時間の平均が T 秒なので,平均待ち時間が T 秒以上になるのは ρ/(1−ρ)≧1 のとき。これを解くと ρ≧1−ρ,すなわち ρ≧0.5 となり,利用率50%以上。イが正しい。

利用率が50%のとき待ち時間はちょうど T と等しくなり,それを超えると待つ時間のほうが処理時間より長くなる。ウの67%では 0.67/0.33 で約2倍,エの80%では0.8/0.2 で4倍まで伸びる。アの33%では約0.5倍で T に届かない。

M/M/1 の待ち時間と利用率 M/M/1 の平均待ち時間は 平均処理時間×ρ÷(1−ρ)(ρ は利用率)。ρ=0.5 で係数が1になり,待ち時間が処理時間と同じになる。ρ=0.67 で2倍,0.8 で4倍,0.9 で9倍と,1に近づくと急に長くなる。 0.5 → 1倍 0.8 → 4倍 0.9 → 9倍 1 利用率 ρ ρ÷(1−ρ)(待ち時間 ÷ 処理時間)
利用率が50%を超えると待ち時間が処理時間を超え,1に近づくと急増する

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問2(表記を一部改変)

問3

AI における機械学習において,2クラス分類モデルの評価方法の一つである ROC 曲線で用いられる偽陽性率の説明として,最も適切なものはどれか。ここで,分類されるデータには正しいものと間違っているものが含まれるものとする。

正解 イ

解説

ROC 曲線は,横軸に偽陽性率,縦軸に真陽性率をとって分類モデルの性能を表す。“正しい”を陽性とすると,偽陽性率は,実際には“間違い”(陰性)であるデータのうち,誤って“正しい”(陽性)と予測したものの割合で,偽陽性の件数÷(偽陽性+真陰性の件数) で求める。イが該当する。

アは“間違い”と予測したデータを分母にしており,偽陽性率ではない(陰性と予測したものに含まれる見逃しの割合)。ウは実際に“間違い”のデータを正しく“間違い”と予測した割合で,特異度(真陰性率)に当たり,1 から引くと偽陽性率になる。エは全データに対する予測の誤りの割合で,誤分類率(1−正解率)である。

ROC 曲線と偽陽性率 “正しい”を陽性とする。真陽性率は,実際に正しいデータのうち正しいと予測できた割合 TP÷(TP+FN)。偽陽性率は,実際は間違いのデータのうち誤って正しいと予測した割合 FP÷(FP+TN)。判定のしきい値を変えながら,横軸に偽陽性率,縦軸に真陽性率を描いたのが ROC 曲線で,左上に寄るほど(曲線の下の面積 AUC が1に近いほど)よいモデル。 予測 正しい 間違い 正 TP FN 誤 FP TN 実際 真陽性率=TP÷(TP+FN) 偽陽性率=FP÷(FP+TN) 偽陽性率 真陽性率 でたらめ 左上に寄るほどよい(AUC)
偽陽性率の分母は「実際は間違い(陰性)」のデータ

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問3(表記を一部改変)

問4

誤り検出方式である CRC に関する記述として,適切なものはどれか。

正解 ウ

解説

CRC(巡回冗長検査)では,送信側で,検査対象のデータを生成多項式で割った余りを検査用のデータとして作り,これを検査対象のデータに付けて送信する。ウが適切である。

アは誤りで,検査用のデータは生成多項式の次数に応じた複数ビットの値で,1ビットではない。イは誤りで,受信側では,受信したデータ全体を送信側と同じ生成多項式で割り,余りが0なら誤りがないと判断する。エは誤りで,送信側と受信側では同じ生成多項式を用いる。

CRC:生成多項式で割った余りを付けて送る 送信側は,データを生成多項式で割った余り(複数ビット)を検査用のデータとして作り,データの後ろに付けて送る。受信側は,受け取ったデータ全体を同じ生成多項式で割り,余りが0なら誤りがないと判断する。 送信側 データ ÷ 生成多項式 → 余り データ 余り 送る 受信側 データ 余り 全体 ÷ 同じ生成多項式 余り 0 → 誤りなし 余りは生成多項式の次数 だけのビット数
送信側と受信側で同じ生成多項式を使う。余りは1ビットとは限らない

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問4(表記を一部改変)

問5

記憶領域を管理するアルゴリズムのうち,ベストフィット方式の特徴として,適切なものはどれか。

正解 イ

解説

ベストフィット方式は,要求された大きさを満たす空きブロックのうち,最も小さいものを割り当てる方式である。無駄になる部分は少なくて済むが,割り当てた後に残るすき間はごく小さくなるので,使い道のない小さな空きブロックが多数残る傾向がある。イが適切である。

アは空きブロックを先頭(下位アドレス)から探して最初に見つかったものを割り当てるファーストフィット方式の特徴。ウのハッシュ関数による検索や,エのアドレスの昇順での管理による隣接ブロックの統合は,ベストフィット方式そのものの特徴ではない。

空き領域の選び方(ファースト・ベスト・ワーストフィット) 空き領域が 30・12・50・15 の順にあり,14 の領域を求められた例。ファーストフィットは先頭から探して最初に足りる 30 を,ベストフィットは足りる中で最も小さい 15 を,ワーストフィットは最も大きい 50 を使う。ベストフィットは残りが 1 のようなごく小さな空きになりやすく,小さな空きが多数たまる。 空き領域(要求は 14) ファーストフィット 14 16 12 50 15 ベストフィット 30 12 50 14 残り1 ワーストフィット 30 12 14 36 15 ベストフィットの残り 1 は小さすぎて使い道がない
ベストフィットは無駄が小さいが,使えない小さな空きが残りやすい

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問5(表記を一部改変)

問6

異なる n 個のデータが昇順に整列された表がある。この表を m 個のデータごとのブロックに分割し,各ブロックの最後尾のデータだけを線形探索することによって,目的のデータの存在するブロックを探し出す。次に,当該ブロック内を線形探索して目的のデータを探し出す。このときの平均比較回数を表す式はどれか。ここで,m は十分に大きく,n は m の倍数とし,目的のデータは必ず表の中に存在するものとする。

正解 イ

解説

表は n/m 個のブロックに分かれる。まず各ブロックの最後尾を先頭から線形探索するので,目的のブロックに着くまでの比較回数は平均で (n/m)/2=n/(2m) 回になる。次にそのブロック内の m 個を線形探索するので,平均 m/2 回の比較が加わる。

合計の平均比較回数は m/2+n/(2m) で,イが正しい。m が十分に大きいので,線形探索の平均回数を (個数+1)/2 ではなく 個数/2 で近似している。アとウはブロック内・ブロック間の探索を平均でなく全件の回数で数えたもの,エはブロック内の探索を数えていない。

ブロックに分けた探索の平均比較回数 昇順に並んだ n 個を m 個ずつのブロックに分けると,ブロックは n/m 個。まず各ブロックの最後尾だけを先頭から調べて,目的のブロックを見つける(平均 n/(2m) 回)。次にそのブロックの m 個を調べる(平均 m/2 回)。合計 m/2 + n/(2m)。 ブロック1 ブロック2 ブロック3 ブロック4 ブロック5 ① 最後尾(塗ったマス)だけを先頭から ① ブロックは n/m 個 → 平均 n/(2m) 回 ② 見つけたブロックの m 個の中 → 平均 m/2 回 平均 = m/2 + n/(2m)
最後尾をたどる回数と,ブロックの中を調べる回数を足す

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問6(表記を一部改変)

問7

OSS として公開されているプログラム言語である Scala の特徴はどれか。

正解 ア

解説

Scala は,JVM(Java 仮想マシン)上で動作する静的型付けのプログラム言語で,クラスやオブジェクトによるオブジェクト指向プログラミングと,高階関数や不変データなどを用いる関数型プログラミングの両方を一つの言語で書ける。アが該当する。

イは誤り。クラスの継承は単一継承で,多重継承はできない(トレイトによって複数の部品の機能を取り込む)。ウは誤り。Scala のソースは通常 JVM のバイトコードにコンパイルされ,JVM が実行するので,ネイティブコードの生成は必須ではない。エは誤り。変数の型をコンパイル時に決める静的型付け言語で,型推論によって型の記述を省ける。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問7(表記を一部改変)

問8

プロセッサの高速化技法の一つとして,同時に実行可能な複数の動作を,コンパイルの段階でまとめて一つの複合命令とし,高速化を図る方式はどれか。

正解 エ

解説

VLIW(Very Long Instruction Word)は,同時に実行できる複数の命令をコンパイラが解析し,一つの長い複合命令にまとめておく方式。並列に実行できるかどうかの判断を実行時ではなくコンパイル時に済ませるので,プロセッサの制御回路を単純にしたまま並列実行による高速化を図れる。エが該当する。

アの CISC は複雑で多機能な命令を多数備えるアーキテクチャ,ウの RISC は命令を単純な固定長のものに絞り,パイプライン処理で高速化するアーキテクチャで,いずれも命令をコンパイル時にまとめる方式ではない。イの MIMD は複数のプロセッサがそれぞれ別の命令を別のデータに対して実行する並列処理の分類(フリンの分類)である。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問8(表記を一部改変)

問9

画面表示用フレームバッファがユニファイドメモリ方式であるシステムの特徴はどれか。

正解 イ

解説

ユニファイドメモリ方式は,CPU とグラフィックス処理が一つの主記憶を共有し,その一部を画面表示用のフレームバッファ(表示領域)として使う方式である。専用のメモリを別に持たないので,部品点数やコストを抑えやすい。イが該当する。

アは専用のビデオメモリをもつ方式の説明で,ユニファイドメモリ方式の逆である。ウは画面を直接駆動せず,シリアル接続の表示デバイスに描画コマンドを送って表示させる方式で,フレームバッファの方式とは別の話。エは誤り。画面の表示内容は一定の周期で繰り返し読み出して表示し続ける必要があり,表示リフレッシュは不要にならない。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問9(表記を一部改変)

問10

モーターの軸に装着された回転センサーから出力されるパルスの周期を,1MHz のクロック周波数でカウントアップするタイマーで計測したところ,10,000 カウントであった。モーターの回転数は毎秒何回転か。ここで,回転センサーはモーターの軸が1回転するごとに図のようなパルスを2回出力するものとする。

回転センサーの出力信号の波形。低レベルから立ち上がり,しばらく高レベルを保って立ち下がり,低レベルののち再び立ち上がる。最初の立上がりから次の立上がりまでが 10,000 カウントである。

正解 ア

解説

タイマーのクロックは 1MHz なので,1カウントは 1μ秒。回転センサーの出力パルスの周期が 10,000 カウントなので,周期は 10,000μ秒=10ミリ秒である。1回転ごとにパルスが2回出力されるので,1回転に要する時間は 10×2=20ミリ秒になり,毎秒の回転数は 1÷0.02=50 回転である。アが正しい。

イの 100 は,1回転に1回のパルスと取り違えた値(1÷0.01)。ウの 200 は,パルスが毎秒 100 回出ることに,1回転当たりのパルス数 2 を掛けてしまった値。エの 5,000 は,カウント数 10,000 を 2 で割っただけで,周期の単位を考えていない値である。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問10(表記を一部改変)

問11

現状の HPC (High Performance Computing) マシンの構成を,次の条件で更新することにした。更新後の,ノード数と総理論ピーク演算性能はどれか。ここで,総理論ピーク演算性能は,コア数に比例するものとする。

〔現状の構成〕

〔更新条件〕

正解 イ

解説

現状の総コア数は 8×1,000=8,000。更新条件(3)より更新後の総コア数はその4倍の 32,000 になる。一つのノードのコア数は更新条件(2)で 8×2=16 になるので,ノード数は 32,000÷16=2,000 である。一つのコアの理論ピーク演算性能は更新条件(1)で 10×2=20 GFLOPS なので,総理論ピーク演算性能は 32,000×20=640,000 GFLOPS=640 TFLOPS。イが正しい。

アは,コア当たりの性能が 10 GFLOPS のまま(32,000×10=320 TFLOPS)として求めた値。ウとエは,ノード当たりのコア数が 8 のまま(32,000÷8=4,000 ノード)として求めたもので,エの 640 TFLOPS は性能の計算だけが合っている。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問11(表記を一部改変)

問12

IaC (Infrastructure as Code) の説明として,適切なものはどれか。

正解 ウ

解説

IaC(Infrastructure as Code)は,サーバやネットワークなどの構成・設定をコード(プログラム)として記述し,専用のソフトウェアがその内容に従って自動的にシステムへ適用する考え方である。手作業による設定ミスを減らし,同じ環境を繰り返し作れる。ウが該当する。

アは OS などを何も入れていない初期状態のサーバ(ベアメタルサーバ)の説明。イは新規利用の申請に対して担当者が資源の割当てや設定を手動で行う従来の運用で,IaC が自動化の対象とするもの。エは利用者が OS やアプリケーションを自分で実装・操作できるクラウドサービス(IaaS)の説明である。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問12(表記を一部改変)

問13

コンピュータシステムの信頼性に関する記述のうち,適切なものはどれか。

正解 ア

解説

システムの稼働率は MTBF/(MTBF+MTTR) で表す。MTBF(平均故障間隔)はシステムが正常に動いている時間の平均,MTTR(平均修復時間)は故障してから回復するまでの時間の平均で,その合計が1サイクルの長さなので,稼働している時間の割合を表す。アが適切である。

イの MTBF−MTTR は意味のある指標ではない。ウは誤り。MTBF は初めて故障するまでの時間ではなく,故障から回復した後に次の故障が起きるまでの時間の平均である。エは誤り。MTTR は故障が回復した時点から次の故障までではなく,故障が発生してから回復するまでの平均時間で,これは MTBF の説明に近い。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問13(表記を一部改変)

問14

キャパシティプランニングの目的の一つに関する記述のうち,最も適切なものはどれか。

正解 イ

解説

キャパシティプランニングは,将来の業務量の増加を見込んで必要な資源をあらかじめ計画する活動。現在の応答時間を把握して長期的に監視し,将来にわたって必要な性能を保てるようにするのが目的の一つになる。イが正しい。

アのボトルネックだけに着目した変更や,ウのチューニングによるスループット向上は,いま起きている性能問題を改善する活動であって,先を見越した計画ではない。エは「パフォーマンスの問題はリソースの過剰使用によって発生する」と原因を一つに決めつけており,キャパシティプランニングの目的の説明としては適切でない。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問14(表記を一部改変)

問15

五つのジョブ A〜E に対して,ジョブの多重度が1で,処理時間順方式のスケジューリングを適用した場合,ジョブ B のターンアラウンドタイムは何秒か。ここで,OS のオーバーヘッドは考慮しないものとする。

ジョブの表(単位 秒)。列はジョブ,到着時刻,単独実行時の処理時間。A は到着 0,処理 2。B は 1,4。C は 2,3。D は 3,2。E は 4,1。

正解 エ

解説

処理時間順方式は,実行待ちのジョブのうち処理時間が最も短いものを先に実行する。時刻 0 にジョブ A が到着して 0〜2 秒を実行する。2 秒の時点で待っているのは B(処理時間 4)と C(処理時間 3)なので,短い C が 2〜5 秒を実行する。5 秒の時点では B(4),D(2),E(1)が待っているので,E が 5〜6 秒,D が 6〜8 秒を実行し,最後に B が 8〜12 秒を実行する。

ターンアラウンドタイムは到着から完了までの時間なので,ジョブ B は 12−1=11 秒で,エが正しい。アの 8 は,B が実行を始める時刻である。イの 9 とウの 10 は,どの手順で求めても出てこない値で,待ち時間や実行時間の数え間違いによるものである。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問15(表記を一部改変)

問16

一つの I2C バスに接続された二つのセンサーがある。それぞれのセンサー値を読み込む二つのタスクを排他的に制御したい。利用するリアルタイム OS の機能として,適切なものはどれか。

正解 イ

解説

一つのバスは同時に一つのタスクしか使えない共有資源なので,二つのタスクが同時に触らないようにする排他制御が要る。リアルタイム OS では,値が1のセマフォ(バイナリセマフォ)を使い,バスを使う前に獲得し,使い終わったら解放することでこれを実現する。イが正しい。

アのキューはタスク間でメッセージやデータを受け渡すための機能。ウのマルチスレッドは一つのプロセスの中で複数の処理を並行させる方式そのもので,排他制御の機能ではない。エのメモリプールは,一定の大きさのメモリ領域をあらかじめまとめて確保しておき,必要なときに取り出して使う仕組みで,これも排他制御の機能ではない。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問16(表記を一部改変)

問17

スレッドセーフの説明として,適切なものはどれか。

正解 ウ

解説

スレッドセーフは,複数のスレッドから同時に呼び出されても,処理結果や共有データが壊れたりせず,正しく動作することをいう。共有データへのアクセスを排他制御するなどして実現する。ウが該当する。

アのように複数のスレッドから呼び出されないようにするのは,スレッドセーフであることとは別で,使い方を制限しているにすぎない。イは単一のスレッドで動かすことで,複数のスレッドで動くときの安全性を示すものではない。エは競合が発生した場合に停止させる動作で,競合が起きても問題が生じないというスレッドセーフの定義とは異なる。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問17(表記を一部改変)

問18

二つのタスクが共用する二つの資源を排他的に使用するとき,デッドロックが発生するおそれがある。このデッドロックの発生を防ぐ方法はどれか。

正解 イ

解説

二つのタスクが資源を逆の順序で獲得しようとすると,一方が資源1を確保して資源2を待ち,もう一方が資源2を確保して資源1を待つ状態になり,デッドロックが起こり得る。両方のタスクで資源を獲得する順序を同じにすれば,先に資源1を得たタスクが資源2も得られるので,互いに待ち合う状態にならない。イが正しい。

ウの順序を逆にすると,まさにデッドロックが発生し得る状態になる。アとエの優先度は実行の順番に影響するだけで,資源の待ち合いは解消されない。

資源を獲得する順番とデッドロック タスク1が資源1→資源2,タスク2が資源2→資源1の逆の順番で獲得すると,タスク1が資源1を持って資源2を待ち,タスク2が資源2を持って資源1を待つ状態になり,どちらも進めない。両方のタスクが資源1→資源2の同じ順番で獲得すれば,先に資源1を得たタスクが資源2も得て終わり,もう一方はそれを待ってから進む。 逆の順番(1→2 と 2→1) タスク1 タスク2 資源1 資源2 互いに相手の資源を待つ → デッドロック 実線:持つ 破線:待つ 同じ順番(どちらも 1→2) タスク1 タスク2 資源1 資源2 タスク2は資源1を待つだけ → タスク1が終われば進める 実線:持つ 破線:待つ
獲得の順番を全てのタスクでそろえれば,待ち合いの輪ができない

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問18(表記を一部改変)

問19

4ブロックのキャッシュメモリ C0〜C3 が表に示す状態である。ここで,新たに別のブロックの内容をキャッシュメモリにロードする必要が生じたとき,C2 のブロックを置換の対象とするアルゴリズムはどれか。

キャッシュメモリの状態の表。列はキャッシュメモリ,ロード時刻(分:秒),最終参照時刻(分:秒),参照回数。C0 はロード時刻 0:00,最終参照時刻 0:08,参照回数 10。C1 は 0:03,0:06,1。C2 は 0:04,0:05,3。C3 は 0:05,0:10,5。

正解 エ

解説

C2 のブロックに当てはまる特徴を表から探す。最終参照時刻が 0:05 で4ブロックの中で最も古いので,最も長い間参照されていないブロックを置き換える LRU(Least Recently Used)なら C2 が対象になる。エが正しい。

アの FIFO は最も早くロードされたブロックを置き換えるので,ロード時刻 0:00 の C0 が対象。イの LFU は参照回数が最も少ないブロックを置き換えるので,参照回数1の C1 が対象。ウの LIFO は最も新しくロードされたブロックを置き換えるので,ロード時刻 0:05 の C3 が対象となる。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問19(表記を一部改変)

問20

図の LED 点灯回路において,LED に 10 ミリ A の電流が流れるように抵抗値を決定したときに,回路全体の消費電力に占める LED の消費電力の割合は何%か。ここで,LED の順方向電圧は 2V とし,電源の消費電力は無視するものとする。

LED 点灯回路。10V の電源,LED,抵抗が一つの閉回路に直列に接続されている。

正解 ア

解説

LED には 10mA が流れ,順方向電圧は 2V である。電源電圧は 10V なので抵抗にかかる電圧は 10−2=8V となり,抵抗値は 8V÷10mA=800Ω と決まる。LED の消費電力は 2V×10mA=20mW,抵抗の消費電力は 8V×10mA=80mW で,回路全体の消費電力は 100mW(電源電圧 10V×10mA でも同じ)。LED の割合は 20÷100=20%で,アが正しい。

イの 25 は LED と抵抗の消費電力の比(20÷80),ウの 80 は抵抗が占める割合,エの 100 は回路全体の消費電力そのものの割合である。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問20(表記を一部改変)

問21

組込みシステムのプログラムで,放された状態では 0 になり,押された状態では 1 になるスイッチの値を読み込んでいる。このプログラムによって,スイッチの値は周期的に適切なタイミングで読み込まれ,チャタリング処理などの適切な処理が行われるものとし,a が今回の値で,b が前回の値とする。このスイッチが放された状態から押された状態に変化したことを検出するための論理式はどれか。ここで,“・”は論理積,“+”は論理和,“ ̄”は論理否定を表す。

正解 ア

解説

放された状態から押された状態への変化は,前回の値 b が 0 で,今回の値 a が 1 のときである。b が 0 のとき b が 1 になるので,a と b の論理積 a・b はこのときだけ 1 になる。アが正しい。

イの ā・b は前回 1・今回 0 のときに 1 になり,押された状態から放された状態への変化を検出する。ウの a+b とエの ā+b は論理和なので,変化がなくても 1 になる場合がある。例えば a+b は押し続けている(a=1,b=1)ときや放し続けている(a=0,b=0)ときにも 1 になる。

押された瞬間を見つける a・¬b スイッチを周期的に読み,a が今回の値,b が前回の値。放された(0)から押された(1)に変わった回は,前回 b=0 で今回 a=1。¬b=1 なので a・¬b はこの回だけ1になる。押し続けている間は b=1 なので0に戻る。 a(今回) b(前回) a・¬b 押された瞬間(0 → 1)だけ 1 ¬a・b なら放された瞬間(1 → 0)を見つける
前回0・今回1 の回だけ a・¬b=1

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問21(表記を一部改変)

問22

入力が A と B,出力が Y の論理回路を動作させたとき,図のタイミングチャートが得られた。この論理回路として,適切なものはどれか。

タイミングチャート。破線で区切った時間区間ごとの値は,A が 0,0,1,0,1,0,1,B が 1,0,1,0,1,0,0,Y が 1,1,0,1,0,1,1。

正解 ウ

解説

タイミングチャートを読むと,A と B がともに 1 のときだけ Y が 0 になり,それ以外(0と0,0と1,1と0)では Y が 1 になっている。これは論理積を反転した動作,すなわち NAND である。

アの XOR は入力が異なるとき 1,イの XNOR は入力が同じとき 1,エの NOR は両方 0 のときだけ 1 になるので,いずれもタイミングチャートと合わない。

タイムチャートから論理回路を読む(NAND) A と B の組合せごとに Y を読むと,0・0,0・1,1・0 では Y=1,A と B がともに1のときだけ Y=0。両方が1のときだけ0になるのは論理積の否定(NAND)。 A B Y 両方1のときだけ Y=0 → NAND
A も B も1の区間(塗った部分)だけ Y が0

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問22(表記を一部改変)

問23

16 ビットのダウンカウンターを用い,カウンターの値が 0 になると割込みを発生するハードウェアタイマーがある。カウンターに初期値として 10 進数の 150 をセットしてタイマーをスタートすると,最初の割込みが発生するまでの時間は何マイクロ秒か。ここで,タイマーの入力クロック周波数は 16MHz を 32 分周したものとする。

正解 エ

解説

ハードウェアタイマーの入力クロックは 16MHz を 32 分周したものなので,16÷32=0.5MHz。1カウントの時間は 1÷0.5MHz=2μ秒である。ダウンカウンターに初期値 150 をセットすると,150 カウントしたところで値が 0 になり割込みが発生するので,最初の割込みまでの時間は 150×2=300μ秒。エが正しい。

アの 0.3 は 300μ秒をミリ秒に直した値で,単位が違う。イの 2 は1カウントの時間,ウの 150 は,1カウントを 1μ秒と考えて,カウント数をそのまま時間にした値である。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問23(表記を一部改変)

問24

画面サイズの制約によって,レイアウト上,常にメニューを表示しておくことが難しいときに使用する仕組みであって,三本線のアイコンを選択するとメニューが表示されるものはどれか。

正解 ウ

解説

ハンバーガーメニューは,三本線のアイコン(ハンバーガーに見える形)を選択するとメニューが表示される仕組みで,画面が小さいスマートフォンなど,常にメニューを表示しておくことが難しい画面で使われる。ウが該当する。

アのアコーディオンメニューは,見出しを選択すると,その下に項目が開閉して現れるメニュー。イのドロップダウンメニューは,メニューの項目を選択すると,その下に選択肢の一覧が現れるメニュー。エのポップアップメニューは,右クリックなどの操作をした位置に現れるメニューである。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問24(表記を一部改変)

問25

0kHz〜20kHz の帯域幅のオーディオ信号をデジタル信号に変換するのに必要な最大のサンプリング周期を標本化定理によって求めると,何マイクロ秒か。

正解 ウ

解説

標本化定理によれば,元の信号を復元できるのは,サンプリング周波数が信号に含まれる最高周波数の2倍以上のときである。最高周波数が 20kHz なので,サンプリング周波数は 40kHz 以上必要で,サンプリング周期は 1÷40,000 秒=25μ秒以下になる。必要な最大のサンプリング周期は 25μ秒で,ウが正しい。

エの 50 は,サンプリング周波数を最高周波数と同じ 20kHz とした場合(1÷20,000=50μ秒)で,2倍にしていない。アの 2.5 とイの 5 は,周期を短く求めすぎた値で,最大の周期にはならない。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問25(表記を一部改変)

問26

BASE 特性を満たし,次の特徴をもつ NoSQL データベースシステムに関する記述のうち,適切なものはどれか。

〔NoSQL データベースシステムの特徴〕

正解 イ

解説

BASE は,Basically Available(基本的に可用),Soft state(状態は厳密でなくてよい),Eventually consistent(結果整合性)の頭文字で,分散した NoSQL データベースが整合性より可用性を優先するときの特性を表す。更新はすぐに全ノードへそろわなくても,障害がなければいずれ全ノードに反映されればよいとする結果整合性の考え方で,イが該当する。

アの2相コミットで全ノードに同時に反映するのは,ACID 特性を満たす強い整合性の仕組みである。ウの,どのノードも常に同じ結果を返すのも強い整合性で,結果整合性では更新の反映途中にノードごとに異なる結果を返すことがある。エのように分断時に要求を受け付けなくするのは可用性を犠牲にして整合性を守る動作で,可用性を優先する BASE とは逆である。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問26(表記を一部改変)

問27

“売上”表への次の検索処理のうち,B+木インデックスよりもハッシュインデックスを設定した方が適切なものはどれか。ここで,インデックスを設定する列を<>内に示す。

売上(伝票番号,売上年月日,商品名,利用者 ID,店舗番号,売上金額)

正解 エ

解説

ハッシュインデックスは,検索キーをハッシュ関数で変換した値から格納位置を求めるので,値が完全に一致する検索(等価検索)を高速に行える。一方でキーの大小の順序は保たれない。エの利用者 ID が‘1001’の売上の検索は等価検索なので,B+木よりハッシュインデックスが適している。

B+木はキーを順序どおりに保つので,範囲検索や前方一致の検索に向く。アの“1万円以上”とイの“今月”(月初から月末の範囲)は範囲検索,ウの‘DB’で始まる商品名の検索は前方一致の検索であり,いずれもハッシュインデックスでは対応できず B+木が適している。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問27(表記を一部改変)

問28

関係データベースのビューに関する記述のうち,適切なものはどれか。

正解 ア

解説

ビューは CREATE VIEW ビュー名(列名, …) AS SELECT … のように列名を指定したり,SELECT 句で別名を付けたりして,基の表とは異なる列名で定義できる。アが適切である。

イは誤り。WHERE 句で条件を指定すれば,行を抜き出すビューも定義できる。ウは誤り。結合で定義したビューは,更新が基の表のどの行に対応するかを一意に決められない場合があり,結合の仕方などによって更新できないことがある。エは誤り。和両立(列の数と各列のドメインが対応する)な二つの表なら,UNION を使った和集合のビューを定義できる。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問28(表記を一部改変)

問29

RDBMS において,同じデータ項目の異なる版を用意することによって,トランザクションの同時実行性を高める仕組みはどれか。

正解 イ

解説

MVCC(Multi-Version Concurrency Control,多版同時実行制御)は,同じデータ項目の異なる版(バージョン)を保持し,読み取りには更新前の版を見せることで,読み取りと更新が互いに待たずに並行して実行できるようにする仕組みである。イが該当する。

アの2相ロッキングプロトコルは,ロックの獲得と解放を2段階に分けてトランザクションの直列可能性を保証するもので,版を使わない。ウの WAL プロトコルは,データベースの更新より先に更新ログを書き出し,障害時の回復に使う方式。エの共有ロックは,読み取り中のデータを他の読み取りと同時に使えるようにしつつ,更新を待たせるロックで,版を持つ仕組みではない。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問29(表記を一部改変)

問30

100M ビット/秒の LAN と 1G ビット/秒の LAN がある。ヘッダーを含めて 1,250 バイトのパケットを N 個送信するときに,100M ビット/秒の LAN の送信時間が 1G ビット/秒の LAN より9ミリ秒多く掛かった。N は幾らか。ここで,いずれの LAN においても,パケットの送信間隔(パケットの送信が完了してから次のパケットを送信開始するまでの時間)は1ミリ秒であり,パケット送信間隔も送信時間に含める。

正解 ウ

解説

1,250 バイトは 1,250×8=10,000 ビット。1パケットの送信に掛かる時間は,100M ビット/秒の LAN で 10,000÷(100×106)=0.1 ミリ秒,1G ビット/秒の LAN で 10,000÷109=0.01 ミリ秒であり,1パケット当たり 0.09 ミリ秒の差がある。

パケットの送信間隔はどちらの LAN も1ミリ秒で同じなので,送信時間の差には影響しない。差の合計が9ミリ秒なので,N=9÷0.09=100 となり,ウが正しい。

100M と 1G の LAN の送信時間の差 1,250 バイト=10,000 ビットのパケット1個の送信は,100M ビット/秒で 0.1 ミリ秒,1G ビット/秒で 0.01 ミリ秒。差は1個あたり 0.09 ミリ秒。送信間隔の1ミリ秒はどちらも同じなので差に入らない。9 ÷ 0.09 = 100 個。 1パケット 1,250 バイト = 10,000 ビット 100M 送信 0.1 ms 間隔 1 ms 1G 間隔 1 ms 差 0.09 ms/個 × N = 9 ms N = 100
送信間隔は同じなので,差は送信そのものの時間だけ(帯の長さは目安)

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問30(表記を一部改変)

問31

リバースプロキシの説明として,適切なものはどれか。

正解 ア

解説

リバースプロキシは,インターネット側からの要求をいったん受け付け,内部ネットワークにある公開 Web サーバへ中継する。Web サーバを直接インターネットにさらさずに済み,負荷分散や TLS 処理の肩代わり,キャッシュなどにも使われる。アが該当する。

イは通信を監視して攻撃を検知する IDS(侵入検知システム),ウはインターネットなどの上に仮想的な専用回線を作る VPN の説明。エは内部の PC からインターネットへの通信を中継する,通常の(フォワード)プロキシの説明である。

フォワードプロキシとリバースプロキシ フォワードプロキシは,組織内のクライアントの代わりにインターネット上のサーバへアクセスする(クライアント側の代理)。リバースプロキシは,インターネットから来た要求をサーバの手前で受け,内部の Web サーバに振り分ける(サーバ側の代理)。負荷分散や TLS の終端,キャッシュに使う。 フォワードプロキシ 社内 PC プロキシ 外の Web クライアント側の代理 リバースプロキシ 外の利用者 リバースプロキシ 社内 Web サーバ側の代理(振り分け・TLS 終端)
どちら側の代理か。フォワードはクライアント側,リバースはサーバ側

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問31(表記を一部改変)

問32

IPv4 のアドレス割当てを行う際に,クラス A〜C といった区分にとらわれずに,ネットワークアドレス部とホストアドレス部を任意のブロック単位に区切り,IP アドレスを無駄なく効率的に割り当てる方式はどれか。

正解 ア

解説

CIDR(Classless Inter-Domain Routing)は,クラス A~C の区分にとらわれず,ネットワークアドレス部の長さ(プレフィックス長)を任意のビット数で決めて IP アドレスを割り当てる方式である。「192.168.1.0/26」のようにプレフィックス長を付けて表し,必要な規模に合わせた無駄の少ない割当てや,複数の経路をまとめる経路集約ができる。アが該当する。

イの DHCP は IP アドレスなどの設定情報をホストに自動で配布するプロトコル,ウの DNS はドメイン名と IP アドレスを対応付ける名前解決の仕組み,エの NAPT はプライベート IP アドレスとポート番号の組をグローバル IP アドレスとポート番号の組に変換する技術である。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問32(表記を一部改変)

問33

UDP のヘッダーフィールドにはないが,TCP のヘッダーフィールドには含まれる情報はどれか。

正解 イ

解説

TCP は信頼性のある通信を行うため,ヘッダーに,送ったデータの位置を示すシーケンス番号と,受け取ったデータの位置を知らせる確認応答番号などをもつ。UDP は再送や順序制御を行わないので,これらをもたない。イが該当する。

ア(宛先ポート番号),ウ(送信元ポート番号),エ(チェックサム)は,TCP と UDP のヘッダーのどちらにも含まれる。

TCP と UDP のヘッダーの項目 TCP と UDP のどちらのヘッダーにも,送信元ポート番号と宛先ポート番号がある(アプリケーションを見分ける)。TCP にはシーケンス番号・確認応答番号・ウィンドウサイズなどもある。宛先 IP アドレスや TTL は IP ヘッダー,宛先 MAC アドレスはイーサネットのヘッダーにある。 項目 TCP UDP どこにある 送信元・宛先ポート番号 ○ ○ TCP・UDP シーケンス番号・確認応答 ○ TCP 宛先 IP アドレス・TTL IP ヘッダー 宛先 MAC アドレス イーサネット 両方にあるのは送信元ポート番号(と宛先ポート番号)
ポート番号は TCP と UDP の両方にある

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問33(表記を一部改変)

問34

複数台のレイヤー2 スイッチで構成されるネットワークが複数の経路をもつ場合に,イーサネットフレームのループが発生することがある。そのループの発生を防ぐための TCP/IP ネットワークインタフェース層のプロトコルはどれか。

正解 エ

解説

スパニングツリープロトコル(IEEE 802.1D)は,レイヤ 2 スイッチ(ブリッジ)の間で情報を交換して論理的な木構造を作り,冗長な経路上のポートの一部を通信しないブロッキング状態にすることで,イーサネットフレームのループを防ぐ。データリンク層,すなわち TCP/IP のネットワークインタフェース層で動作するプロトコルであり,エが該当する。

アの IGMP はマルチキャストグループへの参加・離脱を管理するインターネット層のプロトコル,イの RIP はルータ間で経路情報を交換するルーティングプロトコル,ウの SIP は IP 電話などでセッションの確立・終了を制御するアプリケーション層のプロトコルであり,いずれもレイヤ 2 のループ防止には使わない。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問34(表記を一部改変)

問35

ビット誤り率が 0.0001%の回線を使って,1,500 バイトのパケットを 10,000 個送信するとき,誤りが含まれるパケットの個数の期待値はおよそ幾らか。

正解 エ

解説

ビット誤り率 0.0001% は 1×10−6。1パケットは 1,500バイト=12,000ビットなので,1パケットに含まれる誤りビット数の期待値は 12,000×10−6=0.012。誤り率が十分小さいため,これはそのまま「そのパケットに誤りが含まれる確率」とみなせる。

10,000個のパケットを送るので,誤りを含むパケット数の期待値は 10,000×0.012=120個。

誤りを含むパケットの数の期待値 誤り率 0.0001% は 10⁻⁶。1パケットは 1,500 バイト=12,000 ビットなので,1パケットの誤りビット数の期待値は 0.012。誤り率が小さいので,これがそのパケットに誤りが含まれる確率とみなせて,10,000 個では 120 個。 誤り率 0.0001% 10⁻⁶ 1パケットのビット数 1,500 × 8 12,000 ビット 1パケットの誤りの期待値 12,000 × 10⁻⁶ 0.012 10,000 × 0.012 = 120 個
0.0001% = 10⁻⁶。バイトはビットに直す

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問35(表記を一部改変)

問36

サイバー攻撃の攻撃段階をモデル化したサイバーキルチェーンにおいて,“エクスプロイト”に該当する行為はどれか。

正解 イ

解説

サイバーキルチェーンは,標的型攻撃の段階を“偵察”,“武器化”,“デリバリ”,“エクスプロイト”,“インストール”,“コマンドとコントロール(C&C)”,“目的の実行”の七つに分けたモデル。エクスプロイトは,届いた攻撃コードが標的の脆弱性を突いて実行される段階で,OS の脆弱性を悪用して攻撃ツールを実行させるイが該当する。

アは標的の情報を集める“偵察”,ウは秘密情報を窃取して外部に送る“目的の実行”,エはマルウェアを添付した電子メールで攻撃コードを送り届ける“デリバリ”の段階である。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問36(表記を一部改変)

問37

デジタル署名が付与されたソフトウェアをインストールするときに,そのソフトウェアの発行元を確認するために使用する証明書はどれか。

正解 ウ

解説

コードサイニング証明書は,ソフトウェアの開発元又は発行元が署名するために使う証明書。導入前に署名を検証することで,作成者が誰であるかと,配布の途中で改ざんされていないことを確認できる。

アの EV SSL 証明書とエのサーバ証明書は Web サーバの正当性を確認するもの,イのクライアント証明書は利用者や端末を認証するもので,いずれもソフトウェアの発行元の確認には使わない。

コードサイニング証明書 ソフトウェアの発行元は,自分の秘密鍵でソフトウェアに署名し,コードサイニング証明書を付けて配る。利用者はインストールの前に,証明書の公開鍵で署名を検証し,誰が作ったかと,配る途中で改ざんされていないかを確かめる。サーバ証明書や EV SSL 証明書は Web サーバを,クライアント証明書は利用者を確かめるもの。 発行元 秘密鍵で署名 ソフトウェア +署名+証明書 利用者 証明書で検証 分かること:作ったのは誰か,改ざんされていないか サーバ証明書は Web サーバ,クライアント証明書は利用者を確かめる
署名で発行元と改ざんの有無を確かめる

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問37(表記を一部改変)

問38

サイドチャネル攻撃はどれか。

正解 ア

解説

サイドチャネル攻撃は,暗号化装置が処理を行うときの消費電力,処理時間,放射される電磁波などの物理的な情報を測定し,統計的に処理することで,装置内部の暗号鍵などの機密情報を推定する攻撃である。アが正しい。

イの攻撃者が選んだ平文と暗号文の組から数学的に鍵を推測するのは選択平文攻撃。ウの操作中の人の横から入力内容を盗み見るのはショルダーハッキング。エの不正なアクセスポイントでチャネル間の干渉を起こして通信を妨害するのは,無線 LAN への妨害攻撃である。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問38(表記を一部改変)

問39

CRL に関する記述のうち,適切なものはどれか。

正解 エ

解説

CRL(Certificate Revocation List,証明書失効リスト)は,有効期限が来る前に失効させたデジタル証明書のシリアル番号と失効日を,認証局が並べて公開するものである。鍵の危殆化や所属の変更などで証明書を無効にしたことを,検証する側に知らせるために使う。有効期限内の証明書が失効されればそのシリアル番号が載るので,エが適切である。

アの RFC 5280 は,失効した証明書の記載を有効期限が過ぎた後に取り除いてよいとしており,失効後 1 年間の記載を義務付けてはいない。イは,認証局の公開鍵が組み込まれていれば署名の検証はできるが,それは失効しているかどうかとは別の話なので,CRL(又は OCSP)の確認は省けない。ウの CRL に載るのは失効した証明書だけで,発行した全ての証明書の有効期限を並べるものではない。

CRL と OCSP の違い CRL は,認証局が有効期限内に失効させた証明書のシリアル番号と失効日時を一覧にし,署名を付けて公開するもの。利用者はリストを取ってきて自分で照らし合わせる。OCSP は,利用者が調べたい証明書を OCSP レスポンダ(VA)にオンラインで問い合わせ,有効か失効しているかの答えを受け取る。 CRL(証明書失効リスト) 認証局 CA 失効した証明書の一覧 No.1024 3/10 失効 No.2041 5/02 失効 利用者 ブラウザなど 署名して公開 取ってきて照合 載るのは有効期限内に失効した証明書のシリアル番号と日時 OCSP 利用者 ブラウザなど OCSP レスポンダ VA(検証局) この証明書は有効? 有効・失効・不明を返す その都度オンラインで問い合わせるので,最新の状態が分かる
CRL は一覧を取ってきて自分で調べる,OCSP はその都度問い合わせる

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問39(表記を一部改変)

問40

ある組織では CSIRT と PSIRT が設置されている。セキュリティインシデントのうち,PSIRT が対応するものはどれか。

正解 ア

解説

PSIRT(Product Security Incident Response Team)は,自社が提供する製品の脆弱性などに関するセキュリティインシデントに対応する組織で,顧客に販売した製品とその利用において発生したインシデントはこれに当たる。アが該当する。

CSIRT は,自組織の情報システムで発生したセキュリティインシデントに対応する組織。イ(在庫を管理するシステム),ウ(販売を管理するシステム),エ(従業員の個人情報を管理するシステム)は,いずれも組織が自ら運用する社内システムで発生したインシデントなので,CSIRT が対応する。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問40(表記を一部改変)

問41

JIS Q 27000:2019(情報セキュリティマネジメントシステム−用語)における真正性及び信頼性に対する定義 a〜d の組みのうち,適切なものはどれか。

〔定義〕

正解 ア

解説

JIS Q 27000:2019 は,真正性を“エンティティは,それが主張するとおりのものであるという特性”(b),信頼性を“意図する行動と結果とが一貫しているという特性”(a)と定義している。よって真正性 b,信頼性 a のアが適切である。

残りの定義のうち,c の“認可されたエンティティが要求したときに,アクセス及び使用が可能であるという特性”は可用性,d の“認可されていない個人,エンティティ又はプロセスに対して,情報を使用させず,また,開示しないという特性”は機密性の定義である。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問41(表記を一部改変)

問42

CSPM (Cloud Security Posture Management) はどれか。

正解 ア

解説

CSPM(Cloud Security Posture Management)は,クラウドサービスの設定を継続的に監視し,ストレージの公開設定などの不備(設定ミス)を検出して,自動的に修正したり修正を支援したりして,情報漏えいなどのリスクを低減する仕組みやサービスである。アが該当する。

イは従業員からの問合せに応じて支援するクラウドサービスで,セキュリティ設定の監視は行わない。ウは従業員による SaaS の利用状況を可視化し,ポリシー違反を検出して接続を制限するもので,CASB(Cloud Access Security Broker)が行う機能。エはファイアウォールやマルウェア検知などの機能をまとめて提供するクラウドサービス(クラウド型 UTM など)の説明である。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問42(表記を一部改変)

問43

脆弱性検査で,ホストに対してポートスキャンを行う。スキャンしたポートの状態を判定する方法のうち,適切なものはどれか。

正解 ウ

解説

UDP のポートスキャンでは,対象ポートに UDP パケットを送り,ICMP の“port unreachable”(ポート到達不能)メッセージが返ってくれば,そのポートは閉じていると判定する。応答がない場合は,開いているか,フィルタリングされている可能性がある。ウが適切である。

エは開いていると判定しており逆である。ア,イの TCP の SYN スキャンでは,SYN/ACK が返ってくればポートが開いていて接続要求が許可されたと判定し,RST/ACK が返ってくればポートが閉じていて接続が拒否されたと判定するので,いずれも判定が逆になっている。

ポートスキャンの応答と判定 TCP の SYN スキャンでは,SYN を送って SYN/ACK が返れば開いている,RST が返れば閉じている。UDP では,UDP パケットを送って ICMP の port unreachable が返れば閉じている,何も返らなければ開いているか,フィルタされている。 送るもの 返ってきたもの 判定 TCP の SYN SYN/ACK 開いている TCP の SYN RST 閉じている UDP パケット ICMP port unreachable 閉じている UDP パケット 何も返らない 開いているかも UDP は応答が無いことが多いので,閉じているときの ICMP で見分ける
UDP で ICMP port unreachable が返れば閉じている

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問43(表記を一部改変)

問44

デジタルフォレンジックスの手順は収集,検査,分析及び報告から成る。このとき,デジタルフォレンジックスの手順に含まれるものはどれか。

正解 イ

解説

デジタルフォレンジックスは,インシデントが起きた後に,法的な証拠となり得るデータを保全して解析する一連の手続。削除されたログファイルを復元して不正アクセスの痕跡を突き止めるイが,その「検査・分析」に当たる。

アは SIEM によるリアルタイム監視,ウは送信時の情報漏えい対策,エはマルウェア検査であり,いずれも事後の証拠保全・解析ではない。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問44(表記を一部改変)

問45

電子メールの送信時に,送信側メールサーバでデジタル署名を電子メールヘッダーに付与し,受信側メールサーバでそれを検証することで,送信元ドメインのなりすましや電子メールの改ざんを検知できる技術はどれか。

正解 ア

解説

DKIM(DomainKeys Identified Mail)は,送信側のメールサーバが電子メールにデジタル署名を付けて DKIM-Signature ヘッダーに入れ,受信側のメールサーバが DNS で公開された送信ドメインの公開鍵を使って署名を検証する仕組み。送信元ドメインのなりすましと,途中での改ざんを検知できる。アが該当する。

イの OP25B は,ISP が動的 IP アドレスの利用者から外部の 25 番ポートへの接続を遮断し,迷惑メールの直接送信を防ぐ対策。ウの S/MIME は送信者のメールソフトなどで本文に署名や暗号化を施すもので,メールサーバがヘッダーに署名を付ける技術ではない。エの SPF は,送信元ドメインが DNS に登録した送信サーバの IP アドレスと,実際に送ってきたサーバの IP アドレスを照合する仕組みで,デジタル署名は使わず,本文の改ざんも検知できない。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問45(表記を一部改変)

問46

ソフトウェアの要件定義における利用者の分析で活用される,ソフトウェアの利用者を役割ごとに典型的な姿として描いた仮想の人物を何と呼ぶか。

正解 エ

解説

ペルソナは,ソフトウェアの利用者を役割ごとに “典型的な一人の人物” として描いた仮想の人物像である。年齢や職業,IT の習熟度,そのソフトウェアを使う場面や動機までを具体的に書き,開発側が “誰のために作っているか” を共有できるようにする。エが該当する。

アのエピックは,アジャイル開発で大きすぎて一度では実現できない要求をまとめたもので,分割してユーザーストーリーにする。イのステークホルダは利害関係者で,実在する人や組織を指す。ウのプロダクトオーナーはスクラムの役割の一つで,プロダクトバックログの優先順位に責任をもつ実在の担当者である。いずれも “仮想の人物” ではない。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問46(表記を一部改変)

問47

UML のダイアグラムのうち,インスタンス間の関係を表現するものはどれか。

正解 イ

解説

オブジェクト図は,ある時点で存在するインスタンス(オブジェクト)と,インスタンス同士のつながり(リンク)を表す UML のダイアグラムで,クラス図の具体例を示すのに使う。イが該当する。

アのアクティビティ図は処理や業務の流れ,ウのコンポーネント図はソフトウェアを構成する部品とそのインタフェースや依存関係,エのユースケース図はアクターとシステムが提供する機能(ユースケース)の関係を表すダイアグラムである。

UML のおもな図の使い分け シーケンス図はオブジェクト間のメッセージを時間の順に,コミュニケーション図はオブジェクトのつながりに注目して相互作用を表す。ユースケース図はアクタとシステムの機能の関係(システムの範囲),アクティビティ図は処理の流れ(分岐・並行・同期),状態マシン図は1つのオブジェクトの状態の移り変わり,クラス図は静的な構造,オブジェクト図はある時点のインスタンスのつながりを表す。 図 表すもの シーケンス図 メッセージを時間の順に コミュニケーション図 オブジェクトのつながりと相互作用 ユースケース図 アクタと機能,システムの範囲 アクティビティ図 処理の流れ(分岐・並行・同期) 状態マシン図 1つのオブジェクトの状態の遷移 クラス図 クラスと関連(静的な構造) オブジェクト図 ある時点のインスタンスとリンク
時間の順はシーケンス図,範囲はユースケース図,業務の流れはアクティビティ図

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問47(表記を一部改変)

問48

エラー埋込み法を用いて残存エラー数を推定する。当初の埋込みエラーは 48 個である。テスト期間中に発見されたエラーの内訳は,埋込みエラーが 36 個,真のエラーが 42 個である。このとき,残存する真のエラーは何個と推定されるか。

正解 イ

解説

エラー埋込み法は,あらかじめ意図的に埋め込んだエラー(埋込みエラー)と,もともとあった真のエラーが,同じ割合で発見されると仮定して,残存エラー数を推定する方法である。埋込みエラー 48 個のうち 36 個が発見されたので,発見率は 36÷48=3/4。真のエラーも 3/4 が発見されたと考えると,真のエラーの総数は 42÷(3/4)=56 個と推定される。すでに 42 個発見されているので,残存する真のエラーは 56−42=14 個で,イが正しい。

アの 6 は 48−42 の値で意味のない引き算。ウの 54 は発見済みの真のエラー 42 に,残っている埋込みエラー 12 個(48−36)を足したもの。エの 56 は真のエラーの総数の推定値で,発見済みの 42 個を引いていない。

バグ埋込み法で残りのバグ数を推定する 埋め込んだバグと元からのバグが同じ割合で見つかると考える。埋め込んだ S=100 個のうち m=20 個が見つかったので,見つかる割合は 0.2。見つかった n=30 個のうち元からのバグは n−m=10 個なので,元からのバグは 10÷0.2=50 個と推定でき,残りは 50−10=40 個。式にすると m/S = (n−m)/T。 埋め込んだバグ S=100 20 見つかった割合 0.2 元からのバグ T 10 同じ 0.2 なら 50 m / S = (n − m) / T 20 / 100 = 10 / T → T = 50 残り = 50 − 10 = 40 個 n:見つかった総数 30(埋め込んだ 20 + 元からの 10) 150 は埋め込みを含めた総数の推定値(誤り)
埋め込んだバグの発見率 = 元からのバグの発見率

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問48(表記を一部改変)

問49

Web アプリケーションソフトウェアの処理方式の説明のうち,“プログレッシブ Web アプリ”の説明として,適切なものはどれか。

正解 エ

解説

プログレッシブ Web アプリ(PWA)は,ブラウザが実行するサービスワーカーの機能を使い,オフラインでの起動やバックグラウンドでのデータ同期,プッシュ通知などを可能にして,Web アプリケーションをネイティブアプリケーションのように使えるようにする仕組みである。エが該当する。

アは Web サーバ上のプログラムを呼び出して処理結果を返す,サーバ側で処理する方式(CGI など)の説明。イは Web ページの要素にメタデータを付加して,コンピュータが情報を扱えるようにするセマンティック Web の説明。ウは他のサービスが公開する WebAPI を組み合わせて新しい Web サービスを提供する,マッシュアップの説明である。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問49(表記を一部改変)

問50

委託元への著作権の移転に関する条項を含むソフトウェア開発委託契約書に,“委託先は著作者人格権を行使しない”という記載があった。これはどのような問題の発生を防ぐためのものか。

正解 エ

解説

著作者人格権(公表権,氏名表示権,同一性保持権)は著作者の一身に専属し,譲渡できない(著作権法第59条)。そのため,契約で著作権を委託元に移転しても,著作者人格権は委託先に残る。委託先が同一性保持権を行使すれば,委託元がソフトウェアを改変することに異議を唱えられるので,委託元が自社で修正したり他社に修正を依頼したりできなくなるおそれがある。これを防ぐために“行使しない”と定めるので,エが正しい。

アの技術者倫理上の責任,イの開発者の雇用,ウの不具合に対する金銭的補償(契約不適合責任など)は,いずれも著作者人格権とは関係がなく,この条項で防ぐ問題ではない。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問50(表記を一部改変)

問51

プロジェクトマネジメントにおいて,スコープを対象とするプロセスを集めた対象群“スコープ”に含まれるプロセスはどれか。

正解 ア

解説

JIS Q 21500 では,プロジェクトマネジメントのプロセスを,対象群(統合,ステークホルダ,スコープ,資源,時間,コスト,リスク,調達など)に分けて示している。対象群“スコープ”に含まれるのは,スコープの定義,WBS の作成,アクティビティの定義,スコープの管理などで,アの WBS の作成が該当する。

イの活動期間の見積りは対象群“時間”のプロセス。ウのコストの見積りとエの予算の作成は,対象群“コスト”のプロセスである。

JIS Q 21500 のプロセス群と対象群 39のプロセスを,いつ行うか(立ち上げ・計画・実行・管理・終結の5つのプロセス群)と,何を扱うか(10の対象群)の組合せで並べた表。マスの数字はそこに入るプロセスの数。リスクは計画(特定・評価),実行(対応),管理の3つに分かれる。実行のプロセス群から変更要求が管理のプロセス群に出され,承認された変更が実行に戻る。 39のプロセス =5つのプロセス群×10の対象群 変更要求 承認された変更 立ち上げ 計画 実行 管理 終結 統合 1 1 1 2 2 ステークホルダ 1 1 スコープ 3 1 資源 1 2 1 2 時間 3 1 コスト 2 1 リスク 2 1 1 品質 1 1 1 調達 1 1 1 コミュニケーション 1 1 1 計 3 16 7 11 2
数字はマスに入るプロセスの数。リスク・品質・調達・コミュニケーションは計画・実行・管理に分かれる

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問51(表記を一部改変)

問52

チームの発展段階を五つに区分したタックマンモデルによれば,メンバーの異なる考え方や価値観が明確になり,メンバーがそれぞれの意見を主張し合う段階はどれか。

正解 エ

解説

タックマンモデルは,チームが成立期(Forming)→ 動乱期(Storming)→ 安定期(Norming)→ 遂行期(Performing)→ 散会期(Adjourning)の順に発展すると考える。メンバーの考え方や価値観の違いが表に出て,互いに意見を主張し合い衝突が起きるのは動乱期で,エが正しい。

ウの成立期はメンバーが集まったばかりで互いに様子を見ている段階。アの安定期は衝突を経てチームの規範や役割が固まる段階。イの遂行期はチームが成熟して高い成果を出す段階である。

タックマンモデル チームは,成立期(互いを知る),動乱期(考え方がぶつかる),安定期(ルールや役割が固まる),遂行期(成果を出す),散会期(解散する)の順に発達する。 成立期 知り合う 動乱期 ぶつかる 安定期 まとまる 遂行期 成果を出す 散会期 解散 動乱期を乗り越えてまとまる チームの発達の段階を表すモデル
成立 → 動乱 → 安定 → 遂行 → 散会

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問52(表記を一部改変)

問53

あるプロジェクトは4月から9月までの6か月間で開発を進めており,現在のメンバー全員が9月末まで作業すれば完了する見込みである。しかし,他のプロジェクトで発生した緊急の案件に対応するために,8月初めから,4人のメンバーがプロジェクトから外れることになった。9月末に予定どおり開発を完了させるために,7月の半ばからメンバーを増員する。条件に従うとき,人件費は何万円増加するか。

〔条件〕

正解 ウ

解説

開発を予定どおり終えるには,外れる4人が8・9月に行うはずだった作業 4人×2か月=8人月に加え,引継ぎで元のメンバ4人が作業できない0.5か月分 4人×0.5か月=2人月も取り戻す必要がある。合わせて10人月の作業を8・9月の2か月で行うので,増員するメンバは 10÷2=5人。この5人は7月後半の引継ぎから9月末まで2.5か月在籍するので,人件費は 5人×2.5か月=12.5人月で1,250万円になる。

一方,外れる4人の8・9月分 4人×2か月=8人月,800万円はこのプロジェクトに計上しなくなる。増加額は 1,250−800=450万円で,ウが正しい。引継ぎ期間中に元のメンバの作業が止まる分を見落とすと,増員は4人で 4×2.5=10人月,増加額は200万円(ア)と誤る。

引継ぎのある増員と人件費 4 人が 8 月初めに抜け,7 月後半の 0.5 か月は引継ぎで元の 4 人も増員も開発をしない。取り戻すのは 4 人×2 か月=8 人月と,引継ぎで止まる 4 人×0.5 か月=2 人月の計 10 人月。8・9 月の 2 か月で行うので増員は 5 人。5 人×2.5 か月=12.5 人月(1,250 万円)が増え,抜ける 4 人の 8 人月(800 万円)が減るので,差し引き 450 万円の増加。 7月前半 7月後半 8月 9月 抜ける4人 増員5人 開発 引継ぎ 引継ぎ 開発(10人月) 取り戻す:4×2=8 人月+4×0.5=2 人月 = 10 人月 → 2か月で 5 人 増える:5×2.5=12.5 人月(1,250万円) 減る:4×2=8 人月(800万円) 差し引き 450 万円の増加
引継ぎの間は元のメンバも作業しない。その分も取り戻す

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問53(表記を一部改変)

問54

自動生産システムの増強に関する次のデシジョンツリーにおいて,新規にシステムを開発する場合の期待金額価値(EMV)は何億円か。

自動生産システムを増強するかどうかのデシジョンツリー。決定ノードから二つに分かれる。新規システム開発(投資額 50 億円)は機会ノードで,需要が大きい(確率 60%,収益 80 億円,分岐の終点 30 億円)と需要が小さい(確率 40%,収益 40 億円,分岐の終点 −10 億円)に分かれる。既存システム改修(投資額 20 億円)は機会ノードで,需要が大きい(確率 60%,収益 40 億円,分岐の終点 20 億円)と需要が小さい(確率 40%,収益 20 億円,分岐の終点 0 億円)に分かれる。凡例は,四角が決定ノード,丸が機会ノード,三角が分岐の終点。

正解 ア

解説

期待金額価値(EMV)は,起こり得る結果の金額に,それぞれの発生確率を掛けて足し合わせた値。新規システム開発を選んだ場合の分岐の終点は,需要が大きい(確率 60%)のとき 30 億円,需要が小さい(確率 40%)のとき −10 億円なので,0.6×30+0.4×(−10)=18−4=14 億円。

投資額 50 億円を改めて引くと合わない。分岐の終点に示された 30 億円と −10 億円は,収益から投資額を差し引いた後の値なので,そのまま期待値を計算する。既存システム改修の側(0.6×20+0.4×0=12 億円)と混同しないことも要点。

デシジョンツリー:新規開発の EMV 新規システム開発の枝の先には,収益から投資額を引いた値(30 億円と −10 億円)が書かれている。EMV=0.6×30+0.4×(−10)=14 億円。投資額をもう一度引かない。 新規開発(投資50) 60%:需要大 30 40%:需要小 −10 EMV 14 既存改修(投資20) 60%:需要大 20 40%:需要小 0 EMV 12 新規開発の EMV = 0.6×30 + 0.4×(−10) = 14 億円
終点の値が「投資額を引いた後」なら,そのまま期待値を取る

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問54(表記を一部改変)

問55

サービスマネジメントのサービス可用性管理において,インシデント又は将来インシデントとなる可能性のある事象について,その発生経路及び発生原因を分析し,発生確率の算出に使用できる技法はどれか。

正解 ア

解説

FTA(Fault Tree Analysis,故障の木解析)は,起こり得る望ましくない事象(インシデントなど)を頂上に置き,その原因を AND・OR の論理記号を使って木構造で下位へ分解していく,トップダウンの分析技法である。発生経路と発生原因が分かり,各原因の発生確率から,頂上の事象の発生確率を算出できる。アが該当する。

イの FMEA は,構成要素ごとに起こり得る故障モードを洗い出し,それがシステムに与える影響を評価する,ボトムアップの技法で,発生確率の算出は目的としない。ウの CFIA は,構成要素が故障したときのサービスへの影響を分析する技法。エの SPOF 分析は,その一か所が故障するとシステム全体が止まる箇所(単一障害点)を洗い出す技法である。

FTA と FMEA FTA(故障の木解析)は,起きてほしくない障害(頂上事象)から出発し,その原因を AND や OR のゲートで結んで下へ掘り下げるトップダウンの手法。FMEA(故障モード影響解析)は,部品ごとに起こり得る故障モードを洗い出し,それがシステム全体にどう影響するかを評価するボトムアップの手法。 FTA(トップダウン) システム停止 OR 電源の故障 両系の故障 AND 1系 2系 FMEA(ボトムアップ) 部品 故障モード 影響 ファン 停止 過熱で停止 ディスク 読めない 片系で継続 電源 出力低下 再起動 部品の故障 → 全体への影響
FTA は結果から原因へ(上から下),FMEA は部品から影響へ(下から上)

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問55(表記を一部改変)

問56

サービスマネジメントにおける問題管理の活動はどれか。

正解 ア

解説

問題管理は,インシデントの根本原因を特定し,再発を防ぐための恒久的な解決策を見いだすプロセスである。根本原因が分かるまでの暫定的な回避策(ワークアラウンド)の記録も含まれる。アが該当する。

イのサービス要求の優先度付けはインシデント及びサービス要求管理,ウの変更要求の記録は変更管理,エのリリースの検証はリリース及び展開管理の活動である。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問56(表記を一部改変)

問57

生成 AI の処理などで用いられる,大量に発熱する GPU を搭載したサーバを,空気冷却よりも少ない消費電力で効率良く冷却できる液体冷却の一つに液浸冷却がある。液体冷却の方法の説明のうちで,液浸冷却の方法の説明に該当するものの組みはどれか。

〔液体冷却の方法の説明〕

正解 イ

解説

液浸冷却は,サーバを筐体ごと電気を通さない液体(絶縁性の液体)に浸して冷却する方式である。cはその説明である。また,液体を循環させて熱交換器で冷やす単相冷却と,液体が気化するときの気化熱を利用する二相冷却があり,aも液浸冷却の方法の説明に当たる。したがって a,c のイが正しい。

bはサーバの発熱部品に取り付けた金属板(コールドプレート)の中に液体を流して熱交換する方式の説明で,液浸冷却ではない。dの冷媒に水を使うのはコールドプレート方式などで,液浸冷却は電気を通す水をサーバに直接触れさせられないため,絶縁性の液体を使う。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問57(表記を一部改変)

問58

システム監査基準(令和5年)において,システム監査で使用される用語の説明として,適切なものはどれか。

正解 エ

解説

システム監査基準(令和5年)の用語の定義では,独立性を“第三者から不当な影響や圧力等を受けていない状態を指し,精神的独立性と外観的独立性から構成される”としている。エが適切である。

アは再現性の定義。所見は“監査で発見したこと,又は発見したことに基づく考えや意見”を指し,ウの説明が所見に当たる。イは精神的独立性の定義で,正当な懐疑心は“何事をも当然のこととせず,疑ってみる,又は確認してみる心”をいう。正当な注意は“監査の実施過程で監査人として当然払うべき注意”である。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問58(表記を一部改変)

問59

システム監査報告書の改善提案に対し,システム監査人が行うフォローアップとして,適切なものはどれか。

正解 ウ

解説

システム監査人は監査対象から独立した立場で監査を行うので,改善そのものを実施したり指示したりしてはならない。フォローアップでは,改善の実施は監査対象部門の責任に委ね,監査人はその進捗や結果を確かめる立場にとどまる。改善状況をモニタリングするというウが正しい。

アの改善の実施を指示すること,イの改善実施プロジェクトを管理すること,エの改善計画を策定することは,いずれも監査人が改善活動そのものに関与することになり,監査の独立性・客観性を損なう。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問59(表記を一部改変)

問60

システム監査基準(令和5年)に従い,監査目的に基づいて,ガバナンス,マネジメント,コントロールの視点から検証・評価を行う。“コントロールの視点”から行う項目はどれか。

正解 イ

解説

システム監査基準(令和5年)は,コントロールの視点での監査を,業務プロセス等においてリスクに応じたコントロールが適切に組み込まれ機能しているかを確かめるものとし,例として“異常なアクセスを検出した際に適時に対処及び報告がなされているかどうか”を挙げている。イが該当する。

アの IT 投資の結果が適切なリターンを生んでいるか,エの新技術や技術革新を経営戦略推進のために適時適切に利活用できているかは,ガバナンスの視点の例。ウの情報セキュリティ対策が PDCA サイクルに基づいて適切に管理されているかは,マネジメントの視点の例として示されている。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問60(表記を一部改変)

問61

事業目標達成のためのプログラムマネジメントの考え方として,適切なものはどれか。

正解 ア

解説

プログラムマネジメントは,事業目標の達成という共通の目的に向けて,互いに関連する複数のプロジェクトをまとめて管理する考え方。個々のプロジェクトの成果を足し合わせるだけでなく,プロジェクト間の連携や統合,相互作用を通じて全体の価値を高め,組織の戦略を実現する。アが適切である。

イは個々のプロジェクト管理を細かくする話で,複数のプロジェクトを束ねる視点がない。ウは一つのシステム開発の技術選定によるリスク低減の話。エはプロジェクトマネジメントを組織的に支援する PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の説明である。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問61(表記を一部改変)

問62

SOA の説明はどれか。

正解 エ

解説

SOA(Service Oriented Architecture,サービス指向アーキテクチャ)は,業務システムの機能を利用者から見た意味のある単位(サービス)に分割し,それらを組み合わせてシステムを構築する考え方。業務プロセスの変更に合わせてサービスを組み替えやすく,他システムとの連携も容易になる。

アは ERP,イはフィット&ギャップ分析,ウは BPM(ビジネスプロセスマネジメント)の説明。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問62(表記を一部改変)

問63

データ分析手法の一つである,アソシエーション分析はどれか。

正解 イ

解説

アソシエーション分析は,大量のデータから,同時に起こりやすい事象の組合せ(関連性・同時性)をルールとして見いだす分析手法で,購買データから“商品 A を買う人は商品 B も買う”といったルールを抽出する。ルールは支持度(全体に占める割合),信頼度(条件が起きたときに結果も起きる割合),リフト値(偶然より起こりやすい度合い)で評価する。イが該当する。

アは目的変数と説明変数の関係を最小二乗法で分析する回帰分析,ウは観測変数の背後にある共通因子を仮定する因子分析,エは多数の変数を少数の合成変数に要約する主成分分析の説明である。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問63(表記を一部改変)

問64

投資の意思決定手法の一つである PBP 法に関する記述として,適切なものはどれか。

正解 ウ

解説

PBP(Payback Period)法は,投資額を毎年のキャッシュフローで回収するまでの期間を求め,期間が短い投資ほど有利と評価する手法である。ウが適切である。

アは誤り。PBP 法は各年のキャッシュフローを割り引かずにそのまま足すので,時間的価値を考慮しない(割り引く方法は割引回収期間法と呼んで区別する)。イは誤り。回収が済んだ後のキャッシュフローは評価に含まれない。エは誤り。割引率を用いるのは NPV(正味現在価値)法や IRR(内部収益率)法で,PBP 法は割引率を用いない。

回収期間(PBP)を累計の折れ線で比べる 投資額 500 に対して,キャッシュインの累計が 500 を越える年を比べる。d は 300,500 で2年目ちょうどに回収し,最も早い。b は3年目,a と c は4年目に回収する。a は合計が最も大きいが,前半が小さいので回収は遅い。PBP は回収後のキャッシュインを評価に含めない。 年 累計 投資 500 a b c d 1 2 3 4 5 d:2年で回収
累計の線が投資額の線を越える年。早いほど良い

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問64(表記を一部改変)

問65

定性的な評価項目を定量化するために評価点を与える方法がある。表に示す4段階評価を用いた場合,重み及び4段階評価の結果から評価されたシステム全体の目標達成度は,評価項目が全て目標どおりだった場合の評価点に対し,何%となるか。

評価の表。列はシステムの評価項目,重み,4段階評価の結果。省力化効果は重み 5,目標どおり。期間の短縮は重み 8,変わらず。情報の統合化は重み 12,部分改善。4段階評価点は 3:目標どおり,2:ほぼ目標どおり,1:部分改善,0:変わらず。

正解 イ

解説

評価点は,省力化効果が「目標どおり」で3点,期間の短縮が「変わらず」で0点,情報の統合化が「部分改善」で1点。これに重みを掛けて合計すると 5×3+8×0+12×1=27 になる。評価項目が全て目標どおりだった場合は (5+8+12)×3=75 なので,27/75=0.36 で36%。イが正しい。

アの27は重み付けした評価点の合計そのもので,割合ではない。分母を全項目の重みの合計25と取り違えたり,重みを掛けずに評価点だけで計算したりすると別の値になるが,ウの43やエの52はこの表の数値からは導けない。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問65(表記を一部改変)

問66

IoT を活用した工場管理システムの開発を行う。システムを構築し,サービスを運営する A 社は,B 社にボード開発を定額契約で委託した。B 社はボードの納入前のネットワーク試験のため,工場の設備を管理する C 社と実費償還契約を締結し,工場の一部区画とネットワークを借用した。C 社のネットワーク設備に故障はなく,B 社の人的リソース不足が原因でネットワーク試験の作業が遅延し,追加の費用が発生したとき,その費用を負担すべき会社はどれか。ここで,各社は契約を正当に履行するものとする。また,定額契約を交わした時点では,開発のスコープは十分明確で,契約以降の変更はないものとする。

正解 ウ

解説

A 社と B 社の契約は定額契約で,開発のスコープは明確で変更もない。定額契約では,合意した金額で成果物を納めるのが受注者の義務なので,受注者である B 社の都合で生じた追加費用は B 社が負担し,A 社に請求することはできない。

B 社と C 社の契約は実費償還契約で,C 社が区画やネットワークを貸すのに要した費用は,発注者である B 社が実費で支払う。C 社の設備に故障はなく,遅延の原因は B 社の人的リソース不足なので,延びた期間の分の実費も B 社が負担する。追加の費用を負担するのは B 社だけで,ウが正しい。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問66(表記を一部改変)

問67

売手側でのマーケティング要素 4P は,買手側での要素 4C に対応するという考え方がある。4P の一つであるプロモーションに対応する 4C の構成要素はどれか。

正解 ウ

解説

4P は売手側からみたマーケティングの要素(Product,Price,Place,Promotion),4C はそれを買手側からみた要素で,Product は顧客価値 (Customer Value),Price は顧客コスト (Cost),Place は利便性 (Convenience),Promotion はコミュニケーション (Communication)に対応する。

プロモーション(販売促進)は,売手から一方的に働きかけるのではなく,買手との双方向の情報のやり取りと捉えるので,ウのコミュニケーションが正しい。アは製品,イは価格,エは流通に対応する。

4P と 4C の対応 売り手から見た 4P を,買い手から見た 4C に置き換えると,製品(Product)は顧客価値,価格(Price)は顧客コスト,流通(Place)は利便性,プロモーション(Promotion)はコミュニケーションに当たる。 4P(売り手) 4C(買い手) 製品 Product 顧客価値 Customer Value 価格 Price 顧客コスト Customer Cost 流通 Place 利便性 Convenience プロモーション Promotion コミュニケーション Communication
プロモーションに対応するのはコミュニケーション

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問67(表記を一部改変)

問68

バランススコアカードで使われる戦略マップの説明はどれか。

正解 イ

解説

戦略マップは,バランススコアカードの四つの視点(財務,顧客,内部ビジネスプロセス,学習と成長)に課題・施策・目標を配置し,それらの因果関係を矢印でつないで一枚に表したもの。下位の視点の取組みが上位の成果につながる筋道を可視化する。

アはポジショニングマップ,ウはビジネススクリーン,エはドメインの定義に関する説明。

バランススコアカードの4つの視点と戦略マップ 下から学習と成長,内部ビジネスプロセス,顧客,財務の4つの視点を積み上げる。専門人材を育てると出荷までの日数を縮められ,顧客満足度が上がり,売上高が伸びる,という因果関係を矢印でつないだものが戦略マップ。各視点に目標と指標(KPI)を置く。 財務 売上高を伸ばす 売上高・利益率 顧客 顧客満足度を上げる 顧客満足度・シェア 内部ビジネスプロセス 出荷を速くする 出荷までの日数 学習と成長 専門人材を育てる 育成人数・特許件数
下の視点の成果が上の視点の成果につながる(因果関係)

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問68(表記を一部改変)

問69

フィージビリティスタディの説明はどれか。

正解 ア

解説

フィージビリティスタディ(実現可能性調査)は,事業やプロジェクトに本格的に投資する前に,技術面・採算面などから実現できるかどうかを調査・検証する評価活動。

イはデルファイ法,ウはブレーンストーミング,エはプロダクトライフサイクルの説明。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問69(表記を一部改変)

問70

図のアンゾフの成長マトリクスのうち,市場浸透戦略の例として,適切なものはどれか。

アンゾフの成長マトリクス。横軸は製品(既存・新規),縦軸は市場(既存・新規)。既存市場×既存製品は市場浸透戦略,既存市場×新規製品は新製品開発戦略,新規市場×既存製品は新市場開拓戦略,新規市場×新規製品は多角化戦略。

正解 イ

解説

アンゾフの成長マトリクスで,市場浸透戦略は既存の市場に既存の製品を投入し,販売量やシェアを伸ばす戦略である。すでに販売している地域で,同じ商品を特別価格によって知名度を上げてより多くの住民に売るイが該当する。

アは既存のユーザー(既存市場)に上位機種という新しい製品を売るので新製品開発戦略。ウは長年の商品(既存製品)を他の地方という新しい市場で売るので新市場開拓戦略。エは販売実績のない国(新規市場)に一から開発した製品(新規製品)を売るので多角化戦略である。

アンゾフの成長マトリクス 製品(既存・新規)と市場(既存・新規)の組合せで成長の戦略を4つに分ける。既存の製品を既存の市場でもっと売るのが市場浸透,既存の製品を新しい市場に売るのが市場開拓(新市場開拓),新しい製品を既存の市場に出すのが製品開発(新製品開発),新しい製品で新しい市場に出るのが多角化。 製品 既存 新規 市場 既存 新規 市場浸透 今の製品を今の市場で 製品開発 新しい製品を今の市場に 市場開拓 今の製品を新しい市場に 多角化 新しい製品で新しい市場へ
製品と市場のどちらを新しくするか

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問70(表記を一部改変)

問71

生産事業所のシステムを,生産計画などの計画層,各指示や工程管理・製造管理などの実行層,機械・機器の制御を行う制御層の三つの層に大きく分けたとき,MES が運用される層はどれか。

正解 イ

解説

MES(Manufacturing Execution System,製造実行システム)は,生産計画に基づいて現場に作業を指示し,工程の進捗や品質,設備の稼働状況などを管理・記録するシステム。計画と機器制御の間をつなぐ実行層で運用されるので,イが正しい。

計画層では ERP(統合基幹業務システム)などが生産計画や資材所要量を扱い,制御層では PLC(プログラマブルロジックコントローラ)などが機械や機器を直接制御する。MES は三つの層のすべてにまたがるものではないので,エも誤り。

生産システムの3つの層と MES 計画層では ERP などが生産計画や資材の所要量を扱う。実行層の MES(製造実行システム)は,計画に基づいて現場に作業を指示し,工程の進み具合や品質,設備の稼働を管理・記録する。制御層では PLC などが機械や機器を直接制御する。 計画層 ERP:生産計画・資材所要量 実行層 MES:作業指示・工程/品質管理 制御層 PLC:機械・機器の制御 MES は3つの層すべてにまたがるものではない
MES は計画と制御の間の実行層

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問71(表記を一部改変)

問72

PLM (Product Lifecycle Management) の目的はどれか。

正解 イ

解説

PLM(Product Lifecycle Management,製品ライフサイクル管理)は,製品の企画・開発から製造,販売,保守,リサイクル(廃棄)に至るライフサイクル全体にわたって,設計データや部品構成などの製品に関連する情報を一元管理し,開発期間の短縮,商品力の向上,コストの低減を図る考え方である。イが該当する。

アは工作機械や搬送装置などをコンピュータで集中管理して多品種少量生産を自動化する FMS(フレキシブル生産システム)。ウは生産計画から資材の所要量と発注時期を算出する MRP(資材所要量計画)。エは部品の供給から販売までの情報を共有して在庫削減とリードタイム短縮を図る SCM(サプライチェーンマネジメント)の目的である。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問72(表記を一部改変)

問73

IoT で活用されている LPWA の特徴として,適切なものはどれか。

正解 ウ

解説

LPWA(Low Power Wide Area)は,消費電力が小さく,一つの基地局で広い範囲(数 km〜数十 km)をカバーできる無線通信技術で,通信速度は低いが,センサなど多数の機器が接続する IoT のネットワークに適している。ウが該当する。

アは GHz 帯を使う近距離で高速に大容量のデータを送る無線通信(高速な無線 LAN など)の説明で,LPWA とは逆の特性である。イは電力線を通信に使う PLC(電力線通信)の説明。エは同じ基板上の回路や LSI 間をつなぐ有線のシリアル通信(I2C や SPI など)の説明である。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問73(表記を一部改変)

問74

ある工場で扱っている部品 A は,使用量(需要)が一定であり,定量発注方式を採用して発注されている。この場合の経済的発注量は,グラフの年間の発注費と,年間の保管費が等しくなったときの値を計算することで求めることができる。表の条件の場合の経済的発注量を求めよ。ここで,部品 A に関する安全在庫は考慮しないものとする。

条件の表。年間需要量は 100,000 個。1個当たりの年間保管費(金利を含む)は 1,000 円。1回当たりの発注費用(発注量に関係ない)は 5,000 円。
横軸が一回当たりの発注量,縦軸が費用のグラフ。年間の保管費は原点から右上がりの直線,年間の発注費は右下がりの曲線,年間総費用はその和で下に凸の曲線。年間の発注費と年間の保管費の曲線が交わる点が経済的発注量で,そこで年間総費用が最小になる。

正解 エ

解説

経済的発注量は,年間の発注費と年間の保管費が等しくなる1回当たりの発注量 Q である。年間の発注回数は 100,000÷Q 回なので,年間の発注費は (100,000÷Q)×5,000 円。保管費は平均在庫が Q/2 なので,(Q/2)×1,000 円である。両者を等しいとすると 500,000,000÷Q=500×Q となり,Q2=1,000,000 から Q=1,000 個。エが正しい。

他の選択肢は,等しくならない。例えば Q=500 では,年間の発注費が 1,000,000 円,保管費が 250,000 円と食い違い,Q=200 や Q=10 では発注費が保管費を大きく上回る。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問74(表記を一部改変)

問75

製品 X,Y を1台製造するのに必要な部品数は,表のとおりである。製品1台当たりの利益が X,Y ともに1万円のとき,利益は最大何万円になるか。ここで,部品 A は 120 個,部品 B は 60 個まで使えるものとする。

製品1台に必要な部品数の表(単位 個)。部品 A は製品 X で 3,製品 Y で 2。部品 B は製品 X で 1,製品 Y で 2。

正解 ウ

解説

製品 X の製造台数を x,製品 Y の製造台数を y とすると,部品 A の制約は 3x+2y≦120,部品 B の制約は x+2y≦60 であり,利益は x+y(万円)になる。二つの制約式を等号にして辺々引くと 2x=60 となり,x=30,y=15 でこのとき利益は 45 万円である。ほかに利益が最大になり得る点は,y=0 のとき部品 A から x=40 で 40 万円,x=0 のとき部品 B から y=30 で 30 万円である。最大は 45 万円なので,ウになる。

アの 30 は製品 Y だけを作った場合,イの 40 は製品 X だけを作った場合の利益である。エの 60 は,部品 B の制約だけを見て製品 X を 60 台作ったときの値だが,このとき部品 A が 180 個必要になり,120 個までという制約を満たさない。

線形計画法:実行可能領域と利益が最大の点 X を x 台,Y を y 台作るとき,部品 A の制約 3x+2y≦120 と部品 B の制約 x+2y≦60 を満たす範囲(塗った部分)の中で,利益 x+y が最大になる点を探す。最大になるのは領域の角で,2本の境界線の交点 x=30,y=15 のとき利益は45万円。X だけなら40,Y だけなら30。 X の台数 x Y の台数 y 3x+2y=120(部品 A) x+2y=60(部品 B) (30, 15) で利益45 x+y=45 40 30 60 作れる範囲
利益が最大になるのは領域の角。2本の制約の交点 (30, 15) で45万円

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問75(表記を一部改変)

問76

A 社の貸借対照表の構成は図のとおりであった。A 社の自己資本比率は何%か。

A 社の貸借対照表(単位 百万円)。左側(資産)は流動資産 6,000,固定資産 4,000。右側は流動負債 4,500,固定負債 2,000,資本金 2,000,資本剰余金 1,000,利益剰余金 500。

正解 エ

解説

自己資本比率は,総資本(負債と純資産の合計)に占める自己資本(純資産)の割合である。総資本は資産の合計と同じ 6,000+4,000=10,000 百万円。自己資本は資本金 2,000+資本剰余金 1,000+利益剰余金 500=3,500 百万円なので,自己資本比率は 3,500÷10,000=35%。エが正しい。

アの 10 は資本剰余金だけ(1,000),イの 20 は資本金だけ(2,000),ウの 30 は資本金と資本剰余金だけ(3,000)を自己資本として計算した値で,いずれも利益剰余金を含めていない(アは資本金も含めていない)。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問76(表記を一部改変)

問77

表のような製品 A,B を製造,販売する場合,考えられる利益は最大で何円になるか。ここで,機械の年間使用可能時間は延べ 15,000 時間とし,年間の固定費は製品 A,B に関係なく 15,000,000 円とする。

製品の表。列は製品,販売単価,変動費,製造時間。製品 A は販売単価 30,000 円,変動費 18,000 円/個,製造時間 8 時間/個。製品 B は販売単価 25,000 円,変動費 10,000 円/個,製造時間 12 時間/個。

正解 イ

解説

製造時間の上限 15,000 時間を,どちらの製品に使えば利益が最大になるかを考える。1個当たりの限界利益(販売単価−変動費)は A が 12,000 円,B が 15,000 円で,製造時間1時間当たりに直すと A が 12,000÷8=1,500 円,B が 15,000÷12=1,250 円となり,A のほうが大きい。

販売数量に制約はないので,全ての時間を A に使う。15,000÷8=1,875 個を製造し,限界利益は 1,875×12,000=22,500,000 円。固定費 15,000,000 円を引いた利益は 7,500,000 円で,イが正しい。1個当たりの限界利益だけで B を選ぶと,15,000÷12=1,250 個で 1,250×15,000−15,000,000=3,750,000 円(ア)となる。

限られた機械時間は「時間当たりの限界利益」で配る 1個当たりの限界利益は A 12,000 円,B 15,000 円で B が大きいが,製造時間1時間当たりでは A 1,500 円,B 1,250 円で A が大きい。販売数量に制約はないので 15,000 時間を全て A に使い,1,875 個×12,000 円=22,500,000 円。固定費 15,000,000 円を引いて利益は 7,500,000 円。 製品 限界利益/個 製造時間/個 1時間当たり A 12,000 円 8 時間 1,500 円 B 15,000 円 12 時間 1,250 円 15,000 時間 ÷ 8 = 1,875 個 × 12,000 円 = 2,250 万円 − 固定費 1,500 万円 = 利益 750 万円(イ) 1 個当たりで B を選ぶと 1,250 個 → 375 万円(ア) 制約が時間なら,時間当たりで比べる
1時間当たりの限界利益が大きい A に全部使う → 750 万円

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問77(表記を一部改変)

問78

著作権法において,保護の対象となり得ないものはどれか。

正解 エ

解説

著作権法第10条第3項は,プログラムの著作物に対する保護は,そのプログラムを作成するために用いるプログラム言語,規約及び解法には及ばないと定めている。規約は,特定のプログラムにおけるプログラム言語の用法についての特別の約束である。エはこれに当たるので,保護の対象となり得ない。

アのフリーソフトウェアは,無償で公開されていても著作物で,著作権は保護される。イのソフトウェアの操作マニュアルは,文章による言語の著作物である。ウのデータベースは,情報の選択又は体系的な構成によって創作性を有するものであれば,著作権法第12条の2により著作物として保護される。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問78(表記を一部改変)

問79

意匠法において,保護の対象となり得るものはどれか。

正解 ア

解説

意匠法第2条第1項は,意匠を物品の形状等,建築物の形状等,又は“画像(機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限り…)”であって,視覚を通じて美感を起こさせるものと定義している。機器の操作に使う画面である GUI の画像は保護の対象となり得るので,アが該当する。

イのアルゴリズム,ウの通信プロトコル,エのビジネスモデルは,いずれも視覚を通じて美感を起こさせる形ではなく,意匠には当たらない。アルゴリズムや通信プロトコルは著作権法でも保護されない(第10条第3項は,プログラムの著作物に対する保護が解法や規約に及ばないと定める)。ソフトウェアによる処理やビジネスの仕組みは,要件を満たせば特許で保護される可能性がある。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問79(表記を一部改変)

問80

労働施策総合推進法に関する記述として,適切なものはどれか。

正解 ア

解説

労働施策総合推進法は,職場における優越的な関係を背景とした言動によって就業環境が害されること(いわゆるパワーハラスメント)を防ぐため,労働者からの相談に応じ,適切に対応するために必要な体制を整備することなどの雇用管理上の措置を,事業主に義務付けている。アが適切である。

イのインターンシップの理念・原則は,同法ではなく国の基本的な考え方(指針)で示されている。ウの都道府県ごとの最低賃金の決定の手順は,最低賃金法に定められている。エの団体交渉を労働条件改善の基本的な方策として労働組合活動を保護するのは,労働組合法の趣旨である。

出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問80(表記を一部改変)