今の IT の動きから,これから高度試験に出題されそうな新しい技術 19語を解説しています。 過去の出題の傾向ではなく,IPA のシラバスの改訂や法律の施行といったこれから問われる根拠のある用語を選び, 各ページに当サイトが作ったオリジナルの予想問題を付けています。
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シラバスに追加済み・まだ出題なし(12語)
- EDR と XDR(侵入後の検知と対応)予想問題へパソコンやサーバ(エンドポイント)の動きを常に記録して,侵入されたあとの不審な振る舞いを見つけ,端末の隔離などの対応までを行う仕組みが EDR です。範囲をネットワークやクラウドにまで広げたものを XDR と呼びます。
- SRE(サイト信頼性エンジニアリング)予想問題へサービスの信頼性を,ソフトウェア開発の手法で保つ運用の考え方です。信頼性の目標(SLO)を数値で決め,目標を下回らない範囲の「エラーバジェット」を使って,新しい機能のリリースと安定した運用の釣り合いを取ります。
- MLOps予想問題へ機械学習のモデルを作って終わりにせず,本番で使いながら精度を見張り,データの変化に合わせて学習し直す作業を,開発と運用が一体になって継続的・自動的に回す考え方です。DevOps を機械学習に当てはめたものです。
- オブザーバビリティ(可観測性)予想問題へシステムが出すメトリクス・ログ・トレースから,内部で何が起きているかを推し量れる性質です。決めた項目を見張る監視と違い,想定していなかった問題の原因まで探れることを目指します。
- Kubernetes(コンテナオーケストレーション)予想問題へたくさんのコンテナを複数のサーバで動かすときの配置・再起動・台数の増減・入替えを自動で行う,オープンソースのコンテナオーケストレーションツールです。「あるべき状態」を宣言しておくと,実際の状態をそこへ近づけ続けます。
- GX(グリーントランスフォーメーション)予想問題へ化石燃料中心の経済や社会を,温室効果ガスを出さないクリーンエネルギー中心へ転換し,脱炭素と経済成長を両立させる取組みです。日本では GX 推進法のもとで,排出量取引制度の参加が2026年度から一部の企業に義務付けられました。
- 説明可能なAI(XAI)と AI ガバナンス予想問題へAI がなぜその答えを出したのかを人が理解できるようにする技術(XAI)と,AI を公平・安全に使うための原則やルールの整え方(AI ガバナンス)です。シラバス Ver.7.0 で「AI を利活用する上での留意事項」としてまとめて加わりました。
- データスペース予想問題へ企業や業界をまたいでデータを共有・連携するための仕組みです。データを一か所に集めず,各組織が自分のデータを管理したまま,共通のルールと信頼の仕組みのもとで,合意した相手にだけ使わせます。
- DevSecOps予想問題へ開発(Dev)と運用(Ops)が連携する DevOps の流れに,セキュリティ(Sec)の活動を最初から組み込む考え方です。検査を自動化して早い段階で繰り返す「シフトレフト」が中心になります。
- ハルシネーションと RAG予想問題へ生成AI が事実と異なる内容をもっともらしく出力するのがハルシネーションです。社内文書などを検索して回答の根拠として与える RAG(検索拡張生成)が,代表的な対策として広く使われています。
- 秘密計算とプライバシー強化技術(差分プライバシー・連合学習)予想問題へデータを暗号化したまま(中身を誰にも見せないまま)計算する技術です。統計の結果に雑音を加える差分プライバシー,データを集めずに学習する連合学習と合わせて,データを守りながら活用する技術(プライバシー強化技術)と呼ばれます。
- プロンプトインジェクション予想問題へ生成AI(大規模言語モデル)に読ませる文章に指示を紛れ込ませ,開発者や利用者が意図しない動作をさせる攻撃です。AI エージェントが広がり,被害が「誤った回答」から「勝手な操作」に広がっています。
シラバスに追加済み・出題あり(3語)
- 大規模言語モデル(LLM)と生成AI予想問題へ大量の文章で学習し,文脈から次に続く語を予測して文章を作る AI のモデルです。文章・画像などを作り出す生成AI の中心にあり,シラバスでは学習の手順の用語がまとめて加わりました。
- デジタルツインとサイバーフィジカルシステム(CPS)予想問題へ現実の工場や都市をセンサのデータでコンピュータの中に再現したものがデジタルツインです。そこで分析した結果を現実に返して役立てる仕組み全体をサイバーフィジカルシステム(CPS)と呼びます。午前で5回出題されています。
- ブロックチェーンの応用(スマートコントラクト・DAO・CBDC)予想問題へ改ざんしにくい分散型の台帳であるブロックチェーンを使って,契約を自動で実行するスマートコントラクトや,管理者のいない組織 DAO が生まれています。中央銀行が発行するデジタル通貨 CBDC とあわせて,シラバスに加わりました。
シラバスの用語例には無い(4語)
- AI エージェント予想問題へ目標を与えると,生成AI が手順を考え,検索・ファイル操作・プログラムの実行などの道具を使って作業を進める仕組みです。答えるだけの AI と違い操作の権限をもつので,権限と承認の設計が要になります。
- SASE(セキュアアクセスサービスエッジ)予想問題へネットワークの機能(SD-WAN など)とセキュリティの機能(SWG・CASB・ZTNA など)をまとめてクラウドから提供する考え方です。社内外のどこからでも,同じ方針で安全にクラウドや社内システムを使えるようにします。
- 能動的サイバー防御予想問題へ重大なサイバー攻撃のおそれがあるときに,被害が出る前に国が攻撃の兆しをつかみ,攻撃に使われるサーバなどを無害化する取組です。2025年に法律ができ,2026年10月1日に施行されました。
- プルリクエスト(Git のブランチとレビュー)予想問題へブランチで行った変更を主となるブランチに取り込む前に,レビューと自動テストを経て承認を得る仕組みです。Git を使う開発の標準的な流れで,CI/CD やソフトウェアのサプライチェーン対策とも結び付きます。
シラバスでの扱いの見方
IPA のシラバスに載っている用語は「用語例」で,出題の範囲を限るものではありません。用語例に無いまま出題された語(ゼロトラスト,パスキーなど)もあるので,「シラバスの用語例には無い」語も取り上げています。
シラバス(試験要綱)の改訂の年表
午前(科目A)の出題範囲に関わる最近の改訂です。公開日の下は試験要綱の版です。「当サイトで扱う用語」は,当サイトの予想問題のうち,その改訂でシラバスの用語例に加わった用語です。
| 公開日 | 主な変更 |
|---|---|
| 2023年12月25日より前 | この改訂の前の応用情報技術者試験シラバス Ver.6.3 の時点で,すでに用語例に載っていた 当サイトで扱う用語:EDR と XDR(侵入後の検知と対応),デジタルツインとサイバーフィジカルシステム(CPS) |
| 2023年12月25日 Ver.5.3 | IT パスポートを除く全区分の午前(科目A)の出題範囲を一部改訂。生成AI を含む AI の利活用,DevOps の周辺(DevSecOps・オブザーバビリティ・MLOps)などが加わった(応用情報技術者試験シラバス Ver.7.0) ペーパー方式では令和6年度秋期試験から適用 当サイトで扱う用語:SRE(サイト信頼性エンジニアリング),MLOps,オブザーバビリティ(可観測性),Kubernetes(コンテナオーケストレーション),GX(グリーントランスフォーメーション),説明可能なAI(XAI)と AI ガバナンス,大規模言語モデル(LLM)と生成AI,データスペース,DevSecOps,ハルシネーションと RAG,秘密計算とプライバシー強化技術(差分プライバシー・連合学習),ブロックチェーンの応用(スマートコントラクト・DAO・CBDC),プロンプトインジェクション |
| 2025年4月17日 Ver.5.4 | 午前(科目A)の出題範囲の一部用語を見直し |
| 2026年1月8日 Ver.5.5 | 午前(科目A)の出題範囲の一部用語を見直し(応用情報技術者試験シラバス Ver.7.2) |
| 2026年7月6日 Ver.5.6 | 応用情報技術者試験・高度試験・情報処理安全確保支援士試験を CBT 方式で実施 2026年10月の試験から適用 |
出典:IPA「試験要綱・シラバスについて」(試験要綱 Ver.5.6 の改訂履歴。2026年10月4日に確認)