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平成25年度 春期 午前Ⅱ

平成25年度 春期に実施されたプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱの全25問に,運営者が独自に書いた解説を付けています。正解の理由に加えて,多くの問題でほかの選択肢がなぜ誤りなのかも説明しています。

この試験について:プロジェクトマネージャ試験について

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問1

プロジェクトに関わるステークホルダの説明のうち,適切なものはどれか。

正解 ウ

解説

ステークホルダは,プロジェクトに積極的に関与する者や,プロジェクトの実行や完了によって利益に影響を受ける者(個人や組織)である。成果によって利益を得る者もいれば,不利益を受ける者もいる。ウが正しい。

アは誤りで,顧客,供給者,規制当局,地域住民など,組織の外部にもステークホルダはいる。イは誤りで,プロジェクトに直接参加せず,成果の影響を受けるだけの者もステークホルダである。エは誤りで,個人だけでなく,組織や集団もステークホルダになる。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問1(表記を一部改変)

問2

あるソフトウェア開発部門では,開発工数 E(人月)と開発規模 L(キロ行)との関係が,E=5.2L0.98 で表される。L=10 としたときの生産性(キロ行/人月)は,およそ幾らか。

正解 ア

解説

生産性は,開発規模を開発工数で割った値(k ステップ/人月)である。L=10 のとき E=5.2×100.98 で,100.98 は 10 よりわずかに小さい約9.5なので,E は約49.7人月。生産性は 10÷49.7 で約0.2となり,アが正しい。

指数が1なら E=52 で生産性は 10÷52≒0.19 なので,0.98 の影響は小さいと見当を付けてもよい。エの 5.2 は式の係数そのもので,規模当たりの工数(E÷L≒5)に近く,生産性の逆数に当たる量を見ている。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問2(表記を一部改変)

問3

プロジェクトのライフサイクルの一般的な特徴のうち,適切なものはどれか。

正解 イ

解説

プロジェクトの開始時は分からないことが多く,不確実性が最も高い。作業が進んで成果物が具体化するにつれて,何をどう実現するかが確定していき,不確実性は減っていく。イが正しい。

アは誤りで,要員数は一般に開始時は少なく,中盤で最大になり,終盤に向けて減っていく。ウは誤りで,ステークホルダがコストを大きく変えずに成果物に影響を与えられるのは開始時が最も高く,終盤ほど低くなる。エは誤りで,完了に近づくほど,変更やエラーの修正に掛かるコストと影響は大きくなる。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問3(表記を一部改変)

問4

プロジェクトの立上げプロセスで作成する“プロジェクト憲章”はどれか。

正解 エ

解説

プロジェクト憲章は,立上げのプロセスで作成し,プロジェクトの存在を公式に認可する文書である。プロジェクトの目的や妥当性,大まかな要求事項,全体のスケジュール(マイルストーン),任命されたプロジェクトマネージャとその権限のレベルなどを記す。エが正しい。

アは各計画プロセスのアウトプットをまとめたプロジェクトマネジメント計画書,イはプロジェクトの目的・成果物・境界・受入基準などを記すプロジェクトスコープ記述書,ウは作業を階層構造で分解した WBS の説明である。いずれも立上げの後の計画プロセスで作成する。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問4(表記を一部改変)

問5

WBS の構成要素であるワークパッケージに関する記述のうち,適切なものはどれか。

正解 ウ

解説

WBS は,プロジェクトの作業と成果物を階層的に分解したもので,その最下位の要素がワークパッケージである。ワークパッケージは,コストや期間を見積もって管理できる単位であり,スケジュールを作成する段階で,更に具体的な作業であるアクティビティに分解される。ウが適切である。

アの OBS(組織ブレークダウンストラクチャ)は組織の構造を表すもので,担当者を割り当てたものがワークパッケージではない。イの関連のある要素成果物をまとめたものは,ワークパッケージより上位の階層の要素である。エのワークパッケージは,一つ上位の要素を分解したものなので,上位の要素成果物に対して複数ある場合もあり,1対1に対応するとは限らない。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問5(表記を一部改変)

問6

PMBOK のプロジェクトスコープマネジメントにおいて作成するプロジェクトスコープ記述書の説明のうち,適切なものはどれか。

正解 ウ

解説

PMBOK のプロジェクトスコープ記述書は,プロジェクトの要素成果物(成果物)と,それを生み出すために必要な作業を記述する文書である。成果物の受入れ基準,スコープから除外する事項,制約条件や前提条件なども書く。ウが正しい。

アは順序が逆で,WBS はスコープ記述書を基に作成し,スコープ記述書と WBS などを合わせたものがスコープベースラインになる。イは誤りで,スコープに含まれない事項も除外事項として明記し,関係者の認識のずれを防ぐ。エの予算の見積りやスケジュールの策定は,コストやタイムのマネジメントのプロセスで行う。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問6(表記を一部改変)

用語解説:PMBOK(プロジェクトマネジメントの知識体系)

問7

クリティカルチェーン法による進捗管理の方法のうち,適切なものはどれか。

正解 ア

解説

クリティカルチェーン法では,各タスクの見積りから余裕を取り除き,それをまとめてプロジェクトバッファとしてクリティカルチェーンの最後に置く。進捗はバッファの消費の度合いで管理し,消費が少ないうち(安全区域)は対策を取らず,注意区域に入ったら対策を準備し,危険区域に入ったら対策を実施する。アが正しい。

イは誤りで,個々のタスクの遅れはバッファで吸収する前提なので,遅れのたびにクリティカルチェーンを見直すことはしない。ウは誤りで,進捗は作業中にも残り日数で報告を受け,バッファの消費を継続的に見る。エは個々のタスクの遅れに逐一対応するやり方で,バッファで全体を管理するクリティカルチェーン法の考え方と逆である。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問7(表記を一部改変)

問8

次のアローダイアグラムを基にして要員計画を立てる。要員数の増減を極力抑え,かつ,最短日数で終えられるように計画を立てる場合,1日当たりの最大要員数は何名になるか。ここで,各工程は1名で作業するものとする。

アローダイアグラム。結合点1から,作業 a(3日)で結合点2へ,作業 b(3日)で結合点3へ。結合点2から作業 c(4日)で結合点4へ。結合点3から作業 d(5日)で結合点5へ,作業 e(2日)で結合点7へ。結合点5から結合点4へダミー作業(破線)。結合点4から作業 f(5日)で結合点6へ。結合点5から作業 g(4日)で結合点7へ。結合点6から作業 h(4日)で結合点8へ。結合点7から作業 i(3日)で結合点8へ。

正解 ア

解説

最短日数はクリティカルパス b→d→(ダミー)→f→h の 3+5+5+4 = 17日である。これを1名が受け持つと,残りの作業 a,c,e,g,i をもう1名が日程の余裕の中で順に行えるかを確かめればよい。a(0〜3日),c(3〜7日。f が始まる8日目までに終わればよい),e(7〜9日。b の後ならいつでもよい),g(9〜13日。d が終わる8日目以降),i(13〜16日。17日目までに終わればよい)と並べると,1名で重ならずに収まる。したがって1日当たりの最大要員数は2名で,アが正しい。

各作業をすべて最も早く開始すると,0〜3日に a と b,3〜7日に c・d・e の3作業が重なるので,要員数は最大3名になる(イ)。余裕のある作業の開始を遅らせて山を崩せば,最短日数のまま2名に抑えられる。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問8(表記を一部改変)

問9

プロジェクトマネジメントにおけるクラッシングの例として,適切なものはどれか。

正解 ア

解説

クラッシングは,コストの追加を受け入れてでもアクティビティの所要期間を短くする技法。クリティカルパス上のアクティビティに人的資源を追加するのがその典型である。

エは,本来は順に行う作業を重ねて進めるファストトラッキング。イはコスト削減策,ウは完了予定日を動かしただけで,どちらも期間短縮の技法ではない。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問9(表記を一部改変)

用語解説:クリティカルパス

問10

表はプロジェクトの作業リストである。作業 D の総余裕時間は何日か。ここで,各作業の依存関係は,全てプレシデンスダイアグラム法における終了-開始関係とする。

作業リストの表。作業 A は先行作業なしで所要期間4日,作業 B は先行作業 A で5日,作業 C は先行作業 B で3日,作業 D は先行作業 A で1日,作業 E は先行作業 C,D で2日。
〔作業リスト〕

正解 ウ

解説

各作業の最早開始日を求めると,A は0日目に始まり4日目に終わる。B は4〜9日目,C は9〜12日目,D は4〜5日目,E は C と D の両方が終わった12日目から14日目で,プロジェクトは14日で終わる。作業 D は E が始まる12日目までに終わればよいので,最遅開始日は 12 − 1 = 11日目である。総余裕時間は最遅開始日 − 最早開始日 = 11 − 4 = 7日で,ウが正しい。

アの0はクリティカルパス A→B→C→E 上の作業の総余裕時間である。イの4は D の最早開始日,エの14はプロジェクト全体の所要日数で,いずれも D の総余裕時間ではない。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問10(表記を一部改変)

問11

プロジェクトの進捗管理を EVM(Earned Value Management)で行っている。コストが超過せず,納期にも遅れないと予想されるプロジェクトはどれか。ここで,それぞれのプロジェクトの開発の生産性は今までと変わらないものとする。

正解 ウ

解説

EVM では,出来高(EV)と実コスト(AC)を比べるとコストの状況が,EV と計画値(PV)を比べるとスケジュールの状況が分かる。今後の生産性が変わらないとき,コストが超過しないのは EV が AC 以上(CPI≧1),納期に遅れないのは EV が PV 以上(SPI≧1)の場合である。現在の時点で EV が最も上にあり,PV,AC の順に並ぶウが両方を満たす。

アは EV が PV より上なので予定より進んでいるが,AC が EV を上回りコストが超過する。イは AC が最も高く EV が最も低いので,コスト超過でスケジュールも遅れている。エは AC が EV より低くコストは収まるが,EV が PV を下回りスケジュールが遅れている。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問11(表記を一部改変)

用語解説:EVM(アーンドバリューマネジメント)

問12

ファンクションポイント法の一つである IFPUG 法では,機能をデータファンクションとトランザクションファンクションとに分類する。機能を適切に分類したものはどれか。

〔機能種別〕

正解 ウ

解説

IFPUG 法のファンクションポイントでは,アプリケーションが保持・参照するデータのまとまりをデータファンクション,データを出し入れする処理をトランザクションファンクションとして数える。データファンクションは,アプリケーション内で維持する内部論理ファイル(ILF)と,他のアプリケーションが維持し参照だけする外部インタフェースファイル(EIF)の2種類。トランザクションファンクションは,外部入力(EI),外部出力(EO),外部照会(EQ)の3種類である。ウが正しい。

ア・イ・エは,処理である EI・EO・EQ をデータファンクションに含めたり,ファイルである EIF や ILF をトランザクションファンクションに含めたりしている。“ファイル”と付くものがデータ,“入力・出力・照会”がトランザクションと覚えるとよい。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問12(表記を一部改変)

問13

品質の定量評価の指標のうち,ソフトウェアの保守性の評価指標になるものはどれか。

正解 イ

解説

保守性は,不具合を見つけて直すのがどれだけ容易かを表す品質特性。1件あたりの平均修正時間(修正時間の合計÷修正件数)が短いほど保守しやすいので,これが保守性の指標になる。

アは欠陥密度で信頼性の指標,ウは移植に伴う変更量の割合で移植性の指標。エは改良要求の発生頻度であり,ソフトウェアの保守性そのものを測るものではない。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問13(表記を一部改変)

問14

表は RACI チャートを用いた,あるプロジェクトの責任分担マトリックスである。設計アクティビティに対して説明責任をもつ要員は誰か。

アクティビティごとに要員の役割を R・A・C・I で示した表。要員は阿部・伊藤・佐藤・鈴木・田中・野村の順。要件定義は C・A・I・I・I・R,設計は R・I・I・C・C・A,開発は A・−・R・−・R・I,テストは I・I・C・R・A・C。

正解 エ

解説

RACI チャートでは,R(Responsible)が実行責任,A(Accountable)が説明責任,C(Consulted)が相談対応,I(Informed)が情報提供を表す。設計アクティビティの行で A が付いているのは野村なので,説明責任をもつのは野村で,エが正しい。

同じ行の阿部は R で実際に設計を行う担当,鈴木と田中は C で相談を受ける立場,伊藤と佐藤は I で結果を知らされる立場である。A は作業の結果に最終的な責任を負う人で,一つのアクティビティにつき1人に絞るのが原則なので,選択肢のように2人組になることはない。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問14(表記を一部改変)

問15

プロジェクトにどのツールを導入するかを,EMV(期待金額価値)を用いて検討する。デシジョンツリーが次の図のとき,ツール A を導入する EMV がツール B を導入する EMV を上回るのは,X が幾らより大きい場合か。

デシジョンツリー。“どのツールを導入するか”の決定ノードから二つの枝が出る。一つは“ツール A を導入(費用120万円)”で,その先の機会ノードから,60%で“効果が大きい(効果額 X 万円)”,40%で“効果が小さい(効果額90万円)”に分かれる。もう一つは“ツール B を導入(費用60万円)”で,その先の機会ノードから,60%で“効果が大きい(効果額120万円)”,40%で“効果が小さい(効果額60万円)”に分かれる。凡例は,黒い四角が決定ノード,黒い丸が機会ノード。

正解 ウ

解説

EMV は,機会ノードの先の効果額を確率で重み付けして足し,導入費用を引いて求める。ツール B は 120×0.6+60×0.4−60=72+24−60=36万円。ツール A は X×0.6+90×0.4−120=0.6X−84万円である。

ツール A の EMV が B を上回る条件は 0.6X−84>36 なので,0.6X>120,X>200。X が200万円より大きい場合で,ウが正しい。X=200 のときは両方とも36万円で等しい。費用を引き忘れると,A が 0.6X+36,B が 96 となり X>100 と誤るので,決定ノードの枝の費用も必ず差し引く。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問15(表記を一部改変)

問16

Web コンテンツの作成に当たって,アクセシビリティを確保する観点から考慮すべきことはどれか。

正解 ア

解説

アクセシビリティは,障害のある人や高齢者を含む誰もが情報やサービスを利用できることである。マウスを使えない人や,画面読み上げソフトを使う人のために,キーボードだけで全ての操作ができるようにしておく。アが正しい。

イは,画面読み上げソフトは項目名,入力欄の順に読むので,“(半角)”のような入力方法の注意が入力欄の後ろにあると,入力し終えてから知ることになる。注意書きは入力欄の前に置く。ウの単語の途中の空白は,読み上げで単語が分かれて意味が伝わらなくなる。エの色だけでエラーを示す方法は,色を見分けにくい人に伝わらないので,文字やアイコンでも示す必要がある。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問16(表記を一部改変)

問17

SOA(Service Oriented Architecture)でサービスを設計する際の注意点のうち,適切なものはどれか。

正解 ウ

解説

SOA では,業務の機能を独立したサービスとして部品化し,それらを組み合わせてシステムを構築する。サービス間の関係を疎結合にしておけば,業務が変化したときに,サービスを入れ替えたり組み合わせを変えたりして柔軟に対応できる。ウが適切である。

アのステートフルなインタフェースは,サービスが利用者の状態を保持するためにサービス間の結び付きが強くなり,再利用や拡張がしにくくなるので,SOA ではステートレスにするのが一般的である。イのサービスの命名は業務上の役割が分かるようにするのが望ましく,業務からの独立性の確保とは関係がない。エの SOA はサービスの再利用を前提とした考え方である。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問17(表記を一部改変)

用語解説:SOA(サービス指向アーキテクチャ)

問18

ソフトウェア開発におけるプロセスモデルに関する記述として,適切なものはどれか。

正解 イ

解説

スパイラルモデルは,システムを幾つかの部分に分け,要求の確定・設計・開発・評価のサイクルを繰り返しながら,段階的に機能を追加して完成度を高めていくモデルである。各サイクルでユーザの評価を受けて要求を確定し,次のサイクルに反映する。イが正しい。

アは誤りで,ウォータフォールモデルでは工程を順に進めて前の工程に戻らないことを前提とするので,企画段階の誤りは後の工程(テストや運用)になってから判明しやすい。ウは誤りで,プロトタイピングはエンドユーザに試作品を見てもらって要求を引き出す手法であり,エンドユーザの参加が欠かせない。エは誤りで,スパイラルモデルではプロトタイプを使うことが多いが,それが前提となっているわけではない。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問18(表記を一部改変)

問19

情報システムの設計のうち,フェールソフトの例はどれか。

正解 ウ

解説

フェールソフトは,故障が起きたときにシステムを止めるのではなく,機能や性能を落としてでも動き続けさせる(縮退運転する)考え方。ハードウェア障害時に構成を縮小して運転を続けるウがこれに当たる。

アとイは,障害時に安全な側へ倒して停止させるフェールセーフ。エは利用者の誤操作を未然に防ぐフールプルーフの例。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問19(表記を一部改変)

問20

サーバ上のデータのバックアップに関する記述として,最も適切なものはどれか。

正解 エ

解説

互いに関連する複数のファイルを更新する処理の途中でバックアップを取ると,あるファイルは更新後,別のファイルは更新前という食い違った状態が保存され,そこから戻すとデータの整合性が崩れる。一連の更新処理が全て終わった時点でバックアップを取るエが適切である。

アは誤りで,利用頻度が下がったデータを消去する場合は,むしろバックアップや保管用の媒体に残しておくべきである。イは誤りで,更新頻度が低いデータも本稼働後に変わり得るので,全体のバックアップを定期的に取るなどして,どの時点にも戻せるようにしておく。ウは誤りで,同じ媒体に上書きすると,バックアップ中の障害や媒体の故障で全てを失う。複数の世代の媒体を用意して管理する。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問20(表記を一部改変)

問21

システムの非機能要件となるものはどれか。

正解 ウ

解説

非機能要件は,システムが何をするかという機能要件以外の要件で,品質(信頼性,使用性,効率性,保守性など),技術,運用・操作,移行,セキュリティなどに関する要件を指す。共通フレーム 2013 では,非機能要件の品質要件として使用性などの品質特性を援用できるとしている。システムの操作性は使用性に関する要件であり,ウが非機能要件である。

アのシステム化を実現する業務の範囲,イのシステム内での情報(データ)の流れ,エの他システムとのインタフェースは,いずれもシステムが提供する機能やその実現範囲を定めるもので,共通フレーム 2013 では機能要件の定義で明確にするものとされている。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問21(表記を一部改変)

問22

情報機器(コンピュータ,プリンタ,ファクシミリなど)の調達に際し,選定の目安となる,製品の稼働時,待機時の消費電力などの基準に適合した製品であることを示す環境ラベルはどれか。

正解 ウ

解説

国際エネルギースタープログラムは,コンピュータ,プリンタ,ファクシミリ,複写機などのオフィス機器について,稼働時や待機時(スリープ時)の消費電力などの基準を定め,それを満たした製品に国際エネルギースターロゴの表示を認める制度である。日本と米国などが相互に運用している。ウが正しい。

アの FSC 認証ロゴマークは,適切に管理された森林から生産された木材や紙製品であることを示す。イのグリーンマークは,古紙を原料に利用した製品であることを示す。エの統一省エネラベルは,エアコンや冷蔵庫,テレビなどの家電製品の省エネ性能を,小売店で星の数などで表示するもので,情報機器の調達の基準ではない。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問22(表記を一部改変)

問23

基準値を超える鉛,水銀などの有害物質を電気・電子機器に使用することを制限するために,欧州連合が2006年に施行したものはどれか。

正解 イ

解説

RoHS 指令は,電気・電子機器に鉛,水銀,カドミウム,六価クロムなどの特定有害物質を基準値を超えて含むことを制限する欧州連合(EU)の指令である。イが正しい。

アの ISO 14001 は環境マネジメントシステムの国際規格。ウの WEEE 指令は,使用済みの電気・電子機器の回収やリサイクルを製造者などに求める EU の指令で,有害物質の使用制限ではない。エのグリーン購入法は,国などに環境負荷の少ない製品の調達を求める日本の法律である。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問23(表記を一部改変)

用語解説:ISO 14001(環境マネジメントシステム)と環境の規制

問24

個人情報保護法で保護される個人情報の条件はどれか。

正解 ウ

解説

個人情報保護法の個人情報は,生存する個人に関する情報であって,氏名や生年月日などにより特定の個人を識別できるもの(他の情報と容易に照合して識別できるものを含む)や,個人識別符号を含むものをいう。亡くなった人の情報は対象外なので,ウが正しい。

アは誤りで,顧客に限らず従業員や取引先の担当者などの情報も対象になる。イは誤りで,本人が秘密にしている情報に限らず,公開されている氏名なども個人情報に当たる。エは誤りで,国籍は問わず,外国人の情報も対象になる。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問24(表記を一部改変)

問25

日本工業標準調査会を説明したものはどれか。

正解 ア

解説

日本工業標準調査会(JISC)は,工業標準化法に基づいて経済産業省に置かれた審議会で,JIS(日本工業規格)の制定や改正などを審議していた。アが正しい。なお,2019年7月の法改正で工業標準化法は産業標準化法に,JIS は日本産業規格に,日本工業標準調査会は日本産業標準調査会に名称が変わっている。

イは IEEE(米国電気電子学会),ウは JEC 規格を定める電気学会の電気規格調査会,エは電子情報技術産業協会(JEITA)の説明である。

出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問25(表記を一部改変)