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JIS Q 22301(事業継続マネジメントシステム)

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JIS Q 22301 は,事業継続マネジメントシステム(BCMS:Business Continuity Management System)の要求事項を定めた規格です。 国際規格 ISO 22301 に対応しています。 事業継続計画(BCP)を一度作って終わりにせず,事業への影響の分析,戦略の選択,計画の作成,演習,見直しを, 組織の仕組みとして繰り返し回すための要求事項を定めています。

版の移り変わり

JIS国際規格名指しした年度
JIS Q 22301:2013ISO 22301:2012平成25〜30年度
JIS Q 22301:2020ISO 22301:2019令和3年度から
JIS Q 22301:2025(追補1)ISO 22301:2019/
Amd 1:2024
まだ無い

2020年版は 2020年11月20日に改正され,名前は「セキュリティ及びレジリエンス―事業継続マネジメントシステム―要求事項」です。 平成25年度秋期の問題は,JIS ではなく国際規格の ISO 22301:2012 を名指ししていました。 2025年8月20日に公示された追補1は,2020年版のうち気候変動に関わる2か所だけを改めたものです(下の「これから問われそうなところ」)。

出典:ISMS-AC「JIS Q 22301:2020発行のお知らせ」, ISMS-AC「JIS Q 22301:2025 (ISO 22301:2019+Amd 1:2024)発行のお知らせ」(いずれも2026年10月4日に確認)

マネジメントシステム規格の見分け

試験では,JIS Q 22301 が何のマネジメントシステムの規格かを,ほかの規格が対象とするものと並べて選ばせます。 規格の番号と対象を対で覚えておきます。

規格対象のマネジメントシステム
JIS Q 22301事業継続(BCMS)
JIS Q 27001情報セキュリティ(ISMS)
JIS Q 20000-1IT サービス(SMS)
JIS Q 15001個人情報保護(PMS)
JIS Q 9001品質(QMS)
JIS Q 14001環境(EMS)

これらは同じ骨組み(箇条4 組織の状況,5 リーダーシップ,6 計画,7 支援,8 運用,9 パフォーマンス評価,10 改善)を共有しています。 規格ごとの違いが最も大きく出るのは,箇条8「運用」です。

箇条8「運用」の中身(2020年版)

箇条主な内容
8.2 事業影響度分析及びリスクアセスメント事業が止まったときの影響が時間とともにどう大きくなるかを分析し(事業影響度分析,BIA),優先して再開する事業活動と,必要な資源を決める。あわせて事業の中断・阻害のリスクを評価する
8.3 事業継続戦略及び具体策優先事業活動を続ける・再開するための戦略と具体策を選び,必要な資源(人,情報及びデータ,建物などのインフラ,設備,ICT システム,交通手段,資金,パートナー及びサプライヤ)を決める
8.4 事業継続計画及び手順対応体制,警告及びコミュニケーション,事業継続計画,復旧の手順を定める
8.5 演習プログラム計画が実際に機能するかを演習で確かめる
8.6 事業継続の文書化及び能力の評価計画や手順,戦略が適切か,有効かを評価する

MTPD と RTO の関係

2020年版の 8.2.2(事業影響度分析)は,組織に次のことを求めています。

つまり,RTO は MTPD より短く設定する関係にあります。MTPD はこれを超えたら事業が立ち行かない限界,RTO はその限界の手前で再開する目標です。 2013年版では MTPD は用語として定義されていましたが,2020年版では事業影響度分析の注記で「呼ぶことがある」名前として扱われています。

条文は JIS Q 22301:2020 の 8.2.2 による(kikakurui.com で2026年10月4日に確認)。 RTO と RPO の違いはBCP のページにまとめています。

試験での問われ方

当サイトが収録している午前の問題のうち,JIS Q 22301(ISO 22301 を含む)を名指しするのは7問です。 6問がITサービスマネージャ,1問がITストラテジストの午前Ⅱです。

これから問われそうなところ(予想)

出典:日本規格協会「解説:ISOマネジメントシステム規格の追補改訂(amendment)~気候変動への配慮」(2026年10月4日に確認)

予想問題(オリジナル)

当サイトが作ったオリジナルの問題です。IPA の過去問ではありません。ほかの用語の予想問題の一覧

問1JIS Q 22301:2020 の事業影響度分析において,最大許容停止時間(MTPD)と目標復旧時間(RTO)の関係として,適切なものはどれか。

  1. アMTPD は RTO を基に,RTO より短い時間として設定する。
  2. イMTPD と RTO は同じ時間であり,どちらかを特定すればよい。
  3. ウRTO は,事業活動を再開しないことによる影響が許容できなくなるまでの時間枠(MTPD)の内側で設定する。
  4. エRTO は,データをどの時点まで復旧させるかを示す指標であり,MTPD とは関係がない。
正解と解説

正解:ウ

8.2.2 は,影響が許容できなくなるまでの時間枠(MTPD)を特定し,その時間内で事業活動を再開する優先すべき時間枠(RTO)を設定するよう求めています。

  • ア:逆です。MTPD が限界で,RTO はその手前の目標です。
  • イ:同じにすると,再開が少しでも遅れたら許容できない状態になり,余裕がありません。
  • エ:データをどの時点まで戻すかは RPO(目標復旧時点)です。

問2ISO 22301 を含むマネジメントシステム規格に対して 2024年に発行された追補(JIS Q 22301 では 2025年の追補1)で,箇条4.1“組織及びその状況の理解”に加わった要求事項はどれか。

  1. ア組織は,気候変動が関連する課題かどうかを決定しなければならない。
  2. イ組織は,温室効果ガスの排出量を算定し,毎年公表しなければならない。
  3. ウ組織は,環境マネジメントシステムの認証を取得しなければならない。
  4. エ組織は,事業継続計画に気候変動を想定した演習を年1回以上含めなければならない。
正解と解説

正解:ア

追補は,組織の状況を理解する段階で,気候変動が自らにとって関連する課題かどうかを決めることを求めるものです。あわせて 4.2 に,利害関係者が気候変動に関する要求事項をもつ可能性がある旨の注記が加わりました。

  • イ・ウ・エ:追補はこのような具体的な取組を義務づけていません。関連する課題と判断した場合に,その後の計画などで扱います。

出題された過去問(7問)

リンク先の年度ページで,問題と解説を読めます。

ITサービスマネージャ 午前Ⅱ(6問)
ITストラテジスト 午前Ⅱ(1問)

関連する用語

BCP(事業継続計画・RTO・RPO) JIS Q 27000 シリーズ(情報セキュリティマネジメント) JIS Q 20000(サービスマネジメントシステム) JIS Q 15001 とプライバシーマーク(個人情報保護マネジメントシステム)