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応用情報技術者試験

令和4年度 秋期 科目A(午前)

令和4年度 秋期に実施された応用情報技術者試験 午前(2026年度からの科目A)の全80問に,運営者が独自に書いた解説を付けています。正解の理由に加えて,多くの問題でほかの選択肢がなぜ誤りなのかも説明しています。

この試験について:応用情報技術者試験について

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問1

a を正の整数とし,b=a2 とする。a を2進数で表現すると n ビットであるとき,b を2進数で表現すると最大で何ビットになるか。

正解 イ

解説

a は n ビットなので 2n−1≦a<2n である。2乗すると 22n−2≦b<22n となるので,b は 2n−1 ビット又は 2n ビットになる。最大では 2n ビットで,イが正しい。

例えば n=2 のとき,a=2(10)の b=4 は 100 で3ビット(=2n−1),a=3(11)の b=9 は 1001 で4ビット(=2n)になる。アの n+1 やウの n2,エの 2n は,a を2乗したときのビット数の上限にならない。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問1(表記を一部改変)

問2

A,B,C,D を論理変数とするとき,次のカルノー図と等価な論理式はどれか。ここで,・は論理積,+は論理和,X は X の否定を表す。

カルノー図。行は AB,列は CD で,それぞれ 00,01,11,10 の順。AB=00 の行は 1,0,0,1。AB=01 の行は 0,1,1,0。AB=11 の行は 0,1,1,0。AB=10 の行は 0,0,0,0。

正解 エ

解説

カルノー図の1のマスをまとめる。AB=01 と 11 の行(B=1)で,CD=01 と 11 の列(D=1)にある四つの1は,A と C の値に関係なく B=1,D=1 のときなので B・D にまとまる。残る AB=00 の行の CD=00 と CD=10 の1は,左右の端が隣接しているとみなして一つにまとめられ,A=0,B=0,D=0 のときなので Ā・B・D となる。

よって論理式は Ā・B・D+B・D で,エが正しい。アとウの B・D は AB=10 の行の CD=00,10 にも1を置くことになるが,その行はすべて0なので誤り。イの Ā・B・C・D は AB=00,CD=10 のマスの1を表していない。

カルノー図の1をまとめる B=1 の行(AB=01,11)で D=1 の列(CD=01,11)にある4つの1は,A と C に関係なく B・D。AB=00 の行の CD=00 と CD=10 の1は,左右の端がつながっているとみなして1つにまとめ,Ā・B̄・D̄。全体は Ā・B̄・D̄+B・D。 AB\CD 00 01 11 10 00 1 0 0 1 01 0 1 1 0 11 0 1 1 0 10 0 0 0 0 B・D(実線)+ A・B・D(破線:両端がつながる)
左右の端(上下の端)は隣どうし。大きな四角でまとめるほど式が短くなる

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問2(表記を一部改変)

問3

製品 100 個を1ロットとして生産する。一つのロットからサンプルを3個抽出して検査し,3個とも良品であればロット全体を合格とする。100 個中に 10 個の不良品を含むロットが合格と判定される確率は幾らか。

正解 ア

解説

合格になるのは,抽出した3個がすべて良品の場合である。100 個中の良品は 90 個なので,1個目が良品の確率は 90/100,2個目は残り 99 個中 89 個で 89/99,3個目は残り 98 個中 88 個で 88/98 となる(取り出した製品は戻さない)。

合格の確率は (90/100)×(89/99)×(88/98)=(9/10)×(89/99)×(44/49) で,約分すると 178/245 となり,アが正しい。ウの 89/110 は,2個目までが良品となる確率 (90/100)×(89/99) に当たり,3個目の検査が反映されていない。取り出した製品を戻すと考えて (9/10)3 で計算すると 729/1000≒0.729 になるが,この値は選択肢にない。

OC 曲線(検査特性曲線) 横軸にロットの不良率,縦軸にそのロットが抜取検査で合格する確率をとった曲線。不良率が低い良いロット(p0)でも合格率は1にならず,不合格になる確率 α が生産者危険。不良率が高い悪いロット(p1)でも合格する確率 β が消費者危険。 ロットの不良率 合格率 1 p0 p1 α 生産者危険 良いロットが落ちる β 消費者危険 悪いロットが通る
良いロットを落とすのが生産者危険 α,悪いロットを通すのが消費者危険 β

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問3(表記を一部改変)

問4

AI における過学習の説明として,最も適切なものはどれか。

正解 イ

解説

過学習は,訓練データに過度に適合してしまい,訓練データでは高い精度が出る一方で,学習に使っていない未知のデータに対しては精度が下がる状態である。イが該当する。

アは学習済みモデルを別の領域に再利用する転移学習,ウは出力と正解の誤差を出力側から入力側へさかのぼって重みを調整する誤差逆伝播法,エは行動の結果に報酬を与えて望ましい行動を学ばせる強化学習の説明である。

過学習 モデルを複雑にしていくと,訓練データに対する誤差は下がり続けるが,学習に使っていない検証データに対する誤差はある所から上がり始める。右の図の実線は点の一つ一つに無理に合わせた曲線(過学習)で,破線のほうが未知のデータをよく予測する。対策はデータを増やす(データ拡張),モデルを単純にする,正則化など。 モデルの複雑さ 誤差 訓練 検証 過学習 実線:点に合わせすぎ 破線:ほどよい
訓練データにだけ合いすぎて,未知のデータで外れる状態

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問4(表記を一部改変)

問5

自然数をキーとするデータを,ハッシュ表を用いて管理する。キー x のハッシュ関数 h(x) を h(x)=x mod n とすると,任意のキー a と b が衝突する条件はどれか。ここで,n はハッシュ表の大きさであり,x mod n は x を n で割った余りを表す。

正解 イ

解説

衝突は,異なるキー a と b のハッシュ値が同じ,つまり a mod n=b mod n となることである。a と b を n で割った余りが等しいのは,その差 a−b が n で割り切れるときなので,イが正しい。

例えば n=5 のとき,a=7,b=2 は a−b=5 で余りがどちらも 2 になり衝突する。アは a=1,b=4 のように a+b=5 でも余りが 1 と 4 で異なる場合があるので誤り。ウとエは倍数の関係が逆で,n は a−b の約数であればよい。

x mod n のハッシュ表で衝突する組 n=5 の表に,キーを5で割った余りの箱へ入れる。7 と 2 はどちらも余りが 2 で同じ箱に入り,衝突する。差 7−2=5 が n の倍数なので余りがそろう。1 と 4 は和が5でも余りは1と4で,衝突しない。 h(x) = x mod 5 0 1 1 7 と 2 2 3 4 4 衝突 7 mod 5 = 2,2 mod 5 = 2 → 差 7 − 2 = 5 は 5 の倍数 1 と 4:和は 5 でも余りは 1 と 4(衝突しない) 箱の下の数字が余り(格納位置)
余りが等しい ⇔ 差 a−b が n で割り切れる

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問5(表記を一部改変)

問6

未整列の配列 A[i](i=1,2,…,n)を,次の流れ図によって整列する。ここで用いられる整列アルゴリズムはどれか。

流れ図。開始の後,ループ1(i:1,1,n−1)の中にループ2(j:n,−1,i+1)がある。ループ2の中で A[j] と A[j−1] を比較し,A[j]<A[j−1] のときは w←A[j],A[j]←A[j−1],A[j−1]←w を実行し,A[j]≧A[j−1] のときは何もしない。ループ2とループ1を終えて終了。(注)ループ端の繰返し指定は,変数名:初期値,増分,終値を示す。

正解 エ

解説

流れ図は,ループ 2 で j を n から i+1 まで1ずつ減らしながら,隣り合う A[j] と A[j−1] を比べ,A[j]<A[j−1] なら二つを入れ替えている。これを i=1,2,…,n−1 について繰り返すので,1回目のループ 1 が終わると最小値が先頭 A[1] に,2回目が終わると2番目に小さい値が A[2] に,と小さい値が泡のように前へ浮かび上がっていく。隣接する要素の比較と交換を繰り返すバブルソートで,エが正しい。

アのクイックソートは基準値を決めて,それより小さい値と大きい値の二つに分けることを再帰的に繰り返す。イの選択ソートは,未整列部分から最小値を探して先頭の要素と交換する。ウの挿入ソートは,整列済み部分の適切な位置に1要素ずつ挿入していく。いずれも隣り合う要素を次々に交換していくものではない。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問6(表記を一部改変)

問7

XML において,XML 宣言中で符号化宣言を省略できる文字コードはどれか。

正解 エ

解説

XML 宣言の符号化宣言(encoding)は,文書の文字コードを XML プロセッサに知らせるためのものである。W3C の XML 1.0 勧告(4.3.3 項)は,UTF-8 と UTF-16 で符号化された文書であれば符号化宣言を省略できるとしている。UTF-16 の文書は先頭に BOM(バイトオーダーマーク)を付けるので,これで UTF-16 と判別できる。選択肢のうち省略できるのはエの UTF-16 である。

アの EUC-JP,イの ISO-2022-JP,ウの Shift-JIS は,文字コードを判別する手掛かりが文書の中にないので,encoding="Shift_JIS" のように符号化宣言で明示する必要がある。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問7(表記を一部改変)

問8

ディープラーニングの学習に GPU を用いる利点として,適切なものはどれか。

正解 イ

解説

ディープラーニングの学習では,大量のデータに対して,ニューラルネットワークの重みを更新する行列演算(積和演算)を膨大な回数繰り返す。GPU は,数百から数千の演算コアで同じ種類の演算を一斉に並列実行するのが得意なので,この行列演算を高速に実行でき,学習時間を短縮できる。イが適切である。

アは,コアごとに別のプログラムとデータを処理する MIMD 型のマルチコア CPU の特徴で,GPU の利点ではない。ウは,浮動小数点演算ユニットをコプロセッサとして用いる構成の説明で,GPU が学習に向く理由を述べていない。エの分岐予測とパイプラインの効率化は,CPU が命令を高速に実行するための仕組みである。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問8(表記を一部改変)

問9

キャッシュメモリのライトスルーの説明として,適切なものはどれか。

正解 イ

解説

キャッシュメモリへの書込み方式には,ライトスルーとライトバックがある。ライトスルーは,CPU が書込みを行うとき,キャッシュメモリと主記憶の両方に同時にデータを書き込む方式で,主記憶の内容が常に最新に保たれる。イが適切である。

アは,キャッシュメモリにだけ書き込み,主記憶への書込みを後回しにするライトバックの説明に近い。ウは,ライトバックにおける,キャッシュメモリから追い出すときに主記憶を更新する動作である。エは,書込みのたびに主記憶へアクセスするライトスルーには当てはまらず,主記憶へのアクセスが少なくなるのはライトバックの特徴である。

ライトスルーとライトバック ライトスルー方式は,CPU が書き込むたびにキャッシュメモリと主記憶の両方に書くので,主記憶の内容は常に最新だが,書込みは主記憶の速さに引きずられる。ライトバック方式は,キャッシュメモリにだけ書いて済ませ,そのブロックがキャッシュから追い出されるときにまとめて主記憶に書き戻す。書込みは速いが,追い出されるまで主記憶は古いまま。 ライトスルー CPU キャッシュ 主記憶 書く 同時に書く 主記憶は常に最新,書込みは遅い ライトバック CPU キャッシュ 主記憶 書く 追い出すときに まとめて書き戻す 速いが,主記憶は古いことがある
ライトスルーは主記憶が常に最新,ライトバックは追い出すときに書き戻す

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問9(表記を一部改変)

問10

L1,L2 と2段のキャッシュをもつプロセッサにおいて,あるプログラムを実行したとき,L1 キャッシュのヒット率が 0.95,L2 キャッシュのヒット率が 0.6 であった。このキャッシュシステムのヒット率は幾らか。ここで L1 キャッシュにあるデータは全て L2 キャッシュにもあるものとする。

正解 エ

解説

まず L1 キャッシュを参照し,ヒットしなかった 0.05 の割合のアクセスだけが L2 キャッシュを参照する。その 60%が L2 でヒットするので,L2 でヒットする割合は全体の 0.05×0.6=0.03 になる。

キャッシュシステム全体のヒット率は 0.95+0.03=0.98 で,エが正しい。アの 0.57 は 0.95×0.6 と二つのヒット率を掛けた値,イとウは L2,L1 のヒット率をそのまま答えた値である。

2段のキャッシュのヒット率 全てのアクセスのうち 0.95 は L1 でヒットする。L1 で外れた 0.05 だけが L2 を見に行き,その 0.6 が L2 でヒットするので,全体の 0.05×0.6=0.03。システム全体のヒット率は 0.95+0.03=0.98 で,主記憶まで行くのは残りの 0.02。 全てのアクセス(1) L1 でヒット 0.95 L2 0.6 主記憶 0.4 外れた 0.05 の内訳 全体のヒット率 = 0.95 + 0.05 × 0.6 = 0.98
L2 のヒット率 0.6 は「L1 で外れた分」に対する割合

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問10(表記を一部改変)

問11

電気泳動型電子ペーパーの説明として,適切なものはどれか。

正解 イ

解説

電気泳動型電子ペーパーは,透明な液体中に,白と黒などに着色した帯電粒子を封入し,電圧を加えて粒子を表面側や裏面側に引き寄せることで表示する。表示を書き換えるときだけ電力を使い,反射光で見るので省電力である。イが適切である。

アは電圧で光の透過状態を変える液晶ディスプレイ,ウは電圧を加えると発光する薄膜(有機 EL など)を用いるディスプレイ,エは微小な鏡(マイクロミラー)の向きを変えて反射させる DMD(DLP プロジェクタなどに使われる素子)の説明である。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問11(表記を一部改変)

問12

コンテナ型仮想化の説明として,適切なものはどれか。

正解 ウ

解説

コンテナ型仮想化は,物理サーバのホスト OS 上でコンテナエンジンなどの仮想化ソフトウェアを動かし,アプリケーションの実行環境をコンテナとして分離する方式である。コンテナはホスト OS のカーネルを共有し,個別のゲスト OS をもたないので,軽量で起動も速い。ウが適切である。

イはホスト OS をもたず,ハードウェア上で直接動くハイパーバイザによってゲスト OS をもつ仮想サーバを動かすハイパーバイザ型,エはホスト OS 上の仮想化ソフトウェアでゲスト OS をもつ仮想サーバを動かすホスト型の説明である。アのように物理サーバか仮想環境のどちらか一方にだけ OS をもてばよいという方式はない。

ハイパーバイザ型とコンテナ型の仮想化 ハイパーバイザ型は,ハードウェアの上のハイパーバイザが仮想マシンを作り,仮想マシンごとにゲスト OS が動く。コンテナ型は,1つのホスト OS のカーネルを共有し,コンテナエンジンがアプリケーションごとに分けた実行環境(コンテナ)を作る。ゲスト OS がないので軽く,すぐ起動する。 ハイパーバイザ型 アプリ ゲスト OS アプリ ゲスト OS ハイパーバイザ ハードウェア コンテナ型 アプリ(コンテナ) アプリ(コンテナ) コンテナエンジン ホスト OS ハードウェア ゲスト OS の有無が違い
コンテナにはゲスト OS がない。ホスト OS のカーネルを共有する

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問12(表記を一部改変)

問13

システムの信頼性設計に関する記述のうち,適切なものはどれか。

正解 ウ

解説

フォールトアボイダンス(故障回避)は,構成要素の品質や信頼性そのものを高めることで,故障の発生を未然に防ごうとする考え方。

アはフールプルーフ(利用者の誤操作を防ぐ)の説明。イは誤りで,フェールソフトは機能を縮退させてでも稼働を継続する考え方。エはフェールセーフ(故障時に安全側に倒す)の説明で,フォールトトレランスは故障が起きても冗長性によって機能を維持する考え方。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問13(表記を一部改変)

問14

あるシステムにおいて,MTBF と MTTR がともに 1.5倍になったとき,アベイラビリティ(稼働率)は何倍になるか。

正解 エ

解説

アベイラビリティ(稼働率)は MTBF/(MTBF+MTTR) で表せる。MTBF と MTTR がともに1.5倍になると (1.5×MTBF)/(1.5×MTBF+1.5×MTTR) となり,分子・分母の1.5が約分されて元の値と同じになる。エの「変わらない」が正しい。

稼働率は二つの時間の絶対値ではなく比で決まるので,同じ倍率で伸び縮みしても変化しない。稼働率を上げるには,MTBF を長くするか MTTR を短くするか,どちらか一方だけを改善して比を変える必要がある。

MTBF と MTTR が同じ倍率で変わっても稼働率は同じ 稼働率は MTBF÷(MTBF+MTTR)。両方が1.5倍になると 1.5x÷(1.5x+1.5y)=x÷(x+y) で変わらない。稼働率は MTBF と MTTR の比だけで決まるので,稼働率が等しければ MTTR÷MTBF も等しい。ただし MTBF や MTTR そのものが等しいとは限らない。 従来 MTBF x y 稼働 80% 1.5倍 MTBF 1.5x 1.5y 稼働 80% 1.5x ÷ (1.5x + 1.5y) = x ÷ (x + y)
稼働率は比で決まる。帯の長さが変わっても,稼働の割合は同じ

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問14(表記を一部改変)

問15

あるクライアントサーバシステムにおいて,クライアントから要求された 1 件の検索を処理するために,サーバで平均 100 万命令が実行される。1 件の検索につき,ネットワーク内で転送されるデータは平均 2×105 バイトである。このサーバの性能は 100 MIPS であり,ネットワークの転送速度は 8×107 ビット/秒である。このシステムにおいて,1 秒間に処理できる検索要求は何件か。ここで,処理できる件数は,サーバとネットワークの処理能力だけで決まるものとする。また,1 バイトは 8 ビットとする。

正解 ア

解説

サーバは 100 MIPS,すなわち1秒間に 100 万命令を実行でき,1件の検索に 100 万命令が必要なので,1秒間に処理できるのは 100 件である。ネットワークは1件当たり 2×105 バイト=1.6×106 ビットを転送し,転送速度が 8×107 ビット/秒なので,1秒間に転送できるのは 8×107÷1.6×106=50 件である。

システム全体で処理できる件数は,遅いほうのネットワークで決まり,1秒間に 50 件となる。アが正しい。1バイト=8ビットの換算を忘れると,ネットワークが 400 件(エ)となり,サーバの 100 件(イ)が上限と誤る。

サーバとネットワークで,1秒に処理できる件数を比べる サーバは 100 MIPS で1件 100 万命令なので,1秒に 100 件。ネットワークは1件 2×10⁵ バイト=1.6×10⁶ ビットを 8×10⁷ ビット/秒で送るので,1秒に 50 件。全体は遅いほうのネットワークで決まり,1秒に 50 件。バイトをビットにし忘れるとネットワークが 400 件になり,サーバの 100 件を答えてしまう。 サーバ 100 件/秒 100 MIPS ÷ 100 万命令 ネットワーク 50 件/秒 8×10⁷ ÷ 1.6×10⁶ ビット システム全体:1 秒に 50 件(ア)
遅いほう(ネットワークの 50 件)で決まる

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問15(表記を一部改変)

問16

二つのタスクが共用する二つの資源を排他的に使用するとき,デッドロックが発生するおそれがある。このデッドロックの発生を防ぐ方法はどれか。

正解 イ

解説

二つのタスクが資源を逆の順序で獲得しようとすると,一方が資源1を確保して資源2を待ち,もう一方が資源2を確保して資源1を待つ状態になり,デッドロックが起こり得る。両方のタスクで資源を獲得する順序を同じにすれば,先に資源1を得たタスクが資源2も得られるので,互いに待ち合う状態にならない。イが正しい。

ウの順序を逆にすると,まさにデッドロックが発生し得る状態になる。アとエの優先度は実行の順番に影響するだけで,資源の待ち合いは解消されない。

資源を獲得する順番とデッドロック タスク1が資源1→資源2,タスク2が資源2→資源1の逆の順番で獲得すると,タスク1が資源1を持って資源2を待ち,タスク2が資源2を持って資源1を待つ状態になり,どちらも進めない。両方のタスクが資源1→資源2の同じ順番で獲得すれば,先に資源1を得たタスクが資源2も得て終わり,もう一方はそれを待ってから進む。 逆の順番(1→2 と 2→1) タスク1 タスク2 資源1 資源2 互いに相手の資源を待つ → デッドロック 実線:持つ 破線:待つ 同じ順番(どちらも 1→2) タスク1 タスク2 資源1 資源2 タスク2は資源1を待つだけ → タスク1が終われば進める 実線:持つ 破線:待つ
獲得の順番を全てのタスクでそろえれば,待ち合いの輪ができない

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問16(表記を一部改変)

問17

ほとんどのプログラムの大きさがページサイズの半分以下のシステムにおいて,ページサイズを半分にしたときに予想されるものはどれか。ここで,このシステムは主記憶が不足しがちで,多重度やスループットなどはシステム性能の限界で運用しているものとする。

正解 ウ

解説

ほとんどのプログラムの大きさがページサイズの半分以下なので,ページサイズを半分にしても,多くのプログラムは1ページに収まったままで,使用するページ数は増えない。一方,1ページに割り付けた主記憶のうち使われない部分(ページ内の無駄な空き領域)は半分になるので,主記憶不足が緩和される。ウが適切である。

イ,エのように,ページ数が増えてページ置換えやページフォールトが増えるのは,プログラムがページサイズより大きい場合である。アのページサイズを小さくすると,管理するページの数が増えるので,ページテーブルなどの領域管理のオーバーヘッドは増える。

外部断片化と内部断片化 セグメンテーション方式は大きさの違う領域を割り当てるので,解放と割当てを繰り返すと小さな空きが散らばり,合計は足りても連続した大きな領域を取れなくなる(外部断片化)。ページング方式は同じ大きさのページ枠に割り当てるので外部断片化は起きないが,最後のページの使わない部分が無駄になる(内部断片化)。 セグメンテーション A B C D 小さな空きが 散らばる 外部断片化 ページング ページ1 ページ2 ページ3 ページ4 余り 最後の ページ 内部断片化
ページングは外部断片化が起きない代わりに,ページの中の余りが無駄になる

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問17(表記を一部改変)

問18

優先度に基づくプリエンプティブなスケジューリングを行うリアルタイム OS における割込み処理の説明のうち,適切なものはどれか。ここで,割込み禁止状態は考慮しないものとし,割込み処理を行うプログラムを割込み処理ルーチン,割込み処理以外のプログラムをタスクと呼ぶ。

正解 ウ

解説

リアルタイム OS では,割込みが発生すると,実行中のタスクの優先度に関係なく,ハードウェアの働きで割込み処理ルーチンが呼び出されて実行される。割込み処理ルーチンは,最も優先度の高いタスクよりも優先して実行されるので,ウが適切である。

アは誤り。タスクの切替え(ディスパッチ)を禁止しても割込み自体は受け付けられ,割込み処理ルーチンは呼び出される(問題の条件で,割込み禁止状態は考慮しない)。イは誤り。割込み処理ルーチンの処理時間が長いと,その間は他のタスクが実行できないので,システムの応答性が悪くなる。エは誤り。割込み処理ルーチンは,割り込まれたタスクのレジスタなどの状態(コンテキスト)を退避してから,自分のコンテキストで実行される。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問18(表記を一部改変)

問19

LAN に接続された3台のプリンター A〜C がある。印刷時間が分単位で 4,6,3,2,5,3,4,3,1 の9個の印刷データがこの順で存在する場合,プリンター C が印刷に要する時間は何分か。ここで,プリンターは,複数台空いていれば,A,B,C の順で割り当て,1台も空いていなければ,どれかが空くまで待ちになる。また,初期状態では3台とも空いている。

正解 ウ

解説

印刷データは4,6,3,2,5,3,4,3,1 の順で,空いているプリンターに A,B,C の順で割り当てる。最初は A に 4分,B に 6分,C に 3分のデータを割り当てる。3分後に C が空くので,次の 2分のデータを C に割り当てる(C は 3~5 分)。4分後に A が空き,5分のデータを A に割り当てる(4~9 分)。5分後に C が空き,3分のデータを C に割り当てる(5~8 分)。6分後に B が空き,4分のデータを B に割り当てる(6~10 分)。8分後に C が空き,3分のデータを C に割り当てる(8~11 分)。9分後に A が空き,最後の1分のデータを A に割り当てる(9~10 分)。

プリンター C が印刷したデータは 3,2,3,3 分で,合計は 3+2+3+3=11 分になり,ウが正しい。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問19(表記を一部改変)

問20

アクチュエーターの機能として,適切なものはどれか。

正解 ウ

解説

アクチュエーターは,コンピュータが出力した電気信号を受け取って,モーターの回転や弁の開閉など,力学的な運動に変える装置である。ウが適切である。

アはアナログ信号をデジタル信号に変える A/D 変換器,イはキーボードやタッチパネルなどの入力装置,エは温度や圧力などの物理量を検出して電気信号に変えるセンサーの説明である。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問20(表記を一部改変)

問21

次の電子部品のうち,整流作用をもつ素子はどれか。

正解 ウ

解説

整流作用とは,電流を一方向にだけ流し,逆方向には流さない働きで,交流を直流に変える整流回路に使われる。この作用をもつ素子はウのダイオードである。

アのコイルは電流の変化に逆らう働き(インダクタンス)をもち,イのコンデンサは電荷を蓄えたり放出したりする。エの抵抗器は電流の流れにくさ(抵抗)を与える。いずれも電流の向きによって流れやすさが変わる整流作用はもたない。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問21(表記を一部改変)

問22

フラッシュメモリの特徴として,適切なものはどれか。

正解 エ

解説

フラッシュメモリは,電源を切ってもデータが消えない不揮発性メモリで,データを書き換えるときは,あらかじめ消去してから書き込む。消去はブロック単位で行う。エが適切である。

アは,書込みや消去を繰り返すと劣化するので回数に上限があり,誤り。イは,回路基板に載せたまま電気的に書き換えられるので,ROM ライターで書き込む必要はなく,誤り。ウのリフレッシュが必要なのは,コンデンサに電荷を蓄えて記憶する DRAM である。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問22(表記を一部改変)

問23

入力 X と Y の値が同じときにだけ,出力 Z に1を出力する回路はどれか。

正解 ウ

解説

入力 X と Y が同じときだけ1を出すのは,排他的論理和の否定(一致回路)で,論理式は X・Y+X・Ȳ となる。ウの回路は,NAND(X,Y) と NAND(X,Ȳ) を NAND に入れており,ド・モルガンの法則により NAND(NAND(X,Y),NAND(X,Ȳ))=X・Y+X・Ȳ となるので,ウが正しい。

アは (X・Y)・(X・Ȳ) で,X・Y と X・Ȳ が同時に1になることはないので常に0。イは (X+Y)+(X+Ȳ) で常に1。エは NOR(NOR(X,Y),NOR(X,Ȳ))=(X+Y)・(X+Ȳ)=X・Ȳ+X・Y で,値が異なるときに1になる排他的論理和である。

X と Y が同じときだけ1(一致回路) X と Y が同じとき(0・0 と 1・1)だけ Z=1 になるのは,排他的論理和の否定(一致)。論理式は X・Y+¬X・¬Y。NAND(NAND(X,Y),NAND(¬X,¬Y)) はド・モルガンの法則でこの式になる。 X Y X・Y ¬X・¬Y Z 0 0 0 1 1 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 1 1 1 0 1 Z = X・Y + ¬X・¬Y(同じときだけ1)
X・Y + ¬X・¬Y を NAND 3つで作る

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問23(表記を一部改変)

問24

顧客に,A〜Z の英大文字 26 種類を用いた顧客コードを割り当てたい。現在の顧客総数は 8,000 人であって,毎年,前年対比で2割ずつ顧客が増えていくものとする。3年後まで全顧客にコードを割り当てられるようにするためには,顧客コードは少なくとも何桁必要か。

正解 ア

解説

3年後の顧客数は 8,000×1.2×1.2×1.2=13,824 人になる。英大文字26種類を n 桁並べると 26n 通りのコードが作れる。

262=676 では足りず,263=17,576 なら 13,824 人全員に割り当てられるので,少なくとも3桁必要で,アが正しい。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問24(表記を一部改変)

問25

H.264/MPEG-4 AVC の説明として,適切なものはどれか。

正解 エ

解説

H.264/MPEG-4 AVC は,動画データを圧縮して符号化する方式で,ワンセグ放送やインターネットの動画配信,ブルーレイなどに使われる。エが適切である。

アはストリーミング配信の制御に使う RTSP などのプロトコル,イはテレビ会議などで使う H.323 などの通信方式,ウは番組内容などのメタデータを記述する MPEG-7 などの規格の説明であり,いずれも動画データを圧縮符号化する方式ではない。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問25(表記を一部改変)

問26

データ項目の命名規約を設ける場合,次の命名規約だけでは回避できない事象はどれか。

〔命名規約〕

正解 イ

解説

命名規約は,(1) 区分語を付けて区分語ごとにデータ型を定めること,(2) 辞書に登録して異音同義語や同音異義語をなくすことである。

アの“受信年月日”のデータ型が混在する事象は,区分語“年月日”のデータ型を定めた (1) で回避できる。ウの“賞与金額”と“ボーナス金額”のような異音同義語は,辞書で管理する (2) で回避できる。エの“取引先”は区分語が付いていない名前で,区分語を必ず付ける (1) で回避できる。イの“受注金額”の取り得る値の範囲がテーブルによって異なる事象は,データ型や名前の付け方を定めた規約では防げないので,イが回避できない事象である。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問26(表記を一部改変)

問27

“従業員”表に対して“異動”表による差集合演算を行った結果はどれか。

“従業員”表。列は従業員 ID,従業員名,所属。A001 情報太郎 人事部,A005 情報花子 経理部,B010 情報次郎 総務部,C003 試験桃子 人事部,C011 試験一郎 経理部の5行。
“異動”表。列は従業員 ID,従業員名,所属。A005 情報花子 経理部,B010 情報次郎 総務部,D080 技術桜子 経理部の3行。

正解 イ

解説

差集合演算(従業員−異動)は,“従業員”表の行のうち,“異動”表にも含まれる行を取り除いて残りを求める演算である。行が含まれるかどうかは,列の値がすべて一致するかで判断する。

“異動”表の A005(情報花子,経理部)と B010(情報次郎,総務部)は,“従業員”表の同じ行と全列が一致するので取り除かれる。D080 は“従業員”表にないので結果に影響しない。残るのは A001,C003,C011 の3行で,イが正しい。アは“従業員”表に D080 を加えた和集合,ウは A005 と B010 だけを取り出した積集合,エは“異動”表だけにある D080 の行(異動−従業員)である。

関係演算:選択・射影・和・差 選択は条件に合う行を取り出し,射影は指定した列を取り出す。射影の結果は集合なので,重複する行は1つにまとめる(SQL では DISTINCT)。表 T の A と C への射影では (a1,c1) と (a2,c2) が重なり,3行になる。和 R∪S は両方の行を合わせて重複を1つに,差 R−S は R にあって S にない行。 表 T(A と C を射影) ID A B C 001 a1 b1 c1 002 a1 b1 c2 003 a1 b2 c1 004 a2 b1 c2 005 a2 b2 c2 射影の結果 A C a1 c1 a1 c2 a2 c2 (a1,c1) と (a2,c2) が 重なるので 3行に R ID A B 0001 a 100 0002 b 200 0003 d 300 S ID A B 0001 a 100 0002 a 200 和 R∪S ID A B 0001 a 100 0002 a 200 0002 b 200 0003 d 300 差 R−S ID A B 0002 b 200 0003 d 300 0001 a 100 は S にもあるので除く
選択は行,射影は列。射影は重複を取り除く

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問27(表記を一部改変)

問28

“商品”表に対して,次の SQL 文を実行して得られる仕入先コード数は幾つか。

〔SQL 文〕

SELECT DISTINCT 仕入先コード FROM 商品
  WHERE (販売単価 - 仕入単価) >
        (SELECT AVG (販売単価 - 仕入単価) FROM 商品)
“商品”表。列は商品コード,商品名,販売単価,仕入先コード,仕入単価。A001 A 1,000 S1 800。B002 B 2,500 S2 2,300。C003 C 1,500 S2 1,400。D004 D 2,500 S1 1,600。E005 E 2,000 S1 1,600。F006 F 3,000 S3 2,800。G007 G 2,500 S3 2,200。H008 H 2,500 S4 2,000。I009 I 2,500 S5 2,000。J010 J 1,300 S6 1,000。

正解 ウ

解説

まず,副問合せの AVG(販売単価−仕入単価)を求める。各商品の差額は,A001 が 200,B002 が 200,C003 が 100,D004 が 900,E005 が 400,F006 が 200,G007 が 300,H008 が 500,I009 が 500,J010 が 300 で,合計 3,600 を 10 件で割った平均は 360 である。

差額が 360 を超える商品は D004(900,仕入先 S1),E005(400,S1),H008(500,S4),I009(500,S5)の4件で,仕入先コードは S1,S4,S5 の3種類になる。DISTINCT で重複を除くので,結果は3件で,ウが正しい。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問28(表記を一部改変)

問29

チェックポイントを取得する DBMS において,図のような時間経過でシステム障害が発生した。前進復帰(ロールフォワード)によって障害回復できるトランザクションだけを全て挙げたものはどれか。

トランザクションの時間経過の図。T1 はチェックポイントより前に開始しチェックポイント前にコミット。T2 はチェックポイント前に開始し,システム障害発生時点で未完了。T3 はチェックポイント後に開始し,システム障害発生時点で未完了。T4 はチェックポイント前に開始し,チェックポイント後,障害発生前にコミット。T5 はチェックポイント後に開始し,障害発生前にコミット。

正解 ウ

解説

前進復帰(ロールフォワード)は,チェックポイント以降にコミットされたトランザクションについて,ログを使って更新を進め直す処理。チェックポイントの時点でバッファの内容はディスクへ書き出されているので,その後にコミットしたものだけが対象になる。図では T4 と T5 が該当し,ウが正しい。

T1 はチェックポイントより前にコミットしており,更新は既にディスクに反映されているので何もしなくてよい。T2 と T3 は障害発生時点で未コミットなので,中途半端な更新を取り消す後退復帰(ロールバック)の対象になる。

システム障害からの回復:トランザクションの振り分け T1 はチェックポイントより前にコミットしているので何もしない。T4 と T5 は障害までにコミットしているので,更新後ログでロールフォワードする。T2 と T3 は障害の時点でコミットしていないので,更新前ログでロールバックする。 チェックポイント 障害 T1 何もしない T2 ロールバック T3 ロールバック T4 ロールフォワード T5 ロールフォワード コミット 破線:障害の時点でまだ終わっていない
ロールフォワードの対象は「チェックポイントの後,障害の前にコミットしたもの」

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問29(表記を一部改変)

問30

ACID 特性の四つの性質に含まれないものはどれか。

正解 イ

解説

ACID 特性は,トランザクション処理に求められる原子性(Atomicity),一貫性(Consistency),独立性(Isolation),耐久性(Durability)の四つの性質である。可用性は含まれないので,イが正しい。

可用性(Availability)は,必要なときにシステムを利用できる度合いを表し,RASIS(信頼性,可用性,保守性,保全性,機密性)や情報セキュリティの三要素(機密性,完全性,可用性)で使われる性質である。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問30(表記を一部改変)

問31

IP アドレスの自動設定をするために DHCP サーバが設置された LAN 環境の説明のうち,適切なものはどれか。

正解 ウ

解説

DHCP クライアントは,起動時に DHCPDISCOVER メッセージをブロードキャストで送信し,応答した DHCP サーバから IP アドレスなどの設定を受け取る。そのため,PC に DHCP サーバのアドレスをあらかじめ設定しておく必要はない。ウが適切である。

アは誤り。DHCP ではサブネットマスク,デフォルトゲートウェイ,DNS サーバのアドレスなども配布できる。イは誤り。DHCP で配布するアドレスの範囲から固定のアドレスを除いておけば,固定アドレスの PC と混在できる。エは誤り。アドレスには貸出期間(リース期間)があり,期限切れの後は別のアドレスが割り当てられることがある。

DHCP の4つのメッセージとリレーエージェント IP アドレスの無い PC は,宛先 255.255.255.255 のブロードキャストで DHCPDISCOVER を送る。サーバが DHCPOFFER で候補を出し,PC が DHCPREQUEST で申し込み,サーバが DHCPACK で承諾する。ブロードキャストはルータを越えないので,別のサブネットのサーバへはルータの DHCP リレーエージェントがユニキャストで中継する。PC にサーバのアドレスを設定しておく必要はない。 PC ルータ(リレー) DHCP サーバ DISCOVER(255.255.255.255 宛て) ユニキャストで中継 OFFER(このアドレスでどうか) REQUEST(それをください) ACK(割り当てた) 最初は自分のサブネットも知らないので 255.255.255.255 宛て ルータはブロードキャストを越えて転送しない
DISCOVER → OFFER → REQUEST → ACK。ルータ越えはリレーエージェントが中継

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問31(表記を一部改変)

問32

TCP/IP ネットワークで,データ転送用と制御用とに異なるウェルノウンポート番号が割り当てられているプロトコルはどれか。

正解 ア

解説

FTP(File Transfer Protocol)は,制御用のコネクションに TCP の 21 番,データ転送用のコネクションに 20 番と,異なるウェルノウンポート番号を割り当てている。アが正しい。

イの POP3 は 110 番,ウの SMTP は 25 番(メール投稿は 587 番)で,メッセージの転送と制御を同じポートで行う。エの SNMP は管理要求に 161 番,トラップの通知に 162 番を使うが,データ転送用と制御用の区別ではない。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問32(表記を一部改変)

問33

IPv4 のネットワークアドレスが 192.168.16.40/29 のとき,適切なものはどれか。

正解 ウ

解説

192.168.16.40/29 はプレフィックス長が 29 ビットで,ホスト部は 32−29=3 ビットである。サブネットマスクは 255.255.255.248 で,ネットワークアドレスは 192.168.16.40,ブロードキャストアドレスは 192.168.16.47 になる。ホスト部 3 ビットで表せるアドレスは 8 個で,ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを除いた 6 個(192.168.16.41〜46)が使用可能なホストアドレスなので,ウが適切である。

アの 192.168.16.48 は,次のサブネット(192.168.16.48/29)のアドレスである。イのサブネットマスク 255.255.255.240 は /28 の場合である。エのホスト部は 3 ビットで,29 ビットはネットワーク部の長さである。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問33(表記を一部改変)

問34

IP の上位階層のプロトコルとして,コネクションレスのデータグラム通信を実現し,信頼性のための確認応答や順序制御などの機能をもたないプロトコルはどれか。

正解 エ

解説

UDP は,トランスポート層で IP の上に位置し,コネクションを確立せずにデータグラムを送るプロトコルである。確認応答,再送,順序制御などの機能をもたない代わりに処理が軽く,リアルタイム性が求められる音声や動画,DNS の問合せなどに使われる。エが正しい。

ウの TCP はコネクション型で,確認応答や順序制御,再送制御によって信頼性を確保する。アの ICMP は IP の通信のエラー通知や診断(ping など)に使うネットワーク層のプロトコルで,データグラム通信を提供するものではない。イの PPP は2点間を接続するデータリンク層のプロトコルで,IP より下位にある。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問34(表記を一部改変)

問35

次の URL に対し,受理する Web サーバのポート番号(8080)を指定できる箇所はどれか。 https://www.example.com/member/login?id=user

正解 エ

解説

URL は,スキーム,ホスト名,ポート番号,パス,クエリ文字列の順に スキーム://ホスト名:ポート番号/パス?クエリ文字列 と書く。ポート番号を指定するときは,ホスト名の直後に“:”を付けて書く。したがって,https://www.example.com:8080/member/login?id=user となるエが正しい。

アはクエリ文字列の中,ウはパスの中,イはスキームの直後に置いており,いずれもポート番号を表す位置ではない。ポート番号を省略したときは,スキームに応じた既定の番号(https なら 443)が使われる。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問35(表記を一部改変)

問36

オープンリゾルバを悪用した攻撃はどれか。

正解 ウ

解説

オープンリゾルバは,誰からの再帰的な問合せにも答えてしまう DNS キャッシュサーバである。送信元 IP アドレスを標的のものに偽装した問合せを多数のオープンリゾルバへ送ると,その応答がすべて標的に集まる。問合せより応答のほうが大きいので通信量が増幅される。ウが該当する(DNS リフレクション攻撃,DNS アンプ攻撃)。

アは ICMP を使う Smurf 攻撃,イは hosts ファイルを書き換えて偽サイトへ誘導するファーミング,エは第三者中継を許すメールサーバ(オープンリレー)を踏み台にする攻撃であり,いずれもオープンリゾルバを使うものではない。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問36(表記を一部改変)

問37

サイドチャネル攻撃に該当するものはどれか。

正解 ア

解説

サイドチャネル攻撃は,暗号アルゴリズムそのものを数学的に破るのではなく,それを動かしている装置から “漏れ出る” 情報を手掛かりに秘密情報を推定する攻撃である。処理時間(タイミング攻撃),消費電力(電力解析攻撃),放射される電磁波(テンペスト攻撃),詳しすぎるエラーメッセージなどが手掛かりになる。アが該当する。

イは捨てられた書類をあさるスキャベンジング(トラッシング)で,ソーシャルエンジニアリングの一種である。ウは通信に割り込んで情報をすり替える中間者攻撃(Man-in-the-Middle 攻撃)である。エは入力値に SQL 文の断片を紛れ込ませる SQL インジェクションで,いずれも装置の物理的な振る舞いから秘密情報を得るものではない。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問37(表記を一部改変)

問38

デジタル証明書が失効しているかどうかをオンラインで確認するためのプロトコルはどれか。

正解 ウ

解説

OCSP(Online Certificate Status Protocol)は,デジタル証明書が失効しているかどうかを,OCSP レスポンダにオンラインで問い合わせて確認するためのプロトコルである。失効リスト(CRL)全体を取得しなくても,個々の証明書の状態をその都度確認できる。ウが該当する。

アの CHAP は PPP で接続する際にチャレンジレスポンス方式で利用者を認証するプロトコル,イの LDAP はディレクトリサービスにアクセスするプロトコル,エの SNMP はネットワーク機器を監視・管理するプロトコルである。

CRL と OCSP の違い CRL は,認証局が有効期限内に失効させた証明書のシリアル番号と失効日時を一覧にし,署名を付けて公開するもの。利用者はリストを取ってきて自分で照らし合わせる。OCSP は,利用者が調べたい証明書を OCSP レスポンダ(VA)にオンラインで問い合わせ,有効か失効しているかの答えを受け取る。 CRL(証明書失効リスト) 認証局 CA 失効した証明書の一覧 No.1024 3/10 失効 No.2041 5/02 失効 利用者 ブラウザなど 署名して公開 取ってきて照合 載るのは有効期限内に失効した証明書のシリアル番号と日時 OCSP 利用者 ブラウザなど OCSP レスポンダ VA(検証局) この証明書は有効? 有効・失効・不明を返す その都度オンラインで問い合わせるので,最新の状態が分かる
CRL は一覧を取ってきて自分で調べる,OCSP はその都度問い合わせる

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問38(表記を一部改変)

問39

組織的なインシデント対応体制の構築を支援する目的で JPCERT コーディネーションセンターが作成したものはどれか。

正解 ア

解説

JPCERT コーディネーションセンターが作成した“CSIRT マテリアル”は,組織内に CSIRT を構築し,インシデント対応体制を整えるための参考資料で,アが該当する。

イの“ISMS ユーザーズガイド”は,ISMS の認証や運用に関して JIPDEC が作成した資料である。ウの“証拠保全ガイドライン”はデジタル・フォレンジック研究会,エの“組織における内部不正防止ガイドライン”は IPA が作成した文書で,いずれも JPCERT コーディネーションセンターの作成物ではない。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問39(表記を一部改変)

問40

JPCERT コーディネーションセンターと IPA とが共同で運営する JVN の目的として,最も適切なものはどれか。

正解 イ

解説

JVN(Japan Vulnerability Notes)は,JPCERT コーディネーションセンターと IPA が共同で運営する脆弱性対策情報のポータルサイトで,ソフトウェア製品の脆弱性関連情報と,その対策情報を提供して,情報セキュリティ対策に資することを目的としている。イが最も適切である。

アのように脆弱性を検出する活動は JVN の目的ではない。ウの脆弱性の評価手法は共通脆弱性評価システム CVSS,エの脆弱性のタイプを識別するための基準は共通脆弱性タイプ一覧 CWE が該当する。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問40(表記を一部改変)

問41

JIS Q 31000:2019(リスクマネジメント−指針)におけるリスクアセスメントを構成するプロセスの組合せはどれか。

正解 イ

解説

JIS Q 31000:2019 は,リスクアセスメントを“リスク特定,リスク分析及びリスク評価を網羅するプロセス全体”と位置付けている。イが正しい。

リスク対応は,リスクアセスメントの結果に基づいて対応の選択肢を選び実施する,リスクアセスメントの次のプロセスである。リスク受容は,リスク対応の中でリスクを保有する判断に関わる概念であり,いずれもリスクアセスメントを構成するプロセスには含まれない。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問41(表記を一部改変)

問42

WAF による防御が有効な攻撃として,最も適切なものはどれか。

正解 イ

解説

WAF(Web Application Firewall)は,Web アプリケーションとやり取りされる HTTP 通信の中身を検査し,SQL インジェクションやクロスサイトスクリプティングなど,アプリケーションの脆弱性を狙う攻撃を遮断する。HTTP で提供される REST API の脆弱性を狙った攻撃も検査の対象にでき,イが適切である。

アの DNS キャッシュポイズニングは DNS の通信,ウの第三者中継を悪用したフィッシングメールとエの電子メール爆弾は SMTP による電子メールの通信を使った攻撃で,HTTP 通信を検査する WAF では防御できない。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問42(表記を一部改変)

問43

家庭内で,PC を無線 LAN ルータを介してインターネットに接続するとき,期待できるセキュリティ上の効果の記述のうち,適切なものはどれか。

正解 ア

解説

無線 LAN ルータの IP マスカレード(NAPT)機能は,家庭内の PC のプライベート IP アドレスを一つのグローバル IP アドレスに変換して通信する。インターネット側からは内部の PC のアドレスが直接見えず,内部から始めた通信の応答以外は内部に届かないので,インターネットからの不正侵入を防ぐ効果が期待できる。アが適切である。

イの PPPoE は,インターネット接続事業者との間で接続と認証を行うためのプロトコルで,経路上の通信を暗号化する機能はない。ウの WPA は無線 LAN の区間の通信を暗号化し認証する規格で,不正な Web サイトへの接続は防げない。エの WPS は無線 LAN の接続設定をボタン操作などで簡単にする機能で,マルウェア感染を防ぐものではない。

NAPT のアドレス変換 PC(192.168.1.10,ポート 5000)から Web サーバへの要求は,ルータで送信元が 203.0.113.1,ポート 60001 に書き換えられ,その組合せが対応表に残る。Web サーバからの応答は宛先が 203.0.113.1:60001 なので,ルータは表を見て宛先 IP アドレスと宛先ポート番号を 192.168.1.10:5000 に書き戻す。外から先に届いたパケットは表に対応がないので,内側へ転送できない。 PC 192.168.1.10 ルータ NAPT Web 198.51.100.5 送信元 .10:5000 送信元 .1:60001 宛先 203.0.113.1:60001 宛先 .10:5000 対応表 内側(プライベート) 外側(グローバル) 192.168.1.10 : 5000 203.0.113.1 : 60001 応答で書き換えるのは「宛先 IP アドレス」と「宛先ポート番号」 外から始まる通信は表に対応がないので,内側に届かない
要求では送信元を,応答では宛先を書き換える。対応は IP アドレスとポート番号の組

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問43(表記を一部改変)

問44

SPF(Sender Policy Framework) の仕組みはどれか。

正解 イ

解説

SPF(Sender Policy Framework)は,電子メールを受信するサーバが,メールの送信元ドメイン(エンベロープの送信元アドレスのドメイン)に対して DNS に登録された SPF レコード(送信を許可するメールサーバの IP アドレス)を調べ,実際にメールを送信してきたサーバの IP アドレスと照合して,送信元ドメインの詐称がないかを確認する仕組みである。イが正しい。

アはデジタル署名を使って詐称と改ざんを確認する DKIM の説明である。ウは全ての電子メールを保管するメールアーカイブ,エは上司の承認が得られるまで送信を保留する運用の説明で,どちらも送信元ドメインの詐称を検証する仕組みではない。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問44(表記を一部改変)

問45

ファジングに該当するものはどれか。

正解 イ

解説

ファジング(fuzzing)は,ソフトウェアに,想定外の値や極端に長い文字列など,問題を起こしそうな様々なデータを大量に入力し,異常終了や想定外の動作が起きないかを監視して,脆弱性を見つけ出す手法である。イが正しい。

アは,大量のリクエストを送って処理量を計測し,DDoS 攻撃への耐性を調べる負荷テスト。ウは,よく使われるパスワードを列挙したリストを使ってログインを試みるパスワードリスト攻撃(辞書攻撃)。エは,特別な意味をもつ文字や記号を別の文字列に置き換える,サニタイジング(エスケープ処理)の説明である。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問45(表記を一部改変)

問46

仕様書やソースコードといった成果物について,作成者を含めた複数人で,記述されたシステムやソフトウェアの振る舞いを机上でシミュレートして,問題点を発見する手法はどれか。

正解 ア

解説

ウォークスルーは,仕様書やソースコードなどの成果物を,作成者を含む複数人で,処理の流れを順にたどりながら机上でシミュレートし,誤りや問題点を見つけるレビュー手法である。アが該当する。

イのサンドイッチテストは,上位モジュールからのトップダウンテストと下位モジュールからのボトムアップテストを組み合わせる結合テストの手法。ウのトップダウンテストは,上位のモジュールから順に,下位をスタブで代替しながら結合していくテスト手法。エの並行シミュレーションは,監査人が用意したプログラムと本番のプログラムに同じデータを処理させ,結果を比べるシステム監査の技法である。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問46(表記を一部改変)

問47

信頼性工学の視点で行うシステム設計において,発生し得る障害の原因を分析する手法である FTA の説明はどれか。

正解 イ

解説

FTA(Fault Tree Analysis:故障の木解析)は,望ましくない障害(頂上事象)を起点に,その原因となる中間的な事象から基本的な事象までを洗い出し,AND ゲートや OR ゲートなどの論理記号で結んだ樹形図(フォールトツリー)で表して分析するトップダウンの手法である。イが該当する。

アは,構成品目の故障モードから上位への影響を評価するボトムアップの手法である FMEA(故障モード影響解析)の説明である。ウは,「なぜ」を繰り返して根本原因を突き止めるなぜなぜ分析,エは,欠陥を ODC(Orthogonal Defect Classification)の属性で分類して偏りを調べる ODC 分析の説明である。

FTA と FMEA FTA(故障の木解析)は,起きてほしくない障害(頂上事象)から出発し,その原因を AND や OR のゲートで結んで下へ掘り下げるトップダウンの手法。FMEA(故障モード影響解析)は,部品ごとに起こり得る故障モードを洗い出し,それがシステム全体にどう影響するかを評価するボトムアップの手法。 FTA(トップダウン) システム停止 OR 電源の故障 両系の故障 AND 1系 2系 FMEA(ボトムアップ) 部品 故障モード 影響 ファン 停止 過熱で停止 ディスク 読めない 片系で継続 電源 出力低下 再起動 部品の故障 → 全体への影響
FTA は結果から原因へ(上から下),FMEA は部品から影響へ(下から上)

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問47(表記を一部改変)

問48

流れ図で示したモジュールを表の二つのテストケースを用いてテストしたとき,テストカバレージ指標である C0(命令網羅)と C1(分岐網羅)とによる網羅率の適切な組みはどれか。ここで,変数 V〜変数 Z の値は,途中の命令で変更されない。

流れ図とテストケースの表。流れ図は,開始の後,V=0 を判定し,Yes なら命令1を実行して次へ,No ならそのまま次へ進む。次に (W=0) and (X=0) を判定し,Yes なら命令2を実行する。No なら (W≠0) and (X≠0) を判定し,Yes なら命令3を実行し,No ならそのまま合流する。次に (Y=0) and (Z=0) を判定し,Yes なら命令4を実行する。No なら (Y≠0) and (Z≠0) を判定し,Yes なら命令5を実行し,No ならそのまま合流して終了。表は,変数 V,W,X,Y,Z の値が,テストケース1ではすべて 0,テストケース2ではすべて 1。

正解 イ

解説

テストケース1では,V,W,X,Y,Z がすべて 0 なので,V=0 で命令1,(W=0) and (X=0) が成り立って命令2,(Y=0) and (Z=0) が成り立って命令4を実行する。テストケース2では,すべて 1 なので,V=0 は成り立たず,(W=0) and (X=0) も成り立たないが (W≠0) and (X≠0) が成り立って命令3,同様に (Y≠0) and (Z≠0) が成り立って命令5を実行する。

命令1〜5 はすべて実行されるので,C0(命令網羅)は 100%である。分岐は,判定が5か所で,それぞれが Yes と No の2通りなので合計 10 通りある。このうち,(W≠0) and (X≠0) と (Y≠0) and (Z≠0) の No の分岐は,どちらのテストケースでも通らない。通る分岐は 8 通りなので,C1(分岐網羅)は 8/10=80%になる。よって,イが正しい。

命令網羅・分岐網羅・条件網羅 「A かつ B」なら処理 X を行う流れ図。命令網羅は全ての命令を一度は通すので,A も B も真の1件で足りる。分岐網羅は判定の真と偽を両方通すので,(真,真)と(偽,真)の2件が要る。条件網羅は A と B のそれぞれが真と偽を取ればよいので(真,偽)と(偽,真)でも満たせるが,このとき判定は2回とも偽で,処理 X を一度も通らない。 A かつ B 真 処理 X 偽 命令網羅 (A,B)=(真,真)の1件 分岐網羅 (真,真)(偽,真)の2件 条件網羅 (真,偽)(偽,真)でもよい 条件網羅の例では判定が2回とも偽になり,処理 X を通らない 判定条件/条件網羅は,判定と各条件の真偽を両方そろえる
条件網羅を満たしても,分岐網羅や命令網羅を満たすとは限らない

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問48(表記を一部改変)

問49

エクストリームプログラミング (XP:Extreme Programming) における“テスト駆動開発”の特徴はどれか。

正解 エ

解説

テスト駆動開発は,プログラムを書く前に,そのプログラムが満たすべき振る舞いを確かめるテストコードを先に記述し,そのテストに合格するように最小限のコードを書き,リファクタリングで整えるという手順を短く繰り返す開発手法である。エが正しい。

アの最初のテストで多くのバグを摘出すること,イのテストケースの改善を繰り返すこと,ウのカバレージを高めることを目的とすることは,テスト駆動開発の特徴ではない。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問49(表記を一部改変)

問50

スクラムのスプリントにおいて,(1)〜(3)のプラクティスを採用して開発を行い,スプリントレビューの後に KPT 手法でスプリントレトロスペクティブを行った。“KPT”の“T”に該当する例はどれか。

〔プラクティス〕

正解 ウ

解説

KPT は,振り返りの内容を Keep(良かったので続けること),Problem(問題だったこと),Try(次に試す改善策)の三つに分けて整理する手法である。“次のスプリントからタイムキーパーを置く”という,次に取り組む具体的な改善策のウが Try に当たる。

アの,欠陥が少なかったのでペアプログラミングを続けるは Keep。イの,スタンドアップミーティングに全員が集まらなかった,エの,テストコードの作成に見積り以上の時間が掛かったは,いずれも Problem に当たる。

KPT:Keep・Problem・Try で振り返る KPT は振り返りの内容を,Keep(良かったので続けること),Problem(問題だったこと),Try(次に試す改善策)の三つに分けて整理する。欠陥が少なかったのでペアプログラミングを続けるは Keep,朝会に全員が集まらなかった・テストコードに時間が掛かったは Problem,次のスプリントからタイムキーパーを置くは Try。 Keep 続けること ペアプログラミングを続ける Problem 問題だったこと 朝会に全員が 集まらない テストコードに 時間が掛かった Try 次に試すこと タイムキーパーを 置き,終了5分前 を知らせる(ウ) Keep と Problem から,次の Try を決める
Try は「次に試す具体的な改善策」

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問50(表記を一部改変)

問51

プロジェクトマネジメントにおけるスコープの管理の活動はどれか。

正解 ウ

解説

スコープの管理は,プロジェクトのスコープの状況を監視し,スコープ・ベースラインへの変更を管理するプロセスである。連携先の外部システムのリリース延期を受けて,その連携作業をこのプロジェクトのスコープから外し別プロジェクトで行うと決めるウは,スコープを変更して管理する活動に当たる。

アの教育期間の延長はスケジュールの管理,イの追加予算の確保はコストの管理,エのテスト担当者の交代は資源(チーム)の管理の活動で,いずれもプロジェクトで行う作業の範囲そのものは変えていない。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問51(表記を一部改変)

問52

図は,実施する三つのアクティビティについて,プレシデンスダイアグラム法を用いて,依存関係及び必要な作業日数を示したものである。全ての作業を完了するための所要日数は最少で何日か。

プレシデンスダイアグラム。アクティビティ A(6日)からアクティビティ B(7日)へ終了−開始関係(リード2日)。アクティビティ B からアクティビティ C(5日)へ開始−開始関係(ラグ3日)。

正解 イ

解説

A は開始から 6 日で終わる。A→B は終了-開始関係でリードが 2 日なので,B は A の終了より 2 日前倒しでき,6−2=4 日目から着手できる。B は 7 日かかるので終了は 4+7=11 日目。B→C は開始-開始関係でラグが 3 日なので,C は B の開始の 3 日後,4+3=7 日目から着手でき,5 日かかるので終了は 7+5=12 日目。全体の完了はこれらのうち最も遅い 12 日で,イが正しい。

リードは後続作業を前倒しできる日数,ラグは後続作業を待たせる日数である。アの 11 は C の終了を見落として B の終了だけを答えた値。ウの 13 はリード 2 日を見落とし,B を A の終了直後(6 日目)から始めたときの B の終了日。エの 14 は同じくリードを見落としたうえで C の終了まで数えた値である。

リード付きの終了−開始と,ラグ付きの開始−開始 A(6日)と B(7日)は終了−開始関係でリード2日なので,B は A の終了の2日前(4日目)に始まり 11 日目に終わる。B と C(5日)は開始−開始関係でラグ3日なので,C は B の開始の3日後(7日目)に始まり 12 日目に終わる。全体は 12 日。 A A 6日 B B 7日 C C 5日 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 C が終わる 12 日目で全て完了
SS は「開始どうし」の関係。C は B の開始から数える

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問52(表記を一部改変)

問53

あるシステムの設計から結合テストまでの作業について,開発工程ごとの見積工数を表1に,開発工程ごとの上級技術者と初級技術者との要員割当てを表2に示す。上級技術者は,初級技術者に比べて,プログラム作成・単体テストにおいて2倍の生産性を有する。表1の見積工数は,上級技術者の生産性を基に算出している。

全ての開発工程に対して,上級技術者を1人追加して割り当てると,この作業に要する期間は何か月短縮できるか。ここで,開発工程の期間は重複させないものとし,要員全員が1か月当たり1人月の工数を投入するものとする。

表1。開発工程ごとの見積工数(人月)。設計 6,プログラム作成・単体テスト 12,結合テスト 12,合計 30。
表2。開発工程ごとの要員割当て(人)。設計は上級技術者 2,初級技術者 0。プログラム作成・単体テストは上級技術者 2,初級技術者 2。結合テストは上級技術者 2,初級技術者 0。

正解 エ

解説

工程ごとの期間を,見積工数を1か月当たりの投入量で割って求める。初級技術者はプログラム作成・単体テストで上級技術者の半分の生産性なので,0.5人分として数える。現在は,設計 6÷2=3か月,プログラム作成・単体テスト 12÷(2+2×0.5)=4か月,結合テスト 12÷2=6か月で,合計13か月。

上級技術者を1人ずつ追加すると,設計 6÷3=2か月,プログラム作成・単体テスト 12÷(3+1)=3か月,結合テスト 12÷3=4か月で,合計9か月になる。短縮できるのは 13−9=4か月で,エが正しい。初級技術者を上級と同じ1人分と数えると,プログラム作成・単体テストは 12÷4=3か月から 12÷5=2.4か月になり,短縮は3.4か月と選択肢に合わない。

上級 SE を1人ずつ足したときの期間 期間=見積工数÷1か月の投入量。初級 SE はプログラム作成・単体テストで上級の半分の生産性なので 0.5 人分。今は 3+4+6=13 か月。上級を1人ずつ足すと,設計 6÷3=2,プログラム作成 12÷(3+1)=3,結合テスト 12÷3=4 で 9 か月。13−9=4 か月短くなる。 工程 工数 今 1人追加 設計 6 6÷2=3 6÷3=2 プログラム作成 12 12÷(2+1)=4 12÷(3+1)=3 結合テスト 12 12÷2=6 12÷3=4 合計 30 13 か月 9 か月 13 − 9 = 4 か月短縮
初級は 0.5 人分として数える

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問53(表記を一部改変)

問54

あるシステム導入プロジェクトで,調達候補のパッケージ製品を多基準意思決定分析の加重総和法を用いて評価する。製品 A〜製品 D のうち,総合評価が最も高い製品はどれか。ここで,評価点数の値が大きいほど,製品の評価は高い。

〔各製品の評価〕

各製品の評価の表。評価項目,評価項目の重み,製品 A〜D の評価点数。機能要件の充足度合い:重み 5,A 7,B 8,C 9,D 9。非機能要件の充足度合い:重み 1,A 9,B 10,C 4,D 7。導入費用の安さ:重み 4,A 8,B 5,C 7,D 6。

正解 ウ

解説

加重総和法では,評価項目ごとの評価点数に重みを掛けて合計する。製品 A は 7×5+9×1+8×4=35+9+32=76,製品 B は 8×5+10×1+5×4=40+10+20=70,製品 C は 9×5+4×1+7×4=45+4+28=77,製品 D は 9×5+7×1+6×4=45+7+24=76 となる。

最も高いのは 77 の製品 C で,ウが正しい。重みを掛けずに点数を足すと A が 24 で最も高くなる(ア)が,重みを考慮した評価にならない。

加重総和法:評価点数に重みを掛けて合計する 製品 A は 7×5+9×1+8×4=76,B は 8×5+10×1+5×4=70,C は 9×5+4×1+7×4=77,D は 9×5+7×1+6×4=76。最も高いのは C。重みを掛けずに足すと A の 24 が最も高くなる。 評価項目 重み A B C D 機能要件 5 7 8 9 9 非機能要件 1 9 10 4 7 導入費用の安さ 4 8 5 7 6 加重総和 76 70 77 76 C:9×5+4×1+7×4 = 77(ウ) 重みなしで足すと A が 24 で最高(ア)
重みの大きい「機能要件」と「導入費用」で差がつき,C が 77

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問54(表記を一部改変)

問55

サービスマネジメントにおける問題管理の目的はどれか。

正解 イ

解説

問題管理は,インシデントの根本原因を特定し,恒久的な解決策によってインシデントの発生や再発を防ぐことを目的とするプロセスである。イが該当する。

アは,合意したサービスレベルの時間枠内でインシデントを解決するインシデント管理の目的。ウは,合意したサービス継続のコミットメントを果たすサービス継続管理の目的。エは,変更の影響を評価しリスクを最小にして実施しレビューする変更管理の目的である。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問55(表記を一部改変)

問56

あるサービスデスクでは,年中無休でサービスを提供している。要員は勤務表及び勤務条件に従って1日3交替のシフト制で勤務している。1週間のサービス提供で必要な要員は,少なくとも何人か。

〔勤務表〕

勤務表。早番:勤務時間帯 0:00〜8:30,勤務時間 8.5 時間,勤務する要員数 2 人。日中:8:00〜16:30,8.5 時間,4 人。遅番:16:00〜翌日 0:30,8.5 時間,2 人。

〔勤務条件〕

正解 ウ

解説

1日に必要な延べ人数は,早番2人,日中4人,遅番2人の計 8 人(8 シフト)で,1週間(7日)では 8×7=56 シフト分の要員が必要になる。

1シフトの労働時間は 7.5 時間(休憩 1 時間を除く)で,1週間の労働時間は 40 時間以内なので,1人が1週間に勤務できるのは 40÷7.5≒5.33,つまり最大5シフトである。必要な要員は 56÷5=11.2 で,端数を切り上げて 12 人となり,ウが正しい。引継ぎの 30 分は各シフトの勤務時間 8.5 時間に含まれている。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問56(表記を一部改変)

問57

入出力データの管理方針のうち,適切なものはどれか。

正解 イ

解説

出力帳票には重要な情報が含まれることがあるので,受渡しは授受管理表などで記録して確実に行い,重要度の高いものは業務部門の管理者に直接手渡しするなど,紛失や漏えいを防ぐ管理が必要である。イが適切である。

アは誤りで,帳票の出力停止は利用している業務部門と協議して決めるべきで,情報システム部門の独断では業務に支障が出る。ウも誤りで,入力データの誤りは原票を作成した業務部門に差し戻して確認・修正してもらう。エも誤りで,入力原票や EDI 受信ファイルは後の照合や追跡のために一定期間保存する。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問57(表記を一部改変)

問58

JIS Q 27001:2014(情報セキュリティマネジメントシステム−要求事項)に基づいて ISMS 内部監査を行った結果として判明した状況のうち,監査人が,指摘事項として監査報告書に記載すべきものはどれか。

正解 エ

解説

JIS Q 27001:2014 の 6.1.2(情報セキュリティリスクアセスメント)は,リスク受容基準などの情報セキュリティリスク基準を確立し維持することを求め,それに基づいてリスクアセスメントを実施するとしている。リスクアセスメントを実施した後にリスク受容基準を決めていたのでは,基準に照らしてリスクを評価できていないので,指摘事項に当たる。エが該当する。

アの定められた手順に従った USB メモリの使用許可,イの規定どおりの事故報告,ウのマルウェアスキャンによるスパイウェアの検知と駆除は,いずれも管理策が定めどおりに機能している状況であり,指摘事項にはならない。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問58(表記を一部改変)

問59

システム監査における“監査手続”として,最も適切なものはどれか。

正解 ウ

解説

監査手続は,監査項目について監査人が十分かつ適切な監査証拠を入手するために実施する手順のこと。

アは監査計画の立案や進捗管理,イは監査報告書の作成,エは監査体制の編成であり,いずれも監査証拠を入手する手順そのものではない。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問59(表記を一部改変)

問60

システム監査基準の意義はどれか。

正解 ア

解説

システム監査基準は,システム監査業務の品質を確保し,有効かつ効率的な監査を実現するための,システム監査人の行為規範である。アが該当する。

ウの情報システムのガバナンス,マネジメント,コントロールを点検・評価・検証する際の判断の尺度は,システム管理基準の説明である。イはシステム監査人が備えるべき知識・技能の水準に関する記述で,システム監査の行為規範を示すシステム監査基準の意義ではない。エの,どのような組織体にも共通する情報システム管理の基本事項を体系化したものは,システム管理基準の性格に近く,システム監査基準の意義ではない。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問60(表記を一部改変)

問61

BCP の説明はどれか。

正解 エ

解説

BCP(事業継続計画)は,災害や事故などで事業が中断・阻害されたときに,事業を復旧し,再開して,あらかじめ定めた水準まで回復させるための手順を文書にしたもの。事業継続マネジメントシステムの規格 JIS Q 22301 でもこの趣旨で定義されている。エが正しい。

アは財務・顧客・内部ビジネスプロセス・学習と成長の四つの視点から戦略を検討するバランススコアカード。イは業務プロセスを可視化して継続的に改善する BPM。ウは業務プロセスを外部に委託する BPO の説明である。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問61(表記を一部改変)

問62

経済産業省が取りまとめた“デジタル経営改革のための評価指標 (DX 推進指標)”によれば,DX を実現する上で基盤となる IT システムの構築に関する指標において,“IT システムに求められる要素”について経営者が確認すべき事項はどれか。

正解 イ

解説

DX 推進指標は,IT システム構築の枠組みの“IT システムに求められる要素”として,データ活用,スピード・アジリティ,全社最適の三つの項目を置いている。スピード・アジリティの設問は“環境変化に迅速に対応し,求められるデリバリスピードに対応できる IT システムとなっているか”で,イが該当する。

アの,全体設計やベンダーの選別ができる人材を確保できているかは,同じ IT システム構築の枠組みでも“ガバナンス・体制”の人材確保の設問である。ウは,データをリアルタイム等使いたい形で使えることを求めるデータ活用の考え方と逆になっている。エは,部門ごとの個別最適を解消し全社最適でデータを活用できることを求める全社最適の考え方と逆になっている。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問62(表記を一部改変)

問63

エンタープライズアーキテクチャ (EA) を説明したものはどれか。

正解 ウ

解説

エンタープライズアーキテクチャ(EA)は,組織全体の業務と情報システムを,ビジネス(政策・業務体系),データ(データ体系),アプリケーション(適用処理体系),テクノロジ(技術体系)の四つの体系で整理・分析し,全体最適化の観点から見直すための手法である。ウが該当する。

アはオブジェクト指向の分析・設計の表記法を統一した UML,イはエンティティとリレーションシップでデータ構造を表す E-R 図(ERD),エはデータフロー,プロセス,ファイル(データストア),データ源泉/データ吸収で業務の流れを表す DFD の説明である。

エンタープライズアーキテクチャ(EA)の4つの体系 EA は,組織全体の業務と情報システムを,ビジネス(政策・業務体系),データ(データ体系),アプリケーション(適用処理体系),テクノロジ(技術体系)の4つの体系で整理する。それぞれの現状(As-Is)と理想(To-Be)を描き,その差を埋める移行計画で全体最適を図る。 現状(As-Is) 理想(To-Be) ビジネス 政策・業務体系 データ データ体系 アプリケーション 適用処理体系 テクノロジ 技術体系 差を埋める移行計画
4つの体系ごとに現状と理想を描き,移行計画を立てる

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問63(表記を一部改変)

問64

投資効果を正味現在価値法で評価するとき,最も投資効果が大きい(又は最も損失が小さい)シナリオはどれか。ここで,期間は3年間,割引率は5%とし,各シナリオのキャッシュフローは表のとおりとする。

各シナリオのキャッシュフローの表(単位 万円)。シナリオ A:投資額 220,回収額 1年目 40,2年目 80,3年目 120。シナリオ B:投資額 220,回収額 120,80,40。シナリオ C:投資額 220,回収額 80,80,80。投資をしない:いずれも 0。

正解 イ

解説

正味現在価値は,各年の回収額を割引率で現在価値に直して合計し,投資額を引いて求める。割引率5%なら1年目は 1.05,2年目は 1.052=1.1025,3年目は 1.053≒1.1576 で割る。

A は 40/1.05+80/1.1025+120/1.1576≒38.1+72.6+103.7=214.4 で,220 を引くと約 −5.6 万円。B は 120/1.05+80/1.1025+40/1.1576≒114.3+72.6+34.6=221.5 で約 +1.5 万円。C は 80/1.05+80/1.1025+80/1.1576≒76.2+72.6+69.1=217.9 で約 −2.1 万円。投資をしない場合は 0 である。

最も大きいのは B で,イが正しい。割り引かずに合計すると回収額はどのシナリオも 240 万円で同じになり,差が出ない。早い時期に多く回収するシナリオほど現在価値が大きくなる。

正味現在価値(NPV)の求め方 投資200に対して,1年後100,2年後90,3年後80のキャッシュインがある例を割引率5%で評価する。1年後は1.05,2年後は1.05の2乗,3年後は1.05の3乗で割って今の価値に直すと,95.2,81.6,69.1で合計は約246。これから投資額200を引いた約46が NPV で,正なので投資する価値がある。 −200(今の投資) 100→95.2 ÷1.05 1年後 90→81.6 ÷1.05² 2年後 80→69.1 ÷1.05³ 3年後 将来の金額 今の価値 現在価値の合計 約246 246 − 200 = NPV 約46 正なので投資する価値がある
先のお金ほど大きく割り引く。現在価値の合計から投資額を引いたものが NPV

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問64(表記を一部改変)

問65

組込み機器のハードウェアの製造を外部に委託する場合のコンティンジェンシープランの記述として,適切なものはどれか。

正解 エ

解説

コンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)は,リスクが実際に起きてしまった場合に何をするかをあらかじめ決めておく計画。「顕在化したときに備えて,対処するための計画を策定する」がこれに当たる。

ア・イ・ウはいずれもリスクが起きる前に発生確率や影響を下げようとする予防的な対策(リスク軽減策)であり,顕在化後の対応計画ではない。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問65(表記を一部改変)

問66

“情報システム・モデル取引・契約書<第二版>”によれば,ウォーターフォールモデルによるシステム開発において,ユーザ(取得者)とベンダ(供給者)間で請負型の契約が適切であるとされるフェーズはどれか。

開発フェーズの一覧と範囲を示す図。フェーズは左から,システム化計画,要件定義,システム外部設計,システム内部設計,ソフトウェア設計・プログラミング・ソフトウェアテスト,システム結合,システムテスト,受入・導入支援。矢印アはシステム化計画から受入・導入支援まで,イは要件定義から受入・導入支援まで,ウは要件定義からシステム結合まで,エはシステム内部設計からシステム結合までを示す。

正解 エ

解説

IPA の“情報システム・モデル取引・契約書<第二版>”では,フェーズごとに契約類型の基本を定めている。システム化計画と要件定義は準委任,システム外部設計は準委任又は請負,システム内部設計,ソフトウェア設計・プログラミング・ソフトウェアテスト,システム結合は請負,システムテストは準委任又は請負,受入・導入支援は準委任である。請負型を基本とするのはシステム内部設計からシステム結合までなので,エが該当する。

ユーザが主体となって要件を固める段階や,ユーザが受け入れる段階は,成果物の完成をベンダに約束させる請負にはなじまず,準委任を基本とする。そのため,要件定義や受入・導入支援まで含むア,イ,ウは適切ではない。

モデル取引・契約書:工程ごとの契約の型 ユーザが主体となって進めるシステム化計画・要件定義・受入・導入支援は準委任型。ベンダが成果物の完成に責任を負えるシステム内部設計からシステム結合までは請負型。システム外部設計とシステムテストは,準委任型か請負型のどちらか。 システム 化計画 準委任 要件定義 準委任 外部設計 どちらか 内部設計 請負 設計・製 造・テス ト 請負 システム 結合 請負 システム テスト どちらか 受入・導 入支援 準委任 請負:内部設計〜システム結合 要件定義と受入・導入支援はユーザが主体(準委任)
成果物を完成させる約束ができる工程(内部設計〜結合)が請負

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問66(表記を一部改変)

問67

M&A の際に,買収対象企業の経営実態,資産や負債,期待収益性といった企業価値などを買手が詳細に調査する行為はどれか。

正解 エ

解説

デューデリジェンスは,M&A の際に,買収対象企業の経営実態,資産や負債,期待収益性などを,買手が詳細に調査することである。エが該当する。

アの株主総会招集請求は,株主が会社に対して株主総会の開催を求める権利の行使。イの公開買付開始公告は,株式の公開買付け(TOB)を始めるときに行う公告。ウのセグメンテーションは,市場を顧客の属性などで細分化するマーケティングの手法である。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問67(表記を一部改変)

問68

ターゲットリターン価格設定の説明はどれか。

正解 ウ

解説

ターゲットリターン価格設定は,目標とする投資収益率(利益率)を達成できるように,原価に目標利益を上乗せして価格を決める方法である。ウが該当する。

アは競合他社の価格を基準にする競争志向(競争基準)の価格設定,イは顧客層,時間帯,場所などごとに異なる価格を設定する差別価格の設定,エは消費者が感じる価値や値頃感に基づく知覚価値(需要志向)の価格設定の説明である。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問68(表記を一部改変)

問69

コンジョイント分析の説明はどれか。

正解 イ

解説

コンジョイント分析は,価格,デザイン,使いやすさなど商品がもつ複数の属性を組み合わせた候補を購入者に評価してもらい,どの属性とその水準の組合せが購入者に重視されているかを統計的に分析する手法である。イが該当する。

アは顧客を売上高などの順に並べて重要な顧客層を見いだす ABC 分析やデシル分析,ウは同じ時期に生まれた世代の行動や意識の特徴に注目するコーホート分析,エはブランドのイメージを軸にとった散布図で位置付けを見るポジショニング分析(パーセプションマップ)の説明である。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問69(表記を一部改変)

問70

API エコノミーの事例として,適切なものはどれか。

正解 エ

解説

API エコノミーは,企業が自社のサービスやデータを API として外部に公開し,他の企業がそれを自社のサービスに組み込んで利用することによって,企業の枠を越えて新たな価値やビジネスが生まれる経済圏である。ホテル事業者が,他社が公開しているタクシー配車アプリの API を自社のアプリに組み込んでサービスを提供するエが該当する。

アは学内の既存システムを統合する EAI の活用,イは API を社内の部署にだけ提供したもの,ウは自社のデータの分析に BI ツールを利用したものであり,いずれも他社との間で API を介した価値の連鎖を生んでいない。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問70(表記を一部改変)

問71

ファブレスの特徴を説明したものはどれか。

正解 ウ

解説

ファブレスは,fabrication facility(工場)をもたない(less)という意味で,自社では生産設備を保有せず,製品の企画・設計・開発やブランドの管理に専念して,製造は外部の企業に委託する事業形態である。工場や設備への投資が要らないので固定費を圧縮でき,需給の変動にも迅速に対応して,企画・開発に注力できる。ウが該当する。

アは,1人又は数人が全工程を受け持ち,多品種少量生産に対応しやすいセル生産方式である。イは,後工程が必要な部品の時期と数量を前工程に伝えて供給を受けるかんばん方式(ジャストインタイム生産方式)である。エは,生産設備をもたない企業から製造を請け負う受託製造側の説明であり,EMS やファウンドリと呼ばれる形態である。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問71(表記を一部改変)

問72

構成表の製品 A を 300 個出荷しようとするとき,部品 b の正味所要量は何個か。ここで,A,a,b,c の在庫量は在庫表のとおりとする。また,他の仕掛残,注文残,引当残などはないものとする。

構成表(単位 個)。品名 A は構成部品 a が 3,b が 2,c が 0。品名 a は構成部品 b が 1,c が 2(a の欄は斜線)。
在庫表(単位 個)。品名と在庫量は,A が 100,a が 100,b が 300,c が 400。

正解 イ

解説

正味所要量は,総所要量から在庫量を差し引いた量である。製品 A は 300 個出荷するが在庫が 100 個あるので,A の正味所要量は 200 個。

A 1個に部品 a が3個,b が2個使われる。a の総所要量は 200×3=600 個で在庫 100 個を引いて正味 500 個。b は A から直接 200×2=400 個,a から 500×1=500 個で総所要量 900 個,在庫 300 個を引いて正味所要量は 600 個となり,イが正しい。

ウの 900 は在庫を引く前の総所要量。在庫を考えずに A 300 個分で計算すると b は 300×2+900×1=1,500 個(エ)になる。

部品 b の正味所要量 製品 A は300個出荷するが在庫が100個あるので正味200個。部品 a は 200×3=600個から在庫100個を引いて正味500個。部品 b は A から 200×2=400個,a から 500×1=500個で計900個,在庫300個を引いて正味600個。 A 300−在庫100=200 a 600−100=500 b 200×2=400 b 500×1=500 c b:400 + 500 = 900,在庫300を引いて 600 個
在庫を引いた「正味」の数で下の階層を計算する

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問72(表記を一部改変)

問73

サイバーフィジカルシステム (CPS) の説明として,適切なものはどれか。

正解 ウ

解説

サイバーフィジカルシステム(CPS)は,センサーなどで現実世界(フィジカル空間)のデータを収集し,サイバー空間でコンピュータによって分析・加工して,その結果を現実世界にフィードバックすることで,新たな価値を生み出す仕組みである。ウが適切である。

アは1台の物理サーバで複数の OS を動かすサーバ仮想化,イは仮想世界への没入感を与える VR(バーチャルリアリティ),エは国家による強制通用力をもたない電子的な通貨である暗号資産(仮想通貨)の説明である。

CPS とデジタルツイン CPS は,現実世界のデータをセンサで集め,サイバー空間で分析・加工し,結果を現実世界に返して価値を生む仕組み全体。デジタルツインは,その輪のうちサイバー空間に現実をそっくり再現し,現実では試せないシミュレーションを行うところにあたる。 現実(フィジカル) 工場・都市・設備 センサ サイバー空間 デジタルツイン 現実をそっくり再現 シミュレーション ① 集める ③ 現実に返す ② 分析する VR やメタバースは,現実を再現して返すことが目的ではない
CPS は「集める→分析する→返す」の輪。デジタルツインは「分析する」場所

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問73(表記を一部改変)

問74

ハーシィとブランチャードが提唱した SL 理論の説明はどれか。

正解 イ

解説

ハーシィとブランチャードが提唱した SL 理論(Situational Leadership theory)は,唯一最適なリーダーシップは存在せず,有効なスタイルは部下の成熟度によって変わるとする理論である。成熟度が低い順に,細かく指示する教示的,説明して納得させる説得的,意思決定に加わってもらう参加的,任せる委任的の四つにスタイルを分ける。イが正しい。

アは,自分が知っているか,他人が知っているかの組合せで四つの窓に分けて自己理解と対人関係を説明するジョハリの窓である。ウは,共同化,表出化,連結化,内面化のプロセスで知識が創造されるとする SECI モデルである。エは,マズローの欲求段階説である。

SL 理論(状況対応リーダーシップ) ハーシィとブランチャードの SL 理論は,最適なリーダーシップは部下の成熟度によって変わるとする。成熟度が低いと細かく指示する教示的,少し上がると説明して納得させる説得的,さらに上がると意思決定に加える参加的,十分に高いと任せる委任的なスタイルが有効。 教示的 細かく指示 説得的 説明し納得 参加的 決定に加える 委任的 任せる 部下の成熟度 低 → 高 ジョハリの窓・SECI・欲求5段階とは別のもの
部下の成熟度が上がるにつれ,教示的 → 説得的 → 参加的 → 委任的

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問74(表記を一部改変)

問75

予測手法の一つであるデルファイ法の説明はどれか。

正解 エ

解説

デルファイ法は,複数の専門家に同じ質問のアンケートを繰り返し,前回の全体の回答傾向を示しながら回答し直してもらうことで,意見を収束させて予測を得る手法。匿名で行うため,声の大きい人に引きずられにくい点が特徴になる。エが正しい。

アは景気動向指数のように先行指標から予測する方法。イは計量モデルによる予測。ウはクロスセクション分析(横断面分析)で,いずれも専門家の意見を集約する手法ではない。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問75(表記を一部改変)

問76

引き出された多くの事実やアイディアを,類似するものでグルーピングしていく収束技法はどれか。

正解 ウ

解説

親和図法は,収集した多くの事実やアイディアを,内容の近さ(親和性)で小さなグループにまとめ,さらにグループどうしをまとめていくことで,全体の構造を整理する収束技法である。ウが該当する。

アの NM 法は,テーマに類似した事柄からヒントを得て発想を広げる類比発想の技法。イのゴードン法は,本当のテーマを参加者に伏せて抽象的なテーマで自由に発想させる技法。エのブレーンストーミングは,批判をせずに自由に多くのアイディアを出し合う技法で,いずれもアイディアを広げる発散技法である。

親和図法 集めた事実やアイデア,意見などの言語データを1枚ずつカードに書き,内容の近いもの(親和性の高いもの)どうしを小さなグループにまとめて見出しを付ける。さらにグループどうしをまとめていき,問題の構造をはっきりさせる。新 QC 七つ道具の一つで,収束技法に当たる。 待ち時間が長い カード カード カード 説明が分かりにくい カード カード カード 設備が古い カード カード カード 見出しの付いたグループを,さらにまとめていく
似たカードどうしをまとめ,見出しを付ける

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問76(表記を一部改変)

問77

表の製品甲と乙とを製造販売するとき,年間の最大営業利益は何千円か。ここで,甲と乙の製造には同一の機械が必要であり,機械の年間使用可能時間は延べ 10,000 時間,年間の固定費総額は 10,000 千円とする。また,甲と乙の製造に関して,機械の使用時間以外の制約条件はないものとする。

製品の表。製品甲:製品単価 30 千円,製品1個当たりの変動費 18 千円,製品1個当たりの機械使用時間 10 時間。製品乙:製品単価 25 千円,変動費 14 千円,機械使用時間 8 時間。

正解 イ

解説

製品1個当たりの限界利益(単価−変動費)は,甲が 30−18=12 千円,乙が 25−14=11 千円である。機械の使用時間が限られているので,機械1時間当たりの限界利益で比べると,甲は 12÷10=1.2 千円,乙は 11÷8=1.375 千円で,乙のほうが有利である。

使用可能時間 10,000 時間をすべて乙に使うと,10,000÷8=1,250 個を製造でき,限界利益は 1,250×11=13,750 千円になる。ここから固定費 10,000 千円を引いた営業利益は 3,750 千円で,イが正しい。甲だけを作ると 1,000 個で 12,000−10,000=2,000 千円(ア)にとどまる。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問77(表記を一部改変)

問78

A 社は顧客管理システムの開発を,情報システム子会社である B 社に委託し,B 社は要件定義を行った上で,ソフトウェア設計・プログラミング・ソフトウェアテストまでを,協力会社である C 社に委託した。C 社では自社の社員 D にその作業を担当させた。このとき,開発したプログラムの著作権はどこに帰属するか。ここで,関係者の間には,著作権の帰属に関する特段の取決めはないものとする。

正解 ウ

解説

著作権法第15条第2項は,法人等の発意に基づきその業務に従事する者が職務上作成するプログラムの著作物の著作者は,契約や勤務規則などに別段の定めがない限り,その法人等とすると定めている(職務著作)。社員 D が C 社の業務として作成したプログラムの著作者は C 社になり,著作権も C 社に帰属する。ウが正しい。

ア,イは誤り。開発を委託した A 社や B 社は,契約で著作権の譲渡を定めない限り,委託しただけでは著作権を取得しない。エは誤り。実際に作成した 社員 D は,職務著作の要件を満たすので著作者とならない。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問78(表記を一部改変)

問79

発注者と受注者との間でソフトウェア開発における請負契約を締結した。ただし,発注者の事業所で作業を実施することになっている。この場合,指揮命令権と雇用契約に関して,適切なものはどれか。

正解 エ

解説

請負契約では,受注者が仕事の完成を請け負い,作業者の指揮命令は受注者が行う。作業場所が発注者の事業所であっても,発注者が受注者の作業者に直接指揮命令をすると,実態が労働者派遣となる偽装請負になる。また,作業者は受注者との雇用関係のまま作業を行い,発注者と新たな雇用契約を結ぶ必要はない。エが適切である。

アとイは発注者に指揮命令権があるとしている点が誤りである。アとウは作業者が発注者と新たな雇用契約を結ぶとしている点も誤りで,作業場所が発注者の事業所であることは雇用契約を結ぶ理由にならない。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問79(表記を一部改変)

問80

ソフトウェアやデータに欠陥がある場合に,製造物責任法の対象となるものはどれか。

正解 ア

解説

製造物責任法(PL 法)の対象になる“製造物”は,製造又は加工された動産である(同法2条1項)。ソフトウェアを ROM 化して組み込んだ機器は動産に当たり,その欠陥によって損害が生じたときは製造物責任を問われうる。アが該当する。

ソフトウェア単体(イのパッケージ,ウの OS)や,ネットワークからダウンロードしたデータ(エ)は,それ自体は有体物の動産ではないので,一般に製造物責任法の対象にならないと解されている。

出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問80(表記を一部改変)