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用語解説

DDoS 攻撃(リフレクション攻撃・Smurf 攻撃)

DoS 攻撃(サービス妨害攻撃)は,大量の通信や処理を送りつけて,サーバやネットワークを使えなくする攻撃です。 多数のコンピュータから一斉に行うものを DDoS 攻撃と呼びます。 情報処理安全確保支援士とネットワークスペシャリストの科目A-2(午前Ⅱ)で繰り返し出ていて, 送信元の IP アドレスを偽ることで何が起きるかが,多くの問題の鍵になります。

リフレクション攻撃(増幅型の攻撃)

UDP は接続の手順を踏まないので,送信元の IP アドレスを簡単に偽れます。リフレクション攻撃はこれを悪用します。

  1. 攻撃者が,送信元を攻撃対象の IP アドレスに偽った要求を,インターネット上の第三者のサーバ(DNS・NTP・Memcached など)に大量に送る
  2. サーバは,偽られた送信元,つまり攻撃対象に応答を返す
  3. 小さな要求に対して大きな応答を返す機能を狙うので,攻撃者が送った量の何倍もの通信が攻撃対象に届く(増幅)
DNS(DNS リフレクタ攻撃・DNS amp)キャッシュ DNS サーバと権威 DNS サーバを分け,インターネット側からキャッシュ DNS サーバに問い合わせられないようにする
NTP状態確認の機能(monlist)を無効にする。大きな応答を返すのはこの機能
DNS リフレクタ攻撃(DNS amp)の流れ 攻撃者は送信元 IP アドレスを攻撃対象に偽った小さな問合せを,誰からの再帰的な問合せにも答えるキャッシュ DNS サーバ(オープンリゾルバ)に大量に送る。応答は偽られた送信元,つまり攻撃対象に返り,問合せより大きな応答が集中する。NTP の monlist など,小さな要求に大きく答える UDP のサービスでも同じ形の攻撃になる。 攻撃者 オープンリゾルバ キャッシュ DNS オープンリゾルバ キャッシュ DNS オープンリゾルバ キャッシュ DNS 攻撃対象 ① 送信元を攻撃対象に偽った小さな問合せ ② 大きな応答 対策:外部からの再帰的な問合せに答えない(キャッシュと権威を分ける)
送信元を偽るので,応答が攻撃対象に集まる。対策はオープンリゾルバにしないこと

Smurf 攻撃

Smurf 攻撃は,送信元を攻撃対象の IP アドレスに偽った ICMP エコー要求(ping)を,ネットワークのブロードキャストアドレスあてに送る攻撃です。 そのネットワークの機器が一斉にエコー応答を返すので,大量の応答パケットが攻撃対象に集中します。 ブロードキャストを使って増幅する点で,リフレクション攻撃の一種といえます。

SYN フラッド攻撃と SYN/ACK の観測

SYN フラッド攻撃は,TCP の接続要求(SYN)だけを大量に送り,サーバに接続の途中の状態を溜め込ませて,新しい接続を受け付けられなくする攻撃です。 攻撃者は送信元の IP アドレスをでたらめに偽るので,サーバの返す応答(SYN/ACK)は,でたらめなあて先に散らばります。

どこにも使われていない IP アドレス空間(ダークネット)に,送信元が A で送信元ポートが 80/tcp の SYN/ACK が大量に届いたら, A の Web サーバが SYN フラッド攻撃を受け,偽りのあて先に応答を返していると推定できます。つまり攻撃されているのは A です。

ボットネットと対策

DDoS 攻撃の通信の発信元になるのは,マルウェアに感染した多数のコンピュータ(ボットネット)です。 C&C サーバが,遠隔操作できる状態になった機器に攻撃などの指示を出します。 マルウェアの Mirai は,初期設定の弱いパスワードのままの IoT 機器に次々に感染を広げ,C&C サーバの指令で DDoS 攻撃を行いました。

いくつもの種類の攻撃(SYN フラッドと HTTP の大量の要求,サーバの資源を枯渇させる攻撃と帯域を埋める攻撃など)を同時に仕掛けるものを,マルチベクトル型 DDoS 攻撃と呼びます。 Web サイトの側では,コンテンツを各地のサーバから配る CDN を使うと,通信が分散されて DDoS 攻撃の影響を軽減できます。

試験での問われ方

当サイトが収録している科目A(午前)の問題のうち,DDoS・Smurf・リフレクタ・サービス妨害などの語が出てくるのは38問です。 ほとんどが情報処理安全確保支援士とネットワークスペシャリストの科目A-2(午前Ⅱ)です。型ごとに数えると次のとおりです。

出題された過去問(38問)

リンク先の年度ページで,問題と解説を読めます。

科目A-1(午前Ⅰ・高度試験 共通)(1問)
情報処理安全確保支援士 科目A-2(午前Ⅱ)(26問)
ネットワークスペシャリスト 科目A-2(午前Ⅱ)(10問)
  • 令和6年度 春期 問16Web コンテンツを提供する際に CDN(Content Delivery Network)を利…
  • 令和5年度 春期 問17NTP を使った増幅型の DDoS 攻撃に対して,NTP サーバが踏み台にされることを防止する対…
  • 令和4年度 春期 問21DNS の再帰的な問合せを使ったサービス妨害攻撃(DNS リフレクタ攻撃)の踏み台にされないため…
  • 令和3年度 春期 問17リフレクタ攻撃に悪用されることの多いサービスの例はどれか。
  • 令和元年度 秋期 問18送信元 IP アドレスが A,送信元ポート番号が 80/tcp の SYN/ACK パケットを,…
  • 令和元年度 秋期 問21DNS の再帰的な問合せを使ったサービス妨害攻撃(DNS リフレクタ攻撃)の踏み台にされることを…
  • 平成29年度 秋期 問17未使用の IP アドレス空間であるダークネットに到達する通信の観測において,送信元 IP アドレ…
  • 平成29年度 秋期 問21DNS の再帰的な問合せを使ったサービス不能攻撃(DNS amp 攻撃)の踏み台にされることを防…
  • 平成28年度 秋期 問18NTP を使った増幅型の DDoS 攻撃に対して,NTP サーバが踏み台にされることを防止する対…
  • 平成25年度 秋期 問21DNS の再帰的な問合せを使ったサービス不能攻撃(DNS amp)の踏み台にされることを防止する…
システムアーキテクト 科目A-2(午前Ⅱ)(1問)

関連する用語

DNS のセキュリティ(DNSSEC・キャッシュポイズニング) ファイアウォールと DMZ WAF・IDS・IPS